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中医協 費-1参考1
8 . 1 . 1 6
令和8年度費用対効果評価制度改革の骨子
第1 基本的な考え方
1 2019 年の中央社会保険医療協議会での議論を踏まえて、費用対効果評価制
度においては、市場規模が大きい、又は著しく単価が高い医薬品・医療機器
を評価の対象とし、評価結果は保険償還の可否の判断に用いるのではなく、
いったん保険収載した上で価格調整に用いることとしている。2025年12月
1日現在までに、72品目が評価の対象となり、53品目が評価を終了したと
ころである。これまでの実績を踏まえ、制度のあり方及び運用面に関する見
直しについて議論を行ってきた。
2 今回の改定においては、これまでの実績に基づき中央社会保険医療協議会
費用対効果評価専門部会(以下「本部会」という。)において実施している
客観的な検証等を踏まえて、より適切に制度を運用する観点から、制度の透
明性・公平性及び更なる活用に資する分析プロセスの見直しや分析体制の充
実等に向けた対応を行うこととする。
第2 具体的内容
1 費用対効果評価制度の検証について
費用対効果評価制度の客観的な検証として、本部会において、これまで費用
対効果評価の対象となった品目について、運用状況等を整理し報告したとこ
ろであり、以下に結果を示す。
(1)費用対効果評価制度導入前後における保険収載の状況
○ 制度導入後の新規収載数について、医薬品は50品目前後、医療機器
は25品目前後であった。
(2)費用対効果評価指定品目の市場規模
○ 2025 年9月1日までに費用対効果評価に指定された 67 品目のうち、
収載時の予測市場規模(ピーク時)は中央値156億円/年であった。
(参考)
・令和7年9月1日までに費用対効果評価対象品目として指定された67品目の、ピーク
時の予測市場規模は、中央値156億円/年、25パーセンタイル117億円/年、75パーセ
ンタイル249億円/年。区分はH1 47品目、H2 8品目、H3 2品目、H5 10品目。
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(3)2025 年9月1日までに費用対効果評価が終了した結果
○ 費用対効果評価が終了した49品目のうち、費用対効果評価分析が実
施されたものは39品目であった。そのうち、公的分析が実施されず企
業分析が受け入れられたものが2品目、費用対効果評価専門組織の決
定に対して製造販売業者から不服申立てがあったものは20品目であっ
た。
○ 費用対効果評価が終了した49品目のうち、価格調整が行われた38品
目で、価格全体に対する価格調整額の割合は中央値-4.29%であった。
(参考)
・費用対効果評価が終了した49品目における価格調整額の割合は、中央値-3.07%、25パ
ーセンタイル-0.46%、75 パーセンタイル-7.09%。費用対効果評価が終了し、価格調整
が行われた 38 品目における価格調整額の割合は、中央値-4.29%、25 パーセンタイル-
2.58%、75パーセンタイル-8.07%。
○ 価格調整後の価格を用いて改めてICERを算出した際に、ICERの区分
が変化した品目は1品目のみであった。
○ 比較対照技術と比べて追加的有用性が示されなかった18品目のうち、
6品目においては全ての分析対象集団で追加的有用性が示されなかっ
た。
(4)今後の対応について
○ 本部会において一定の検証を実施した。その過程において指摘され
た、関係業界からの意見等を踏まえ、半年程度の技術的な議論を行う。
今後は、令和8年9月に中医協での検証報告の議論を行い、それを踏ま
え、制度の透明性等を確保する観点から、引き続き分析プロセスの見直
しを実施していくこととする。
2 分析方法に関する事項について
費用対効果評価分析のプロセス及び価格調整の方法に係る対応については、
以下のとおりとする。
(1)費用対効果評価終了後の品目指定について
○ 「費用対効果評価終了後に国立保健医療科学院の意見を参考にして
評価に重要な影響を与える知見が得られたと判断されたもの」の指定
手続において、薬価算定組織及び保険医療材料等専門組織での手続を
2
不要とし、費用対効果評価専門組織からの品目指定の提案を中央社会
