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総-1 入院・外来医療等の調査・評価分科会における検討結果

総会 第618回 / 2025-10-01 開催 / 79ページ

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中 医 協 総 ― 1 7 . 1 0 . 1 入院・外来医療等の調査・評価分科会における検討結果 (とりまとめ) 令和7年10月1日 入院・外来医療等の調査・評価分科会 分科会長 尾形裕也 Ⅰ. 概要 ○ 診療報酬調査専門組織の一つである「入院・外来医療等の調査・評価分科会」(以 下「分科会」という。)は、令和6年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見等に関 する事項等について、技術的な課題に関して専門的な調査及び検討を行うこととさ れている。 ○ こうした事項等について、「令和6年度入院・外来医療等における実態調査」等に 基づき検討を行い、令和7年7月 31 日に中間とりまとめを行い、8月6日総会に 中間報告を行った。 ○ 今般、総会における御意見及び「令和7年度入院・外来医療等における実態調査」 の結果等も踏まえ、更なる検討を行い、分科会として下記のとおり検討結果のとり まとめを行った。 《目次》 1. 急性期入院医療について(別添資料① P7~P84) ......................................... 2 2. 高度急性期入院医療について(別添資料① P85~P121) .................................... 6 3. DPC/PDPSについて (別添資料① P122~P152、診調組 入-1参考6-1) ................. 10 4. 包括的な機能を担う入院医療について(別添資料② P2~P77) ............................ 13 5. 回復期リハビリテーション病棟入院料について(別添資料② P78~P112) ................... 21 6. 療養病棟入院基本料等について(別添資料② P113~P143) ................................ 25 7. 重症度、医療・看護必要度について(別添資料② P144~P193) ............................ 29 8. 救急医療について(別添資料③ P2~P27).............................................. 33 9. 入退院支援について(別添資料③ P28~P89) ............................................ 35 10. 働き方・タスクシフト/シェアについて(別添資料③ P90~P204) ....................... 38 11. 病棟における多職種でのケアについて(別添資料③ P205~P244) ........................ 43 12. 外来医療について (別添資料④ P2~P104) ......................................... 47 13. 情報通信機器を用いた診療について (別添資料④ P105~P124) ........................ 53 14. 入院から外来への移行について (別添資料④ P125~P138) ............................ 54 15. 賃上げ・処遇改善について (別添資料④ P139~P159) ................................ 56 16. 人口・医療資源の少ない地域における対応 (別添資料④ P160~P169) .................. 57 17. 個別的事項(別添資料⑤ P2~P199) ................................................ 58 18. 中長期的に検討すべき課題について .................................................. 74 1 Ⅱ.検討結果の概要 1. 急性期入院医療について(別添資料① P7~P84) ○ 看護配置7対1の入院基本料の届出病床数は平成 26 年以降減少傾向となり、 その後横ばいであったが、令和5年から再び減少傾向となり、令和6年に大き く減少した。 ○ 急性期一般入院料2~6については、平成 24 年以降、令和5年まで減少傾向 であったが、令和6年に増加した。 ○ 急性期一般入院料1を算定している病院のうち、約半数は地域包括ケア病棟、 回復期リハビリテーション病棟、又は療養病棟を届け出ているケアミックス病 院となっている。 ○ 20万人未満の二次医療圏では約8割の医療圏で、急性期充実体制加算や総合入 院体制加算を届け出ている病院がない一方で、20万人以上の二次医療圏では、 9割以上の医療圏で、急性期充実体制加算又は総合入院体制加算のいずれかを 届け出ている病院があった。 ○ 急性期入院医療を評価する DPC 制度について、DPC 制度により算定する病床は、 急性期一般入院基本料等に該当する病床の約85%を占める一方で、急性期一般 入院基本料の届出を行う医療機関のうち、約 1,800 の医療機関は、DPC 制度に 参加しておらず、出来高による算定を行っている。 ○ 新たな地域医療構想における検討において、「治す医療」と「治し、支える医 療」の医療機関単位での役割分担を明確化し、医療機関の連携・再編・集約化 を推進するため、医療機関機能を報告する仕組みを創設することとされ、急性 期医療に関連する機能として、「高齢者救急・地域急性期機能」、「急性期拠点 機能」、「専門等機能」等が報告することとされた。 1-1.一般的な急性期機能について(別添資料① P24~P46) ○ 急性期一般入院料1を算定している病院について、同様の規模の許可病床数の 医療機関であっても、救急搬送受入件数や手術実施件数にばらつきが見られた。 ○ 人口 20 万人未満二次医療圏では、救急搬送件数は比較的多くないものの、地 域の救急搬送の多くをカバーしている最大救急搬送受入医療機関の地域シェア 率(当該医療機関の年間救急搬送受入件数/所属二次医療圏内の全医療機関の 合計救急搬送受入件数)は高い傾向にあった。 ○ 年間 1500 件を超える救急搬送受入のある病院を持つ医療圏は 113 医療圏、年 間 1200 件を超える救急搬送受入のある病院を持つ医療圏は 127 医療圏であっ た。 ○ 全身麻酔手術を年間 500 件以上実施している病院のうち、救急搬送件数 500 件 未満の病院では、急性期充実体制加算対象手術件数がわずかである病院が多く みられた。 ○ 夜間・深夜の救急搬送受入割合は、急性期一般入院料1算定病院で高かった。 2 また、急性期一般入院料1を算定している病院においても深夜の受入割合にば らつきがあり、深夜の受入割合は 10~30%である病院が多かった。 ○ 急性期一般入院料1算定病院では、救急搬送受入件数が多くなるほど、医業収 益、医業費用ともに大きくなっている。 ○ 医業利益率についても、救急搬送受入件数によってばらつきがあり、救急搬送 受入件数が多い病院では低い傾向にあった。 ○ 一定の救急搬送受入件数の病院を見ると、救急搬送受入件数、全身麻酔手術が いずれも多い病院で、包括範囲出来高点数の中央値が高かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 小さな二次医療圏において、救急搬送の評価をどうするかという視点から、救 急車の受入実態に応じた診療報酬上の評価を行うということも重要との意見が あった。 ○ 人口や医療機関の規模を考えた際に、患者数だけでなく、地域におけるシェア も考えていくべきとの意見があった。その際、5疾病6事業等で二次医療圏と は違う圏域であることや、他県からの流入についても配慮すべきとの意見があ った。 ○ 急性期の機能として高度な手術等は待つことや他の地域で治療を受けることも できるが、救急医療に関してはできないので、特に救急医療を評価すべきでは ないかとの意見があった。 ○ 人口 20 万人未満の二次医療圏を支える医療機関を評価する仕組みが重要との 意見があった。 ○ 急性期入院医療の標準化を進めるという DPC 制度の本来の目的や、地域で医療 の機能を担っていることを正しく評価する観点から、急性期の一般病棟は DPC 制度に参画することが望ましいのではないかとの意見があった。 ○ 夜間・深夜の受入割合は病院によってかなり差が大きいので、救急に関しては、 24時間対応できているかどうかということも高く評価すべき項目なのではない かとの意見があった。 ○ 急性期一般入院料2~6は救急搬送が 1000 件未満に集中しているが、急性期 一般入院料1でも 1000 件未満の病院が相当数ある。また、救急搬送や全身麻 酔手術が多いほど出来高点数が高く、同じ入院料1のなかでも医療資源投入量 に差があるとの意見があった。 ○ 専門病院や子ども病院と一般の病院で少し状況が異なることには配慮する必要 があるかもしれないが、医療機関の機能という観点から、入院料1を今までど おり一つのグループとして扱うべきではないのではないかとの意見があった。 ○ 救急搬送件数が増加するほど、医業費用が増加し、医業利益や経常利益が悪化 するため、抜本的な見直しや、こうした施設を維持するための評価が必要との 意見があった。 3 1-2.拠点的な急性期機能について(別添資料 ① P47~P78) ○ 人口規模の大きな二次医療圏で救急搬送件数も多くなる傾向があり、急性期充 実体制加算や総合入院体制加算の多くは、人口 20 万の二次医療圏より大きな 医療圏で算定されていた。 ○ 救急搬送件数 4000 件の病院では、多くの病院が急性期充実体制加算又は総合 入院体制加算を算定していた。 ○ 急性期充実体制加算や総合入院体制加算を算定していない、救急搬送件数がそ れほど多くない病院でも、地域の救急搬送件数の半数以上をカバーする病院が あった。 ○ 総合入院体制加算・急性期充実体制加算を算定している病院では、その他の病 院と比較して、より複数の診療科を標榜し、入院医療を提供する傾向があり、 同規模の病院においてカバー率指数も高い傾向があった。 ○ 総合入院体制加算1と急性期充実体制加算1は救命救急センター等の救急の体 制整備や全身麻酔手術件数等で共通する基準があるほか、総合的な診療体制に ついては総合入院体制加算1でのみ求められる施設基準があり、手術実績等に ついては、急性期充実体制加算1でのみ求められる施設基準がある。 ○ 加算の対象となる 14 日間で算定できる点数の総額は、総合入院体制加算1は 急性期充実体制加算1と比較して低くなっている。 ○ 人口の少ない地域では、総合的な機能を求められているものの、地理的な事情 から、地域の症例や医療従事者を集約してもなお、実績要件等の基準を満たす ことが困難な医療機関があると考えられ、総合入院体制加算3を届け出ている 病院の約15%は人口の少ない地域に属していた。 ○ 常勤心臓血管外科医が1~2人のほとんどの病院で、急性期充実体制加算の対 象となる心臓血管外科手術が実施されておらず、3~5人の病院では、全国の 第一四分位点でも 55 件/年実施されている。また、心臓血管外科手術 50 件未 満では、心臓血管外科医が1~2人の施設の割合が多く、50~60件以上では3 人以上の施設の割合が多い。 ○ へき地医療拠点病院の約半数は、20万人未満二次医療圏に所在しており、総合 入院体制加算や急性期充実体制加算を届け出ていないものの、主要3事業を実 施しており、加算算定病院と実施状況に大きな違いは見られなかった。 ○ 同一の病院で比較すると、特に急性期充実体制加算を届け出た病院で、精神病 床届出施設数がやや減少する傾向がみられる。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 医師の供給の観点から、人的な資源、効率的な運用という点で、中小規模の病 院にくまなく配置するというより、働き方改革等も踏まえ、集約化も行ってい くべきとの意見があった。 ○ 人口規模 20 万人の医療圏で救急搬送患者の地域外流出を見るといった意味で、 4 それを加味した地域内シェア、その地域の中で完結している患者における地域 内シェアのデータも重要との意見があった。 ○ 総合性については、新たな地域医療構想では急性期拠点機能として明示されて いないが、今後、地域医療を行うという観点から、この拠点での重要な要素で はないかとの意見があった。 ○ DPC 制度において、入院基本料と総合入院体制加算、急性期充実体制加算との 関係を組み合わせて、新たに病院群の定義を検討することもあり得るのではな いかとの意見があった。 ○ 総合入院体制加算と急性期充実体制加算は、施設基準として共通する部分が多 く、実績要件の充足状況については、総合入院体制加算1と急性期充実体制加 算1、総合入院体制加算2と急性期充実体制加算2が似ている。また、総合入 院体制加算と急性期充実加算の病院を一体的に見ると、実績要件を満たす項目 が多いほど、病床数、常勤医師数、救急搬送、全身麻酔手術が多く、より拠点 的な急性期の病院という見方ができるのではないかとの意見があった。 ○ 総合入院体制加算と急性期充実体制加算の経緯は異なるが、地域医療における 役割をわかりやすく示すためにも、精神医療等の必要な要件を組み入れつつ、 各評価の趣旨を生かして統合して見直すことも考えられるのではないか。その 際には、心臓血管外科などの専門特化型と総合型で一長一短があることを考慮 して、検討する必要があるのではないかとの意見があった。 ○ 総合入院体制加算3は実績要件をあまり満たしていないが、人口の少ない地域 で届出が多いことも踏まえ、地域性に一定の配慮をすることや、人口 20 万人 の医療圏でも、1病院は算定できて、一定の地域医療を支えることができるよ うに、地域性に配慮しつつ、例えばシェアを踏まえた評価や、人口の少ない地 域用の評価体系等について、整理してはどうかとの意見があった。 ○ 病院に勤務する精神科医が減少しており、総合病院に精神科病床がない二次医 療圏が多く存在しているため、精神科医療提供体制を考慮して検討する必要が あるのではないかとの意見があった。 1-3.その他(別添資料① P79~P84) ○ 専門病院については、許可病床数別に見ると、200 床以上の病院と比較して、 200床未満の病院で専門病院の割合が多い。 200床未満の専門病院では、救急 搬送件数が少ないものの、全身麻酔手術件数が多い病院が見受けられた。 ○ 有人離島からなる二次医療圏の病院では、救急搬送受入件数が少なく、年間 3000件を超えるような病院がなかった。 ○ 子ども病院では、同じ救急搬送件数を受けている一般病院と比較して全身麻酔 手術件数が多い傾向にある一方で、救急搬送件数の地域シェア率が1/4を超 える医療機関はなかった。 5 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 子ども病院は、新生児の救急搬送が減っており、一般的な成人を診療する病院 とは質が異なるので、別の枠で捉えることも必要ではないかとの意見があった。 ○ 離島において現場でできることは限られていると思われるため、現場の一線で 頑張っている医療機関や、流入を受け入れる医療機関を評価する必要性がある のではないかとの意見があった。 ○ 離島ではリモートの診療や患者搬送機能の向上等の資源を投入していくことが、 今後必要ではないかとの意見があった。 2. 高度急性期入院医療について(別添資料① P85~P121) 2-1.特定集中治療室等を有する病院について(別添資料① P86~P105) ○ 特定集中治療室管理料等の届出医療機関数と治療室の届出病床数は、長期的に はやや増加傾向である。 ○ 「特定集中治療室管理料」「ハイケアユニット入院医療管理料」を算定する病 院について、その多くが、「二次救急医療施設」「三次救急医療施設」であり、 約6割の病院が年間救急搬送件数 4,000 件以上であったが、一部には年間救急 搬送件数が 1,000 件未満である病院や、救急部門を有していない病院もあった。 ○ 年間全身麻酔実施件数は、多くの病院で 1,000 件以上であったが、一部には 500件未満の病院もあった。 ○ 「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」を算定する病院について、その多くが 「A205-2」超急性期脳卒中加算又は「K178-4」経皮的脳血栓回収術を一定回数 実施していたが、一部には、これらの治療を実施していない病院もあった。 ○ 「特定集中治療室管理料」「ハイケアユニット入院医療管理料」を算定した患 者の「医療資源を最も投入した傷病名」には、ばらつきがあった。 ○ 「特定集中治療室管理料」「ハイケアユニット入院医療管理料」を算定した患 者のうち、救急搬送され入院した患者は約 38%であり、全身麻酔を受けた患者 は約58%であった。いずれも受けていない患者は、約14%であった。 ○ 「救命救急入院料」 「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」では救急外来か らの入室が多く、「特定集中治療室管理料」 「ハイケアユニット入院医療管理 料」では救急外来に加えて手術室からの入室が多かった。また、いずれの区分 においても、急変による入室が一定割合存在した。 ○ 「特定集中治療室管理料」 「ハイケアユニット入院医療管理料」を算定する 治療室の重症な入室患者数は、年間救急搬送件数と軽度の正の相関があり、年 間全身麻酔実施件数と正の相関があった。 ○ 特定集中治療室においては、年間救急搬送件数が多い病院ほど、入室患者の1 日当たり医療資源投入量が高い傾向があった。また、年間全身麻酔実施件数が 多い病院ほど、1日当たり医療資源投入量が 2,500 点未満の患者数が多い一方 で、20,000 点以上の患者数も多い傾向があった。 6 ○ 特定集中治療室においては、年間救急搬送件数が 1,000 件以上 2,000 件未満の 病院では、年間全身麻酔件数が多いほど医療資源投入量の高い患者数が多い傾 向があった一方で、年間救急搬送件数が 1,000 件未満の病院では、年間全身麻 酔件数が多いほど医療資源投入量の高い患者数が少ない傾向があった。 ○ ハイケアユニットにおいては、年間救急搬送件数が 2,000 件以上の病院では、 入室患者の1日当たり医療資源投入量が高い傾向があった。年間全身麻酔実施 件数が多い病院では、入室患者の1日当たり医療資源投入量が低い傾向があっ た。 ○ 「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」を算定する治療室のうち、「頭蓋内圧 持続測定を必要とする患者」を原則受け入れ可能な治療室は約5割であり、 「脳梗塞に対する rt-PA 療法・血栓回収療法を受けた患者」を原則受け入れ可 能な治療室は約8割であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 集中治療室等の役割は、救急搬送された重症患者や術後患者の管理を担うこと である。これらの役割を踏まえると、救急部門の設置や一定の救急患者受入件 数、一定の全身麻酔手術の実施件数などの実績がある病院において、治療室が 必要となるのではないかとの意見があった。 ○ 救急搬送件数が多い病院では、特定集中治療室・ハイケアユニットの医療資源 投入量が多くなる傾向がある一方で、全身麻酔実施件数は、ハイケアユニット における医療資源投入量と逆比例している。全身麻酔実施件数が多い施設では、 各手術において安定した治療・術後管理が行われている結果として、個々の症 例に対する医療資源投入量が抑制されているのではないかとの意見があった。 ○ 年間救急搬送件数・全身麻酔実施件数と特定集中治療室・ハイケアユニットに おける医療資源投入量の関係は、例えば年間全身麻酔実施件数が 2,000 件以上 の病院に絞って特定集中治療室・ハイケアユニットの医療資源投入量を見てい くと、年間救急搬送件数が多いほど医療資源投入量が少ない患者割合が低く、 医療資源投入量が多い患者割合が高くなる傾向がある。特定集中治療室・ハイ ケアユニットを有する病院の在り方については、年間救急搬送件数・年間全身 麻酔実施件数の実績を指標として整理できるのではないかとの意見があった。 ○ 「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」を算定する病院について、超急性期脳 卒中加算、経皮的血栓回収術の実績がゼロないし少ない病院が一定数存在して いる。脳卒中ケアユニットは、rt-PA の投与、血栓回収術の実績が一定程度あ る病院が設置すべきという点について検討すべきではないかとの意見があった。 2-2.特定集中治療室管理料の医師配置要件について(別添資料① P106~P112) ○ 令和6年度診療報酬改定において、専任の医師を治療室へ常時配置することが 要件となっている入院料については、その専任医師について宿日直を行う医師 7 ではないことを明確化し、専任の医師を治療室へ常時配置する必要のない「特 定集中治療室管理料5、6」を新設した。 ○ 令和6年度診療報酬改定以降、新設した「特定集中治療室管理料5、6」の届 出医療機関・病床数が大幅に増加した。その多くの治療室において、変更前に は特定集中治療室管理料1~4が算定されていた。近年増加傾向であったハイ ケアユニット入院医療管理料の病床数は減少していた。 ○ 「特定集中治療室管理料1~4」から「特定集中治療室管理料5、6」へ届出 を変更した理由としては、「専任医師が当該治療室において宿日直勤務を行っ ており、交代勤務体制が組めないため」が最も多かった。 ○ 専任の医師に宿日直を行う医師が含まれる「特定集中治療室管理料5、6」と それ以外の区分において、処置・モニタリングに関連する項目や、患者状態に 関する項目に関する患者受入方針に大きな差を認めなかった。救急外来受診に 関する項目については、「特定集中治療室管理料1、2」において三次救急で 搬送された患者を受け入れている割合が比較的多い傾向があった。 ○ 集中治療の経験を5年以上有する医師は、当該医師の配置が要件とされていな い区分においても、一定の配置が行われていた。 ○ 「特定集中治療室管理料5、6」では、その他の区分と比較して、夜間・休日 に「その他の診療科の医師」を配置している割合が多かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 特定集中治療室には、医師が常時配置されている体制が、まずあるべき姿では ないかとの意見があった。 ○ 今後、救急医師の確保が一層困難となることが見込まれる状況を踏まえると、 特定集中治療室の医師配置要件は緩和する方向での検討が必要ではないかとの 意見があった。 ○ 現行の「治療室内に常時勤務」との要件は厳しいものであり、治療室外に医師 がいる場合であっても治療室の患者に対する適切な対応が可能な体制が整って いる場合もあるのではないかとの意見があった。 ○ 医師の働き方改革の趣旨を踏まえると、宿日直ではない体制の維持は必要であ る。一方で、医師の確保が困難である状況なども踏まえた上で、集中治療室の あるべき姿について検討を進める必要があるのではないかとの意見があった。 ○ 「特定集中治療室管理料5、6」とそれ以外の区分において、処置・モニタリ ングに関連する項目や、患者状態に関する項目に関する患者受入方針に大きな 差を認めなかったことを踏まえると、特定集中治療室の区分によって、機能的 な点では大きな差異はないのではないか。一方で、救急患者の受け入れ状況は 各区分に差があり、これは病院の規模が小さい等の理由から受入れができない 救急重症患者がいることを示しているのではないかとの意見があった。 8 2-3.特定集中治療室遠隔支援加算について(別添資料① P113~P117) ○ 令和6年度診療報酬改定において、「特定集中治療室管理料5、6」において、 遠隔モニタリングにより「特定集中治療室管理料1、2」の届出を行う施設か ら支援を受けることを評価する「特定集中治療室遠隔支援加算」を新設した。 ○ 「特定集中治療室遠隔支援加算」は、被支援側の医療機関の所在について直接 的な要件はないものの、被支援側への支援を行う医療機関について、その支援 する医療機関に、医師少数区域又は医療資源の少ない地域に所在する医療機関 が含まれていることを要件としている。 ○ 「特定集中治療室管理料5、6」を算定する医療機関のうち、医師少数区域又 は医療資源の少ない地域に所在するものは、全国に25箇所であった。 ○ 「特定集中治療室遠隔支援加算」を算定する医療機関について、医師少数区域 又は医療資源の少ない地域に立地する医療機関は1施設のみであり、それ以外 の医療機関は4施設であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 地域において必要な役割を果たしている集中治療室であることを前提として、 集中治療を専門とする医師等の不足が見込まれる地域に対しては、遠隔支援を 活用することが有効であると考えられるとの意見があった。 ○ 集中治療を専門とする医師の確保が困難な状況であり、医師少数区域以外にも このような医師が不足している地域があることが予想されるとの意見があった。 2-4.重症患者対応体制強化加算について(別添資料① P118~P121) ○ 重症患者対応に係る体制について、重症患者に対する 24 時間体制の医療提供 や、専門性の高い看護師・臨床工学技士の手厚い配置、重症患者への対応力向 上を目的とした院内・院外研修等を評価する「重症患者対応体制強化加算」が ある。 ○ 特定機能病院は、急性期充実体制加算を届け出ることができないため、急性期 充実体制加算の届出が要件となっている重症患者対応体制強化加算の届出がで きない。 ○ 特定機能病院において「重症患者対応体制強化加算」を届出できない理由を聞 いたところ、「急性期充実体制加算を届け出ていない」が82.9%と多い一方で、 その他の理由についてはいずれも 20%未満であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 「重症患者対応体制強化加算」の施設基準において、「急性期充実体制加算」 の届出医療機関であることが要件となっていることにより、特定機能病院が当 該加算を算定できない。特定機能病院が算定対象外となる理由や意義について 見直すべきではないかとの意見があった。 9 3. DPC/PDPS について (別添資料① P122~P152、診調組 入-1参考6-1) ○ 令和6年度診療報酬改定後、地域包括医療病棟等への病棟再編を伴う DPC 制度 からの退出等により、DPC対象病院数は減少している。 ○ DPC 対象病院の内訳は経時的に変化しており、DPC 対象病院のうち、全許可病 床に占める DPC 算定を行う病床(以下、「DPC 算定病床」という。)の割合が 50%未満の病院は増加傾向にある。 ○ また、DPC 算定病床以外の病床を保有する DPC 対象病院数も、高い水準で推 移している。 3-1.