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中 医 協 総 - 4
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令和8年度診療報酬改定について(案)
令和7年 12 月 12 日
中央社会保険医療協議会
本協議会は、医療経済実態調査の結果、薬価調査及び材料価格調査の結果等を踏
まえつつ、令和8年度診療報酬改定について審議を行ってきたところであるが、そ
の結果を下記のとおり整理したので、厚生労働大臣に意見を申し述べる。
記
1.医療経済実態調査の結果について
○ 本協議会は、医業経営の実態等を明らかにし、診療報酬に関する基礎資料を
整備することを目的として、第 25 回医療経済実態調査を実施し、その結果等に
ついて検討した。
2.薬価調査及び材料価格調査の結果について
○ 薬価調査の速報値による薬価の平均乖離率は約 4.8%、材料価格調査の速報値
による特定保険医療材料価格の平均乖離率は約 1.3%であった。
3.令和8年度診療報酬改定について
○ 我が国の医療については、人口減少・少子高齢化が進展するとともに、人生
100 年時代に向けた「全世代型社会保障」の構築が求められる中で、世界に冠た
る国民皆保険を堅持し、あらゆる世代の国民一人一人が安全・安心で効率的・
効果的な質の高い医療を受けられるようにすることが必要である。また、医療
を取り巻く環境の変化や多様な国民のニーズに柔軟に対応することが重要であ
る。
○ 社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において取りまとめられた「令和
8年度診療報酬改定の基本方針」(以下「基本方針」という。)では、物価や賃
金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応、2040 年頃を見据
えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシ
ステムの推進、安心・安全で質の高い医療の推進を行いつつ、効率化・適正化
を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上を図ることとされた。
○ 本協議会は、この基本方針に基づき、全ての国民が質の高い医療を受け続け
るために必要な取組についての協議を真摯に進めていく。こうした基本認識に
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ついては、支払側委員と診療側委員の意見の一致をみた。
○ しかし、このような基本認識の下で、どのように令和8年度診療報酬改定に
臨むべきかについては、次のような意見の相違が見られた。
○ まず、支払側の意見は次のとおり。これまで長期にわたり物価・賃金が停滞
する中で、高齢化や医療の高度化等により医療費が増加し続け、被保険者と事
業主の保険料負担は既に限界に達している。一方で、第 25 回医療経済実態調査
の結果、病院の経営を安定化させることや、医療機関に勤務する方々の賃金を
引き上げる必要性は理解できるものの、病院と診療所・薬局の経営状況には格
差があるほか、病院の中でも機能別や同じ機能の中でも施設間での格差がある
ことを強く認識すべきである。また、新たな地域医療構想やかかりつけ医機能
報告制度等の動きは、限りある医療資源を有効活用し、患者にとって安全・安
心で効果的・効率的な医療を目指すものであり、スピード感を持って取り組む
必要がある。こうした基本認識のもと、基本診療料の単純な一律引上げは、患
者負担と保険料負担の上昇に直結するだけでなく、医療機関・薬局の経営格差
や真の地域貢献度が反映されないため妥当ではないほか、地域における医療ニ
ーズに沿う形での医療機能の分化・強化・連携を推進することや、経営マネジ
メントの強化・医療DXやICTを活用した組織運営の効率化が重要である。
以上より、現役世代を中心とした保険料負担の抑制と物価上昇局面での保険給
付の充実の両立を図り、将来にわたり国民皆保険制度と医療提供体制を維持す
るために、医療の在り方を着実に改革して医療機関・薬局の経営を健全化し、
確実に医療従事者の賃上げを担保すること、充実すべき部分についても、税制
や補助金との明確な役割分担を前提として優先順位を意識し、確実な適正化と
セットで真にメリハリの効いた診療報酬改定を行うとともに、診療所・薬局か
ら病院へ財源を再配分する等、硬直化している医科・歯科・調剤の財源配分を
柔軟に見直すこと、医薬品・医療材料について、ライフサイクルに応じた市場
の棲み分け、根拠に基づく適切な価格設定と適切な使用方法、費用対効果評価
