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先進医療合同会議(令和3年8月5日)
(第101回先進医療会議、第120回先進医療技術審査部会)における先進医療Bの科学的評価結果
保険給付
保険給付されない
される費用※2 保険外併用
整理 医薬品・ 費用※1※2 その他
技術名 適応症等 申請医療機関 (「保険外併用 療養費分に 総評
番号 医療機器等情報 (「先進医療に係る (事務的対応等)
療養費に係る 係る一部負担金
費用」)
保険者負担」)
・粒子線治療装置
(住友重機械工業株式会社)
・陽子線治療システム PROBEAT-RT
(株式会社日立製作所)
・陽子線治療システム PROBEAT-Ⅲ
局所進行頭頸部扁
(株式会社日立製作所) 国立研究開発法人
平上皮癌に対する 局所進行頭頸部
・粒子線治療計画ソフトウェア VQA Plan 国立がん研究センター
化学療法同時併用 扁平上皮癌
151 (株式会社日立製作所) 東病院 207万8千円 82万3千円 38万4千円 適 別紙資料1
強度変調陽子線治 (喉頭癌、中咽頭癌、
・粒子線治療計画ソフトウェアEclipse (認定臨床研究審査委
療 下咽頭癌)
(Varian Medical Systems) 員会)
・シスプラチン(ランダ)
(日本化薬株式会社)
・シスプラチン
(ファイザー株式会社、日医工ファーマ、
日医工株式会社)
国立循環器病研究セ
急性期脳梗塞への 脳梗塞
・テネクテプラーゼ ンター 28万3千円
152 テネクテプラーゼ投 (発症から4.5時間以 166万円 71万8千円 適 別紙資料2
(Genentech社) (認定臨床研究審査委 (全額研究費負担)
与 内)
員会)
※1 医療機関は患者に自己負担額を求めることができる。
※2 典型的な1症例に要する費用として申請医療機関が記載した額。
【備考】
○ 先進医療A
1 未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術(4に掲げるものを除く。)
2 以下のような医療技術であって、当該検査薬等の使用による人体への影響が極めて小さいもの
(1)未承認等の体外診断薬の使用又は体外診断薬の適応外使用を伴う医療技術
(2)未承認等の検査薬の使用又は検査薬の適応外使用を伴う医療技術
○ 先進医療B
3 未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴う医療技術(2に掲げるものを除く。)
4 未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴わない医療技術であって、
当該医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの。
1
2
3
4
先進医療B評価用紙(第2号)
評価者 構成員:福田 敬 先生 技術委員:
先進技術としての適格性
先 進 医 療 局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する化学療法同時併用強度変調陽子
の 名 称 線治療
社会的妥当性 A. 倫理的問題等はない。
(社会的倫理 B. 倫理的問題等がある。
的 問 題 等 )
A. 罹患率、有病率から勘案して、かなり普及している。
現 時 点 で の
B. 罹患率、有病率から勘案して、ある程度普及している。
普 及 性
C. 罹患率、有病率から勘案して、普及していない。
既に保険導入されている医療技術に比較して、
A. 大幅に効率的。
効 率 性
B. やや効率的。
C. 効率性は同程度又は劣る。
A. 将来的に保険収載を行うことが妥当。なお、保険導入等の評価に際しては、
以下の事項について検討する必要がある。
保険収載にあたっては、既存の治療法との比較が適切に実施され
将来の保険収
ることが必要と考える。また、本治療には多額の費用がかかること
載 の 必 要 性
から、追加的にかかる費用に見合う効果が得られるかも検討すべ
きである。
B. 将来的に保険収載を行うべきでない。
総合判定: 適 ・ 条件付き適 ・ 否
コメント: 既存の治療との比較可能性を担保できる解析が必要と考えられる。ま
た、計画にあるとおり、将来的に既存の治療との直接比較を行う検証
試験の実施が望まれる。
総 評