機能評価係数Ⅱについて(別添資料① P126~P139) ○ 複雑性係数については、令和6年度診療報酬改定に向けた議論において、診療 対象とする診断群分類の種類が少ない病院で、誤嚥性肺炎等の平均在院日数が 長く、1日当たり包括範囲出来高点数の小さい疾患に偏った症例構成の場合、 急性期入院医療における評価という点では不適当な評価となっているのではな いかという指摘があった。 ○ 一入院当たりの包括範囲出来高点数が高い診断群分類の中には、平均的に入院 初期の包括範囲出来高点数が高い診断群分類もあったが、一方で、1日当たり の包括範囲出来高点数が全診断群分類の平均値及び中央値よりも低い診断群分 類もみられた。 ○ 地域医療係数については、大学病院本院群において、一定の条件を満たす医師 派遣を評価しているところ、今般、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあ り方に関する検討会」において、特定機能病院が満たすべき「基礎的基準」と して、「地域に一定の医師派遣を行っていること」を設定することが議論され ており、第 26回の検討会において、とりまとめ案が示されている。 (DPC/PDPS 等作業グループにおける評価・分析に関する意見) ○ DPC/PDPS等作業グループにおいて、複雑性係数の評価方法について検討するに 当たっては、複雑性係数が、何を評価するものであるか、明らかにする必要が あるのではないかといった意見があった。 ○ これに対しては、DPC 制度における「急性期」は、過去の DPC 評価分科会での 議論において、「患者の病態が不安定な状態から、治療によりある程度安定し た状態に至るまで」と定義された点や、機能評価係数が、「急性期」を反映す る係数として設計された点等から、複雑性係数についても、これらの価値を反 映する指標とすべきではないかとの意見があった。 ○ 複雑性係数については、入院初期を特に重視する趣旨で、入院日数の 25%tile 値までの包括範囲出来高点数により評価すべきではないかとの指摘があった。 ○ 地域医療係数における派遣医師数の定義は、特定機能病院の基礎的基準におけ る医師派遣の定義と整合的に検討すべきではないかとの意見があった。 10 3-2.再入院・再転棟ルールについて(別添資料① P140~P142) ○ DPC 制度においては、入院初期を重点評価するため、入院期間Ⅰの1日当たり の点数を相対的に高く設定している。 ○ 患者を短期間で退院・再入院させ、単価の高い入院期間Ⅰを繰り返し算定する 事例に対応する観点から、一定の条件を満たす再入院及び再転棟については、 一連の入院とみなすこととし、累次の改定を行ってきた。 ○ DPC 病棟からの転棟後、再転棟までの日数の分布の分析を行ったところ、DPC 制度において一連の入院と見なされなくなる、8日目の再転棟の件数が突出し て多かった。 (DPC/PDPS 等作業グループにおける評価・分析に関する意見) ○ 同作業グループにおいて、DPC 制度を構成する医療機関の内訳が変化しており、 DPC算定病床以外の病床を有する医療機関の割合が増加していることから、「再 転棟」が起こりやすい状況になっているのではないかといった指摘があった。 ○ 同一傷病による再転棟については、転棟後7日間を超える場合であっても、原 則として一連の入院として扱うこととすべきではないかとの意見があった。 3-3.持参薬ルールについて(別添資料① P143~P146) ○ DPC 制度においては、患者の負担軽減や DPC 制度下での公平な支払いの観点等 を踏まえ、入院中の患者に対して使用する薬剤は、入院する病院において入院 中に処方することが原則であり、「入院の契機となった傷病」に対する持参薬 の使用は、特別な理由がある場合を除き、認めないこととされている。 ○ 医療機関ごとの全症例数に占める持参薬を使用した症例数の割合(以下、「持 参薬使用割合」)の分布について分析を行ったところ、持参薬使用割合が 5%未 満の医療機関が最も多く、次いで 55%以上60%未満の医療機関が多かった。 ○ また、入院の契機となった傷病に対する持参薬使用割合の分析においては、算 定ルール上認められていない入院の契機となった傷病に対する持参薬の使用割 合が5%以上となる医療機関が一定数みられた。 ○ さらに、自院の外来で処方した医薬品を入院の契機となった傷病に対して使用 した割合が 5%以上となる医療機関も一定数みられた。 (DPC/PDPS 等作業グループにおける評価・分析に関する意見) ○ 同作業グループにおいて、「入院の契機となる傷病」に対する持参薬の使用に 係る現行のルールの更なる周知徹底を図るべきではないかとの指摘があった。 ○ 具体的には、DPC 算定を行う場合は、入院の契機となった傷病に対して使用す る医薬品は、院内で処方されるのが原則であることや DPC 算定を行う場合の入 院料の中には、一般的に入院の契機となった傷病に対して使用する医薬品の薬 剤料が含まれていることについて、患者への説明を求めるべきではないかとの 11 意見があった。 ○ また、「入院の契機となった傷病」以外の傷病に対する持参薬の使用の可否に ついては、令和 10 年度診療報酬改定に向けて引き続き議論する必要があるも のの、検討に当たっては、まずは、持参薬を使用する理由や、使用される頻度 が高い持参薬及び診断群分類等について、調査を行う必要があるのではないか との意見があった。 3-4.点数設定方式について(別添資料① P147~P152) ○ DPC 制度 においては、入院初期を重点評価するため、在院日数に応じた3段 階の定額報酬を設定しており、具体的には、入院初期に要する医療資源投入量 等に応じ入院初期に要する医療資源投入量等に応じて、5種類の点数設定方式 を設けている。 ○ 点数設定方式D以外においては、第Ⅱ日は平均在院日数により規定されている。 ○ 診断群分類毎の平均在院日数について、ばらつきが小さく、標準化が進んでい る診断群分類がみられた。一方で、ばらつきが大きく、十分に標準化が進んで いない診断群分類もみられた。 ○ また、特定の在院日数のみ患者数が顕著に多い診断群分類が存在していた。 ○ 多くの診断群分類において、平均在院日数は在院日数の中央値を上回っていた。 (DPC/PDPS 等作業グループにおける評価・分析に関する意見) ○ DPC/PDPS等作業グループにおいて、多くの診断群分類で在院日数の分布は正の 歪度を有していることから、在院日数の中心傾向の指標として、平均在院日数 は適切でないのではないか、といった指摘や、特定の在院日数の患者数が顕著 に多い診断群分類について、制度上、特定の日数までの在院を促すインセンテ ィブが内在しているのではないかとの意見があった。 ○ これに対しては、1日当たり入院数の最大値に対する日ごとの入院数の割合の 変動係数が著しく低い医療機関が一定数存在していることを踏まえ、病床稼働 率を過度に重視した病院経営を行うと、病床の活用が硬直的になり、柔軟な対 応をできなくなることから、必ずしも高い病床稼働率を維持しなくてもよい設 計とすべきではないかとの意見があった。 ○ 点数設定方式における入院期間Ⅱについては、在院日数の標準化が進んでいる 診断群分類を中心として、原則として、平均在院日数から在院日数の中央値に 移行すべきではないかとの意見があった。 ○ 一方で、入院期間Ⅱを在院日数の中央値に移行した場合、一部の診断群分類で は入院期間Ⅱが著しく変化しうることから、激変緩和措置を設けるべきではな いかとの意見があった。 12 3-5.特別調査の結果(診調組 入-1参考6-1) ○ 特別調査として、(Ⅰ)在院日数の短縮に向けた取り組みや課題等に関する調 査、(Ⅱ)DPC 制度の安定的な運用に関する調査、(Ⅲ)急性期医療の標準化の 推進に関する調査を行うとともに、(Ⅱ)について作業グループにおいてヒア リングを行うこととされた。 ○ 「( Ⅰ)在院日数の短縮に向けた取り組みや課題等に関する調査」については、 全 DPC 対象病院の約9割において、クリニカルパスが採用されており、また、 クリニカルパスの入院期間の設定に際して主として参照しているものについて は、約6割の医療機関が「診断群分類点数表上の第Ⅱ日」と回答した。 ○ 「( Ⅱ)DPC 制度の安定的な運用に関する調査」については、データ数が下位 25%の439医療機関のうち、約2割の医療機関が、DPC制度からの退出について、 「直ちに退出する予定である」または「直ちにではないが、今後退出を検討し ている」と回答し、このうち約4割の医療機関が病床の転換を予定しており、 転換先としては、「地域包括医療病棟」及び「地域包括ケア病棟」が多かった。 ○ また、DPC 制度に参加したメリットとしては、医療の標準化や平均在院日数の 短縮といった点が挙げられた。 ○ 「( Ⅲ)急性期医療の標準化の推進に関する調査」については、DPC算定可能病 床を有する出来高算定病院における DPC 制度への参加意向については、調査対 象となった 404 医療機関のうち、「現時点で参加は検討していない」と回答し た医療機関は約 86%であり、その理由としては、「DPC 制度に参加する必要性 を感じないため」が最も多く、次いで「診療報酬の算定上、DPC 制度に参加し ない利点が大きいため」が多かった。 4. 包括的な機能を担う入院医療について(別添資料② P2~P77) ○ 入院患者の数は経年的に減少傾向であり、いずれの年代においても人口千人あ たりの入院患者数は減っているものの、85歳以上においては、入院割合の減少 を上回る人口増加のため、入院患者数は増加している。85歳以上の要介護高齢 者数や、人口で補正した救急搬送率も上昇している。 ○ 「新たな地域医療構想に関するとりまとめ(令和6年 12 月)」において、高齢 者をはじめとした救急搬送を受け入れるとともに、必要に応じて専門病院や施 設等と協力・連携しながら、入院早期からのリハビリテーション・退院調整等を 行い、早期の退院につなげ、退院後のリハビリテーション等の提供を確保する 医療機関機能として「高齢者救急・地域急性期機能」が、また地域での在宅医 療の実施、他の医療機関や介護施設、訪問看護、訪問介護等と連携した 24 時 間の対応や入院対応を行う医療機関機能として「在宅医療等連携機能」が位置 づけられた。さらに、かかりつけ医機能報告制度においても、機能報告に基づ き各地域において行われる関係者間の協議の場において、在宅医療等の後方支 援の役割を担う病床の確保について話し合うことが想定されている。 13 ○ 協力医療機関を定めている介護施設においては、救急車による搬送の減少や、 後方支援病床をもつ医療機関と事前に調整した上で救急車を要請した割合が高 いという報告がある。 4-1.地域包括医療病棟入院料について(別添資料② P9~P43) (地域包括医療病棟を届け出た医療機関について) ○ 同一医療機関内に急性期一般入院料1-6のいずれかを有する医療機関が約3 分の2であり、地域包括ケア病棟を有する医療機関が半数以上であった。約3 分の2が同一医療機関内にDPC対象病床を有していた。 ○ 地域包括医療病棟を届け出た医療機関における、届出前から減少した入院料の 内訳は、急性期一般入院料1が4割程度と最多であり、急性期一般入院料2― 6、地域包括ケア病棟が続いた。急性期一般入院料2ー6から移行したと思わ れる医療機関の半数程度では、地域包括医療病棟の届出後に急性期一般入院料 を算定する病棟がなくなっていた。 ○ 地域包括医療病棟を有する医療機関が併設している病棟の組み合わせは様々で あった。二次医療圏の人口区分別にみると、大都市型の二次医療圏では急性期 機能を有する病院が多く、過疎地域型になるにつれ、回復期等~慢性期病棟の みを有する病院の割合が多くなっていた。 ○ 地域包括医療病棟入院料を届け出ている施設のうち、同一・隣接敷地内に約半 数が訪問看護ステーションを有していた。また、居宅介護支援事業所を有する 施設も多くみられた。 ○ 地域包括医療病棟の届出を行った医療機関において、届出を行った理由は「高 齢者の救急搬送の増加に伴いニーズに沿った対応が可能」「経営が安定すると 考えた」「急性期一般病棟入院基本料等の重症度、医療・看護必要度の基準を 満たすことが困難」が多かった。 ○ 地域包括医療病棟入院料の届出を行った結果、現時点で感じていることとして は、「他の入院料の病棟と組み合わせることで患者の状態に即した医療を提供 できている」「経営が安定してきている」「実際の患者の状態により即した入院 料等であると感じている」が上位であった。 ○ 急性期病棟を有する医療機関のうち、地域包括医療病棟を届け出ていない医療 機関において、今後の届出を検討したものの実際には届け出ていない医療機関 は約 15%であり、届出を検討中の医療機関は 3.7%であった。地域包括ケア病 棟を届け出ている施設では、届出を検討した医療機関は30.5%あり、実際に検 討中の医療機関は 7.5%で、急性期の医療機関と比較して届出を検討している 施設が多かった。急性期病棟を有する医療機関の約8割、地域包括ケア病棟・ 病室を届け出ている施設の約6割は届出を検討していないと回答した。 ○ 急性期病棟を有する医療機関は、地域包括医療病棟の届出にあたって満たすこ とが困難な施設基準として、「休日を含めすべての日にリハビリテーションを 14 提供できる体制の整備」を回答した医療機関が半数を超えていた。続いて、 「自院の一般病棟からの転棟が 5%未満」「常勤の PT/OT/ST の配置」「ADL が低 下した患者が 5%未満」が多くあげられた。一方、地域包括ケア病棟を有する 医療機関における届出にあたって満たすことが困難な施設基準として、「重症 度、医療・看護必要度の基準①を満たすこと」を回答した医療機関が半数程度 であった。続いて、「在宅復帰率8割」「休日を含むリハビリの体制整備」「初 日に B 項目3点以上」「ADL 低下が 5%未満」を回答した施設が多く、急性期病 棟を有する医療機関とは違った傾向がみられた。 (地域包括医療病棟に入院する患者像について) ○ 年齢や要介護度が急性期一般入院料2-6の病棟と比べ高く、認知症や低栄養 リスクを有する患者の割合が多かった。 ○ 「入院初日のB項目3点以上」「重症度、医療・看護必要度」等の要件は概ね 全ての病棟で満たされていた。 ○ 入院患者数の多い疾患は、急性期一般入院料2-6や地域包括ケア病棟と類似 しており、内科系疾患として誤嚥性肺炎、肺炎、尿路感染症、心不全、脱水、 その他の感染症が、整形外科疾患として股関節骨折(手術あり)、胸腰椎の圧 迫骨折(手術なし)が多くみられた。 ○ 医療機関毎に、手術に係るKコードの実施割合や、全体として患者数が上位で ある内科系疾患の入棟割合には大きなばらつきがあり、診療のパターンは一定 ではなかった。 ○ 急性期一般入院料2-6を算定する病棟と地域包括医療病棟の双方を有してい る場合に、各病棟に入院する疾患や要介護度、年齢層の分布には目立った特徴 はみられなかった。 (地域包括医療病棟の施設要件に関する事項について) ○ 地域包括医療病棟に入院する患者の入棟元は自宅が最も多く、退棟先も自宅が 最も多かった。自宅・居住系施設等への退院は全体の約 85%であった。 ○ 年齢は、在院日数の延長と関連する独立した因子であるとの文献的報告がある。 急性期一般入院料2ー6、地域包括医療病棟のいずれにおいても、年齢階級が 上がるほど在院日数が長くなる傾向であり、85歳以上では、在院日数の中央値 が 85 歳未満と比べて5~6日程度延長していた。各施設における 85 歳以上の 患者の割合にはばらつきがあった。 ○ 同一医療機関内に地域包括医療病棟と急性期一般入院料2ー6の病棟の双方を 有する施設に直接入院した患者について、いずれの病棟に入院したかに分類し て、入退院時の ADL の変化を比較したところ、病棟の種類による違いは大きく なかった。一方、ADL の変化のパターンは疾病ごとに異なり、誤嚥性肺炎や心 不全では、整形外科系症例と比較し、入院期間中の ADL の改善幅は少なかった。 15 ○ 急性期一般入院料2-6の病棟と地域包括医療病棟では、地域包括医療病棟に おいて ADL が改善する患者が多い傾向であった。しかし、ADL が低下した患者 の割合はいずれも5%を超えており、一時的に施設基準を満たせない医療機関 があることが想定された。 (リハビリテーション・栄養・口腔連携加算について) ○ 地域包括医療病棟において、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算(以下、 連携加算という。)を届け出て算定している施設とそれ以外の施設で、入院中 の ADL 変化の分布に大きな差はみられなかった。算定している医療機関におけ る ADL が低下した患者の割合は 4.7%であり、算定していない医療機関におけ る 5.5%より少ないものの、基準である 3%未満には達していなかった。(DPC データからの算出であり、施設基準とは定義が若干異なることに留意が必要。) ○ 連携加算の算定回数が1回以上の施設は地域包括医療病棟全体の約11%であっ た。70%にあたる 19 施設が加算を届け出ていない理由を回答し、「休日のリハ ビリテーション料の提供単位数が平日の提供単位数の8割以上を満たさないた め」が最も多かった。次いで、「リハビリに習熟した常勤医師の確保が困難」 「入棟後3日までに疾患別リハを算定された患者割合が8割に満たない」を回 答した施設が多かった。実際に、「休日のリハビリ提供単位数」については満 たせていない施設が約6割あった。さらに、「ADLが低下した患者の割合が3% 未満」を回答した施設も約3割あった。 ○ 退院時にADLが悪化した患者の割合は連携加算の算定あり施設で7.9%、なし 施設で4.9%であったが、ADLが大きく改善した患者の割合は算定あり施設で 多かった。ADLが低下する患者は要介護度や年齢が高かった。連携加算の算 定有無によらず、退院時にADLが低下した患者の割合が5%未満の施設は 60%程度であった。 ○ 連携加算の算定施設では、リハビリ実施割合、3日以内にリハビリ開始した割 合がともに高かった。1人1日当たりの平均リハビリ実施単位数は算定施設で 3.3 単位、算定なし施設で 2.3 単位と算定施設で多く、土日祝日の施設全体の リハビリ提供量は算定施設で86%、算定なし施設で68%であった。 (地域包括医療病棟における医療資源投入量について) ○ 包括内の出来高点数に対する請求点数の比は、整形外科系の疾患等、出来高算 定の手技を伴う疾患で高い傾向にあった。一方、誤嚥性肺炎、脳梗塞、尿路感 染症等の内科系疾患においては包括内の出来高実績点数に比して請求点数が低 い傾向にあった。 ○ 内科系疾患は外科系疾患に比べ、救急搬送からの入院、緊急入院の割合が高く、 高齢者では特に強くその傾向がみられた。 ○ 包括内の出来高実績点数にはばらつきがあり、緊急入院が多い診断群分類や、 16 手術を行うことが少ない診断群分類において包括内の出来高実績点数が高い傾 向であった。 ○ 地域包括医療病棟において、緊急入院の割合や手術実施の割合に基づいて診断 群分類を層別化すると、1日あたりの包括内の出来高実績点数の分布は、手術 のない緊急入院、手術を行う緊急入院、手術予定のない予定入院、手術目的の 予定入院の順に高かった。 ○ 患者ごとに予定/緊急入院、手術実施の有無により、1日当たりの包括内の出 来高実績点数の患者ごと分布を比較すると、手術を行わない緊急入院群では手 術目的の予定入院群と比較し、1日当たり包括内出来高実績点数の平均値は約 440点高く、群による差が大きかった。 ○ 医療資源投入量や年齢層が同じであっても ADL や要介護度は様々であり、医療 資源投入量では測定されない診療上の手間が示唆された。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 多疾患を有する救急患者は、搬送時点で急性期病棟と地域包括医療病棟のいず れが適しているか判断が難しいとの意見があった。 ○ 急性期病棟と地域包括医療病棟の双方を有している場合に、患者像は大きな違 いはなく、どのような患者を地域包括医療病棟でみてくのか、高齢者において 頻度の高い疾患をそうした病棟でみるということも考えられるのではないかと の意見があった。 ○ 手術に係るKコードを算定している地域包括医療病棟が多く、整形外科の標ぼ うがある医療機関では療法士数や他の要件との兼ね合いから地域包括医療病棟 を届出やすいのではないかとの指摘があった。 ○ 高齢者の疾患を幅広くみるという観点から、内科系疾患と外科系疾患の包括範 囲内の医療資源投入量について、バランスがとれるよう、その内訳や診療内容 を更に検討すべきではないかとの意見があった。 ○ 緊急入院の受入時には様々な手間がかかるので、看護職員の療養上の世話の手 間について、投入している医療資源の一環として評価方法を検討してはどうか との意見があった。 ○ 地域包括医療病棟の届出が伸びてこないのは施設基準の厳しさが影響している 可能性があり、地域包括ケア病棟との患者像の類似も踏まえ、緩やかに統一し ていくような評価方法も検討できるのではないかとの意見があった。 ○ ADL については、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算の算定有無と ADL スコア平均や改善幅の検討だけでなく、実際に提供されたリハビリの量や介入 の時期等を踏まえ、どのような取組が効果的なのかといった検討を進めるべき との指摘があった。 ○ 高齢であるほど在院日数が長いのは当然の結果であると思われ、どのような患 者を受け入れているかを、急性期を含む入院の評価に組み込んではどうかとの 17 意見があった。 ○ 下り搬送については、最初の搬送先が病床稼働率等の観点で、本来その病院で 診療する必要のない患者を入院させるという事象もあるようなので、機能分化 を進めても経営できるよう、評価を検討していってはどうかとの意見があった。 4-2.地域包括ケア病棟入院料について(別添資料② P44~P52) ○ 令和6年度改定で、入院 41 日目以降は入院料が低減する仕組みが導入された ものの、地域包括ケア病棟における入院日数の中央値は 23 日程度で、改定前 後で変化はみられなかった。 ○ 地域包括ケア病棟及び病室を届け出ている病棟における在宅復帰率は、入院 料・管理料1~2において90%以上の施設が基準を満たしており、改定前後を 比較すると、改定後に高い傾向がみられた。入院料・管理料3~4においては 在宅復帰率の施設基準を満たしていない施設がみられた。 ○ 地域包括ケア病棟における自宅等からの直接の入院割合は、医療機関ごとにば らついていた。急性期病棟を有する施設では、有さない施設に比べ、直接入院 する患者の割合は少ない施設が多いものの、施設によっては直接入院を多く受 け入れていた。また、直接入院のうち、緊急入院の患者が少ない傾向にあった。 ○ 地域包括ケア病棟の入院患者数上位50位までの疾患について、1日あたりの包 括内の出来高換算点数は地域包括医療病棟と比べて一定の範囲に集中していた。 短期滞在手術等基本料3に該当する疾患では、請求点数が高い傾向にあった。 ○ 地域包括ケア病棟における包括内の出来高実績点数は、地域包括医療病棟と比 較しばらつきが少なかった。入棟経路による包括内出来高実績点数の差は小さ く、直接入院した群について、予定/緊急入院と手術の有無により群分けする と、地域包括医療病棟のように4群の差は明らかでないが、緊急入院は予定入 院に比べて包括内の出来高実績点数が高い傾向であった。 ○ 地域包括ケア病棟では、管理栄養士の配置基準はなく、栄養管理に係る加算や 管理料は包括されている。病棟における管理栄養士の配置数は全病棟種類の中 でも少なく病棟で業務に従事している時間も短い傾向であり、低栄養リスクが スクリーニングで把握されている割合は低かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 地域包括ケア病棟の患者数上位2疾患が白内障や大腸ポリープであることにつ いては、病棟の役割をふまえてどのように評価するか検討が必要であるととも に、地域包括医療病棟にそうした患者が少ないことは初日の B 得点3点以上の 患者が5割という要件が影響している可能性があるとの意見があった。 ○ 管理栄養士が介入することによって経口摂取に復せる割合は多いと思われ、管 理栄養士の介入を評価する視点は重要ではないかとの指摘があった。 18 4-3.包括的な入院医療を担う医療機関の機能について(別添資料② P53~P73) ○ 地域包括医療病棟を有する医療機関の95%、地域包括ケア病棟入院料1を届出 している医療機関の77.7%、地域包括ケア病棟入院料2を届出している医療機 関の92.9%が救急告示病院であった。地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟入 院料1~2を届け出ている医療機関の75%以上は二次救急医療機関であった。 地域包括医療病棟を有する医療機関で救急部門のない医療機関はなかった。 ○ 地域包括医療病棟を有する医療機関の約90%、地域包括ケア病棟を有する医療 機関の約70%が毎日救急受入をしていた。地域包括ケア病棟を有する医療機関 では、救急受入が日中のみの病院が1割弱みられた。救急受入件数の中央値は 784 件であった。救急受入件数が 2000 件以上の医療機関は約 22%あり、1-199 件の医療機関数と同程度であった。救急受入件数が 2000 件以上の医療機関は、 いずれも急性期病棟を有していた。 ○ 後方支援に関する現状の評価として、在宅かかりつけ医の求めに応じて入院医 療を提供した場合に算定する在宅患者緊急入院診療加算や、介護保険施設の入 所者が入院を要する状態になった場合に、当該介護保険施設の職員の求めに応 じて往診した際の介護保険施設等連携往診加算、必要に応じて入院医療を提供 した場合に算定する協力対象施設入所者入院加算等がある。地域包括医療病棟、 地域包括ケア病棟の双方において、救急搬送受入件数が少なくても、これらの 加算を多く算定している医療機関が存在した。 ○ 地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟における在宅患者緊急入院診療加算1~ 3、協力対象施設入所者入院加算1・2の病床あたり算定回数は、いずれの加 算についても0件の施設が最も多く、算定回数は二極化していた。入院料ごと に比較すると、地域包括医療病棟が最も多く、地域包括ケア病棟では入院料 1・3で2・4より多かった。介護保険施設等連携往診加算は届出医療機関数 が少ないが、その8割は包括期の病棟を有する医療機関であった。 ○ 救急搬送からの入院や、自宅または施設からの緊急入院は、地域包括医療病棟 では多く、地域包括ケア病棟では少ない医療機関が多かった。 ○ 在宅患者緊急入院診療加算や協力対象施設入所者入院加算の算定回数、緊急入 院の件数等は互いに相関していなかった。これらの加算の病床あたり算定回数 は、包括期の病棟単独よりも病院全体でみたほうが多く、急性期の病棟でより 算定されている施設が多いことが示唆された。 ○ 救急搬送からの入院が 15%を超える地域包括ケア病棟があり、これらは在宅復 帰率 80%以上、平均在院日数 22 日以下の施設が多いが、重症度、医療・看護 必要度の得点は低い傾向であった。 ○ 協力対象施設入所者入院加算の施設基準である在宅療養支援病院、在宅療養後 方支援病院、地域包括ケア病棟を有する病院のいずれも満たさなくても、施設 からの緊急入院を多く受け入れている地域包括医療病棟があった。 ○ 在宅患者緊急入院診療加算や協力対象施設入所者入院加算の算定件数が多い施 19 設では、退院時共同指導も多く行われる傾向にあった。 ○ 地域包括医療病棟入院料・地域包括ケア病棟入院料1・2を届け出ている施設 のうち、入退院支援加算1を届け出ている施設における連携機関数は、25~50 施設が最も多かった。地域包括医療病棟を届出施設の半数以上で、10以上の介 護保険施設の協力医療機関を引き受けていた。地域包括医療病棟を有する医療 機関の約1割において、7以上の障害者支援施設と連携していた。協力対象施 設への医療提供内容として、診療の求めがあった場合の診療、入所者の急変時 等の相談体制の確保、入院を要する入所者の原則受入体制確保を9割以上の医 療機関が提供していた。 ○ 協力医療機関となることを断った件数が1件以上ある場合の理由として、「診 療の求めがあった場合の診療が困難」「入院必要時の受入困難」「既に複数の介 護施設と連携しており、これ以上の拡充が困難」をあげた施設が多かった。 ○ 各病棟を届け出ている医療機関の半数以上が、地域貢献活動の取組として「地 域ケア会議への参加」「地域医療構想調整会議への参加」 を実施していた。地 域包括医療病棟を有する医療機関では、特に地域医療構想調整会議へ参加して いる割合が多かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 高齢者の入院医療においては、救急の受入とともに在宅との連携も重要であり、 在宅医療を含めて地域医療全体を考えることは重要なテーマとの意見があった。 また、救急搬送から自宅に退院するまで1つの病院で加療できることが望まし く、病院単位でどのような役割をどのように評価するかといった観点で検討が 必要ではないかとの意見があった。 ○ 新たな地域医療構想のとりまとめが行われたが、まだ医療法は審議中、かつガ イドラインの議論は始まっていないため、診療報酬のみで先に議論を始めない よう、慎重に進めるべきとの指摘があった。 ○ 地域包括ケア病棟の3つの機能について、病院単位で救急受入等を評価すると、 結局ほとんど急性期の病棟に入院している場合があるので、形だけの救急告示 ではなく、実際に果たしている後方支援機能等を評価する仕組みが必要ではな いか、との意見があった。 ○ 緊急入院等を多く受け入れている地域包括ケア病棟は一定の評価を検討すべき ではないかとの意見があった。 ○ 後方支援の加算について、病棟の役割という観点では何割程度を実際に包括期 の病棟で受け入れているかを指標とする考え方もあるのではないかとの意見が あった。 ○ 介護施設からの入院を多く受け入れている地域包括医療病棟があり、その役割 に照らせば加算等の評価対象としてもよいことを検討しうるのではないかとの 意見があった。 20 ○ 後方支援機能は地域の拠点を担う上で重要と考えるが、指標として検討された 加算の現行の施設基準では、200 床や 400 床といった病床規模の制限が設けら れている。地域の医療資源を有効に活用できるよう、柔軟に見直しを検討して もよいのではないかとの意見があった。 4-4.包括算定病棟における高額薬剤の使用について(別添資料② P74~P77) ○ 地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟において、入院 受入が困難となる理由として「高額薬剤を使用している」と回答した施設の割 合は、いずれの入院料においても 40%を超えていた。 ○ 特に困難である薬剤として、4割を超える施設がトルバプタン、パーキンソン 病治療薬、血友病以外の出血傾向の抑制に係る医薬品が該当すると回答した。 自由記載では、骨粗鬆症治療薬や、生物学的製剤を含む分子標的治療薬が多く 挙げられていた。4分の1を超える回復期リハビリテーション病棟を有する病 院で抗がん剤が回答されており、他の病棟と除外薬剤の範囲が異なる影響と考 えられた。療養病棟では特定の薬剤ではなく「高額な薬剤」のように薬価に言 及した施設が多かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 転院前に急性期の病院で大量の高額薬剤の処方をしなければならなくなり、包 括期だけの問題ではなく、急性期の病院の負担になっているケースも多いとの 指摘があった。 ○ 高額薬剤を使用しているために、包括期の病棟の適応があるにも関わらず受入 困難となる事例は実際にあり、適切な在宅復帰等の観点で不合理であると思わ れる。薬剤や有害事象の管理が難しいといった事由がないか、維持期の薬剤と して使われうるか、薬価と入院料の関係等の視点を踏まえ、使用や受入の状況 について検討を深めてはどうかとの意見があった。 ○ 抗悪性腫瘍剤や生物学的製剤を長期に使いながら維持期を過ごす患者が増えて いることは事実であり、回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟と の間に除外薬剤の差があることや、除外薬剤そのものの考え方について改めて 検討する必要があるのではないかとの意見があった。 5. 回復期リハビリテーション病棟入院料について(別添資料② P78~P112) ○ 令和5年時点で回復期リハビリテーション病棟入院料の届出病床数は約 9.5 万 床、届出機関数は1,620施設であった。届出病床数は直近10年で約1.4倍に増 加しており、届出機関数は直近5年ほど概ね横ばいになっている。 ○ 入院料ごとの 40 床当たりの療法士数について、回復期リハビリテーション病 棟では16名程度と特に多かった。 ○ 回復期リハビリテーション病棟入院料では、地域包括ケア病棟と比較して要介 21 護認定者の割合に大きな差はなかった。 ○ 平成28年以降、入棟時 FIMが経年で低下する傾向が見られている。 ○ 「新たな地域医療構想に関するとりまとめ(令和6年 12 月)」において、これ までの回復期機能を包括期機能として位置づけるとされている。 ○ 令和6年診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟における GLIM 基 準による栄養評価や、定期的な FIM の測定の要件化に加え、運動器疾患に対す る1日6単位を超えた実施単位数の増加に伴う ADL の明らかな改善が見られな かったことを踏まえ、疾患別リハビリテーション料に係る算定単位数上限緩和 対象患者の見直しを行い、運動器リハビリテーションは原則として6単位まで の算定とした。 5-1.実績指数について(別添資料② P84~P89) ○ 回復期リハビリテーション病棟のアウトカム評価の指標である実績指数につい ては、医療機関の判断で、各月の入棟患者数(高次脳機能障害の患者を除外し た場合は、除外した後の数)の3割以下の範囲で除外できることとされている。 ○ 実績指数から除外が可能な要件のうち、「年齢が 80 歳以上のもの」の該当割合 が50%以上の施設が9割を超えており、いずれかの除外項目が該当する患者の 割合が 70%を超える施設は、全体の 86%であった。また、「年齢が 80 歳以上の もの」、「FIM認知項目の得点が24点以下のもの」に該当する患者のFIM利得の 分布は、患者全体と概ね同様であった。 ○ 退院時の FIM 下位項目「トイレ動作」、「移動(歩行・車椅子)」について、4 点(最小介助)に比べ5点(監視)、5点に比べ6点(修正自立)の患者は、 自宅への退院割合が大きく増加していた。 ○ FIM 下位項目「トイレ動作」が入棟時に5点以下の患者についても、退院先が 自宅である患者は、転棟・転院した患者に比べ、退院時に6点以上へ改善した 割合が高かった。 ○ 回復期リハビリテーション病棟等の入院患者のうち、FIM が入棟時から退棟時 にかけて低下した患者の割合にはばらつきがあった。地域包括医療病棟の施設 基準となっている5%未満の施設は約 64%であり、残りの施設では、FIM が低 下した患者が5%以上であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) 〇 ほぼ全ての患者が実績指数の計算除外基準に該当している施設もあり、現行の 基準で病棟の機能を正しく評価されているのか疑問であるため、除外基準を見 直すべきではないかとの意見があった。 ○ 「80 歳以上」や「認知機能が低い」患者と患者全体とで FIM 利得に大きな差は なく、FIM が改善しないから受け入れていないかというとそうではないことか ら、実績指数の計算対象から除外する必要性は乏しいのではないかとの意見が 22 あった。 ○ 自宅復帰を目指す上で、FIM下位項目の得点が2点から 3点に上がるのと、5点 から 6 点に上がるのでは意味が異なる可能性があり、FIM 利得には現れない効 果を見落とさないよう、評価を検討すべきではないかとの意見があった。 5-2.重症患者割合について(別添資料② P90~P94) ○ 回復期リハビリテーション病棟に入棟する患者の要件として、重症患者割合の 要件が定められている。 ○ 回復期リハビリテーション病棟1・2における重症患者割合は、約 40~50%で あった。 ○ 回復期リハビリテーション病棟において重症患者基準に該当する患者のうち、 リハビリテーション実績指数の除外基準「FIM 運動項目 20 点以下」、「 FIM 認 知項目24点以下」にも該当する患者は、それぞれ49.6%、85.9%であった。 ○ 入棟時に「FIM運動項目20点以下」の患者は脳血管疾患等リハビリテーション 料、廃用症候群リハビリテーション料ではFIM利得が比較的小さかった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 重症患者と実績指数の除外基準両方に該当する患者が増えていることは理解す るが、重複しないようにすると、重症な患者も選別せずに入院を受け入れてほ しいという当初の理念と食い違いが生じるため、慎重に検討すべきとの意見が あった。 5-3.廃用症候群リハビリテーションについて(別添資料② P95~P100) ○ 令和6年度改定では、回復期リハビリテーション病棟入院料又は特定機能病院 リハビリテーション病棟入院料を算定する患者で、運動器リハビリテーション 料を算定するものについて、1日6単位までの算定とする見直しを行った。 ○ 運動器リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料において、7 単位/日以上の提供ではFIM利得が比較的小さかった。 ○ 運動器リハビリテーション料について、改定前後で1日6単位を超えた算定は 6割程度に減少している。また、改定前に1日6単位を超えて実施した患者は、 改定後に1日5~6単位実施した患者と比べ、FIM利得の上昇は少なかった。 ○ 特掲診療科の施設基準等の別表第九の三に規定する、いずれかの要件に当ては まる場合は、6単位を超えて疾患別リハビリテーション料の算定が可能とされ ている。 ○ 回復期リハビリテーション病棟の一部においては、疾患別リハビリテーション のうち、廃用症候群リハビリテーション料の実施割合が高い。 〇 回復期リハビリテーション病棟における疾患別リハビリテーションの実施割合 は、心大血管 0.1%、脳血管疾患等 54.3%、廃用諸侯群 7.3%、運動器 38.2%、 23 呼吸器0.1%であった。 ○ 回復期リハビリテーション病棟における廃用症候群リハビリテーション料の算 定割合は 7.3%であった。廃用症候群リハビリテーションが実施された患者に おける医療資源を最も投入した傷病名としては、廃用症候群が55.0%で最も多 かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 回復期リハビリテーション病棟において、心大血管リハビリテーションの算定 回数が少ないことについて、心大血管リハビリテーションを届け出ている施設 が少ないために廃用症候群リハビリテーションとして実施されている実態があ るかを含め、原因について検討、分析すべきとの意見があった。 ○ 令和6年度改定後も運動器リハビリテーション料について6単位を超えて実施 している患者が相当数いるが、単位数が増えても FIM 利得がほとんど変わって いないため、6単位を超えるリハビリを実施できる対象について、分析を深め てはどうかとの意見があった。 ○ 廃用症候群リハビリテーション料について、7単位以上で FIM 利得が小さくな る傾向が認められたことや、かなり多くの廃用症候群リハビリテーションを実 施している施設があることを踏まえると、疾患別リハビリテーション料の算定 上限単位数の在り方についても検討する必要があるのではないかとの意見があ った。 ○ 廃用症候群リハビリテーションも運動器リハビリテーションも、7単位以上に おける実施単位数増加に伴う FIM 改善の度合いは脳血管疾患等リハビリテーシ ョンと比較して低いものの、確実に上がっており、改善しないと結論づけずに 慎重に議論を行うべきではないかとの意見があった。 5-4.質の高いリハビリテーション医療の推進(別添資料② P101~P112) ○ 発症後の機能回復を図る上では、ベッド上等で行われる徒手でのアプローチの みでは不十分であり、他のアプローチと組み合わせた介入が重要である。 ○ 入棟時のFIM運動項目が20点以下かつ要介護4、5の患者は、FIM21点以上や 要介護4、5以外と比較し、患者1日当たりの平均リハビリテーション実施単 位数は変わらないものの、運動項目のFIM利得が低かった。 ○ 退院前訪問指導は、回復期リハビリテーション病棟において包括されているも のの、全入院患者の3~5%ほどに実施されており、その割合は他の病棟より も高かった。一方、各入院料を算定する施設において、退院前訪問指導を実施 している病院の割合は、14~24%に留まっていた。 ○ 退院前訪問指導は、ほとんどの施設で 60 分以上の実施時間を要しており、120 分以上 150 分未満の割合が最も多かった。具体的な実施内容として、家屋調査 の他に、外部との調整に係る項目も80%以上の病棟で行われていた。 24 ○ 高次脳機能障害者への支援に係る 11 の関係機関へのヒアリング調査において は、入院医療機関における高次脳機能障害の診断や説明が不十分な場合がある ことや、支援に係る情報提供の不足、高齢者が多い病棟における障害福祉関連 機関とのネットワークの希薄さ、退院時に相談窓口の情報を伝えることの重要 性等について指摘があった。 ○ 令和6年診療報酬改定にて、回復期リハビリテーション病棟入院料1及び2に ついては、地域リハビリテーション活動支援事業等の地域支援事業に参加して いることが望ましいこととしており、令和6年 11 月1日時点で地域支援事業 に参加している回復期リハビリテーション病棟は、約70%であった。 ○ 生活機能の回復に資する診療報酬には、排尿自立支援加算や摂食嚥下機能回復 体制加算があるが、回復期リハビリテーション病棟入院料の届出施設において は、これらの加算を届け出ている施設はそれぞれ24.2%、8.7%であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 退院前訪問指導は回復期リハビリテーション病棟における実施割合は3~5% ほどであるが、多職種で約半日を費やして行っており、労力に見合うよう評価 されれば、より実施されるのではないかとの意見があった。 ○ 退院前訪問指導は 60 分以上かけて行っている施設が9割を超えており、実施 内容を踏まえた適切な評価方法について検討を進めるべきとの意見があった。 ○ 高次脳機能障害について、特に就労支援に関しては、かかりつけ医等との密な 連携に対して、より評価をすべきではないかとの意見があった。 6. 療養病棟入院基本料等について(別添資料② P113~P143) ○ 令和6年度末に介護療養病床が廃止されたことに伴い、看護配置 25 対 1 の経 過措置であった注 11 に規定する経過措置が令和6年5月末で終了した。「新た な地域医療構想のとりまとめ(令和6年 12 月)」において、慢性期の医療提供 体制については、「今後増加する在宅医療の需要に対応する観点からも、限り ある資源を活用することが重要であり、地域の慢性期医療・在宅医療の需要に 対して、在宅医療・介護等のデータも踏まえ、地域の資源の状況に応じて、療 養病床だけでなく、在宅医療や介護施設・高齢者向け住まい等とあわせて構築 していくことが重要である。」とされている。 6-1.医療区分や疾患・状態、処置等の該当状況(別添資料② P115~P128) ○ 令和6年度診療報酬改定で、中心静脈栄養に関する医療区分が病態と実施期間 に応じて見直された。令和6年 10 月の1か月間において、全入院患者中の医 療区分2・3に該当する患者割合が施設基準(入院料1で8割、入院料2で5 割)に満たない医療機関の割合は、入院料1で 12.8%、入院料2で 3.8%であ った。 25 ○ DPCデータにおいては、入院料2で医療区分2・3の割合が6割以上である 施設が95.5%あった。 ○ 医療区分2・3の疾患・状態、処置等の各項目に該当する患者の割合は、入院 料1・2ともに増加していた。特に、「医師及び看護師の常時の管理」に該当 する患者は増えていた。 ○ 入院料1,2のそれぞれにおいて、30区分の入院料の1日当たり包括内出来高 実績点数は概ね入院料1~9、10~18、19~27で漸減する形になっていた。 ○ 療養病棟において、身体的拘束を一定の割合以上の患者に実施している病棟が 一定数みられた。処置や認知症の有無別に身体的拘束の実施割合を調べると、 認知症ありでは 25.7%、認知症なしでは 13.6%の患者に身体的拘束が実施され ており、認知症がある場合に拘束の割合が高かった。病棟ごとの分析では、何 らかの挿入デバイスのある認知症の患者であっても約3割の病棟が身体的拘束 を全く実施していない一方で、挿入デバイスのない認知症でない患者に対して も20%以上身体的拘束を実施している病棟が約2割存在した。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 療養病棟は看護職員 20 対1配置であり、医療区分2・3の患者に多数対応す ることは難しいため、医療区分の高い患者を受け入れられるような医療の体制 について検討が必要であるとの意見があった。 ○ 30区分された入院料について、実際の入院料はADL区分の高い入院料4、7、 10、13等でその手前の入院料より高めに設定されており、介助に係る手間を評 価した点数設計になっているのではないかとの意見があった。 ○ 褥瘡のある患者が肺炎を発症した場合等、同じ処置区分に該当する項目が2つ 以上生じた場合についての医療資源投入量についても検討しつつ入院料の現状 を評価してはどうかとの意見があった。 ○ 入院料2の場合でも、医療区分2・3の患者が6割を超える施設がほとんどで あることを踏まえ、基準を検討する余地があるのではないかとの意見があった。 ○ 身体的拘束については、デバイスや認知症以外の要素で患者像に違いがあるの か、病棟そのものの手厚い見守り等の取組が異なるのか、夜間を含めた人員配 置等まで踏まえて現状を評価し、検討を進めるべきとの意見があった。 6-2.経腸栄養管理加算・摂食嚥下機能回復について(別添資料② P129~P137) ○ 療養病棟において患者が受けた医療行為・処置等の割合は令和4年度調査と同 様の傾向であった。医療区分上の定義が見直された「中心静脈栄養」は16.3%、 関連して「胃ろう・腸ろうによる栄養管理」は 13.0%、「経鼻経管栄養」は 26.7%であった。 ○ 1か月に中心静脈栄養を実施した人数は 11-20 人の病棟が最多で半数弱であっ た。中心静脈栄養を実施した患者のうち、身体的拘束を行った患者の割合が高 26 い病棟もみられた。 ○ 療養病棟における摂食嚥下機能回復の取組に係る診療報酬上の評価として、入 院料減算の基準である「中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能 又は嚥下機能の回復に必要な体制」、「療養病棟入院基本料の注 11 に規定する 経腸栄養管理加算」「摂食機能療法の注3に規定する摂食機能回復体制加算3」 等がある。各要件には内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施する体制等、 重複部分があり、これらの加算を届け出ている施設は一定の重なりがみられた。 ○ 中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必 要な体制について、いずれの入院料においても半数以上が整備できていた。療 養病棟入院料1を届け出ている施設では約3割、入院料2を届け出ている施設 では約4割が当該体制を整備できていた。 ○ 「中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能又は嚥下機能の回復に 必要な体制」を整備できていない医療機関において、今後も体制を満たす予定 のない医療機関が9割に達した。体制を整備できない理由として、必要な検査 を実施する体制を有することが困難と回答した医療機関が約8割であり、次い で摂食機能療法を実施できない医療機関が多かった。 ○ 令和6年8月~10月の3か月で経腸栄養管理加算を1回以上算定した施設は、 9.3%にとどまり、届出が困難な理由としては、「栄養サポートチーム加算を届 け出ていないため」が最も多く、80%以上であった。 ○ 経腸栄養管理加算の届出施設は 910 施設あったが、そのうち算定回数が0回の 施設が約9割であった。届出しない理由のうち自由記述では、転院前に1か月 以上中心静脈栄養を実施する患者がおらず、対象患者が想定できないという意 見があった。 ○ 摂食嚥下機能回復体制加算3の算定回数は緩徐に増加しているものの少なく、 届け出ている 94 施設のうち、算定回数が0回の施設は約6割であった。届出 をしない理由として、中心静脈栄養を実施している患者がいないため、中心静 脈栄養離脱した患者についての実績要件を満たせないという回答があった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 中心静脈栄養を実施したうち、身体的拘束を実施した割合が高い病棟もある。 事故抜去を防ぐことと両立しなければならないので、人員配置や、患者の状況 やリスクなどを深掘りしながら、どうすれば拘束を減らしていけるのか分析し ていってほしいとの意見があった。 ○ 療養病棟は在宅医療とともに整備され、メリハリある体制となるべきであり、 身体的拘束の実施状況も踏まえつつ、経腸栄養に切り替えるための工夫につい て検討すべきとの指摘があった。 ○ 経腸栄養管理加算を算定している医療機関は 9.3%と少なく、要件となってい る栄養サポートチーム加算の届出は研修を受けた医師・看護師等の配置が難し 27 いことが調査で示されており、施設基準について検討を深めてはどうかとの意 見があった。 ○ 先の身体的拘束の分析を合わせて考えると、認知症がないのに身体的拘束を受 けながら中心静脈栄養を続けられているような患者の栄養管理の在り方は、更 なる議論が必要ではないかとの意見があった。 ○ 嚥下造影や内視鏡下嚥下機能検査の体制を有する病院は全体の3分の1程度で あることが分かったが、これらの検査は嚥下のリスクについて評価する場面で 用いられることが多く、日常の嚥下訓練においては反復唾液嚥下テストや水飲 みテストのような簡易な嚥下機能評価法を用いてタイムリーに行うことが可能 であり、全ての施設で検査体制が必要かどうかについては検討の余地があるの ではないかとの意見があった。 6-3.在宅復帰に向けた取組について(別添資料② P138~P139) ○ 療養病棟における在宅への退院を評価する加算として、在宅復帰機能強化加算 が設けられており、令和6年8月時点で 709 施設が届出していた。当該加算で は、退院後1か月以内に患者が在宅生活を継続していることを、患者居宅への 訪問又は在宅医療を担当する医療機関等から情報提供を受けることで確認する こととされている。 ○ 療養病棟における在宅への退院の割合や死亡退院の割合には施設ごとにばらつ きがあった。在宅復帰機能強化加算を届け出ている施設では、在宅へ退院する 患者の割合が高く、死亡退院の割合は低い傾向であった。在宅へ退院する患者 の割合が比較的高くても、加算の届出をしていない施設があった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 在宅復帰機能強化加算ありでも死亡退院が50%を超える病棟があるが、医療保 険の病棟であることを考えれば、加算の要件として、死亡退院が少ないことを 観点に含めることもあり得るのではないかとの意見があった。 6-4.障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料について (別添資料② P140~P143) ○ 障害者施設等入院基本料の病棟における該当患者7割の基準は、7対1病棟で は概ね満たされていたものの、10 対1以下の病棟では7割に満たない施設が 17.3%あった。 ○ 障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料2においては重度の肢体不自由 児(者)の該当割合が高く、対象疾患に該当する割合は全体では8割を超えて いた。特殊疾患病棟入院料1においては難病患者等の割合が高かった。 ○ 障害者施設等入院基本料の病棟においては主傷病が廃用症候群である患者の割 合が多かった。レセプトやDPCにおいては元々の患者要件に係る傷病名では 28 なく、入院契機となった病名が記録されるため、入棟要件のいずれに該当する のかは把握することが難しかった。 7. 重症度、医療・看護必要度について(別添資料② P144~P193) 7-1.特定集中治療室・ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度について (別添資料② P145~P154) ○ 「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度」において、「シリンジポン プの管理」の配点は1点となっているが、他に1点の配点となっている項目が なく、該当基準は「2点以上」となっているため、該当基準としては活用され ていない。 ○ 日本集中治療医学会による「ICU 入退室指針(2023年 11月24日) 」におい て掲げられている「提供する治療・ケアの因子」においては、「人工臓器サポ ートや心血管作動薬などの薬剤持続投与を行わない動脈圧、中心静脈圧のモニ タリング患者等については、中間ユニットで管理することも考慮する」とされ ている。 ○ 一方、「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度」において、「動脈圧測 定(動脈ライン)」「中心静脈圧測定(中心静脈ライン)」 の配点は2点となっ ており、単にこれらを単独で実施しているのみであっても、基準を満たすこと となる。 ○ 特定集中治療室(ICU)・ハイケアユニット(HCU)の入室患者の傷病名 のうち上位を占める急性心筋梗塞後の患者では、致死性不整脈の管理が重要で あり、電気的除細動の実施や、必要に応じた抗不整脈薬の投与が診療ガイドラ イン等で推奨されている。