保険医療協議会総会で承認することとする。
(2)比較対照技術のあり方について
○ 比較対照技術の設定に係る下記の考え方が明確となるよう、以下の
とおり整理する。
① 比較対照技術は、臨床的に幅広く用いられているもののうち、治療
効果がより高いものを1つ選定する。
② 一意的に決めることが難しい場合、費用対効果の程度を考慮する
観点から相対的に安価なものを選択することもありうるが、他の考
慮要素等を踏まえつつ、決定する。
(3)介護費用の取扱いについて
○ 介護費用の分析の取扱いに関しては、レケンビの事例で指摘された
技術的・学術的な課題を踏まえ、諸外国での介護保険制度や費用対効
果評価への活用状況も参考とし、引き続き研究する。
○ 介護費用を含めた分析については、過去の事例を分析ガイドライン
において参考とできるようにしつつ、引き続き事例を集積する。
○ 費用対効果評価における介護費用の取扱いは、医療保険制度の基本
的な考え方に関わる問題であり、価格調整への活用については、引き
続き議論する。
(4)追加的有用性について
○ 費用対効果評価における追加的有用性と、薬価算定における「有用性」
が混同されることから、明確化を図る観点で、「追加的有用性」を「比
較技術に対する健康アウトカム指標での改善」と表現する。
(5)不確実性を踏まえた対応
○ ICERは一定の不確実性があることを前提に、「ICERの区分」として幅
を持たせて価格調整率を決定してきたことを踏まえ、費用対効果評価
の実施にあたっては、これまで通りICERを用いて評価し、不確実性の
検討を含めて総合的評価を行うことを基本とする。
○ 利便性、効果の持続性、標準的治療法であること等がICERで十分に
評価されているかは、諸外国の状況に関する調査を踏まえ、引き続き検
討する。
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(6)リアルワールドデータの活用について
○ 費用対効果評価におけるリアルワールドデータの活用の課題につい
て整理検討する。
○ リアルワールドデータが得られた場合の取扱いについて、諸外国で
の活用事例を踏まえつつ、引き続き検討する。
(7) 価格調整の対象範囲のあり方について
価格調整の対象範囲のあり方について、これまでの費用対効果評価の実
績と検証等を踏まえ、議論を進めてきた。
○ 令和8年度診療報酬改定において、価格引き上げの条件については、
以下のように変更することとする。
・ 「対象品目の薬理作用等が比較対照技術と著しく異なること。」、「対
象品目の基本構造や作用原理が比較対照技術と著しく異なる等一般
的な改良の範囲を超えた品目であること。」とあるものを、「対象品目
の薬理作用等が比較対照技術と異なり、臨床上有用な新規の作用機
序を有すること。」、「対象品目の基本構造や作用原理が比較対照技術
と異なり、臨床上有用な新規の機序を有すること。」とする。
(参考)現行の価格引き上げの条件
薬価算定の基準について(保発0219第1号令和7年2月19日)(抄)
別表13 費用対効果評価に基づく価格調整の計算方法
2 価格調整の計算方法
② 価格調整係数(β)
ア 対象となる医薬品の費用及び効果が費用対効果評価における比較対照技術(比較対
照品目を含む。以下同じ。)より増加し、ICER が算出可能な場合、価格調整係数(β)
は次に掲げる品目ごとに、それぞれ次に定める係数とする。
ⅰ ICERが200万円/QALY未満の品目であって、価格調整時点において、次の(一)
及び(二)のいずれにも該当するもの 1.25
(一)(略)
(二)対象品目の薬理作用等が比較対照技術と著しく異なること。
イ 対象となる医薬品の効果が比較対照技術に対し増加又は同等であり、 かつ費用が削
減され、ICER が算出不可能な場合、価格調整係数(β)は次に掲げる品目ごとに、
それぞれ次に定める係数とする。
ⅰ 価格調整時点において、次の(一)及び(二)のいずれにも該当する品目 1.5
(一)(略)
(二)対象品目の薬理作用等が比較対照技術と著しく異なること。
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特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準について(保発0214第3号令和6年2月14