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様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する化学療法同時併用強度変調陽子線治療
適応症:局所進行頭頸部扁平上皮癌(喉頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌)
内容:
局所進行頭頸部扁平上皮癌(喉頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌)を対象とした強度変調陽子線治療
(Intensity Modulated Proton Beam Therapy: IMPT)の治療後の患者QOL(生活の質;Quality
of Life)に影響する晩期有害事象発生割合を、X線による強度変調放射線治療(Intensity
Modulated Radiation Therapy: IMRT)のヒストリカルデータと比較することにより、IMPTの晩
期有害事象低減効果を評価する。
主要評価項目(Primary endpoint):IMPT完了/中止後2年時点でのGrade 2以上の晩期有害事
象発生割合
副次評価項目(Secondary endpoints):1)IMPT開始後2年時局所領域制御割合、2)IMPT開始
後2年時全生存割合、3)有害事象発生割合、4)重篤な有害事象(有害反応)発生割合、5)
IMPT治療完了後/中止後2年時QOL評価、6)最良治療効果判定
登録予定期間:先進医療告示後かつjRCT公表後〜3年6か月
観察予定期間:最終プロトコール治療完了/中止後2年
データ確定(クリーニング)及び解析期間:1年2か月
全臨床研究予定期間:先進医療告示後かつjRCT公表後よりjRCT結果公表まで(6年8か月)
予定症例数:75例
本試験のシェーマを以下に示す。
(先進医療にかかる費用)
本先進医療技術での総額は3,284,420円である。(陽子線治療35回照射で算出)
保険者負担額は822,519円であり、被保険者負担は2,078,000+383,901=2,461,901円であ
る。企業および研究費の負担はない。被保険者負担の内訳は先進医療にかかる費用が2,078,000
円、保険外併用療養費の一部負担金が383,901円である。
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先進医療技術名:局所進⾏頭頸部扁平上⽪癌に対する化学療法同時併⽤強度変調陽⼦線治療
医療技術の概略図
強度変調陽⼦線治療(IMPT)
ブロードビーム(散乱体法) スキャニング照射法
先進医療技術の対象となる部分
- スキャニング照射法を発展させ、1⾨内で⼀様でない(強
度変調)線量分布を複数⾨重ね合わせて⼀様な(均⼀な)
線量分布を得る⽅法。
- より複雑なターゲット形状に合わせて線量を集中できる。
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薬事承認申請までのロードマップ
(先進医療B)
試験機器(技術):陽子線治療装置(シスプラチン同時併用強度変調陽子線治療)
先進医療での適応疾患:局所進行頭頸部扁平上皮癌
先進医療B
申請医療機関
先行研究
での実施例
・ 試験名:局所進行頭頸部扁平上皮癌 第
に対する強度変調陽子線治療による晩
該当する試験は報告されていな
期有害事象低減効果に関する多施設共 III
い。類似の試験としては下記の臨 ・ 試験名:局所進行頭頸部扁 同臨床試験 保
床試験が米国で登録中である。 平上皮癌に対する強度変調放 ・ 試験デザイン:単群試験
相
・ 試験名:Randomized Trial of ・ 治療方法:化学療法同時併用
射線陽子線治療(IMPT)
Intensity-Modulated Proton 強度変調陽子線治療 険
試
・ 試験デザイン:パイロットスタ ・ 主要評価項目:IMPT治療完了/中止
Beam Therapy (IMPT) Versus
後2年時Grade 2以上の晩期有害事象発
Intensity-Modulated Photon ディ
生割合 験 収
Therapy (IMRT) for the ・ 期間:2018年10月 ・ 副次評価項目:急性期有害事象発生
Treatment of Oropharyngeal 割合、治療後2年時局所領域制御割合、 を
~2019年12月