また、病態に応じて、一時的ペーシングが必要とな る場合がある。 ○ 現行の「特定集中治療室用 重症度、医療・看護必要度」では、基準に該当す る患者割合の要件は7割又は8割である一方で、実際に基準を満たす患者は、 全体の約 92%であった。該当患者割合が最も高い項目は「動脈圧測定」の約 84%であり、最も低い項目は「肺動脈圧測定」の約6%であった。 ○ 特定集中治療室管理料の算定患者のうち、「蘇生術の施行(電気的除細動を含 む)」に該当する患者割合は約5%、「抗不整脈剤の使用」は約 12%、「一時的 ペーシング」は約1%であった。 ○ 現行の「ハイケアユニット用 重症度、医療・看護必要度」の基準に該当する 患者割合の要件は、基準①で1割5分、基準②で6割5分又は8割である一方 で、実際に基準①を満たす患者は概ね3割であり、基準②を満たす患者は概ね 9割であった。 ○ ハイケアユニット入院医療管理料の算定患者のうち、「抗不整脈剤の使用」に 該当する患者割合は約4~6%、「一時的ペーシング」に該当する患者割合は 約0.1~0.3%であった。 29 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 急性冠症候群の治療後や心停止蘇生後の患者は、人工呼吸器の管理等を要さな い場合であっても、ICUやHCUにおいて厳格な不整脈のモニタリングを要 する場合があるが、このような患者は、現行の評価体系では「特定集中治療室 用・ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度」で該当する項目がない との意見があった。 ○ 致死性不整脈等のリスクに備えた管理は、ICUやHCUの重要な役割の一つ であることを踏まえて、「蘇生術の施行」「電気的除細動」「抗不整脈薬の投与」 「一時的ペーシング」等の処置について、「特定集中治療室用の重症度、医 療・看護必要度」「ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度」での位 置づけを検討してはどうかとの意見があった。 ○ 人工臓器サポートや心血管作動薬などの薬剤持続投与を行わない「動脈圧測定」 「中心静脈圧測定」は、中間ユニットがない医療機関においては集中治療室で 行うことがあるのではないかとの意見があった。 ○ 「特定集中治療室用 重症度、医療・看護必要度」「ハイケアユニット用 重症 度、医療・看護必要度」の基準は、該当する患者や施設の割合を踏まえて検討 すべきではないかとの意見があった。 7-2.一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について(別添資料② P155~P193) (必要度Ⅰ・Ⅱについて) ○ 令和6年度改定における一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価項目の 見直しに伴い、急性期一般入院料1は割合①と割合②が設定された。 ○ 令和6年 11 月1日時点では、必要度Ⅱを届け出ている施設は、急性期一般入 院料1は 99.0%、急性期一般入院料2-3は 78.3%、急性期一般入院料4- 6 では 41.0%であり、令和4年 11 月1日時点より増加していた。 ○ 重症度、医療・看護必要度Ⅰの該当患者割合は急性期一般入院料2-3におい てのみ令和4年よりも6年の割合が高かったが、Ⅰ・Ⅱとも、その他の入院料 については令和6年の割合は低下していた。 ○ 重症度、医療・看護必要度の記録について、病棟看護管理者が課題に感じてい ることは、「特になし」はⅠが 26.1%、Ⅱが 28.9%でありⅡの割合が高く、「看 護職員による記録忘れが多い」はⅠが 51.7%、Ⅱが 47.4%、「看護必要度に関す る職員研修に手間がかかる」はⅠが35.5%、Ⅱが31.8%とIの割合が高かった。 また、「必要度の記録により、時間外勤務が発生している」はIが19.7%、Ⅱが 21.0%であった。 ○ 病棟において簡素化の必要性があるものとして、「計画書作成」(61.8%)、「( 計 画書等の)患者や家族等による署名・記名押印」(45.1%)に次いで、「重症度、 医療・看護必要度の評価・記録」(38.8%)が多かった。 30 (B項目について) ○ 令和2年度診療報酬改定において、重症度、医療・看護必要度のB項目につい て、「患者の状態」と「介助の実施」に分けた評価とし、「評価の手引き」によ り求めている「根拠となる記録」を不要とする見直しを行った。 ○ 令和6年度診療報酬改定では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価 項目の見直しに伴い、該当患者割合の基準に見直しを行った。急性期一般入院 料1等では、急性期一般入院料1においては、B項目は基準から除外するが、 当該評価票を用いて評価を行っていることが要件となった。 ○ 急性期一般入院基本料、地域包括医療病棟、地域ケア病棟における必要度該当 状況について、急性期一般入院料1は、2~6と比較し、基準1~3に該当す る割合及び A 得点2点以上の割合が高く、B得点3点以上の割合は低かった。 地域包括医療病棟は、急性期一般入院料と比較し、B得点3点以上に該当する 割合が高く、70%を超えていた。必要度基準該当割合は、基準が同一である急 性期一般入院料2~6と比較して高かった。基準2及び3に該当する割合は、 いずれも急性期一般入院料と比較して少なかった。 ○ 入院初日にB得点が3点以上である割合は、特定機能病院や急性期一般入院料 1で低く、急性期一般入院料2~6や地域一般入院料1、地域包括医療病棟で 高かった。また入院初日にB得点が3点以上である割合は、地域包括医療病棟 では 66%、脳卒中ケアユニット(SCU)では 76%と高い割合を占めていた。 ○ 入院初日にB得点が3点以上である割合は、特定機能病院、急性期一般入院料、 地域一般入院料1において全体的に下がっていた(データ取得時期の季節変動 に留意する必要)。地域包括医療病棟では入院初日にB得点が3点以上である 割合が 68%であり、令和6年では最も高い割合であった。 ○ 急性期一般入院料2~6、地域包括医療病棟における入院時と退院時のB得点 13 点を要介護度別にみると、いずれの時点でも要介護度との高い相関がみら れ、特に要介護4~5においては、入院時から退院時にかけてB得点の変化が ほとんどみられなかった。 ○ 患者全体の入院中のB項目の平均値は、入院後日数が経つにつれ、患者数の減 少とともに緩やかに上昇していた。各入院料において、推移の傾向は変わらな かった。B項目の前日との差分の平均は、入院3日目頃からマイナス(改善) であり、7日目頃から変化がなくなっていた。この時期には前日とB項目の変 化がない患者が約7割程度であった。 ○ 予定/緊急入院、初日のB点数、要介護度別にB点数の推移をみると、介護度 の低い予定入院で初日のB点数が高くない場合は、入院後数日の悪化の後、数 日かけて改善し、後に安定する傾向がみられ、予定入院で手術等を行う例の経 過であると考えられた。手術を起点にB得点を観察すると、手術日にB得点が 大きく変化し、術後7日目以降、概ね安定した推移となっていた。 ○ 7日後のB得点が±1点の患者の割合は、C項目該当手術非実施例で入院初日 31 に約6割、7日目頃までに約7割で安定していた。C項目該当手術実施例では、 術直後は4割程度で、術後7日目までに約7割に達しており、術直後は変化が 大きいと考えられた。 ○ さらにA項目の変化との関係をみると、手術非実施症例の入院4日目以降、手 術実施症例の入院7日目以降は、A項目が変化しない場合にはB項目も変化し ない患者の割合が多かった。A項目が3点以上変化した場合、B点数もA点数 と同じ方向の変化を示す患者の割合が多かった。 ○ B項目は、疾患によって悪化した身体機能によるケアの必要性と、発症前から の身体機能によるケアの必要性の双方を反映した指標であると考えられた。 (内科系症例における重症度、医療・看護必要度について) ○ 急性期一般入院料1において、外科系症例(手術に係るKコード算定症例)と 比較し、内科系症例(それ以外の症例)では、A得点2点以上、3点以上とな る該当割合はいずれも低く、B得点3点以上の割合は高かった。 ○ 救急搬送により入院した内科系症例の重症度、医療・看護必要度の該当割合は、 救急搬送ではない外科系症例の重症度、医療・看護必要度の該当割合と比較し て、いずれの入院料においても低かった。 ○ 救急搬送からの入院や緊急入院の約8割を内科系症例(手術をしない症例)が 占めていた。 ○ これらの基礎データを踏まえ、内科系症例の重症度を適切に評価するための指 標の案について検討した。 ○ 日本内科学会提出資料によれば、現行のA・C項目に内科系の診療負荷が高い 検査や処置を追加する案では、内科系症例と外科系症例の該当患者割合の差は、 24.3%から 22.8%に縮まった。 ○ A・C項目を精緻化するのではなく、病棟や病院の負荷を直接的に医療・看護 必要度の底上げに用いる方法として、救急医療や緊急入院を評価する案を検討 した。令和6年度改定でA項目の「救急に入院を要する状態」の評価日数が5 日→2日に引き下げられており、単純に日数を戻すことによる入院を延長する 誘因となりえることを考慮して、「救急搬送応需件数を各病棟に按分した病床 あたり件数」や「協力対象施設入所者入院加算の病床あたり算定回数」に一定 の係数を乗じること等により連続的に評価し、当該病棟の基準該当割合に加算 する案について議論した。この方法に基づくと、基準該当割合への加算分が大 きい施設は、概ね内科系症例の割合が多い施設であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ B項目について、基準から除外された急性期一般入院料1のB項目の測定につ いては、現場の負担を考慮して、見直しが必要ではないかという病院団体から の要望が出ており、B項目の測定が、病院にとってある程度負担になっている 32 との意見があった。 ○ 看護師による重症度、医療・看護必要度の評価に係る負担が軽減されてきたと 考えられ、どこにどのような負担があるのかを、もう少しデータとして調べて いく必要があるのではないかとの意見があった。また、令和2年度診療報酬改 定における記録簡素化について再度周知すべきとの意見があった。 ○ 日々のデータが蓄積されることが日々の評価や分析につながる。国際的にみて も、患者像を表すデータなくして患者像の評価はできないのではないか。令和 2年度の診療報酬改定で「できるADL」と「しているADL」が区別され、 より正確な評価となった。患者像が複雑化していくなかで、重症度、医療・看 護必要度A・B・C項目全体で患者像を表現できると考えられ、必要なケアを 評価していくためのリアルワールドデータとしてB項目の有用性があるのでな いかとの意見があった。B項目に代わる指標がないのであれば、引き続きB項 目の測定が必要であるとの意見があった。 ○ 令和6年度診療報酬改定前はA項目が低くなっても、B項目の点数で重症度、 医療・看護必要度を評価できていた。内科ではB項目の点数が高くなっており、 内科系診療の重症度、医療・看護必要度は、A・C項目で測れるのであればよ いが、難しければ、ある程度急性期にふさわしい患者像であることを入院時に 絞ったうえで、B項目の活用が可能なのではないかとの意見があった。 ○ B項目については、要介護度が高いと高い点数で変化しない傾向や、A項目と 同じ方向へ動く傾向がみられており、一定の要件に該当した場合は測定を省略 するといった負担軽減策は検討しうるのではないかとの意見があった。 ○ 内科系症例の診療を評価する方法として、緊急入院等を評価することは効果が あると考えられるものの、指標が煩雑になりすぎないよう、病院の負担や予見 可能性の観点を踏まえ、技術的な課題について詳細に検討すべきとの意見があ った。 8. 救急医療について(別添資料③ P2~P27) ○ 令和6年中の救急自動車による救急出動件数、搬送人員は、集計を開始した昭 和 38 年以降、最多となった。年齢区分別の搬送人員と構成比の推移をみると、 「高齢者」が増加している。 ○ 令和5年中の救急自動車による現場到着所要時間は、全国平均で約 10.0 分で あった。また、救急自動車による病院収容所要時間は、全国平均で約 45.6 分 であった。新型コロナウイルス感染症の発生前の令和元年と比べ、現場到着所 要時間は約 1.3分、病院収容所要時間は約6.1分それぞれ延伸している。 8-1.救急搬送に関する評価について(別添資料③ P6~P15) ○ 救急患者連携搬送料を届け出ていない理由としては、「救急用の自動車又は救 急医療用ヘリコプターによる救急搬送件数が、年間で 2,000 件未満であるため」 33 「搬送に同乗するスタッフが確保できないため」「自院又は連携先医療機関が 緊急自動車を保有していないため」等が多かった。 ○ 令和6年 10 月1か月に「救急患者連携搬送料」を算定した患者は、ほとんど の医療機関において少数であった。 ○ 第二次救急医療機関の一部には、入院した救急患者の25%以上が転院搬送で受 け入れた患者である医療機関があった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 救急患者連携搬送料は搬送元医療機関で算定するものである一方、受入側医療 機関の評価がない。救急患者連携搬送は受入側医療機関の協力を前提とした制 度であることから、受入側にも一定の評価を設けることが必要ではないかとの 意見があった。 ○ 地域包括ケア病棟において「救急患者連携搬送料」を算定した患者を受け入れ た場合について、在宅患者支援病床初期支援加算の対象としたことには意義が ある。救急連携搬送における受入側医療機関への評価をさらに充実させること で、医療機関間の機能分担や連携の促進につながるのではないかとの意見があ った。 ○ 救急患者連携搬送にあたっては、病院救急車だけでなく、患者等搬送事業者を 活用することについても、今後検討の余地があるのではないかとの意見があっ た。 8-2.救急外来応需体制に関する評価について(別添資料③ P16~P27) ○ 救急外来医療に対する評価として「院内トリアージ実施料」「夜間休日救急搬 送医学管理料」がある。「院内トリアージ実施料」の算定医療機関数は、やや 増加傾向である。算定回数は、新型コロナウイルス感染症流行後に大幅に増加 したが、令和6年には以前の水準まで減少している。「夜間休日救急搬送医学 管理料」の算定回数は、令和2年以降増加傾向である。 ○ 救急車等の救急受入患者数が少ない医療機関でも、相当数のウォークイン救急 患者を受け入れている医療機関が多数存在する。 ○ 「救急医療管理加算」の算定回数は、令和2年に減少したものの、以降は増加 傾向である。届出医療機関数は、令和2年以降横ばい~やや増加傾向である。 入院した救急患者(ウォークイン救急受診患者を含む。)のうち、平均して 54.4%の患者に救急医療管理加算が算定されていた。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 救急患者を多数受け入れる医療機関においては、医師・看護師等の人員配置に 加え、24時間体制で検査・処方等が可能な診療体制の整備が不可欠である。こ うした体制を構築し、地域の救急医療において重要な役割を果たしている医療 34 機関については、適切な評価がなされるべきではないかとの意見があった。 9. 入退院支援について(別添資料③ P28~P89) ○ 入退院支援加算と入院時支援加算の届出施設は微増しており、入退院支援加算 と入院時支援加算の算定回数は年々増加している。令和5年6月審査分におい て、入退院支援加算の算定回数は 389,081 件、入院時支援加算は 82,205 件で あった。 ○ 入退院支援加算を算定した患者の「退院困難な要因」として病棟種別にか かわらず「緊急入院であること」が最も多く、次いで、地域包括医療病棟、地 域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟においては、「入院前に比べ ADL が低下し、退院後の生活様式の再編が必要であること(必要と推測される こと)」も多い傾向が見られる。 ○ 入院時支援加算は、入院を予定する患者に対し、入院前の外来において、入院 中に行われる治療の説明、入院生活に関するオリエンテーション、入院前の服 薬状況の確認、褥瘡・栄養スクリーニング等を実施し、支援することを評価す る位置づけであり、予定入院の場合には、退院困難な要因の有無の評価を入院 前に行うことができ、入退院支援に係る準備を進めることが可能となっている。 ○ 入院時支援加算の届出有無と平均在院日数の関係を見ると、入院時支援加算の 届出がある場合は、届出が無い場合と比較して平均在院日数が短かった。入院 時支援加算の届出がある場合、急性期一般入院基本料はで 0.6 日(平均値)、 地域包括ケア病棟入院料は4.8日(平均値)在院日数が短くなっていた。 ○ 急性期入院料においては、自宅から入棟し、自宅へ退棟する割合が高い一方、 地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟・回復期リハビリテーション病棟では、 自宅への退院だけでなく、転院や介護施設等への入所等、退棟先がより多様で ある。療養病棟では退棟先が多様であるとともに、死亡退院の割合も高い。 ○ 退院困難な患者のうち退院調整完了までに時間や人手を要する患者について尋 ねたところ、いずれも「身寄りがなく同居者が不明な者」が最も多かった。 ○ 退院先の確保を行うために工夫している取組としては、「退院を見据えた調整 を入院直後から開始する」、「入院後速やかに患者及び家族などに説明を行う」、 「退院に向けた要介護認定の区分変更の必要性を判断する」が実施されていた。 ○ 令和6年度診療報酬改定では、在宅医療を担う地域の医療機関と介護保険施設 等において、実効性のある連携の構築を促進する観点から、介護保険施設等と 医療機関の連携に関する要件及び評価等を見直しが行われた。また、入退院支 援における関係機関との連携強化の観点から、入退院支援加算1の施設基準で 求める連携機関数について、急性期病棟を有する医療機関では病院・診療所と の連携を、地域包括ケア病棟を有する医療機関では介護サービス事業所及び障 害福祉サービス事業所等との連携を一定程度求める改定が行われた。 ○ 入退院支援加算の施設基準で求める連携機関の施設数は、前回調査(令和4年 35 度)と比較し、いずれの入院料も連携機関数が増加しており、いずれの入院料 の場合も介護保険サービス事業所との連携が最も多い状況であった。 ○ 協力医療機関となっている施設数は入院料や病棟の組合せによらず5件以下の 医療機関が最多であり、急性期一般入院料2-6を算定するケアミックス型の 医療機関や地域包括医療病棟を有する医療機関で対象となる施設数が多い傾向 であった。施設類型別では特別養護老人ホーム、介護老人保健施設の件数が多 かった。協力医療機関としての実行性のある連携に資する3要件全てを満たす 医療機関の割合は半数程度であり、特に急性期一般入院料1を算定する急性期 病棟のみの医療機関ではその割合が低かった。 ○ 協力医療機関ごとに、10床当たりの協力対象施設入居者数を見ると、1人以下 の医療機関も一定数存在したが、一部の医療機関では 50 人以上であり、取組 には差がみられた。 ○ 在宅医療を提供している患者について、入院が必要になった場合の病床確保方 法として、診療所の59.8%が平時から連携体制を取っている他の医療機関を地 域で確保している一方で、11.7%が基本的に救急搬送を依頼するため特定の医 療機関とは連携していなかった。 ○ 病院において地域医療情報連携ネットワーク等の ICT を活用している施設は約 3割であった。 ○ 在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院、地域包括ケア病棟を有する病院の いずれかに該当する施設において、協力対象施設入所者入院加算を届け出てい るのは約4割であり、届出していない理由として、ICT による情報共有の体制 整備や、カンファレンスの要件が困難と回答した施設が多かった。 ○ 令和6年度診療報酬改定において新設された精神科入退院支援加算の算定状況 (病院種別)において、330 施設のうち、「届出あり」は 26.4%、「届出の予定 はない」は 66.4%であった。精神科入退院支援加算の届出をしていない理由は 「看護師等の配置が困難であるため」が最も多く77.4%であった。 ○ 地域連携診療計画加算届出施設は微増しているが、算定回数はほぼ横ばいであ る。適切な情報連携等、入退院支援ルールの普及促進等を進めていることで、 円滑な入退院につなげることが可能となる。 ○ 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う一般病棟での面会制限に伴う影響とし て、患者と家族の関係性の把握、家族の思いを共有することが難しく、患者や 家族の状況、家族の意向を踏まえた退院支援を進めることが難しい状況が生じ ていた。 ○ 面会時のルールについて、「面会時間を日中に制限している」のほか、「面会者 の年齢(子供・高齢者等)に制限を設けている」、「患者1人につき1日の面会 人数を制限している」、「面会は予約制である」等を定めている現状があった。 36 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 介護施設等における対応力強化について、例えば高齢者施設で診ている心不全 患者においては、水分貯留によって体重増加や症状・兆候によって早期に外来 を受診させる、訪問診療で利尿剤を調整する、病院の看護職員等が出向いてケ ア体制の支援を行う等を行うことによって、無駄な救急搬送・救急入院を減ら すことが可能なケースがある。救急搬送前の連携対応の評価を行い、施設から の高齢者の救急搬送を減らすことにつながる可能性があるのではないかとの意 見があった。 ○ 入院時支援加算について、入院支援部門が入院前に外来等で関わることにより、 病棟看護師の業務軽減にも結びつく。病院全体の効率化に向けた動きが進んで きていると受け取ることができるとの意見があった。 ○ 退院困難な患者のうち、「身寄りがなく同居者が不明な者」は現行の算定要件 に示されていないが、退院調整に時間あるいは人手を要している状況がわかっ た。患者本人の状況だけではなくて、周辺の要素と組み合わせて評価すべきと いう考え方となるが、実際、医療機関の中では、この「身寄りがない」あるい は「同居者が不明」というところで非常に苦労が多い。日本の世帯数の将来推 計においても独居の高齢者が増えており、近親者のいない高齢者が急増すると いう推計も出てきている。手間や時間がかかっていることを踏まえて検討して はどうかとの意見があった。 ○ 退院先の確保において「退院に向けた要介護認定の区分変更の必要性を判断す る」ためには、ケアマネジャーとの連携が重要であるとの意見があった。 ○ 意思決定をする上でコミュニケーションが重要であるが、面会が制限されるこ とによって家族は患者の状況を把握しづらく、本人と家族の意思確認について 家族の受け止め等が把握しづらくなる。その状況下で退院支援を進めていかな ければいけないというのは、非常に困難を極めており、例えば、ICT を活用し たコミュニケーションをセッティングしているところもある。家族とのコミュ ニケーションが取れないというのは課題なのではないかとの意見があった。 ○ 面会ルールについては、新型コロナウイルス感染症後、各医療機関でまだ対応 にばらつきがあるのではないか。5類感染症となった後は、定点観測を確認し ながら、状況に応じて対応を変える等の工夫をしている。何らかの方針を示し ていただくことが必要ではないかという意見があった。 ○ 平時からの連携として、現状は月に一度、協力医療機関と介護施設とでカンフ ァレンス等によって入所者の情報を共有することが定められているが、これだ けでは介護施設の機能強化にまでつながるような連携はなかなか難しい。協力 医療機関の専門性の高い人材が介護施設を訪問して支援する等の取組が実際に 行われていることから、より一層、介護施設と医療機関と施設との連携体制を 強化する上で、実効的な連携が進むように検討していくべきではないかとの意 見があった。 37 ○ 介護保険施設における対応力の強化を支援し、安心して療養していける体制を 整備する観点から、協力医療機関は、必要時にすぐ相談・診療に応じ、緊急時 に入院できる体制や病床を確保する機能が求められており、その負担を考慮し た報酬評価が必要ではないかとの意見があった。 10. 働き方・タスクシフト/シェアについて(別添資料③ P90~P204) 10-1.医師について(別添資料③ P91~P116) ○ 令和6年4月から、医師に対する時間外・休日労働の上限規制健康確保措置が 適用されており、令和6年12月時点で、460施設が特定労務管理対象機関とし て指定されている。 ○ 医師の勤務状況について「改善の必要性が高い」「改善の必要がある」と回答 した医師は 47%であった。 ○ 地域医療体制確保加算を届出ている医療機関では、届出のない医療機関と比較 して、休日・時間外労働の平均値や最大値は長い傾向にあるものの、勤務環境 の現状把握・分析を実施している割合や、ICT を活用した業務見直しの取組を 実施している割合が高く、令和5年度と比較して、令和6年度では休日・時間 外労働の平均値や最大値が減少傾向にあった。 ○ 医師事務作業補助体制加算の届出医療機関数は年々増加傾向であるものの、届 出医療機関の約40%で、必要数の医師事務が確保できていない。 ○ 医師事務作業補助者の定着に向けた効果のある取組として、評価・報酬に関す る取組では、「給与・賞与の見直し」「面談による評価フィードバックの実施」 「人事評価制度の整備」が多く、医師事務作業補助体制加算を算定している医 療機関の57%において、医師事務作業補助者の人事考課があった。 ○ ICTを活用した医師事務業務の省力化の取組について、「作業効率の上昇」、「労 働時間の短縮」が得られる効果の中で最も多く、労働時間の短縮の効果が得ら れるとの回答の割合が多い取組として「臨床データ集計等での RPA 活用」、「退 院サマリー等の作成補助を行う生成 AI 文書作成補助システム」、「説明動画の 活用」があった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 休日時間外労働に関連して、医師の時間外管理がある程度できていると考えら れるが、最大値が大きいところもあり、B 水準の医療機関においても縮減が求 められるとの意見があった。 ○ 医師事務作業補助者を必要数確保できない医療機関が40.1%ある中で、給与や 賞与の見直しに効果があるが、効果を出せるような人件費がついていないのが 実状であり、報酬の枠組みでも議論が必要ではないかとの意見があった。 ○ 労働人口の減少に伴い、ICT 化は極めて重要だが、ICT 導入には多額の費用が 必要であり、何からの支援を考慮してもよいのではないかとの意見があった。 38 ○ 医師の働き方改革は、急性期機能の集約化や病院間の役割分担とも密接に関連 するので、急性期の医療機関機能を検討する際に、併せて考えていくべきでは ないかとの意見があった。 ○ 医師の働き方改革を進める中で、医師にかかる経費は増えており、地域医療確 保体制加算はより評価されても良いとの意見があった。 ○ 多くの当直医は大学病院からの派遣で満たされているところが多いと考えられ、 当直体制がどのように維持されているかのデータも踏まえ、夜間の宿日直体制 を維持していくことが重要との意見があった。 10-2.看護職員について(別添資料③ P117~P204) ○ 看護職員就業者数は2023年(令和5年)には174.6万人となった。看護職員の 就業場所は病院・診療所が多いが、訪問看護ステーション等において増加傾向 となっている ○ 新規の看護師資格取得者や、看護師学校養成所(3年課程・大学を含む)の入 学者数・卒業者数は減少に転じている。 ○ 看護補助者の数は減少し続けており、看護補助者の正規雇用の割合は低下して いる。許可病床 100 床当たりの看護補助者数も全体的に減少傾向にある。 ○ 看護補助者の定着に向けて、研修の実施、ラダーの活用、看護補助業務の細分 化等の取組が進められている。 ○ 医師から看護師へのタスクシフト/シェアが進んでおり、特定行為研修修了者 も病床規模に関わらず配置されている。医師から看護師へのタスクシフト/シ ェアとして行われている内容として、「注射、採血、静脈路の確保」、次いで 「事前に取り決めたプロトコールに基づく薬剤の投与、採血・検査の実施」、 「カテーテルの留置、抜去等の各種行為」、「特定行為の実施」の順で推進され ていた。 ○ 入院料の施設基準を満たす看護職員の配置を行うにあたり、困難を感じること があるか尋ねたところ、「大いに感じる」・「感じる」は約8割であった。勤務 シフトが組みにくくなったが3割を越え、看護職員の夜勤の回数(1人当たり) について「増えた」が2~3割となっている。 ○ 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に関わる具体的な取組としては、「妊娠・ 子育て中、介護中の看護職員に対する配慮」は最も多く実施されていた。 ○ 出生動向基本調査によると、約7割の女性が第1子出産後も就業継続している。 育児・介護休業法において、育児・家族介護を行う労働者の深夜業の制限が規 定されている。いずれの入院料においても一定数の短時間勤務又は夜勤免除者 が配置されている実態がある。 ○ 病院勤務看護職員の夜勤手当(夜勤 1 回当たり)額は、2010 年代に入ってほと んど変化がない。看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に関わる具体的な取組 として「夜勤手当の見直し」は 15.0%で実施、直近3年以内に実施した看護職 39 員の夜勤者の確保策として、「夜勤者確保のための夜勤手当の増額(一律)」は 12.4%、「夜勤回数に応じた夜勤手当以外の手当の支給」は8.7%で行われている。 ○ 看護職員夜間配置加算では夜間における看護職員の負担軽減に資する業務管理 が進められてきた。当該加算では、病院勤務医及び看護職員の負担の軽減及び 処遇の改善に資する体制が整備されていることを算定要件としている。看護職 員夜勤配置加算の届出施設数及び算定回数は増えている ○ 平成30年度診療報酬改定にて、許可病床数が100床未満の病床規模の小さい病 院において、一時的に夜間の救急外来を病棟の看護職員が対応したことにより 病棟の看護体制が2名を満たさなくなった場合の夜間看護体制特定日減算が新 設された。100 床を越える病院においても救急外来対応のための人員確保が困 難な現状がある。 ○ 看護職員の確保において有料の求人サービスを利用している医療機関は約7割 であった。そのうち、認定事業者を利用している医療機関は約4割であった。 ○ ICT の活用等による看護職員の更なる業務負担軽減の観点から、令和6年度診 療報酬改定において「夜間看護体制加算」等の夜間における看護業務の負担軽 減に資する業務管理等のうち、「ICT、AI、IoT 等の活用による業務負担軽減」 に取り組むことが望ましいことと位置づけられた。 ○ 令和6年度補正予算では、人口減少や医療機関の経営状況の急変に対応する緊 急的な支援パッケージ(生産性向上・職場環境整備等事業)として、生産性向 上に資する取組として、ICT 機器の導入による業務の効率化、職員間の情報伝 達の効率化(チーム医療の推進)等の対応がなされた。 ○ ICT(情報通信技術)の活用は約7割で進められ、具体的な取組として「ビデ オ通話(WEB 形式)による会議の実施」、「勤怠管理の ICT 化」、「紹介状や診断 書の入力支援ソフトの活用」が進められており、看護職員の記録に関する負担 軽減の取組として、ICTを活用した取組としては、「電子カルテシステム等を活 用したカルテ様式間の自動転記」、「バイタルサイン等の測定機器からの自動入 力」、「文書作成補助システムの活用」が進められていた。 ○ ICT 機器活用継続についての課題について、「ICT の維持・管理等のメンテナン スにコストがかかる」、「ICTを使いこなせていない職員がいる又は多い」、「ICT の導入にあたって教育や人材育成に時間がかかる」の順で多かった。 ○ 特定行為研修の領域別パッケージ研修において、令和7年9月時点で、指定研 修機関は 277 機関、修了者数は 2,765 人であり、特定行為研修修了者の 85.9% は病院に就業している実態がある。 ○ 令和6年度診療報酬改定では、感染対策等の専門的な知見を有する者が、介護 保険施設等からの求めに応じてその専門性に基づく助言を行えるようにする観 点から、感染対策向上加算、緩和ケア診療加算、外来緩和ケア診療管理料及び 褥瘡ハイリスク患者ケア加算のチームの構成員の専従業務に当該助言が含まれ ることを明確化した。 40 ○ 令和6年度入院・外来医療等における実態調査において、感染症対策向上加算、 緩和ケア診療加算、外来緩和ケア管理料、褥瘡ハイリスク患者ケア加算を算定 している場合、専門的な知見を有する者が、 介護保険施設等からの求めに応 じて助言に係る業務を行っているのは 67.2%であった。 ○ 地域の介護保険施設等に対して、医療ケア等に関する支援を行う病院が一定存 在しており、病院規模に関わらず、特定行為研修修了者等の専門性の高い看護 師が訪問による支援等を実施している。今後、このような取組を推進していく ために、効率的な実施に係る整備が進められることが期待されている。 ○ 病棟業務におけるタスクシフト・シェアの取組の進行状況について、「とても よく進んでいる」は 1.6%、「進んでいる」は 32.9%であり、それら医療機関の うち、タスクシフト・シェアを進めるための工夫・取組として、「看護管理者 を中心に整理・見直しを行っている」が 69.1%、「各職種の代表者が集まり整 理・見直しを行っている」が63.4%が進められていた。 ○ 看護補助者の定着を促進するための取組として、「看護補助者業務のマニュア ルの整備」は 77.2%、「看護補助者の研修の充実」は 72.7%であり、取組が進め られている。また、ラダーの活用、看護補助業務の細分化等の取組も併せて進 められている。 ○ 看護補助体制充実加算を算定している場合の「直接患者に対し療養生活上の世 話を行う看護補助者」の人数は、療養病棟及び障害者施設等において「20人以 上」が36.2%であり、多くの人数を配置していた。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 看護師の養成について令和6年度には大学の定員充足率も 100%を切っており、 今後、一層の少子化の進展を考えると、看護職員の確保と働き続けられる環境 整備の取組が喫緊の課題となっているのではないかとの意見があった。 ○ 20~30代の若年層において「看護職以外の他の職場への興味」が退職理由とし て一定程度挙げられており、処遇改善が進まない中では、看護職の他産業への 流出も現実的な問題として捉える必要があるとの意見があった。 ○ 子育てや介護を担う職員への配慮が進んでいる一方で、夜勤が可能な職員の確 保や負担軽減が課題となっている。夜勤手当は 2010 年代に入ってほとんど増 加が見られず、割増賃金のみの支給にとどまる病院も 4.4%存在する状況など があるため、夜勤者の確保に向け夜勤手当の引き上げが必要ではないかとの意 見があった。 ○ 夜間看護体制特定日減算について、病棟の看護職員が病棟を離れることは、入 院患者へのケア提供の面で安全性やケアの質の担保も懸念されることから、拡 大の必要性があるかどうかについては慎重に検討すべきとの意見があった。 ○ 看護補助者の配置・増員の具体的取組について、病棟単位での看護補助者の増 減について、また本当に各病院で増やしているのかどうかについて把握する必 41 要があるのではないかとの意見があった。 ○ 療養病棟入院基本料の看護補助体制充実加算において、介護福祉士の位置づけ が明確にされたということは非常に有意義であったとの意見があった。 ○ 看護補助者の確保は厳しい状況にあることが読み取れるが、令和6年度の改定 で新設された看護補助体制充実加算では、当該医療機関での3年以上の経験や、 必要な能力を段階的に示して育成評価に活用するということを評価しているの ではないかとの意見があった。 ○ 看護補助体制充実加算の活用が進んでおり、今まさに研修の実施や業務の見直 しなどが図られ、看護補助者の定着のための取組が進められている段階であり、 効果が出るまでに多少時間はかかると思われるが、処遇改善と併せて、今後も 着実に進めていく必要があるのではないかとの意見があった。 ○ 病棟における多職種の実際の役割分担についてどのように行われているのか解 析できるとよいのではないかとの意見があった。 ○ ICT、AI、IoTを導入して取り組みたい一方、機器活用には、初期の導入費用、 維持メンテナンス費用、投資額も必要となる。一部導入時の補助金はあるもの の、維持メンテナンス費用までを入院基本料等で補ってもらう必要があるので はないかとの意見があった。 ○ 生産性向上や業務負担軽減の点では、音声入力やバイタルデータの自動入力な どが有効だと考えられるが、ICT、AI、IoT等の活用は更なる推進が必要な状況 であり、具体的な活用が進むための方策について検討が必要ではないかとの意 見があった。 ○ ICT、AI、IoT等の活用を今後どのように伸ばしていけるかについて、方向性を 考えていくことが重要であるとの意見があった。 ○ ICT、AI、IoT等の活用については、好事例として、各医療機関の実際の医療・ 看護業務の状況に応じて、看護の充実や質の向上のためにどう ICT 機器を活用 するかをよく検討した上で導入されている例が示された。病院の看護の状況を よくわかっている看護管理者がキーパーソンとなり、このような取組について 各医療機関で進めていくとよいのではないかとの意見があった。 ○ 特定行為研修を受講する人材確保が難しく、特定行為研修を受ける段階でのイ ン センティブを検討していく必要があるのではないかとの意見があった。ま た、特定行為研修修了者のキャリア構築や修了のメリットを提示していく必要 があるのではないかとの意見があった。 ○ 令和6年度診療報酬改定で感染対策向上加算等における専従要件の明確化が行 われたが、他の加算の専従要件についても同様に見直してもよいのではないか との意見があった。 42 11. 病棟における多職種でのケアについて(別添資料③ P205~P244) 11-1.リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算等について (別添資料③ P206~P216) ○ リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算(以下、本項においては「体制 加算」)を届け出ていると回答した医療機関は、9.0%であった。届け出ていな い理由としては、「常勤専従の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を2名 以上配置(うち1名は専任でも可)することが困難なため」、「土日祝日におけ る1日あたりの疾患別リハビリテーション料の提供単位数が平日の提供単位数 の8割以上を満たさないため」が多かった。 ○ 退院時に ADL が悪化した患者の割合は、体制加算の算定有無により明らかな違 いはみられなかった。一方、ADL が大きく改善した患者の割合は、算定ありの 患者で多かった。 ○ 急性期一般病棟において、体制加算の算定ありの場合は、算定なしの場合と比 べ、要介護度が高い患者や、高齢の患者が多かった。これらは、入院中に ADL が低下した患者の特徴と一致していた。 ○ 体制加算の届出施設においては、ADL が低下する患者の割合は 3%未満という基 準を満たしていた。また、算定していない施設においては、ADL 低下割合4% 以上5%未満に緩やかなピークが見られた。 ○ 体制加算算定ありの患者は、算定なしの患者と比べてリハビリテーションの実 施割合が高く、入院3日目までにリハビリテーションが開始された割合も高か った。 ○ 患者1人当たりの1日平均リハビリテーション単位数は、体制加算算定なしの 場合と比べて算定ありの場合で多く、休日も平日と変わらなかった。また、施 設全体におけるリハビリテーション提供量は、体制加算の算定ありの場合、休 日(土日祝日)全体で平日の 86.5%、算定なしの場合、平日の 34.1%だった。 ○ 体制加算の算定がある(多職種が配置されている)病棟においては、病棟での 各業務に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士が主として関わ る割合が高く、医師や看護職員が主として関わる割合が低かった。また、療法 士が生活機能回復や栄養・口腔状態に係る項目へ関与している割合が高かった。 ○ 体制加算における病棟専従の療法士は、疾患別リハビリテーションのほか、場 面に応じたワンポイントの ADL 動作の指導や、看護職員の業務としても実施さ れる体重測定や環境調整といった業務を、療法士としての観点から行っている 事例がある。 ○ 体制加算算定ありの患者のほうが、低栄養の入力割合と入院栄養食事指導料の 算定患者割合が高かった。また、算定ありの患者のほうが、入院時の低栄養の 割合が高かった。 ○ 体制加算の算定有無による退院後の歯科受診状況に大きな差はなく、歯科受診 率は低かった。 43 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 土日祝日に提供するリハビリテーション単位数が平日の8割以上であることの 要件が厳しすぎるのではないかとの意見があった。 ○ 体制加算に取り組みたい医療機関は多いものの、人員配置等の施設基準が厳し いため、算定が伸び悩んでいるのではないかとの意見があった。 ○ 病棟配置によって、ADL の評価、維持や廃用予防といった観点から意義がある のではないかとの意見があった。 ○ 入院中の患者の ADL の維持や向上を趣旨とした体制加算や病棟の施設基準にお ける多職種配置が進みつつあるが、生活機能を落とさないためには、より一層 こうした病棟での多職種連携の推進が必要ではないかとの意見があった。 11-2.病棟におけるリハビリテーションについて(別添資料③ P217~P223) ○ 地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟の施設 基準においては、専従常勤の療法士数が規定されており、かつ疾患別リハビリ テーションを担当する専従者と兼務はできないとされている。 しかし、専従 の療法士が病棟において疾患別リハビリテーションと別に行う業務については、 地域包括医療病棟以外では明記されていない。 ○ 療法士の疾患別リハビリテーションの提供以外の業務として、ADL 等の評価、 他職種へのポジショニング等に関する助言、可動域等や退院後を考慮した患者 へのケア提供、疾患別リハビリテーション料等の対象とならない患者への ADL の維持・向上を目的とした指導等を行っていた。 ○ 入院中のリハビリテーションには、身体機能の回復や廃用症候群の予防だけで なく、退院後の生活を見据えた生活機能の回復のための介入が求められる。 ○ 回復期リハビリテーション病棟入院料1~4を算定する病棟のうち、生活の場 における短時間のリハビリテーションを実施していた病棟は 10~20%であった。 ○ 地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟のうち、 疾患別リハビリテーション等以外の ADL の維持、向上等を目的とした指導を実 施している割合は地域包括医療病棟にて最も高く、実施した患者数はいずれの 病棟でも同程度であった。 ○ 回復期リハビリテーション病棟では、「生活機能の回復に向けた支援」等、ADL に係る項目について、療法士が関与している割合が比較的高かった。また、地 域包括医療病棟では、地域包括ケア病棟と比べ、生活機能の回復に向けた排泄 や離床の促しの支援、体位交換等の業務について療法士が関与している割合が 高い傾向であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 病棟配置の療法士の役割は明示されていないが、病棟における生活機能回復の ための介入は重要であるとの意見があった。一方、一部は生活介助の延長とも 44 とらえられるため、リハビリテーションとして実施する効果を科学的に検証す る必要もあるのではないかという指摘があった。 ○ 病棟における生活の場に即した短時間のリハビリテーションは重要だが、例え ばトイレ場面の介助等は短時間で終わり、カルテ記載を含めるとカルテ記載の ほうが長くかかることもあるため、こうしたリハビリテーションの位置づけを 検討してはどうかとの意見があった。 ○ 日常生活動作に関してオンデマンドでリアルタイムに介入していくことが、退 院後の生活に直結しているため、看護師は看護の視点で日々こうした支援を実 施している。今後、病棟での多様な職種の関わりが増えることにより、各職種 それぞれの視点を活かして日常生活動作への支援が行われるようになると考え られるが、各職種がばらばらに関わることがないよう、有機的に連携させるこ とが不可欠であり、マネジメントの知識や経験のある人材がしっかりとまとめ ていくことが重要であるとの意見があった。 11-3.病棟における栄養管理について(別添資料③ P224~P229) ○ 累次の改定において、管理栄養士の病棟での業務が推進されているが、多くの 病棟では配置が進んでいない。 ○ 管理栄養士が病棟で従事する時間が就業時間のうち2割未満の病棟が約3割あ り、そのような病棟では栄養情報提供書の作成やミールラウンドの実施割合が 特に低かった。 ○ 栄養サポートチーム加算の届出施設数は増加しているが、入院料により算定状 況は様々であった。未届け理由は、研修を受けた専門職確保が困難であること が多く、チーム設置のメリットが少ないことも3割超となっていた。 ○ 管理栄養士の病棟配置や多職種連携が要件となっている特定入院料や加算は、 原則、栄養サポートチーム加算の出来高算定や併算定はできない。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 管理栄養士の業務として、給食管理業務が一定割合あるが、調理員不足により 調理等の業務が増えている場合もあり、そこを解決して、病棟での栄養管理に 専念できるようにしなければならないとの意見があった。 ○ 栄養サポートチーム加算の算定回数が増えていないのは、患者がいないのでは なく、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士が共同で診療を行うことの負担が大 きいのではないか。高齢者の入院が今後ますます増加する中で、栄養管理の観 点からどのように推進するか検証すべきではないかとの意見があった。 11-4.病棟における薬剤管理について(別添資料③ P230~P232) ○ 病棟薬剤業務実施加算の届出医療機関数は、平成 24 年度の加算新設以来、 年々増加している。 45 ○ 病棟薬剤業務実施加算の算定状況によらず、薬剤師による介入が医師の負担軽 減に寄与している。 ○ 令和6年度に新設された薬剤業務向上加算について、算定医療機関数は今後増 加の見込みであるが、地域の医療機関に出向できる薬剤師の確保が課題である。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 調剤以外の病棟業務等のニーズが増え、病院薬剤師数は増加している。ただし、 薬剤師の人件費を賄う場合、病棟薬剤業務実施加算により 150 床程度の算定で 得られる診療報酬でようやく1人分となり、小規模病院では当該診療報酬によ って薬剤師の人件費が確保できない現状があるとの意見があった。 ○ 薬剤業務向上加算の算定医療機関数は増加傾向であり、出向した薬剤師の成長 や受け入れ先の地域医療機関における薬剤業務の質の向上につながっていると の意見があった。 11-5.病棟における看護業務とタスクシェア(別添資料③ P233~P244) ○ 急性期~慢性期 43 病棟の看護師を対象とした「病棟の看護業務タイムスタデ ィ調査(※)」(病棟ごとに全勤務帯を網羅できるよう調査)の結果では、「診 察・治療」「患者のケア」に従事している時間が長く、全体の半分程度を占め ていた。「看護記録」や「情報共有」の時間がそれに続いた。 ※出典:令和6年度厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「効率的 な看護業務推進の評価に係る実態把握のための研究」分担研究者 菊池令子・小澤知子 (研究代表者 坂本すが) ○ 病棟業務への多職種の関与として、「診察・治療」のうち栄養状態、摂食・嚥 下状態、ADL、口腔の状態等に関するスクリーニング・評価や、各種計画の作 成は、管理栄養士や療法士がそれぞれ主として実施している病棟が多かった。 薬剤の準備・投与に関する業務は薬剤師が関与している病棟が多かった。検査 の準備や実施は、臨床検査技師が関与している病棟が約3割あった。病棟にお けるリハビリテーションや自立援助、嚥下訓練に関する業務は療法士、食事に 関する業務は管理栄養士が関与している病棟が多かった。 ○ 「患者のケア」に係る業務の多くは、看護師が主として実施していた。食事の 配膳や排泄介助、見守り・付き添い、食事介助、体位交換は、看護補助者が主 として実施していると回答した病棟が1割~2割程度みられた。離床の取組や 患者宅への訪問は、理学療法士や作業療法士が関与している又は主として実施 している病棟が多かった。 ○ 調査で分担していることが明らかになった各業務においては、専門職が関わる ことにより、業務の安全性向上や効率化、対応の迅速化といったメリットがあ ると考えられた。 46 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 今後、病棟では多様な職種の関わりが増えてくることで、各専門職種がそれぞ れの視点を活かした支援業務を行っていくことが必要となる。効果的なケアを 行うためには、多様な職種が関わるタイミングや内容、病棟全体の患者の状況 等に応じた様々な業務分担の在り方を検討し、有機的な多職種の連携が不可欠 であり、看護管理者によるマネジメントも重要ではないかとの意見があった。 ○ 特に療法士が病棟で担う役割には期待しており、どのような業務・ケアを担当 しうるか詳細に検討してはどうかとの意見があった。 ○ 多職種連携が加算等で評価されることとなると、大病院に雇用が集中し需給バ ランスが崩れる懸念があるため、医療機関ごとの需要に応じた柔軟な体制をと れるよう、技術的に検討すべきとの意見があった。 12. 外来医療について (別添資料④ P2~P104) 12-1.地域包括診療料・生活習慣病管理料について(別添資料④ P3~P56) ○ 地域包括診療料の届出医療機関数は近年横ばいであったが、算定回数は減少傾 向であった。地域包括診療加算の届出医療機関数・算定回数は、地域包括診療 料と比較して多く、近年増加傾向であった。 ○ 地域包括診療料・加算等の算定患者の主傷病名は、高血圧症、糖尿病、脂質異 常症が比較的多い傾向であったが、多岐にわたっていた。 ○ 地域包括診療料・加算の算定診療所では、それ以外の診療所と比較して、介護 との連携に関する取組を実施している割合が高かった。 ○ 特定疾患療養管理料を算定する患者の主傷病名は、令和6年度改定前は生活習 慣病が多くを占めていたが、改定以後は気管支喘息や慢性胃炎の占める割合が 増加し、算定回数は大幅に減少、算定医療機関数はやや減少した。 ○ 主傷病名が糖尿病、高血圧症、脂質異常症である外来患者が算定された診療報 酬は、令和4年では外来管理加算が最も多かったが、令和6年では、生活習慣 病管理料(Ⅱ)が最も多かった。 ○ 生活習慣病管理の関係学会のガイドライン等においては、高齢者の生活習慣病 の管理にあたっては、特有な状態への配慮が必要とされている。糖尿病の管理 にあたっては、高齢者の患者とそれ以外の患者では、治療目標の推奨が異なっ ている。 ○ 診療所又は許可病床数が 200 床未満の病院に対して、生活習慣病管理料を算定 していない理由を聞いたところ、「療養計画書に記載する項目が多く、業務負 担が大きいため」が 14.4%であった。 ○ 生活習慣病管理料を算定された患者について、6か月ごとの継続算定率は、医 療機関ごとにばらつきがあった。 ○ 外来患者及び一般の方を対象とした調査において、「定期的な受診を続ける上 で、医療機関の体制や機能として必要と思うこと」を聞いたところ、「予約診 47 療を行っていること」が最も多く、次いで「28日以上の長期処方に対応してい ること」が多かった。 ○ 診療所又は 200 床未満の病院において、糖尿病を主病とする患者数は、平均で 118.8人、中央値は38.5人であった。そのうち、眼科受診を指導した患者数は、 平均で 21.5 人、中央値は0人であり、歯科受診を促した患者数は、平均で 14.1人、中央値は0人であった。 ○ 「(認知症)地域包括診療料」「(認知症)地域包括診療加算」を算定された患 者に占める 65 歳以上の患者の割合は、「(認知症)地域包括診療料」では約 93%であり、「(認知症)地域包括診療加算」では約77%であった。 ○ 診療所における検査体制は、いずれの検査項目も、機能強化加算の算定医療機 関において、より早期に結果を出せる体制が確保されている傾向があった。 ○ 生活習慣病管理料 (Ⅱ)を算定する場合、医学管理料のうち、悪性腫瘍に関す る医学管理料(がん性疼痛緩和指導管理料)や、書類作成に関する評価(診療 情報提供料等)の一部が別途出来高算定が可能である一方で、悪性腫瘍特異物 質治療管理料や傷病手当金意見書交付料については包括されている。また、生 活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)ともに、糖尿病を主病とした場合は、他疾患に対して 在宅自己注射を行う場合であっても、在宅自己注射指導管理料を算定できない。 ○ 診療所における、主傷病名が「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」である外来 患者について、6か月当たりの算定回数別に、それぞれの算定実人数の割合を 調べたところ、平均して1か月に1回以下の頻度で「再診料」を算定している 患者は、約 85%程度であった。