制度のより一層の活用を追求することを要望する。
○ これに対し、診療側の意見は次のとおり。昨今、急激な物価高騰・人件費上
昇がみられる中、診療報酬の改定がこれらの社会情勢に追いついておらず、医
科・歯科医療機関及び薬局等は閉院や倒産が過去最多のペースとなっているな
ど、かつてない異常事態と言える。診療報酬は、医学の進歩・高度化への対応
や医療従事者の確保等に不可欠な役割を担っており、地域の医療提供体制をこ
れ以上崩壊させないためにも、その基盤となる経営の健全化が早急に実現され
なければならない。令和8年度診療報酬改定においては、財源を純粋に上乗せ
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するいわゆる「真水」による思い切った対応が必要であり、賃金上昇と物価高
騰、高齢化、医療の高度化・技術革新に対応し、経営基盤の強化を図るための
大幅なプラス改定が求められる。第 25 回医療経済実態調査では医療機関・薬局
の給与費は伸びているものの、最低賃金や人事院勧告、2025 年春季労使交渉の
平均賃上げ幅に対応できる状態とはなっておらず、医療人材の他産業への流出
に歯止めがかからず、医療提供体制に支障が生じるおそれがある。また費用に
ついても、物価・人件費等の高騰の影響を受けて、医療機関における諸費用や
歯科材料等の価格が上昇しているほか、薬局では医薬品供給不足や管理コスト
が負担増となっているなど、自助努力では到底対応できない状況に陥っている。
令和6年4月から始まった医師等の働き方改革について、様々な検証等調査に
よりその効果が認められているところであり、全ての医療従事者の負担軽減を
加速させていくための見直しと評価の継続が求められる。また、業務効率化・
職場環境改善の更なる推進には医療DXの取組が大いに効果的であり、それに
伴う費用負担への支援は、導入時だけでなく維持に係る費用などを含む全体的
な視点で十分な対応が必要である。こうしたことを踏まえれば、令和8年度診
療報酬改定は十分な「真水」による財源を確保するべきであり、その際、病院、
診療所、薬局などを分断するような改定率議論ではなく、医療提供体制全体を
俯瞰して改定率を決定する必要がある。公定価格で運営する医療機関等が賃上
げや人材確保を継続的かつ安定的に行い、物価高騰にも対応していくための対
応は待ったなしである。
○ 本協議会は、社会保険医療協議会法でその組織構成や、審議・答申事項等を
法定されており、医療保険制度を構成する当事者である支払側委員と診療側委
員、そして公益委員が、医療の実態や医療保険財政等の状況を十分考慮しつつ、
診療報酬改定の責任を果たしてきた。診療報酬改定は、基本方針に沿って、診
療報酬本体、薬価及び特定保険医療材料価格の改定を一体的に実施することに
より、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられるよう、医療費
の適切な配分を行うものである。そのために、本協議会においては、これまで
も医療制度全体を見渡す幅広い観点から、膨大な時間を費やしデータに基づい
た真摯な議論を積み重ね、診療報酬改定に取り組んできており、これからもそ
のように取り組み続けていく。
○ 厚生労働大臣におかれては、これまでの本協議会の議論を踏まえ、令和8年
度予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を
求めるものである。
○ 令和8年度診療報酬改定に当たっては、物価や賃金動向に対応した改定が必
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要であり、医療機能の特性を踏まえて的確に対応するとともに、少子高齢化・
人口減少による人口構造の変化や医療資源の逼迫といったさまざまな課題に対
応していくことが求められる。そのためにも、施策の成果や影響等を、データ
やエビデンスに基づいて正確・迅速に把握・検証し、更なる施策の見直しに役
立てていくことが引き続き重要であり、そのための人材・体制の充実が望まれ
る。
○ さらに、国民一人一人が医療提供施設の機能に応じ、適切に医療を選択し受
けることができるような環境を実現することも重要である。医療が高度化し、
制度が複雑化する中でも、できるだけ仕組みを分かりやすくし、患者の主体的
な選択を可能とする医療の質を含めた情報提供を行うなど、国民の理解を一層
深める工夫についても配慮が行われるよう望むものである。
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
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