Cancer of the Head and Neck 治療後2年時全生存割合、など 載
(NCT01893307) ・ 被験者数:3例 ・予定登録数:75例 検
・ 試験デザイン:2群比較試験 ・ 主要評価項目:有害事象 ・予定試験期間:承認後~6年8か月
・ 期間:2013年7月〜実施中 (登録期間:3年6か月、観察予定期間:最 討
・ 副次評価項目:局所領域制御 終プロトコール治療完了/中止後2年、
・ 被験者数:360例
データ確定(クリーニング)及び解析期 (##)
・ 対象:中咽頭癌(Stage III
間:1年2か月)
-IVA,B)
当該先進医療における #:化学療法に用いるシスプラチンは適応外使用であり、その薬事承認について
は学会からの申請要望(薬事承認申請)を検討中
選択基準:頭頸部扁平上皮癌(喉頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌)
##:主要評価項目は達成で、副次評価項目である2年時局所領域制御割合ま
UICC 第8版、2017年版によるcStage III/IV(p16陽性中咽頭
たは/共に2年時全生存割合が達成できなかった時は、総合的にIMPTが有望と判
癌ではstage II; T1-2N2またはT3N0を含める)
断されることを前提として本試験で得られた結果を第III相のデザインに反映予定
除外基準:1)活動性の重複がん、2)難治性の感染または全身的治
療を要する炎症性疾患、3) コントロール不良の糖尿病を合併、な 欧米での現状
ど
薬事承認:米国(有) 欧州(有)
予想される有害事象:口内乾燥、嚥下障害、誤嚥、粘膜炎、味覚 ガイドライン記載:(無) → 本邦で作成中
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不全、など
進行中の臨床試験(無)
先進医療 B 実施計画等評価表(番号 B118)
評価委員 主担当: 上村
副担当: 佐藤 副担当: 柴田 技術専門委員: -
先進医療の名称 急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与
申請医療機関の名称 国立循環器病研究センター
医療技術の概要 急性期脳梗塞の血栓溶解薬として、長年にわたって国内外
でアルテプラーゼのみが用いられてきた。近年心筋梗塞治
療薬としての血栓溶解薬テネクテプラーゼ(TNK)の脳梗塞
治療への科学的エビデンスが集積し、海外ガイドラインで
脳梗塞患者へのTNK使用が推奨され、臨床応用され始めた。
本研究により、発症後 4.5 時間以内の脳主幹動脈閉塞に
よる脳梗塞急性期患者における TNK の安全性を少数例で確
認したのち、有効性及び安全性をアルテプラーゼを対照と
して非マスキング無作為化並行群間比較試験にて検討し、
試験薬開始後早期の良好な血管再開通に関する優越性を証
明する。
○主要評価項目:[安全性検討フェーズ]投与開始後24~36
時間以内の症候性頭蓋内出血発現数 [比較検証フェーズ]
有効性主要評価項目:投与開始後の初回血管造影時の良好
な再開通(mTICIグレード2bまたは2cまたは3)あるいは
回収対象血栓がない患者の割合 安全性評価項目:投与開
始後 24~36 時間以内の症候性頭蓋内出血発現率および 90
日時点での全死亡率
○副次評価項目:[安全性検討フェーズ]早期の症候性頭蓋
内出血発現数(投与開始後 72 時間以内)[比較検証フェー
ズ]1)投与開始 72 時間後に ΔNIHSS≧8 の改善あるいは
NIHSS 0-1 に到達する割合、2)投与 90 日後 mRS(シフト解
析)、3)投与 90 日後 mRS 0-1 あるいは病前 mRS と変化なし
である割合、4)投与90日後mRS 0-2あるいは病前mRSと変
化なしである割合
○予定試験期間: jRCT公表日~2024年3月31日
(症例登録期間: jRCT公表日~2023年9月30日、
症例観察期間: jRCT公表日~2024年3月31日)
○目標症例数:223例
([安全性検討フェーズ] テネクテプラーゼ群のみ 3 例
[比較検証フェーズ] テネクテプラーゼ群、アルテプラー
ゼ群、各110例)
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【実施体制の評価】 評価者: 上村
1.実施責任医師等の体制 適 ・ 不適