また、診療所において「生活習慣病管理料 (Ⅰ) (Ⅱ) 」を平均して2か月に1回以下の頻度で算定している患者は、約 50%前後であった。 ○ 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)をそれぞれどのような患者に対して算定するのかに ついては、それぞれ個々の患者の状態等に応じて医療機関において判断するも のとしている。生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定しない理由をそれぞれ聞 いたところ、「生活習慣病の受診を開始したばかりの患者」「疾病のコントロー ルが不良な患者」「検査の頻度が多い患者」について、 (Ⅰ)と(Ⅱ)での回答傾 向が異なっていた。また、生活習慣病管理料(Ⅰ) 及び(Ⅱ)の両方を算定して いる医療機関に対する調査では、「受診頻度が2か月に1回より少ない患者」 「検査の頻度が2か月に1回より少ない患者」については、「生活習慣病管理 料(Ⅰ)」の算定が多く、その他の患者については、「生活習慣病管理料(Ⅱ)」 の算定が多い傾向があった。 ○ 生活習慣病管理料(Ⅰ)で包括される「第3部 検査」「第6部 注射」「第13部 病理診断」に含まれる各項目は、生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定する患者と比 較して、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する患者に対してより多く実施されて いた。 ○ 生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定した外来患者について、6か月当たりの血液検査 48 算定回数を調べたところ、平均して6か月に2回以下の頻度で算定している患 者が、全体の約7~9割以上であった。6か月に1回も算定がない患者も一定 数を占めていた。 ○ 生活習慣病管理料(現在の「生活習慣病管理料(Ⅰ)」に相当)を算定された患 者について、他の医療機関への受診も含む受診継続率は、医療機関ごとにばら つきがあった。また、同一医療機関における同一管理料の継続算定率との差は 5~20%程度であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 高齢者では、複数疾患への罹患やポリファーマシーなど、リスクが重なり合う 中でフレイルが進行することを踏まえると、これらを包括的に診る役割を担う ことが、かかりつけ医の重要な機能であると考えられるとの意見があった。 ○ 生活習慣病管理料を算定していない理由として、対象患者が少ないこと以外に、 療養計画書の作成負担が大きいことが挙げられており、過去に簡素化がなされ たものの、依然として負担感が残っている。療養計画書のあり方について見直 しの検討が必要ではないかとの意見があった。 ○ 療養計画書については、患者に署名を求めることや記入事項等が医師・患者双 方の負担となっていることから、臨床現場の実態に即した負担軽減を検討すべ きではないかとの意見があった。 ○ 生活習慣病管理料においては、患者が治療から脱落せず、継続的に受診を続け ることが重要な観点である。「定期的な受診を続ける上で、医療機関の体制や 機能として必要と思うこと」の調査結果において、予約診療及び長期処方への 対応が多く選択されていることを踏まえた検討が必要ではないかとの意見があ った。 ○ かかりつけ医機能は、地域全体で「面」で担っているという特性がある。かか りつけ医としては継続的な通院を望む一方で、患者の状況に応じて通院先が変 更となる可能性もあることを踏まえて、継続算定率のデータは慎重に評価する 必要があるとの意見があった。 ○ 糖尿病患者に対する歯科受診は、オーラルフレイルの予防や口腔機能の低下へ の早期対応の観点から重要である。糖尿病の内科診療を受ける外来患者に対し ては、歯科診療所への定期的な受診を促す体制がさらに必要ではないかとの意 見があった。 ○ 長期処方への対応状況と、リフィル処方への対応状況には大きな差がある。生 活習慣病の外来診療は、データからも長期処方で十分対応できていることから、 リフィル処方の必要性は限定的であると考えられ、リフィル処方に対する過度 な期待については、見直しの余地があるのではないかとの意見があった。 ○ 高齢者に対しては、疾患重症化予防とともに、栄養・口腔機能・運動・社会参 加等を含む包括的なフレイル対策が求められている。現在は行政が中心となっ 49 ているが、限界もあるため、かかりつけ医を含む医療機関も一定の役割を担う 必要があるとの意見があった。 ○ 生活習慣病患者について、6か月間検査が実施されていない患者が一定おり、 適切な医学管理が行われているか疑問があるとの意見があった。 ○ 生活習慣病管理料について、その病状や生活習慣等に関する総合的な治療管理 が療養計画書に基づき行われていることや、健康診断や人間ドックの検査結果 を患者が持参するケースもあることから、6か月間の検査実施状況のデータの みをもって医学管理の妥当性を判断することはできないとの意見があった。 ○ 生活習慣病管理料に関する調査結果からは、検査料等が包括される生活習慣病 管理料(Ⅰ)について、生活習慣病の疾患コントロールが良好で、合併症等も 認められず、検査頻度が低下した状況において算定していると解釈できるため、 実態を分析した上で、医療資源投入量に応じた評価となるように検討する必要 があるとの意見があった。 12-2.かかりつけ医機能について(別添資料④ P57~P75) ○ 機能強化加算の届出医療機関数は、令和3年までは増加傾向であったが、近年 は横ばいである。算定回数は、令和2年に大きく減少していたが、令和5年に は令和元年以前よりも増加した。 ○ 外来受診した医療機関において「かかりつけ医機能に関する説明を受けたこと がある」と回答した患者は、38.9%であり、「かかりつけ医機能に関する院内掲 示を見たことがある」と回答した患者は、46.2%であった。 ○ 機能強化加算の届出医療機関は、機能強化加算の算定要件の一部となっている 「処方薬の把握」「健診に関する相談」「予防接種」「学校医」等に関する機能 を有している割合が大きかった。 ○ かかりつけ医に関連した研修等のうち、「日本医師会のかかりつけ医機能研修」 を修了又は一部受講した医師の在籍割合が最も高く、43.5%であった。 ○ 医学生の実習、臨床研修医の受入れを行っている診療所は約10%前後であり、 専攻医の受入れを行っている診療所は約4.2%であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 現在の機能強化加算は、地域包括診療料・加算、小児かかりつけ診療料、在宅 時医学総合管理料等の届出をもって、かかりつけ医機能が高いと評価する考え 方となっている。かかりつけ医機能報告制度が開始されることを踏まえると、 この制度に沿った形で再検討することが求められるのではないかとの意見があ った。 ○ かかりつけ医機能に係る診療報酬上の評価(機能強化加算等)のあり方につい ては、制度が作られた際の趣旨を十分に踏まえた上で、慎重に検討する必要が ある。また、かかりつけ医機能報告制度は、医療機関の機能を認定する制度で 50 はなく、現状を把握するための報告制度であり、地域における専門性を有する 医療機関が連携して面としてかかりつけ医機能を発揮することを目指すもので あるため、かかりつけ医機能報告制度と診療報酬は関連させるものではないと の意見があった。 12-3.外来機能分化について(別添資料④ P76~P104) ○ 病院の1日平均外来患者数は、長期的には減少傾向である。紹介なしで外来受 診した患者の割合を病院機能別に見たところ、その割合は長期的に減少傾向に あり、令和5年は特定機能病院では 34.1%、地域医療支援病院では 58.5%で あった。 ○ 紹介割合・逆紹介割合による初診料・外来診療料の減算規定の対象病院におけ る令和6年度の紹介割合・逆紹介割合は、令和5年度と比較して不変~やや増 加していた。 ○ 減算規定の対象病院における令和6年 10 月の再診の患者数の平均値・中央値 は、令和5年 10 月と比較して増加した。全受診患者に占める初診患者割合の 平均値・中央値は、特定機能病院では約5%であり、その他の区分では約10% であった。 ○ 減算規定の対象病院の再診患者のうち約6割以上の患者は、2年以内に初診料 の算定がない患者であった。また、平均して8割程度の患者が直近6か月以内 に再診を受けていた。 ○ 医療機関間の連携に関する評価として「診療情報提供料(Ⅰ)」「診療情報提供 料(Ⅱ)」「連携強化情報提供料」を設けている。診療情報提供料の算定回数は、 令和2年に低下し、令和3年以降は増加している。特に、「連携強化情報提供 料」は、令和6年に算定回数が大きく増加した。 ○ 外来診療料の注2、3減算の算定が1回以上あった病院の割合は、いずれの区 分においても 10%未満であり、特定機能病院においては0%であった。 ○ 外来診療料を算定した患者の主傷病名は、特定機能病院においては、「悪性腫 瘍」の患者は約 18%、「指定難病」の患者は約4%程度、「小児慢性特定疾病 (悪性腫瘍除く)」は約 16%であった。地域医療支援病院又は紹介重点医療機 関であって許可病床数 200 床以上の病院においては、「悪性腫瘍」の患者は約 14%、「指定難病」の患者は約2%、「小児慢性特定疾病(悪性腫瘍除く)」は約 15%であった。 ○ その他の大病院においては、「悪性腫瘍」の患者は約 15%、「指定難病」の患者 は約2%、「小児慢性特定疾病(悪性腫瘍除く)」は約13%であった。 ○ 外来診療料の注2・3減算を算定した患者の主傷病名は、地域医療支援病院又 は紹介重点医療機関であって許可病床数 200 床以上の病院においては、 「悪 性腫瘍」「指定難病」の割合は、外来診療料算定患者全体と比較して大きな差 は認められなかった一方で、「小児慢性特定疾病(悪性腫瘍除く)」の割合は少 51 ない傾向があった。その他の大病院においては、 「悪性腫瘍」の患者は約1% 程度、「指定難病」の患者は約3%であり、外来診療料算定患者全体と比較し て異なる傾向があった一方で、「小児慢性特定疾病(悪性腫瘍除く)」の割合に は大きな差はなかった。 ○ 特定機能病院においては、「周知するポスターを掲示している」が最も多く、 それ以外の病院においては「案内を直接患者に行っている」が最も多かった。 ○ 再診患者の逆紹介を行う上での課題としては、「逆紹介を行うことについて、 治療管理上の不安を持つ患者の理解を得ることが困難」が最も多く、次いで 「自院の複数科を受診している患者について、診療科間での調整が困難」が多 かった。 ○ 1人の患者に対して、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携をしなが ら共同で継続的に治療管理を行う取組(いわゆる「2人主治医制」等と呼ばれ るもの)の状況を調査したところ、特定機能病院においては、「案内を Web サ イトに掲載している」が最も多く、それ以外の病院においては「案内を直接患 者に行っている」が最も多かった。診療所においては、 「特に取組を行って いない」が最も多く、次いで「取組に関する案内を直接患者に行っている」 「近隣の病院と取組に関する取り決めを行っている」が多かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 減算規定の対象病院において、相当数の患者が2年以上通院していることや、 半年以内に外来再診していることについては、当該患者が本来逆紹介すべき患 者であるのか、あるいは地域の医療機関で日常的な管理を受けつつ、専門外来 でフォローアップされているのか、現状のデータだけでは判断が困難であるた め、今後、他の医療機関への受診状況や疾患の種類等も含めて分析を行い、継 続的な受診の妥当性について検討することが必要ではないかとの意見があった。 ○ 特定機能病院等の再診患者には、悪性腫瘍のフォローアップや化学療法を要す る患者など、継続的な医学的管理が必要な患者が含まれていると考えられる。 どのような患者が再診を継続しているのか、更なる分析が必要ではないかとの 意見があった。 ○ かかりつけ医機能の充実に向け、診療情報のやりとりは重要であり、診療情報 提供料の算定回数増加は好ましい傾向である。連携強化診療情報提供料は病院 での算定が大きく伸びる一方で、診療所では伸びていない。その要因が、算定 要件が複雑であるためであるならば、要件の見直しが必要ではないかとの意見 があった。 ○ 健康診断施設等から病院へ紹介された患者については、地域における適切な逆 紹介先の選定が難しい例があるとの意見があった。 ○ 特定機能病院等の再診患者について、悪性腫瘍、指定難病、小児慢性特定疾病 の患者が一定数存在する。これらの患者は逆紹介が困難な傾向にあるが、傷病 52 名のみで継続的な外来診療の妥当性を判断することは困難であり、例えば化学 療法の実施状況や薬剤使用等の具体的な診療行為について考慮する必要がある のではないかとの意見があった。 ○ 逆紹介が可能な場合には積極的に逆紹介を行うことが望ましく、特定機能病院 等と地域の診療所等との連携の取組を進めるとともに、いわゆる「2人主治医 制」などの導入も含め、継続的な医学管理のあり方について検討することが重 要であるとの意見があった。 13. 情報通信機器を用いた診療について (別添資料④ P105~P124) ○ 令和4年度診療報酬改定における情報通信機器を用いた診療の見直し以降、情 報通信機器を用いた診療の届出医療機関数は増加傾向であり、初・再診料等の 算定回数も増加している。 ○ 年齢階級別の算定回数については、対面診療と比較して若年者の算定割合が高 く、再診料・外来診療料では年齢構成に地域差が見られる。 13-1.D to P について(別添資料④ P110~P116) ○ 情報通信機器を用いた診療における傷病名について、初診料は呼吸器感染症、 再診料等は精神疾患に類する傷病名が占める割合が大きく、対面診療の割合が 5割未満の医療機関においても同様の傾向であった。 ○ 受診者のうち受診医療機関の所在都道府県が居住地と異なる割合は19.1%であ った。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ オンライン診療は健全に普及させていくことが求められているところ、令和6 年のデータでは令和4年と比較して精神科領域や皮膚科領域の増加が目立って おり、オンライン診療と対面診療を比較した場合の診療内容の比較等により実 態を検証してはどうかとの意見があった。 ○ オンライン診療による向精神薬の不適切な処方のリスクが懸念されることから、 診療内容についてより詳細に実態を検証してはどうかという意見があった。 13-2.D to P with D について(別添資料④ P117) ○ 遠隔連携診療料は令和2年度に新設されて以降、算定回数は限られている。 ○ 過去1年間にD to P with Dによるオンライン診療を実施した医療機関は1.0% で、遠隔連携診療料を算定できる状況以外であっても、医療的ケア児に対する 診療や、訪問診療における眼科・皮膚科・耳鼻科等の専門医との連携等の事例 も見られた。 53 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ D to P with Dについて、医療的ケア児に対する診療や訪問診療における耳鼻 科等の疾患に対する評価が考えられるのではないかという意見があった。 13-3.D to P with N について(別添資料④ P118~P121) ○ 令和6年度診療報酬改定において再診料・外来診療料に係る看護師等遠隔診療 補助加算が新設され、届出医療機関数は令和7年4月1日時点で 78 施設とな っており、研修受講者も合計約4,000 名程度となっている。 ○ オンライン診療を受けた感想として、「対面診療であればすぐに受けられる検 査や処置が受けられないと感じた」と回答した患者が 45.3%、オンライン診療 より対面診療を希望する理由として、「検査や処置がすぐに受けられるから」 が83.2%で最多であった。 ○ 規制改革実行計画(令和7年6月 13日閣議決定)において、D to P with Nに おける診療報酬の算定方法に不明確な部分があるとの指摘があった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ D to P with N においては、看護師等による診療の補助等も行われていること から、その評価については明確化も含めて検討してはどうかという意見があっ た。 13-4.へき地等におけるオンライン診療について(別添資料④ P122~P124) ○ 第8次医療計画におけるへき地の医療提供体制において、主要3事業の評価の うち、オンライン診療を活用して行った巡回診療・代診医派遣についても、主 要3事業の実績に含めることが明確化されたところ。 ○ 令和5年度実績によると、巡回診療を実施したへき地拠点病院のうち、オンラ イン診療による巡回診療を実施した医療機関数が7施設(7.1%)であった。ま た、へき地診療所において、へき地の住民に対するオンライン診療で活用した と回答した医療機関は 75 施設(6.7%)で、受診者が患家にいるケースよりも 受診者が診療所にいるケースの件数が多かった。 ○ 二次医療圏別の算定回数について、医療機関住所地ベースでは、東京都(23区 内)での算定回数が多く、66の二次医療圏で算定回数が0回であった。患者住 所地ベースでは、全ての二次医療圏で算定されていた。 14. 入院から外来への移行について (別添資料④ P125~P138) ○ 短期滞在手術等の算定方法については、入院・入院外の別、及び医療機関の類 型毎に、複数の算定方法が混在している。 ○ 令和4年度診療報酬改定において、短期滞在手術等基本料1の評価及び麻酔科 医の配置に係る要件の見直しを行うとともに、短期滞在手術等基本料1の対象 54 手術等の追加を行ったところ、特に診療所での算定回数が著しく増加した。 ○ 短期滞在手術等基本料1については、対象手術のうち「水晶体再建術(眼内レ ンズを挿入する場合)(その他のもの)」といった一部の手術が、算定回数の殆 どを占めている。 ○ これらの手術については、診療所を中心に、一定程度入院外でも実施されてい る一方で、一部の手術については、病院における入院外実施率は低調に推移し ており、令和4年度診療報酬改定での短期滞在手術等基本料1の算定要件の見 直し後も、外来実施率の伸びへの明らかな影響はみられていない。 ○ 医療機関毎の分析では、これらの手術の入院外実施率が0%の医療機関も、一定 数もみられた。 ○ 特に、白内障に体する水晶体再建術については、第 165 回社会保障審議会医 療保険部会において、本邦では、OECD 諸外国と比較して外来実施率が低いこ とが指摘されている。 ○ また、令和8年度診療報酬改定に向けた DPC 作業グループにおける議論におい て、DPC 対象病院の中に、短期滞在手術等の症例割合が高い医療機関が存在す ることが指摘されており、また、当分科会においても、地域包括ケア病棟で短 期滞在手術等基本料3の対象となる入院例が多いことが指摘されている。 ○ 短期滞在手術等を入院で実施する場合、外来で実施する場合と比較して、総じ て診療報酬が高くなる。 ○ 令和5年度特別調査においては、短期滞在手術等を入院で実施する理由として、 病院の構造的の理由や、症例毎の臨床的な理由等が挙げられた。 ○ 短期滞在手術等基本料3の対象手術については、令和4年度診療報酬改定にお いて、在院日数や医療資源投入量が一定の範囲に収斂している手術等を、新た に対象手術等に加えることとした。 ○ 短期滞在手術等基本料3の対象となっている手術等は、入院外での実施割合が 増加しており、平成30年度以降も一定程度算定されている。 ○ 短期滞在手術等基本料3の対象となっている手術等については、平均在院日数 が減少していた。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 「水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)」等、一部の手 術については、外来で実施可能であり、外来移行を進めるべきではないかとの 意見があった。 ○ 短期滞在手術について、算定する入院料等によって患者像が異なるとは考え がたいため、算定方法を統一すべきではないかとの意見があった。 ○ 外来移行の阻害要因のうち、施設要因については一定の配慮が必要ではないか との意見があった。 55 15. 賃上げ・処遇改善について (別添資料④ P139~P159) ○ 令和7年6月 13 日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2025」 において、「次期報酬改定を始めとした必要な対応策において、経営の安定や 現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行 う。」とされている。 ○ ベースアップ評価料は、病院の約9割、診療所の約4割が届出を行っている。 ○ ベースアップ評価料を届け出ていない病院には、公立病院や医療法人(社会医 療法人は含まない)、許可病床数 100床未満の病院が多かった。 ○ 看護職員処遇改善評価料及び入院ベースアップ評価料の算定に当たって、各医 療機関は職員給与や診療報酬の算定回数等に基づく届出区分の計算、賃金改善 計画書・賃金改善実績報告書の作成等が必要である。 ○ ベースアップ評価料を届け出ていない病院において、その理由として最も多い ものは「届出内容が煩雑なため」であった。 ○ 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)について特徴的に併算定されている診療 行為は、血液透析に関連したものが多かった。 ○ ベースアップ評価料の賃金改善計画書において、令和5年度と比較した対象職 員の令和6年度及び令和7年度の賃上げ計画の平均値は、それぞれ 2.69%、 3.40%の引上げであった。 ○ 40歳未満医師及び事務職員の賃上げについては、初再診料、入院基本料等の引 き上げ等により対応することとしているところ、令和5年度と比較した令和7 年度の賃上げ計画の平均値は、それぞれ 2.89%、3.18%の引上げであった。 ○ 歯科技工所における従業員の基本給等総額は、令和6年4月と令和7年4月を 比較すると 6.1%上昇していた。 ○ 令和6年度において約5割の薬局が賃上げを実施しており、薬剤師においては 20~49店舗の薬局、事務職員においては300店舗以上の薬局において賃上げ率 が大きかった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 職責に見合った賃上げが必須であるが、他産業に比べて賃上げ率が少ないため、 医療人材確保に繋がる賃上げが可能な報酬制度とすべきとの意見があった。 ○ 看護職員処遇改善評価料、ベースアップ評価料の双方について、様々な影響を 勘案して慎重に対応していくことが重要との意見があった。一方で、書類の作 成が非常に煩雑であり、両者を統合することについては検討の余地があるので はないかとの意見もあった。 ○ 病床規模の小さい医療機関におけるベースアップ評価料の届出が進んでおらず、 その背景として、事務職員が不足している中、届出書類の作成に係る事務負担 が挙げられるとの意見があった。 ○ 賃上げの原資は入院基本料等の増分から賄われるべきであり、ベースアップ評 56 価料を入院基本料等に統合すべきであるが、難しければ、届出書類の簡素化や 対象職種の見直し等を講じるべきとの意見があった。 ○ 賃金増率について、政府目標の 4.5%に届いていないが、他方で、これは賃上 げ促進税制も含めた目標であるため、税制の活用状況も含めて分析する必要が あるのではないかとの意見があった。 ○ 入院ベースアップ評価料のみならず、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)に ついても簡素化を図るべきとの意見があった。 16. 人口・医療資源の少ない地域における対応 (別添資料④ P160~P169) ○ 人口規模が小さい二次医療圏においては、2012 年から 2022 年にかけて診療所 数が減少傾向にあり、従事する医師の高齢化も進んでいる。 ○ 急性期拠点機能を担う医療機関は、地域の医療資源の状況を踏まえた地域医療 構想調整会議での協議のうえ、地域の医療機関へ代診医などの医師を派遣する ことが想定されている。 ○ 医療資源の少ない地域に関するヒアリング調査では、地域の外来診療を近隣病 院からの医師派遣に頼っている現状や、へき地で高齢者を対象にオンライン診 療を実施する場合に、機器の操作などを手助けするためのコストや時間がかか る現状などに関する意見があった。 ○ 医療資源の少ない地域に関するヒアリング調査では、地域の外来診療を、へき 地医療拠点病院ではない近隣病院からの医師派遣に頼っている現状に関する意 見があった。 ○ 全二次医療圏の人口平均値は約 28.2 万人であり、中央値は約 22.3 万人であっ た。二次医療圏の人口密度にはばらつきがあり、全二次医療圏の平均値以下で ある二次医療圏は 268 医療圏であり、全国の人口密度以下である二次医療圏は 194医療圏であった。 ○ へき地医療拠点病院における主要3事業(巡回診療、医師派遣、代診医派遣) の実施状況について、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の届出の有無と、 実施状況に大きな違いは見られなかったが、代診医派遣については、届出のな い医療機関と比較して、届出のある医療機関の方が多く実施していた。このよ うな拠点的な病院では、自院における救急搬送受入や手術等の診療に加えて、 当該事業等を通じて、地域医療提供体制の確保において重要な役割を担ってい る病院もあると考えられる。 ○ 情報通信機器を用いた診療の届出を行っているへき地医療拠点病院は 83 施設、 へき地診療所は 134 施設。へき地拠点病院において、オンライン診療による巡 回診療を実施した医療機関は7施設であり、実施した巡回診療のうちほとんど をオンライン診療で実施している医療機関もみられた。 ○ 情報通信機器を用いた診療により算定可能な医学管理料の算定回数は、令和6 年度改定前から算定可能な医学管理料の多くで増加傾向である。 57 ○ 地域医療支援病院については、地域の医療従事者の資質の向上を図るための研 修を行うこととされていたが、令和5年医療法改正において、地域におけるか かりつけ医機能の確保のための研修も含めて研修を行うこととされた。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 巡回診療、医師派遣、代診医派遣は、へき地医療拠点病院やへき地医療拠点病 院以外の医療機関においても実施されているとのヒアリング調査を踏まえ、こ のような派遣元の医療機関が果たしている機能に着目した評価の在り方につい て検討することは、地域医療の継続的な確保に資するのではないかとの意見が あった。 ○ 人口の少ない二次医療圏では、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の件数 要件の達成が困難な場合があるため、地域の実情を踏まえた基準緩和や代替的 な評価の検討が必要ではないかとの意見があった。 ○ 人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療は、外来医療について代 替手段が乏しく、医療アクセスが困難である地域への補完という特性を有して おり、都市部における利便性向上を目的としたオンライン診療とは性質が異な るとの意見があった。 ○ D to P with Nは、看護師の同席により、オンライン診療では対応困難な検査・ 処置の実施や、患者の状況把握、生活に即した療養支援が可能となるなどの利 点があり、これらの実態を踏まえて今後の評価の在り方を議論すべきではない かとの意見があった。 17. 個別的事項(別添資料⑤ P2~P199) 17-1.意思決定支援について(別添資料⑤ P3~P7) ○ 令和6年度診療報酬改定において、「人生の最終段階における医療・ケアの決 定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえた適切な意思決定に関す る指針の策定を入院料の通則に規定し、原則としてすべての入院料の算定に当 たって要件化したところ。 ○ 令和6年11月時点において指針を作成している医療機関は80.3%、定期的な見 直しを行っている医療機関は70.5%であった。 ○ 令和6年度診療報酬改定において、「人生の最終段階における医療・ケアの決 定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえた適切な意思決定に関す る指針の策定を、地域包括診療料・加算、認知症地域包括診療料・加算の要件 に追加したところ。 ○ 令和6年11月時点においては、作成している病院及び診療所はそれぞれ84.0%、 19.6%、定期的な見直しを行っている病院及び診療所はそれぞれ 67.5%、51.2% であった。 ○ 地域包括診療料及び地域包括診療加算の届出医療機関では、それぞれ 70.1%、 58 41.5%が指針を作成していた。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 入院時における自院以外の施設からの医療・ケアの方針についての情報提供 の有無について、改定前と大きく変化がないため、地域全体で切れ目なく情報 共有や支援を行うことを推進する観点から、意思決定支援と ACP の情報の提供 に係る一連のプロセスについて評価を行うべきとの意見があった。 ○ 一方で、患者本人が意思決定の主体となることから、医療機関が個別に ACP に 係る指導を行うことを押し付けるような評価は行うべきではないとの指摘があ った。 ○ ACP に関して、多職種間での理解の不一致がある場合があるため、多職種間の 認識一致を目指していくべきとの意見があった。 17-2.身体的拘束を最小化する取組について(別添資料⑤ P8~P32) ○ 診療報酬の算定上、身体的拘束は「抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何 らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制す る行動の制限であり、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る等は すべて該当する」としている。 ○ 一方、身体的拘束廃止・防止の対象となる具体的な行為としては、更に広く、 ベッド柵や薬剤使用などを含めて身体的拘束と定義する考え方もある。 ○ 身体的拘束の実施率は、急性期~慢性期の多くの入院料で0~10%未満の施設 が最も多かった。回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、障害者施設等入 院基本料では身体的拘束の実施率 20%以上が3~4割を占めていた。 ○ 入院料別の身体的拘束の状況について、身体的拘束が行われている患者のうち 「常時:手指・四肢・体幹抑制」の割合は治療室、地域包括医療病棟、療養病 棟では約4割であった。 ○ 身体的拘束を行っている患者について、身体的拘束の実施理由は「ライン・チ ューブ類の自己抜去防止」又は「転倒・転落防止」が多かった。身体的拘束の 実施理由として、治療室、療養病棟では、「ライン・チューブ類の自己抜去防 止」 が5割を越えており、地域包括ケア、回復期リハビリテーション病棟、 障害者施設では「転倒・転落防止」が5割を越えていた。 ○ 身体的拘束が行われている患者について、調査基準日から過去7日間における 身体的拘束を実施した日数が「7日間」である割合は、地域包括ケア病棟で 70.7%、回復期リハビリテーションで 78.8%、療養病棟で 89.3%、障害者施 設等で86.7%であった。 ○ 患者の状態別の身体的拘束の実施状況は、「認知症あり」「BPSD あり」「せん妄 あり」の患者において、身体的拘束の実施率が高かった。また、要支援よりも 要介護の方が身体的拘束の実施率が高く、認知症高齢者の日常生活自立度別で 59 は、自立度が低いほど身体的拘束の実施率が高かった。 ○ いずれの入院料においても、「認知症あり」の場合、身体的拘束の実施率が高 かった。「認知症なし」の場合における身体的拘束の実施率は、治療室で26.2%、 療養病棟で 11.7%、障害者施設等で 25.1%であったがそれ以外の病棟では 10% 以下であった。 ○ 認知症患者の適切な医療の評価を目的として、平成 28 年度診療報酬改定にお いて認知症ケア加算が新設され、令和6年度診療報酬改定では、身体的拘束を 実施しなかった日及び実施した日の点数についてそれぞれ見直しを行った。 ○ 「身体的拘束を実施した日」として算定した割合は、令和6年では28.1%と減 少に転じ、とくに認知症ケア加算1では、 令和5年29.8%から令和6年25.8% と4%減少していた。 ○ 入院料別にみた場合、認知症ケア加算の算定件数・回数について、認知症ケア 加算1は広く算定されていた。認知症ケア加算2及び3は、地域包括ケア病棟、 回復期リハビリテーション病棟、療養病棟で多く算定されていた。 ○ 令和6年 11 月1日時点において、身体的拘束を最小化するための指針を策定 しているのは 90.9%、身体的拘束の実施・解除基準を策定しているのは 90.1% であった。 ○ 身体的拘束廃止に向けた方針として、「介護施設・事業所等で働く方々への身 体拘束廃止・防止の手引き(令和 6 年 3 月)」では、特に管理者等の責任者が 「身体的拘束を原則しない」という決意を持ち、職員をバックアップする方針 を徹底し組織一丸となって考えを共有して取り組むこと、身体的拘束を必要と しない環境の整備、患者本人や家族との対話や意思確認、やむを得ず身体的拘 束を行った場合でも常に代替手段を検討することが示されている。 ○ 令和6年度診療報酬改定において、DPC/PDPSの機能評価係数Ⅱにおける新たな 評価として、医療の質に係るデータの提出や病院情報等の公開を評価するよう になり、その指標の1つとして身体的拘束の実施率が含まれた。 ○ 身体的拘束を予防・最小化するための具体的な取組として、身体的拘束廃止・ 防止に向けてなすべき4つの方針のうち、「院長・看護師長が、身体的拘束を 最小化する方針を自らの言葉で職員に伝え、発信している」は 53.4%、「身体 的拘束が行われるたびに、代替方策がないかどうか複数人数で検討する仕組み がある」は 71.0%の医療機関が取り組んでいると回答した。身体的拘束最小化 の指針の中に薬物の適正使用についての内容を定めている施設は40.9%であっ た。職員向けのデータの可視化に取り組んでいると回答した施設は47.2%であ ったが、対外的に公表している施設は10.7%に留まった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 入院患者として高齢者が増えている中、転倒防止のために行動を制限すること は本末転倒であり、医療機関内で転倒しても大事に至らないような環境整備等 60 を行うとともに、不要な医療処置は行わない、早期に慣れた環境に戻るなどの 対応が進むように社会全体での議論を醸成していくべきであるとの意見があっ た。 ○ 身体的拘束を最小化する取組は、患者の尊厳を守る観点からも重要であり、取 組を推進する工夫が必要である。身体的拘束を最小化する取組としては、経営 者や管理者のリーダーシップをはじめとして組織一丸となっての取組が必要で ある。指針の策定は進められている一方で、患者に医療処置を説明する掲示物 の導入、緩衝マットの活用、管理者から職員への発信等の取組は比較的実施が 少ないことが調査結果からも明らかになっている。このような取組が進むよう な方策について検討が必要との意見があった。 ○ 身体的拘束を最小化する取組への努力は必要だが、転倒・転落のリスクは生じ る。離床センサーマットの活用や段差の解消等は必要だが、家族の理解も重要 となる。病院にいたら転倒しないと思われるのは異なるため、風土を醸成する 必要がある。組織が一丸となって取り組むことも重要。そのような取組が表に 出やすい評価を工夫する必要があるのではないかとの意見があった。 ○ 認知症ケア加算について、令和5年から令和6年にかけて、身体的拘束の実施 割合が減少しているが、令和6年度診療報酬改定による減算の見直しによって 身体的拘束が減少しているのだとすれば、もう少し評価を厳格化することもあ り得るのではないかとの意見があった。 ○ クリップセンサーは完全な拘束ではなく、動けば勝手に外れるものが多く、通 常の抑制とは少し性質が異なる。うまく活用することで、患者が完全に縛りつ けられるといった環境から解放されるということを考慮していくことも必要な のではないか。ただ、今回は身体的拘束最小化の基準が通則と位置づけられ、 取組が始まった直後であるため、今後の変化を見ることが重要ではないかとの 意見があった。 ○ ICTやAIの活用で拘束を減らすことを評価するようなプラスの評価も重要では ないか。取組をインセンティブとして活用するのがよいのではないかとの意見 があった。 ○ 病棟では、認知症等に関する評価様式が多く、実際の対策の検討に十分な時間 が確保されていないのではないかとの意見があった。 ○ 活動の裏返しでもあるので、転倒・転落はある程度するものという考えが必要 であり、骨折予防やインフォームド・コンセントの取組も必要ではないか。ラ イン・チューブ類の自己抜去防止について、治療室は急性期であることからや むを得ないものの、療養病棟等における継続的な身体的拘束とはどのような状 況なのか深堀りする必要があるのではないかとの意見があった。 17-3.栄養管理体制について (別添資料⑤ P33~P36) ○ 令和6年度改定で導入した低栄養評価の GLIM 基準の活用状況は、地域包括医 61 療病棟が100%と最も高く、特定機能病院が40.4%と最も低かった。GLIM基準 の導入により、多職種連携が進んだという回答が約5割だった。 ○ 入院時に低栄養リスクを有する患者は、急性期一般で約4割、地域包括医療病 棟などでは約8割だった。 ○ 入院時に GLIM 基準による低栄養(重度・中等度)に該当する患者は、地域包 括医療病棟、回復期リハビリテーション病棟等で約3割だった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 地域包括医療病棟で低栄養リスクの患者が多いのは、管理栄養士が病棟配置さ れて、的確に栄養スクリーニングが行えているという結果ではないかとの意見 があった。 ○ 低栄養リスクだけではなく、GLIM基準で低栄養と判定された患者の状況につい ても示せないかとの指摘があった。 17-4.リハビリテーションについて (別添資料⑤ P37~P50) ○ 入院中のリハビリテーションには、身体機能の回復や廃用症候群の予防だけで なく、退院後の生活を見据えた生活機能の回復のための介入が求められる。 ○ 疾患別リハビリテーション料では、当該リハビリテーションを実施するために 必要な、医療機関に配置すべき療法士の数や専従要件が規定されているが、当 該療法士が病棟業務に従事することに関する規定はない。 ○ 急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟において、屋 外等での疾患別リハビリテーションを実施した患者のうち、3単位を超えて実 施した症例は45%であった。 ○ 早期のリハビリテーションを評価する加算として急性期リハビリテーション加 算、初期加算、早期リハビリテーション加算が設けられているが、いずれも発 症日からリハビリテーション開始までの日数についての要件はなく、どのタイ ミングからでも算定可能である。 ○ 14 日以内に疾患別リハビリテーションを実施した症例のうち、3日以内に介 入できていない割合は38%であった。 ○ 急性期一般入院料1~6における土日祝日のリハビリテーション実施割合は、 平日と比べて低かった。また、金曜日に入院した患者は、入院後3日以内にリ ハビリテーションを開始した患者割合が低かった。 ○ 回復期リハビリテーション病棟3~5等では休日リハビリテーション提供体制 加算が算定可能である。近年、算定回数は減少傾向にある一方、休日のリハビ リテーション実施が要件となっている回復期リハビリテーション病棟入院料1 の届出機関数は増加している。 ○ 退院時リハビリテーション指導料を算定した患者のうち、疾患別リハビリテー ション料を算定していない患者は 33%であった。 62 ○ 疾患別リハビリテーション料の算定にあたっては、リハビリテーション実施計 画書又はリハビリテーション総合実施計画書の作成が必要である。また、これ らの計画書は、医師が、患者又はその家族等に対してリハビリテーション実施 計画書の内容を説明の上、交付する必要がある。 ○ 多職種でのリハビリテーション総合実施計画書の作成、評価による機能回復の 促進を趣旨とするリハビリテーション総合計画評価料は患者1人につき1月に 1回算定できるが、定期的な機能検査等や効果判定による、リハビリテーショ ンの質の担保を趣旨とするリハビリテーション実施計画書は、3か月に1回以 上の頻度で交付することとなっており、計画書の作成と評価料の算定頻度の設 定はずれている。 ○ 目標設定等支援・管理料は、介護保険によるリハビリテーションへの移行が目 的であったが、平成 31 年3月 31 日をもって入院中以外の要介護被保険者への 算定上限日数を超えた疾患別リハビリテーション料は廃止となった。また、入 院中の要介護被保険者等については、一定の条件の下で標準的算定日数を超え て算定可能だが、脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーシ ョン料では算定回数は減少傾向にある。 ○ 目標設定等支援・管理料とリハビリテーション総合実施計画書では重複する項 目が多い。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 疾患別リハビリテーション料の専従要件については、リハビリテーション室で 実施されるリハビリテーションそのものの質が落ちないように留意しつつ、病 棟でのリハビリテーションができることを明確化する必要があるのではないか との指摘があった。 ○ 社会復帰のための施設外でのリハビリテーションは重要であり、1日3単位ま でという単位数の上限は見直すべきではないかとの意見があった。 ○ 急性期のリハビリテーションでは、入院直後からなるべく早くリハビリテーシ ョンを開始することが重要であるため、急性期リハビリテーション加算等の評 価の在り方について検討していく必要があるのではないかとの意見があった。 ○ より早期の在宅復帰につなげるためにも、入院直後からリハビリテーションを 開始して、土日も含めて中断しないようにすることを急性期リハビリテーショ ン加算等の算定要件として検討しても良いのではないか、その際には必要なマ ンパワーについても合わせて検討すべきとの意見があった。 ○ 退院時リハビリテーション指導料については、入院中にリハビリテーションを 実施した患者の退院時に指導を行うという趣旨を徹底することと、早期のリハ ビリテーション開始に繋げるためにも入院中のリハビリテーションを要件化す るべきではないかとの意見があった。 ○ 退院時リハビリテーション指導料は、高齢者の入院において、退院後に向けた 63 リハビリテーションを周知する良い機会であると考えるため、入院中にリハビ リテーションを実施していない場合に算定出来ないようにするかは慎重な議論 が必要との意見があった。 ○ リハビリテーション関係書類は数が多く非常に煩雑であり、重複した書類が多 いため、必要な記載を残しつつ簡素化する方法について、一部の書類の統合を 含め技術的に検討すべきとの意見があった。 17-5.食事療養について (別添資料⑤ P51~P59) ○ 入院時食事療養(Ⅰ)を届け出た場合、要件を満たせば特別食加算や食堂加算 を算定できる。また、多様なニーズに対応した食事を提供した場合、特別料金 の支払いを受けることができる。 ○ 入院患者の栄養摂取方法として、急性期や包括期では約8割が経口摂取のみで あり、慢性期でも約5割は経口摂取している。経口摂取のみの患者のうち、一 定数は嚥下調整食の必要性がある。 ○ 食費の基準額は、食材費の高騰等を踏まえ、令和6年6月から1食当たり 30 円、令和7年4月から更に20円引き上げた。 ○ 食費基準の引き上げにより給食提供に関して見直したことは、令和6年6月か ら令和7年3月と令和7年4月以降では、大きく変わらなかった。「給食の質 が上がった」との回答はわずかで、全面委託は「給食委託費を増額した」、一 部委託や完全直営は「給食の内容を変えて経費の削減を行った(食材料を安価 なものに変更等) 」がそれぞれ約5割で最も多かった。 ○ 令和6年6月以降、全面委託の約7割、一部委託の約5割の医療機関が、委託 事業者から値上げの申し出があり、契約変更に対応していた。完全直営の医療 機関の3.6%(22施設)は、給食運営を委託から完全直営に切り替えていた。 ○ 嚥下調整食は特別食加算の対象ではないが、必要とする患者は一定数おり、普 通食より食材費が高いとの報告がある。また、見た目を改善し、適切な栄養量 を確保した嚥下調整食の提供により、エネルギー摂取量の増加や ADL の改善が 認められたとの報告もある。 ○ 食堂加算の算定率は約7割であるが、食堂での食事の状況として、「希望する 患者のみ食堂で食事をしている」が最も多く、使用していないという回答も一 定数ある。 ○ 入院患者の多様なニーズに対応して、患者から特別の料金の支払を受けて特別 メニューの食事を提供することができる。約8割の医療機関は、行事食の対応 を追加料金なし、約2割~3割の医療機関は、選択メニューやハラール食等の 宗教に配慮した食事の対応を追加料金なしで行っていた。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 食費の基準額は、約 30 年ぶりに、30 円、20 円と引き上げられたが、米などの 64 食材費や人件費は更に高騰し、給食委託費の引き上げの要望もある。財源がな いのであれば、患者負担増も含めた見直しの検討が必要との意見があった。 ○ 経営努力が必要とはいえ、食材の組合せを変えて対応となると食事の質への影 響が懸念される。様々なデータや給食のコスト構造を踏まえて、実態の把握と 対応について検討を進めるべきとの意見があった。 ○ 病院給食が赤字で提供されていることを患者や国民はほとんど知らないと思う ので、理解いただいた上で、一部自己負担で引き上げを検討することも選択肢 の一つではないかとの意見があった。 ○ 嚥下調整食が必要な患者は一定数いるが、特別食加算の対象とはなっていない ので、検討すべきではないかとの意見があった。 ○ 見た目や栄養量に配慮した嚥下調整食の取組は進めるべきだがコストがかかる ので、どう整理するか検討の余地があるとの意見があった。 ○ 食堂加算を算定していても、食堂を使用していない実態があるのであれば、加 算の在り方について検討が必要ではないかとの意見があった。 ○ 多様なニーズに対応した食事提供ができるよう配慮すべきだが、1食当たり17 円という追加料金の目安は現状に合っていないので、見直しが必要ではないか との意見があった。 17-6.病院薬剤師について (別添資料⑤ P60~P62) ○ 病院に勤務する薬剤師数は 5.66 万人であり、病院における薬剤師偏在指標が 1.0を超える都道府県はなく、病院薬剤師は全国的に不足している。 ○ 病院薬剤師の配置状況は、特定機能病院や高度急性期・急性期病棟で77.1%、 回復期・慢性期病棟は22.9%であり、病床機能によって偏在が見られる。回復 期・慢性期病棟に従事する薬剤師は、中央業務(調剤室等における対物業務) に従事する割合が、特定機能病院、高度急性期・急性期病棟に比較して高い状 況である。 ○ 病院薬剤師が行う業務のうち、病棟業務(いわゆる対人業務)に対する診療報 酬上の評価として病棟業務実施加算を設けており、その算定届出医療機関数は 年々増加している。一方で、医師の処方に基づく医薬品の調剤業務(いわゆる 対物業務)については、院内処方と院外処方を比較すると、その評価には差が ある。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 院内処方と院外処方との同一業務に対する報酬上の点数差が大きすぎるため、 薬局薬剤師数が大幅に増加し、病院薬剤師数が人手不足に陥っていると考えら れるので、再度検討すべきではないかとの意見があった。一方で、院内処方に 対する調剤の評価を上げることで、院内処方の増加につながる恐れがあるので、 入院患者の調剤に対する評価を検討してはどうかとの意見があった。 65 17-7.ポリファーマシー対策・薬剤情報連携について (別添資料⑤ P63~P73) ○ 退院時の薬剤指導において、薬剤師が関与する施設の場合、退院処方薬のみな らず、入院時持参薬なども含めた質の高い説明・指導を実施した割合が高くな る。しかし、保険薬局への薬剤情報連携は診療報酬上評価の対象となっている が、医療機関等に対して薬剤情報連携を実施しても、情報連携元である医療機 関における、退院時薬剤情報管理指導料等の評価の対象となっていない。 ○ ポリファーマシー対策の診療報酬上の評価である「薬剤総合評価調整加算」 「薬剤調整加算」については、「薬剤総合評価調整加算」は算定医療機関が病 院全体の16.7%、「薬剤調整加算」は算定回数が全国で月当たり3000件以下で ある。 ○ 「(認知症)地域包括診療料・加算」における「薬剤適正使用連携加算」は、 地域包括診療料・加算等の算定患者が入院・入所した場合に、入院・入所先の 医療機関等と医薬品の適正使用に係る連携を行った場合の評価であり、令和6 年8月における算定回数は、13件であった。 ○ 薬剤適正使用連携加算を算定していない理由は、「当該加算の存在を知らなか ったため」が最も多く、次いで「内服薬の種類数を減らすことが困難である患 者が多いため」が多かった。 ○ 病院におけるポリファーマシー対策については、他職種から病院薬剤師に対す る期待が大きい反面、急性期では在院日数が短く十分な介入ができないこと、 また、人手不足で、対象患者の抽出や、検討する時間を確保できないことなど から、病院薬剤師が十分に取り組めない場合が多い。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 急性期病棟では、在院中に減薬してその後の経過を確認することは困難であり、 包括期以降の病棟で対応すべきであり、包括期病棟等での薬剤情報連携の状況 についても示してほしいとの意見があった。また、その評価を検討すべきでは ないかとの意見があった。 ○ 薬剤適正使用連携加算の算定回数は極めて少なく、算定要件が厳しすぎるので はないか。現状、入院・入所患者を対象とした評価となっているが、他院にも 併せて通院する外来患者について、処方内容、薬歴等に基づく相談・提案を他 院へ行った場合には、評価の対象としてはどうか、との意見があった。 ○ ポリファーマシー対策について、薬剤数ではなく、ポリファーマシー対策が適 正に実施されているか、質を評価すべきとの意見があった。「抗コリン薬リス クスケール」や、「高齢者施設の服薬簡素化提言」等を踏まえ、検討すべきと の意見があった。 66 17-8.総合病院精神科について (別添資料⑤ P74~P97) ○ 総合病院精神科において、身体管理が必要な精神科専門治療、自殺企図関連の 合併症治療、先行する精神疾患に身体疾患が合併した患者の治療等の役割を果 たすことが期待されている。 ○ 救急搬送に係る時間を傷病別に見ると、「精神系」は他疾患と比較して長い傾 向にある。 ○ 精神病床数は減少傾向にあるが、精神科病院よりも一般病院で、その減少傾向 が大きい。 ○ 精神病床を有しながら、入院医療における総合性を兼ね備えていると考えられ る、全病床数が 400 床以上かつ精神病床の割合が 15%未満の医療機関が存在し ない二次医療圏が多く存在した。 ○ 精神病床を有する病院の方が、それ以外の病院よりも急性期の一般病床におい て精神疾患への対応が可能である割合が多かった。 ○ 精神病床を有している医療機関は、精神科医の対応が必要な救急搬送患者を受 け入れていた。 ○ 総合入院体制加算の届出病院数は、急性期充実体制加算が新設された令和4年 以降減少傾向にあった。また、精神科充実体制加算又は小児・周産期・精神科 充実体制加算の届出医療機関数は、令和5年以降横ばいであった。 ○ 精神科急性期医師配置加算の届出医療機関数は増加傾向であり、精神科急性期 医師配置加算2イの算定回数は横ばいであった。 ○ 総合病院精神科を評価する加算の算定医療機関の方が、それ以外の医療機関よ りも手術等を伴う統合失調症患者の入院件数が多かった。 ○ 精神科リエゾンチーム加算の届出医療機関数及び算定回数は増加傾向である。 ○ 急性期の一般病床において、精神科リエゾンチームは、せん妄や抑うつを有す る患者、自殺企図で入院した患者、認知症患者等、多様な精神疾患に介入して いた。 ○ 精神科リエゾンチーム加算の届出医療機関の 60.2%が認知症ケア加算1を届け 出ていた。 ○ 精神科リエゾンチーム加算を届け出ている医療機関はそれ以外の医療機関と比 べ、多様な精神疾患に対応可能であった。 ○ 精神科リエゾンチーム加算を届け出ている医療機関のほか、認知症ケア加算や せん妄ハイリスクケア加算を届け出ている医療機関においても、認知症やせん 妄に対応できるとした医療機関が多かった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 総合病院における精神病床数について、届出病床数よりも稼働病床数に着目す ると、より顕著に減少傾向にあるのではないかとの指摘があった。 ○ 総合病院で勤務する精神科医数は減少傾向にあるのではないかとの意見があっ 67 た。 ○ 手術等の身体合併症を要する精神疾患患者の中でも、精神症状を理由とした療 養上の手間は、患者ごとに多様であるとの指摘があった。 17-9.