日)(抄)
別表9 費用対効果評価に基づく価格調整の計算方法
2 価格調整の計算方法
② 価格調整係数(β)
ア 対象となる特定保険医療材料の費用及び効果が費用対効果評価における比較対照技
術(比較対照品目を含む。以下同じ。)より増加し、ICERが算出可能な場合、価格調
整係数(β)は次に掲げる品目ごとに、それぞれ次に定める係数とする。
ⅰ ICERが200万円/QALY未満の品目であって、価格調整時点において、次の(一)
及び(二)のいずれにも該当するもの 1.25
(一)(略)
(二)対象品目の基本構造や作用原理が比較対照技術と著しく異なる等一般的な改良
の範囲を超えた品目であること。
イ 対象となる特定保険医療材料の効果が比較対照技術に対し増加又は同等であり、か
つ費用が削減され、ICER が算出不可能な場合、価格調整係数(β)は次に掲げる品
目ごとに、それぞれ次に定める係数とする。
ⅰ 価格調整時点において、次の(一)及び(二)のいずれにも該当する品目 1.5
(一)(略)
(二)対象品目の基本構造や作用原理が比較対照技術と著しく異なる等一般的な改良
の範囲を超えた品目であること。
○ 費用対効果を、より活用していく観点から、追加的有用性が示されず、
ICERの区分が「費用増加」となった分析対象集団の価格調整について、
有用性系加算部分に価格調整係数を乗じる現行の方法ではなく、例え
ば以下の方法を含め、政策決定の透明性や説明責任を高めるよう、検証
を踏まえつつ、見直しを図る。ただし、令和8年4月以降に評価結果が
中医協に報告された品目については、例外的に施行を保留とし、令和8
年9月に中医協での検証報告の議論が終わった後、具体的な方法の詳
細について定めた上で、価格調整を実施することとする。
・ 価格調整の方法について
比較対照技術の1日薬価(評価対象技術が医療機器の場合は、治療
期間における1日あたりの医療機器の費用。以下同じ。)を評価対象
技術の1日薬価で除して得た比を、評価対象技術の価格調整前の価
格に乗じた額を価格調整後の価格とする。
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・ 調整後の価格の下限について
価格調整後の価格の下限は、価格全体の85%(調整額が価格全体の
15%)とすることを基本に、引き続き議論する。
(8)配慮が必要な対象について
○ 配慮が必要な対象について、具体的にどのような疾患や病態に対し
て配慮を行っているか、諸外国の事例を踏まえながら、引き続き議論し
ていくこととする。
(9)医療機器の特性に応じた対応について
○ 医療機器に関する費用対効果評価について、諸外国の費用対効果評
価の取扱い等を参考に、引き続き議論していくこととする。
(10)費用対効果評価の結果の活用について
○ 費用対効果評価を終えた医薬品、医療機器等の評価結果をより活用
する観点から、厚生労働省及び国立保健医療科学院において、関係学会
や関係機関に対して必要な情報提供を行うとともに、各学会における
診療ガイドラインへの経済性評価の反映や診療現場での普及を促進す
る。
3 分析体制の充実に関する事項について
現在は、2大学(立命館大学及び慶應義塾大学)が公的分析班として分析を
担当しているが、今後も対象品目の増加が予想される中で公的分析に係る体
制の充実が課題となっている。
○ 公的分析結果の学術的な取扱いについては、国立保健医療科学院にお
いて、報告書としてホームページに公開されている分析結果を論文形式
で公的刊行物等に掲載しており、引き続き、こうした取組の進捗状況を確
認する。
○ 厚生労働省において、引き続き、関係学会等に対する費用対効果評価制
度の周知や人材育成並びに分析体制への支援を行い、公的分析班に携わ
る人材の確保及び組織の充実を行う。
○ 海外の評価実施機関における実務経験や研究機会を通じて、国際的に
標準となっている知見をより早期に取り入れるための支援を行うことを
検討する。
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
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