2.実施医療機関の体制 適 ・ 不適
3.医療技術の有用性等 適 ・ 不適
コメント欄:(「不適」とした場合には必ず記載ください。)
実施責任医師等の体制、実施医療機関の体制については、脳卒中を専門的に診て
いる施設であれば、十分可能である。
医療技術の有用性については、一定の有用性(標準治療であるアルテプラーゼで
の血栓溶解療法に対する優越性)が期待できる。一方で、少なくとも、海外におい
ても、テネクテプラーゼの適応症は急性心筋梗塞であって脳梗塞患者への使用はオ
フラベルであることは理解しておく必要がある。
これまでに複数の臨床試験において脳梗塞患者を対象としてテネクテプラーゼと
アルテプラーゼでの血栓溶解療法の比較がなされてきた。それらの中で、ひとつの
試験(EXTEND-IA TNK 試験)以外では、テネクテプラーゼのアルテプラーゼに対す
る優越性が示されているわけではない。EXTEND-IA TNK 試験においては、脳梗塞患
者に対するテネクテプラーゼによる血栓溶解療法とアルテプラーゼによるそれを
比較し、テネクテプラーゼが血栓除去術施行前の再灌流をより改善したという結果
が得られている。例えば米国の学会ガイドライン最新版(AHA/ASA Guideline:
Guidelines for the Early Management of Patients With Acute Ischemic Stroke:
2019 Update to the 2018 Guidelines for the Early Management of Acute Ischemic
Stroke)では、EXTEND-IA TNK 試験の結果を反映した治療薬選択が推奨されている。
本試験は、EXTEND-IA TNK 試験を参考にデザインされており、本試験の結果は、ポ
ジティブであっても、そうでなくても、我が国のみならずグローバルレベルでの治
療戦略に対するエビデンスとなりえる。
実施条件欄:(修正すれば適としてよいものは、その内容を記載ください。)
安全性に関わるモニタリング等について
安全性については、過去の海外の実績を鑑みると、特に大きな懸念はないものの、
本試験が、日本人に初めて投与される First-in-Japanese試験であることから、十
分な安全性へのモニタリングを実施するとともに、適当なタイミングで試験継続の
可否についても評価すべきであろう。例えば、最初の 40 例(N=20/group)の安全
性を評価したうえで、効果安全性評価委員会の判断を仰ぐなどの、方法も取るのも
一つのオプションである。
その他(マイナー)
とくに主要仮説(再灌流率が14%上乗せされること)に対するの臨床的な妥当
性、必要なN数と検出力については、実施計画書の中でしっかりと議論しておく必
要がある。
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【倫理的観点からの評価】 評価者: 佐藤
4.同意に係る手続き、同意文書 適 ・ 不適
5.補償内容 適 ・ 不適
コメント欄:(「不適」とした場合には必ず記載ください。)
本先進医療は、臨床研究法 9 条および施行規則 50 条(説明及び同意が不要な場
合)には当たらないので、原則通り患者本人の同意か代諾が必要となるが、これに
よる血栓溶解療法の遅れがないように留意されている。また、別途先進医療会議の
新井構成員から指摘のあったアルテプラーゼ群の薬剤負担については、標準的治療
法と同程度の効果が期待できることから許容できるものと考える。補償内容、相談
体制等も適切と思料する。
実施条件欄:(修正すれば適としてよいものは、その内容を記載ください。)
【試験実施計画書等の評価】 評価者: 柴田
6.期待される適応症、効能及び効果 適 ・ 不適
7.予測される安全性情報 適 ・ 不適
8.被験者の適格基準及び選定方法 適 ・ 不適
9.治療計画の内容 適 ・ 不適
10.有効性及び安全性の評価方法 適 ・ 不適
11.モニタリング体制及び実施方法 適 ・ 不適
12.被験者等に対して重大な事態が生じた場合の 適 ・ 不適
対処方法
13.試験に係る記録の取扱い及び管理・保存方法 適 ・ 不適
14.患者負担の内容 適 ・ 不適
15.起こりうる利害の衝突及び研究者等の関連組織 適 ・ 不適
との関わり
16.個人情報保護の方法 適 ・ 不適
コメント欄:(「不適」とした場合には必ず記載ください。)