診療科偏在対策について(別添資料⑤ P98~P125) ○ 外科の医師数の推移の内訳を見てみると、一般外科・消化器外科以外の全ての 診療科で増加傾向にある一方で、一般外科・消化器外科は一貫して減少してお り、40 歳未満の若手医師数では、全体的には 2012 年と比較し 8%増加している 一方で、若手外科医については、 2012年と比較し7%減少しており、若手消化 器外科医については、減少率がより大きく、過去10年間で15%減少している。 ○ 時間外・休日労働時間が年 1,860 時間換算を超える医師の割合が高い診療科は 脳神経外科(9.9%)、外科(7.1%)、形成外科(6.8%)、産婦人科(5.9%)、 救 急科(5.1%)であった。 ○ 入院における臓器別手術件数の推移を見ると、食道・腹部の手術件数が最多で あり、2020 年に減少したものの、2015年以降増加傾向にある。 ○ 外科医が1名以上いる病院と医育機関(3246施設)において、所属外科医師数 が1~2人となる医療機関は全体の 48.7%(1581 施設)である一方、外科医 師数が6人以上の医療機関は21.6%(700施設)、10人以上と集約化されている 医療機関は 9.1%(294施設)であった。 ○ 所属外科医師数が1~2人の医療機関の多くは、年間の手術件数が 100 件未満 であり、3~5人の医療機関でも、半数以上は年間手術件数が 500 件に満たな い。 ○ がん手術を含む高度な手術の集約化による、手術成績の向上や、勤務環境の改 善事例が示されており、山口大学医学部附属病院消化器外科では、各連携病院 と協議・連携することで、消化器外科症例の集約化と均てん化に向けた体制を 徐々に構築し、これまで手術で対応できなかった症例への高度な手術による対 応や、連携先病院の経営改善につながった。 ○ 大学病院を含む一部の病院では、全国的に減少している消化器外科医など外科 医の診療体制を維持するため、外科医等への処遇改善を実施している。 ○ 消化器外科領域の高度な手術(外保連試案の手術難易度D、Eかつ4時間以上 の手術)について、全国の多くの病院は年間 50 件未満である一方、大学病院 本院の多くが 200件/年以上実施している。 ○ 手術の休日・時間外・深夜加算1においてチーム制を採用している場合、診療 があった緊急呼び出し当番の翌日は、その待機時間が労働時間に該当するか否 かに関わらず、休日対応となるが、緊急呼び出し当番における診療の有無は予 見することができないため、通常、緊急呼び出し当番の翌日は休日として扱わ れることになると考えられる。 68 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 高難度手術における集約化の必要性について、一定程度の手術の集約化により 安全性が担保されることが指摘されている一方で、小規模な手術とのバランス のとれた集約化の在り方が必要との意見があった。 ○ 外科医が少人数で勤務する施設から大規模施設への紹介・連携についてはイン センティブがなく、そのような取組を評価する仕組みが必要との意見があった。 ○ 外科領域の集約化や偏在是正については、急性期における医療機関の機能の整 理の中で位置付けて議論すべきとの意見があった。 ○ 医師偏在の是正については、ペナルティとインセンティブの両方の考え方があ るが、自発的な偏在是正にはインセンティブの強化が有効との意見があった。 ○ 外科系診療科は、専門性の維持や修得に時間がかかり、負担感も大きいことか ら、若手医師が処遇に見合わないと感じる要因になっており、休日加算等の評 価はあるものの、施設要件により届出医療機関や診療科が限られており、より 実効性のあるインセンティブ措置が必要との意見があった。 ○ 消化器外科でも若手医師では女性比率があがっており、出産・育児に関する問 題があるため、女性医師のキャリア形成や柔軟な働き方の保証も、偏在是正の 視点で必要との意見があった。 ○ 高度な手術をほとんど実施していない病院があり、こういった手術は集約化す る必要があるため、山口大学病院の例も参考にしながら、役割分担と集約化を 進めてはどうかとの意見があった。 ○ 手術の休日・時間外・深夜加算1における「緊急呼び出し当番の翌日が休日」 要件を満たさなくて良いということにすると、連日勤務になり、加算の趣旨で ある働き方改革にならないことが懸念されるため、算定要件の取扱いと加算の 評価については、慎重に判断する必要があるとの意見があった。 ○ 休日・時間外・深夜加算については、手当をしっかり支給すれば緩和しても良 いのではないかという意見や、経過措置が終了すると加算を算定できない病院 が出てくるが、翌日の勤務制限が大きく影響しているのではとの意見があった。 17-10.データ提出加算・退院患者調査について (別添資料⑤ P126~P132) ○ データを用いた診療実績の適切な評価を行う観点から、入院医療について、診 療等のデータを継続して厚生労働省に提出している場合には、データ提出加算 として、一定の評価を行っている。 ○ 収集するデータの内容については、MDC 毎の診断群分類見直し技術班での検討 や、データ提出加算を要件とする入院料の範囲の拡大に伴い、拡充されてきた。 ○ 診療報酬上、一部の評価については、医療機関において集計された診療実績デ ータを基に行っているが、DPCデータ等による評価が可能なものも存在する。 ○ 令和4年度診療報酬改定において、データに基づく適切な評価を推進する観点 から、外来、在宅及びリハビリテーション医療についても、診療等のデータを 69 継続して厚生労働省に提出している場合の評価が新設された。 ○ 外来様式1においては、検査値等を含む、多様な項目の入力を求めている。 ○ 外来データ提出加算を算定していない理由、又は算定しているが困難に感じて いることとしては、病院・診療所ともに、「入力のための人員が確保できない」 が最も多かった。 ○ 外来医療の質の評価について、厚労科研「DPC 制度の適切な運用及び DPC デー タの活用に資する研究(研究代表者:伏見清秀)」研究班より提出された資料 を基に外来データによる集計を行ったところ、「外来で糖尿病の治療管理をし ている症例に対し、HbA1C 検査を実施している割合」及び「外来で脂質異常症 の投薬治療管理(※3)をしている症例に対し、脂質異常症に関する検査を実 施している割合」といった指標について、医療機関ごとのばらつきがみられた。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ データの入力は医療機関の負担となっており、調査項目を見直すべきではない かとの意見があった。 ○ 特に、外来データ提出加算における検査値等の入力については、負担が大きい のではないかとの意見があった。 ○ 提出されたデータについては、施設基準の届出等における医療機関の負担軽減 といった観点からも活用しうるのではないかとの意見があった。 ○ 外来データ提出加算については、医療の標準化において重要であり、積極的に データを収集すべきではないかとの意見があった。 ○ また、収集されたデータについては、医療機関のベンチマークや、データを用 いた医療の質の評価への活用も含めて検討すべきではないかとの意見があった。 17-11.透析医療について (別添資料⑤ P133~P141) ○ 慢性維持透析患者数はピークアウトし、減少傾向になっており、高齢化が進ん でいる。また、腹膜透析患者数は 10,585 人で増加傾向だが、新規導入患者数 は2,350人で2019年のピークから減少し、直近は横ばいである。 ○ 日本では諸外国に比して腎代替療法のうち血液透析患者の割合が高い。 ○ 血液透析の提供体制について、災害対策は国や地方自治体と日本透析医会が連 携して取組を進めているところ、各医療機関の災害対策の取組状況にはばらつ きがみられる。また、災害時情報ネットワークの等への登録や自治体等との連 携体制を確保していると回答した医療機関は76.1%であった。 ○ シャント閉塞等のシャントトラブルは発生頻度が高いが、5.9%の医療機関が事 前に連携していない医療機関に紹介していた。 ○ 血液透析を実施する医療機関のうち、腹膜透析の導入や診療等を実施している 医療機関は 19.5%であり、腹膜透析を自院で実施していない医療機関は 77.1% であった。腹膜透析を導入したことがない又は現在、腹膜透析患者を診療して 70 いない理由として、対象となる患者がいない(59.5%)が最多で、緊急時や入 院時のバックアップ体制に不安があるといった意見があった。 ○ 全ての患者に対し、腎代替療法の3つの選択肢を提示している医療機関は 51.2%であり、情報提供の取組をしていない医療機関が35.6%であり、通院困難 な患者に対する対応として、腹膜透析の導入を含めた在宅医療への案内は5.4% であった。また、緩和ケアに関する取組について、医療用麻薬を用いた疼痛緩 和を実施している医療機関は 32.2%、緩和ケアを実施している医療機関は 17.6%であった。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 慢性維持透析を行った場合2及び3の算定回数は減少傾向であり、人工腎臓全 体の2.1%であることから、透析用監視装置の台数や透析用監視装置一台当たり の患者数による評価方法を見直してはどうかという意見があった。 ○ シャントトラブルに対する取組として、治療施設と事前に連携していないと患 者への不利益が大きいことから、事前に連携することを促す評価方法を検討し てはどうかという意見があった。 ○ 腹膜透析の取組や情報提供が不十分であること、また、シャントトラブルへの 対応や緩和ケア、患者の意思決定支援についても、必ずしも十分とはいえない ことから、患者の QOL を考慮した質の高い透析医療を推進する観点で、人工腎 臓の評価の在り方を見直すことが必要ではないかという意見があった。 ○ 腹膜透析を増やしていくためには、導入期だけでなく、血液透析からの切り換 えも促していくことが考えられるのではないかという意見があった。 ○ 通院困難な患者に対する対応として、療養病床や介護施設を案内すると回答し た割合が高いが、地域によってはこのような対応が難しい地域もあり、医療機 関へのアクセス確保の対応も検討すべきではないかという意見があった。 17-12.災害医療について (別添資料⑤ P142~P155) ○ 災害派遣に関する医療チームを設置している割合は、「特定機能病院」で最も 高く、次いで「急性期一般入院料1」算定病院で高かった。 ○ 令和6年能登半島地震支援のスタッフ派遣を検討した際に困難であったことを 聞いたところ、「現地の状況把握と情報収集」「派遣にあたっての交通手段の確 保」「派遣中の労務管理」「派遣中に自施設のスタッフ配置基準が満たせなくな ること」等が多かった。 ○ 令和6年能登半島地震支援への派遣を検討した職種と、実際に派遣した職種を 聞いたところ、「看護師」「医師」「事務職員」「薬剤師」等が多かった。 ○ 大規模な地震が発生した場合には、被災者の受け入れや被災地への職員派遣に より入院基本料等の施設基準を満たすことができなくなる場合の取扱いについ て、適宜、事務連絡を発出している。 71 ○ 診療所において、災害に備えた事業継続計画(BCP)を「策定している」と回 答した割合は約30%であった。 ○ 他の医療機関や福祉施設等に対する、新型コロナウイルス感染症対応のための スタッフ派遣を検討した際に困難であったことを聞いたところ、「派遣中に自 施設のスタッフ配置基準が満たせなくなること」「現地の状況把握と情報収集」 「派遣中の労務管理」等が多かった。 ○ 他の医療機関や福祉施設等に対する、新型コロナウイルス感染症対応のための スタッフ派遣を検討した職種と、実際に派遣した職種を聞いたところ、「看護 師」がいずれの入院料区分においても多かった。 ○ 新型コロナウイルス感染症の影響により夜勤時間数や看護要員数に一時的な変 動があった場合、最初の月から3か月以内に限り、施設基準の届出区分の変更 を不要としている。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 大規模な地震が発生した際には、入院基本料等の施設基準を満たすことができ なくなる場合の取扱いに関する事務連絡が発災から数日後に発出されているが、 被災地支援については迅速かつ継続的な対応が求められており、施設基準の緩 和内容は事前に明確にしておくべきではないかとの意見があった。 ○ 災害の規模などの一定の要件を定めた上で、災害発生時に一時的に施設基準を 満たせなくなる場合の対応について、事前に整理・提示しておくことが重要で はないかとの意見があった。 ○ 災害時の事業継続計画(BCP)については、診療所での策定率が 30%程度にと どまっているが、医療提供体制の継続性確保の観点から、診療所においても BCP の策定を推進すべきであり、義務化を含めた対応が検討されるべきではな いかとの意見があった。 17-13.小児・周産期医療について (別添資料⑤ P156~P194) ○ 15歳以上の年齢階級における受療率はいずれも横ばいから減少傾向であるのに 対して、「0~14歳」の受療率はやや増加傾向である。 ○ 出生数は減少しており、分娩を取り扱う医療機関も減少している。一方で、妊 婦の高齢化に伴い、合併症の頻度が増加している。 ○ 母体・胎児集中治療室管理料の届出治療室数・病床数は、近年横ばいであった が、令和6年に減少した。 ○ 全国周産期医療(MFICU)連絡協議会のアンケート調査によると、令和6年度 改定以降に母体・胎児集中治療室管理料の届出変更を行った医療機関における、 届出変更の理由としては「医師の配置要件を満たせない」等が多かった。 ○ 「母体・胎児集中治療室管理料」の届出施設において、母体搬送受入件数が 「0件」の施設は、「関東信越」に所在しており、「1~9件」の施設は、それ 72 ぞれ「関東信越」「東海北陸」「近畿」に1施設ずつ所在していた。多胎妊娠分 娩件数が「0件」の施設は、「関東信越」に所在しており、「1~9件」の施設 は、それぞれ「北海道」「東北」「九州」に1施設ずつ所在していた。帝王切開 実施件数が49件以下である施設はなく、「50~99件」である施設は「北海道」 「東海北陸」「近畿」に1施設ずつ所在していた。分娩時週数 33 週以下の分娩 件数が 0 件である施設はなく、「1~9件」である施設は「北海道」「東海北陸」 に1施設ずつ、「近畿」に2施設所在していた。 ○ 小児科以外の医療機関における、「定期的に小児科に受診していた患者を紹介 により受け入れた人数」及び「小児慢性特定疾病に罹患している(罹患してい た)患者数」は、いずれの区分においても、その人数は少数であった。 ○ 小児科を標榜する医療機関において、小児慢性特定疾病等の患者に対して必要 な生活指導を継続して行った場合には「小児科療養指導料」を算定する。また、 指定難病等の患者に対して計画的な医学管理等を実施した場合は「難病外来指 導管理料」を算定する。 ○ 小児慢性特定疾病の指定疾病数と比較して、指定難病の指定疾病数は少ないた め、「小児科療養指導料」の算定対象となる患者と比較して、「難病外来指導管 理料」の算定対象となる患者は少ない。 ○ 小児科医療機関において「小児科療養指導料」を算定していた患者が、成人移 行期となり小児科以外の医療機関に紹介された場合、その患者が「難病外来指 導管理料」の算定対象でない限り、紹介先医療機関においては同様の管理料を 算定することができない。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 医療の進歩により長期経過をたどる小児患者が増加しており、成人医療への円 滑な移行を支える「移行期医療」の体制整備が求められている。特に、小児慢 性特定疾病に該当するが指定難病に含まれない疾患については、適切な紹介先 が見つからず、移行が困難となるケースがあるとの意見があった。 ○ 成人移行期に相当する小児について、小児慢性特定疾病に該当するが、指定難 病には含まれていない疾患については、受入医療機関における診療報酬上の評 価がない等の課題があるとの意見があった。 17-14.業務の簡素化について (別添資料⑤ P195~P199) ○ 累次の改定で、医療機関における業務の効率化の観点から、会議や記録、届出 事務等の簡素化を行ってきた。 ○ 施設として、診療報酬上求められる記録や書類作成等の業務で簡素化の必要性 があるものは、「計画書作成」が最も多く、次いで「DPCデータ(様式1)の作 成」。特に病棟において簡素化の必要性があるものは、「計画書作成」が最も多 く、次いで「(計画書等の)患者や家族等による署名・記名押印」だった。 73 ○ 規制改革推進に関する答申において、医療機関等又は医師等の負担軽減の観点 から、診療報酬上の書面について、署名又は記名・押印を不要とすること等の 可否の検討が求められている。 ○ 入院診療計画書等の様式には署名欄が設けられている。入院支援計画書は全て の入院患者に作成し説明に用いた文書は患者に交付するとともに、その写しを 診療録に添付する必要がある。 ○ リハビリテーションに関する計画書の様式は複数あり、重複する項目が多い。 いずれの様式においても署名欄が設けられており、説明者や患者又はその家族 等の署名が必要である。 ○ DPC データ等の様式1において入力を求めているデータのうち、主として診療 報酬改定のために必要な情報の中には、入院全期間の評価が必要な項目や、検 査値等、入力の負荷が特に大きいと考えられるものが一定数存在する。 (分科会での評価・分析に関する意見) ○ 業務の簡素化は、積極的に進めるべき。入院すると患者は何度も署名を求めら れるが形式的なものも多いため、患者負担軽減の観点からも計画書等の署名の 必要性は検討すべきとの意見があった。 ○ リハ計画書の説明は重要だが、適時に医師が患者や家族に説明をするのは難し い場合も多く、医師の指示を受けた療法士等が説明して同意を得る仕組みも必 要ではないかとの意見があった。 ○ 電子署名や IT 機器を活用した業務の簡素化は重要だが、導入費用がかかるこ とも認識して検討する必要があるとの意見があった。 ○ 訪問看護指示書が例示されているが、この医師の署名は入院診療計画書等とは 違うため、各様式の趣旨を考慮しながら簡素化を検討する必要があるとの意見 があった。 18. 中長期的に検討すべき課題について ○ 次期診療報酬改定(令和8年度)に向けて、評価・分析を行った課題の中には、 データの解析において技術的な限界があったり、委員の中で見解の相違があっ たりする等、中長期的に検討を要する課題が認められた。 ○ こうした課題については、来年度以降に実施される入院・外来医療等における 実態調査や厚生労働科学研究等により更に検討が進められることが望ましい。 ○ なお、こうした検討を進めるに当たっては、医療と介護の双方の視点を踏まえ た検討をすべきとの意見や、いずれも大変重要な課題であるため、速やかに検 討を進めるべきとの意見があった。 (1) 持参薬ルールについて ○ 入院中の持参薬の使用については、DPC/PDPSでの公平な支払いを実現する観点 74 等から、できる限り統一的な運用が行われることが望ましいが、DPC データに よると、持参薬使用割合は医療機関間で大きなばらつきが認められている。 ○ 統一的な運用を推進するための持参薬ルールの明確化を行う上では、 - 医療安全を確保する観点(複数診療科の外来受診をしている場合など) - 病棟における持参薬の確認業務の負担の観点 - 患者が薬剤を持参する負担の観点 などの観点から、当該持参薬の処方元が自院であるか他院であるかの別、予 定・緊急入院の別、入院中の診療内容と当該持参薬の関係性の別、薬剤の特性 別など、具体的な場面を想定し、その妥当性を丁寧に検討する必要がある。 ○ 併せて、DPC/PDPS以外で薬剤費が包括される入院料を算定する病棟における持 参薬の取扱いについても、検討を進めることが望ましい。 (2) 重症度、医療・看護必要度について ① 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について ○ 「重症度、看護必要度」は、平成 20 年度改定において、病棟のタイムスタデ ィ調査等の研究成果をもとに、「入院患者へ提供されるべき看護の必要量」を 予測する指標として導入され、これを活用した報酬評価が開始された。 ○ その後、平成 26 年度改定では、患者像に応じた適正な評価を行う観点から 「重症度、医療・看護必要度」に名称が変更され、急性期患者の医学的な特性 を測る目的を重視して項目の改定が行われた。 ○ さらに、平成 28 年度改定では医学的状況を測るC項目が加わり、平成 30 年度 改定において、病棟の看護職員の測定負担を軽減する観点から、A項目及びC 項目をレセプト電算コードにより評価する「重症度、医療・看護必要度Ⅱ」が 選択可能とされた。 ○ このような経緯を踏まえれば、よりよい入院医療の報酬評価を実現するための 「重症度、医療・看護必要度」の在り方を検討する前提として、 - 「入院患者へ提供されるべき看護の必要量を予測すること」 - 「急性期患者の医学的な特性を測ること」 という2つの考え方をどのように勘案すべきかについて、整理する必要がある。 ○ また、開始から約 20 年の経過を経て、入院患者の高齢化や、電子カルテ等の ICT 技術の進展、インフォームド・コンセント等患者本位の医療の普及等によ る病棟看護業務の変化に伴って、現在の指標が、現在の実際の病棟の看護の必 要量を適切に推測できているのか、検証する必要がある。 ○ この点、最新の病棟のタイムスタディ調査によると、病棟看護業務の約25%を 「診療・治療」が占め、約25%を「患者のケア」が占めている実態が明らかと なったが、このうち「診療・治療」の定量的評価は、診療行為のレセプト電算 コードを用いて表現可能であり、A 項目・C 項目、医療資源投入量(包括範囲 出来高実績点数)はレセプト電算コードを活用した評価方法となっている。ま 75 た、「患者のケア」については、要介護度、ADL、B 項目などで測定されうるが、 これらの評価項目は重複があり、一定の類似性があるという分析結果となって いる。 ○ 特に B 項目については、患者の高齢化に伴う近年の看護業務の増加を証明する ことに有用ではないかという意見があるが、B 項目のこうした観点での有用性 の検証は、レセプトデータや診療行為情報が主体のDPCデータ(E・Fファイル) では限界があることに留意する必要がある。 ○ さらに、「重症度、医療・看護必要度」に関するこうした検討は、あくまで適 切な診療報酬の支払いを実現する観点で行われるべきものであるが、測定した 結果を、医療現場において ・ 入退院時の医療・介護連携の推進 ・ 病棟内の多職種連携の推進 ・ 病棟の人員マネジメントの向上 等に用いることが有用である可能性もあることから、こうした観点も含め検討 することが考えられる。 (3) 包括期入院医療における患者別の評価について ○ 患者ごとに医療・看護ケアの必要量に応じた適切な費用が償還されない仕組み の場合、入棟させる患者の選別を引き起こし、結果として病棟の機能の低下に つながる懸念がある。 ○ 現在、地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟などの主として高齢者を受け入れ る機能を担う病棟には、急性期病棟の DPC/PDPS のような、疾患・ADL・診療行 為等に応じて患者別に包括評価の支払額(及び標準的な在院日数)を変化させ る仕組みはなく、基本的にすべての患者が一律の支払額(及び標準的な在院日 数)により算定する仕組みとなっている。 ○ こうした機能を担う病棟の、より適切な患者別の評価の実現に向けて検討を行 ったが、特に地域包括医療病棟においては、緊急入院や手術の有無等による 「医療資源投入量(包括範囲出来高実績点数)」に一定の違いがあることが明 らかとなった。 ○ 一方で、「医療資源投入量(包括範囲出来高実績点数)」が同程度でも、高齢者 の ADL や要介護度は様々であり、これらに要する看護ケアの必要度は「医療資 源投入量」という考え方のみでは推し量れない部分があるという意見があるこ とに留意する必要がある。 ○ また、高齢者は、複数疾患を併存している場合が多いこと、症状が非典型的に 表れやすいことから、DPC/PDPSのように「医療資源を最も投入した傷病名」を 一意に定めて区分を決める支払い方式はなじみにくく、予定/緊急入院や手術 実施等の客観的事実に着目した評価がよいのではないかという意見があった。 ○ さらに、地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟に期待される機能が連続的であ 76 ることを踏まえた評価方法とすることや、高齢者の介護の必要性を反映するこ とができる評価方法とすることも考えられるが、いずれにしても、より適切な 患者別の評価の実現に向けて、引き続き最新の診療データを用いた分析を行う 他、別途実態調査等の実施の要否も含め、現行の評価方法の課題の明確化や妥 当性の検証を行いつつ、更に検討する必要がある。 77 Ⅲ.参考 <分科会の開催状況> 急性期入院医療について(その1) 令和7年5月 22日 高度急性期入院医療について(その1) 高齢者の入院医療について(総論) 包括的な機能を担う入院医療について(その1) 令和7年6月 13日 回復期リハビリテーション病棟について(その1) 慢性期について(その1) 外来医療(その1) 令和7年6月 19日 データ提出加算(その1) 情報通信機器を用いた診療について(その1) 働き方・タスクシフト/シェア(その1) 病棟における多職種でのケア(その1) 令和7 年6月 26日 入退院支援(その1) リハビリテーション(その1) 食事療養(その1) DPC/PDPS等作業グループからの中間報告について 診療情報・指標等作業グループの検討状況について 令和7年7月 3日 急性期入院医療について(その2) 救急医療について(その1) 外来医療(その2) 包括的な機能を担う入院医療について(その2) 令和7年7月 17日 入院から外来への移行(その1) 総合病院精神科について 薬剤業務について 個別事項について(その1) ・意思決定支援について 令和7年7月 31日 ・身体的拘束を最小化する取組について 働き方・タスクシフト/シェア(その2) 医師の診療科偏在(その1) 中医協総会への報告結果について 賃上げ・処遇改善(その1) リハビリテーション(その2) 令和7年8月 21日 回復期リハビリテーション病棟について(その2) 慢性期について(その2) 食事療養(その2) 人口・医療資源の少ない地域における対応 令和7年度調査結果(速報)の概要について 高度急性期入院医療について(その2) 令和7年8月 28日 入退院支援(その2) 外来医療について(その3) データ提出加算(その2) 令和7年9月 11日 診療情報・指標等作業グループからの最終報告について 78 DPC/PDPS 等作業グループからの最終報告について 包括的な機能を担う入院医療について(その3) 重症度、医療・看護必要度 働き方・タスクシフト/シェア(その3) 病棟における多職種でのケア(その2) その他 急性期入院医療について(その3) 働き方・タスクシフト/シェア(その4) 医師の診療科偏在について(その2) 令和7年9月 18日 透析医療 小児・周産期医療について 災害医療について 業務の簡素化 令和7年9月 25日 とりまとめ 79

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