本試験の意義自体は認めうるものであること、実施体制等に鑑み試験実施が不適
切とは言えないが、試験実施計画書の変更が必要である。事前の照会回答で対応が
なされたもの以外に、以下の点について対応したうえでの実施が必要と考える。
① 被験者保護の観点から、比較検証フェーズに関して、事前に登録継続の可否を
検討するタイミングを定め、具体的な手順・意思決定方針(統計学的な判断基
準の明示を求めるものではない)を試験実施計画書に定めること。許容できな
い重篤な有害事象が発生した場合、あるいは、有害事象の発生頻度や内容がテ
ネクテプラーゼ群で想定を越えていた場合などは、被験者の登録を一時停止す
る・中止するなどの対応が必要になり、本試験を用量設定等に不確実性が残る
状況で実施せざるを得ないのであれば、それに対応する試験計画上の対策を講
じるべきである。
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② 試験遂行上の重要な意思決定に係る規定、多施設共同臨床試験として実施する
にあたり混乱を回避するための規定が不十分であり、改訂を要する。例えば本
試験のデザイン設定根拠については、PMDA等との事前の相談を踏まえ、最終的
の本デザインを採用するに至った理由を含め記す必要がある。また、重篤な有
害事象報告の方法や中央モニタリング結果の意思決定への反映方法等が具体性
を欠くことから、適切に試験進捗を管理出来る・参加医療機関が誤解無く試験
を遂行できるよう記載整備が必要である。
③ 薬事承認申請までのロードマップにおける本試験の位置づけ、並びにテネクテ
プラーゼに係る状況を考えると、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検
討会議」に対する開発要望を現時点で出さない理由について明確にする必要が
ある。
試験実施計画書は一つの臨床試験のプロトコールとして見る限り質が低いもの
ではないが、開発ロードマップの中のひとつのピースとしての本試験の位置づけ
(用量設定の情報が少ない、本来的には治験が実施されるべきものである、など)
に鑑み被験者保護の観点から不十分な点がある。また、多施設共同臨床試験である
こと、研究支援体制が本試験のためだけに運用されているわけではないこと、等を
踏まえると、現在の試験実施計画書で本試験を実施することは混乱を生じさせる可
能性が高い。以上から、事前の改訂を要するものと判断した。
実施条件欄:(修正すれば適としてよいものは、その内容を記載ください。)
上記に対して適切に対応が取られる必要がある。
【1~16の総評】
総合評価 適 条件付き適 継続審議 不適
予定試験期間:jRCT公表
日~2024年3月31日
(症例登録期間:jRCT公
予定症例数 223例 予定試験期間
表日~2023年9月30日、
症例観察期間:jRCT公表
日~2024年3月31日)
実施条件:
試験実施計画書等の評価を反映した修正が必要
コメント欄(不適とした場合は、その理由を必ず記載ください。)
(修正すれば適となる場合は、修正内容を記載ください。)
このプログラムの最大の問題点は、テネクテプラーゼ自体が国内未承認薬である
ために、本試験の結果が仮にポジティブであったとしても、すぐには国内での臨床
使用につながらない点であろう。申請者の考えている薬事承認へ向けた開発戦略と
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本会議も含む規制側の考え方、さらには製造元の考え方が同じ方向を向いていない
のであれば、承認申請へむけた明確な意思決定につながらない試験として終わる可
能性がある。試験自体のサイエンティフィックな価値は否定できないが、新しい治
療法の選択に直結しない臨床試験として終わるのであれば、多くのリソースや時間
を費やして実施する意味があるのか、十分な議論が必要。結果がポジティブであれ、
ネガティブであれ、大きな意思決定につながらないまま、試験終了後に結局は将来
の治験としてのやり直しが要求されるのであれば、最初から治験でやるべきであろ
う。先進医療の結果によって、クリティカルな意思決定(=承認申請への Go
Decision)ができるのか、制度の在り方も含めて先進医療での臨床試験の意味が問
われていると思う。
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先進医療B評価用紙(第2号)
評価者 構成員:新井 一 先生 技術委員:
先進技術としての適格性
先 進 医 療
急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与
の 名 称
社会的妥当性
○A.倫理的問題等はない。
(社会的倫理
B. 倫理的問題等がある。
的 問 題 等 )
A. 罹患率、有病率から勘案して、かなり普及している。
現 時 点 で の
B. 罹患率、有病率から勘案して、ある程度普及している。
普 及 性
○C.罹患率、有病率から勘案して、普及していない。
既に保険導入されている医療技術に比較して、
A. 大幅に効率的。
効 率 性
○B.やや効率的。
C. 効率性は同程度又は劣る。
○A.将来的に保険収載を行うことが妥当。なお、保険導入等の評価に際しては、
以下の事項について検討する必要がある。
今回申請の先進医療を実施しその結果をもとに、未承認薬迅速実用
将来の保険収
化スキームに則り最終的には企業による治験を実施することが望まし
載 の 必 要 性
い。
B. 将来的に保険収載を行うべきでない。
総合判定: ○適 ・ 条件付き適 ・ 否
コメント: 試験実施計画書にも記載されているように、テネクテプラーゼは海外ではガ
イドライン等で推奨されており、将来的にはアルテプラーゼに取って代わる可能性が
ある注目度の高い薬剤である。したがって、テネクテプラーゼの安全性・有効性を確認
総 評
するためには、先進医療ではなく治験としての実施が優先されるべきである。しかしな
がら、テネクテプラーゼの販売権を有する製薬メーカーはいずれも、現時点では本邦
において本薬剤を販売する意思を有しておらず、治験にも消極的とのことである。この
ような事情を鑑み、今回の先進医療への申請を適と判断した。
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様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与
適応症:発症から4.5時間以内の脳梗塞
内容:
(先進性) 急性期脳梗塞の血栓溶解薬として、長年にわたって国内外でアルテプラーゼのみが
用いられてきた。近年心筋梗塞治療薬としての血栓溶解薬テネクテプラーゼ(TNK)の脳梗塞治
療への科学的エビデンスが集積し、海外ガイドラインで脳梗塞患者へのTNK使用が推奨され、
臨床応用され始めた。今後TNKの需要拡大とともに、アルテプラーゼの製造縮小・中止が懸念
される。一方で国内において、TNK の販売権を有する法人がなく、このため開発試験が行われ
ずに来たため、今後国内で血栓溶解療法をできなくなる事態も起こり得る。本研究により、国内
で TNK が脳梗塞急性期に対して有効かつ安全であることを示し、TNK を国内に導入する根拠
となるデータを示す必要がある。
(概要)
脳梗塞急性期に対して、血栓溶解薬テネクテプラーゼの有効性と安全性を確立する。具体的には、
発症後4.5時間以内の脳主幹動脈閉塞による脳梗塞急性期患者におけるテネクテプラーゼの安全
性(症候性頭蓋内出血の有無及び凝固線溶系マーカー)を少数例で確認(安全性検討フェーズ)
する。その後、有効性(脳主幹動脈閉塞の再開通効果)及び安全性をアルテプラーゼを対照とし
て非マスキング無作為化並行群間比較試験にて検討し、試験薬開始後早期の良好な血管再開通に
関するテネクテプラーゼのアルテプラーゼに対する優越性を証明する。主要評価項目は、投与開
始後の初回血管造影時の良好な再開通、あるいは回収対象血栓がない患者の割合、投与開始後24
〜36 時間以内の症候性頭蓋内出血発現率および 90 日時点での全死亡率である。副次評価項目
は、投与開始72時間後に神経症候が劇的改善する割合、投与90日後修正ランキン尺度(mRS、
シフト解析)、投与 90 日後 mRS 0-1 あるいは病前 mRS と変化なしである割合、投与 90 日後
mRS 0-2あるいは病前mRSと変化なしである割合である。
・介入内容:TNK(0.25 mg/kg)またはアルテプラーゼ(0.6 mg/kg)の静注(1:1)。
・目標症例数:[安全性検討フェーズ] TNK群のみ3例。 [比較検証フェーズ] TNK群、ア
ルテプラーゼ群、各110例。
(効果) 豪州の同種試験 EXTEND-IA TNK に基づけば、TNK 投与により初回血管造影時の
良好な再開通率は倍増し、転帰良好率は 8%増え、安全性に問題ないことが期待される。これに
より対象症例の生命・機能予後の改善、要介護症例の減少が期待でき、医療費や介護費の抑制に
繋がり、また従来の点滴投与から単回ボーラス静注投与に替わることで医療者の負担も減る。本
技術は新規設備投資の必要なく導入可能で、医療経済的にメリットがある。
(先進医療にかかる費用) 本研究に係る総費用は 2,661,124円である。このうち先進医療に係
る費用は 283,292円で、すべて研究費で負担する。その他脳梗塞の治療や検査、リハビリテーシ
ョンや対照薬アルテプラーゼ等は保険適用であるため、通常の保険診療と同様に患者が一部負担
することになる。よって、患者負担額は、717,762円である(3 割負担の場合)。
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試験の概略
A群:テネクテプラーゼ
0.25mg/kg(110例)
テネクテプラーゼはアルテプラーゼよりフィブリン
親和性が高く、半減期が長く、ボーラス投与が可能
発症前mRS 3以下
であり、血管の再灌流率を高められる可能性がある
年齢は20歳以上で上限なし、
発症4.5時間以内に試験薬投与可能かつ
B群:アルテプラーゼ
発症6時間以内に血栓回収療法が開始可能
0.6mg/kg(110例)
発症4.5時間以内の脳主幹動脈閉塞による脳梗塞急性期に対して、血栓溶解薬テネクテプラーゼの有効性と安全
性を、標準治療であるアルテプラーゼとランダム化比較において評価し、テネクテプラーゼのアルテプラーゼに
対する優越性を証明する。
主要評価項目:初回確認脳血管撮影時の有効再開通(mTICI 2b/2c/3)の割合
副次評価項目:90日後の患者自立度 modified Rankin Scale、死亡率、早期の症候性頭蓋内出血
事前に安全性検討相として3例に対してテネクテプラーゼ 0.25mg/kgを投与し、安全性主要評価として投与開始後
24〜36時間以内の症候性頭蓋内出血がないことを独立効果安全性評価委員会に報告し承認を受けた後に、先進医療
技術審査部会において承認を受け上記の比較検証相へと進める。
予定登録数:223例(安全相:テネクテプラーゼ3例、比較相:テネクテプラーゼ110例、アルテプラーゼ110例)
登録期間:約2年(jRCT公表日から2023年9月まで)
追跡期間:登録終了後2024年3月まで
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新規血栓溶解薬テネクテプラーゼの薬事承認までのロードマップ
臨床研究 先進医療
関連学会
より
ガ 未承認・ 薬
• 国内臨床試験なし • 試験名:T-FLAVOR エ イ 適応外薬
事
• 海外で7本のRCTが実施され、 • 試験デザイン:2群間無作為化比較試験 ビ 検討会議
ド
に要望
うち5本のメタ解析公表済 • 期間:jRCT公開後〜2024年3月31日 デ 承
ラ
• 被験者数:メタ解析対象となった • 被験者数:安全性確認相3名、RCT相 ン
認
イ
5本のRCTの被験者総計 1,585名 220名の計223名 ス 協力企業
• 結果の概要:アルテプラーゼと同 • 主要評価項目:試験薬投与後 脳血管 確 ン が現れれ 申
等の有用性(最新試験では 従来 造影時の再開通割合 立 収 ば企業治 請
のアルテプラーゼよりも有効) • 副次評価項目:90日後mRSなど 載 験を実施
(可能性
は低い)
当該先進医療における
欧米での現状
選択基準:発症4.5時間以内にtPA投与可能な脳 薬事承認:米国(有・無) 欧州(有・無)(いずれも心筋梗塞に対して)
梗塞患者で主幹脳動脈閉塞を有する患者 ガイドライン記載:(有・無)
除外基準:血栓溶解療法の禁忌項目を有する患 →有りならば概要:急性期脳梗塞に対してアルテプラーゼと同等
者、脳血管造影のできない患者 進行中の臨床試験(有・無)
→有りならば概要:急性期脳梗塞に対してアルテプラーゼとの比較試験
予想される有害事象:重篤な出血、虚血、痙攣
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
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正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。