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令和7年6月19日 第195回社会保障審議会医療保険部会 資料1
被用者保険の適用拡大について
厚生労働省 保険局
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の概要
改正の趣旨
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化を図る観点から、働き方や男女の差等に中立的で、ライフスタイルや家族構成等の多様化を踏まえた年金制度を構築する
とともに、所得再分配機能の強化や私的年金制度の拡充等により高齢期における生活の安定を図るため、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、遺族年金
の見直し、標準報酬月額の上限の段階的引上げ、個人型確定拠出年金の加入可能年齢の引上げ等の措置を講ずる。
改正の概要
Ⅰ.働き方に中立的で、ライフスタイルの多様化等を踏まえた制度を構築するとともに、高齢期における生活の安定及び所得再分配機能の強化を図るための公的年金制
度の見直し
1.被用者保険の適用拡大等
① 短時間労働者の適用要件のうち、賃金要件を撤廃するとともに、企業規模要件を令和9年10月1日から令和17年10月1日までの間に段階的に撤廃する。
② 常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種を解消し、被用者保険の適用事業所とする。 ※ 既存事業所は、経過措置として当分の間適用しない。
③ 適用拡大に伴い、保険料負担割合を変更することで労働者の保険料負担を軽減できることとし、労使折半を超えて事業主が負担した保険料を制度的に支援する。
2.在職老齢年金制度の見直し
一定の収入のある厚生年金受給権者が対象の在職老齢年金制度について、支給停止となる収入基準額を50万円(令和6年度価格)から62万円に引き上げる。
3.遺族年金の見直し
① 遺族厚生年金の男女差解消のため、18歳未満の子のない20~50代の配偶者を原則5年の有期給付の対象とし、60歳未満の男性を新たに支給対象とする。これ
に伴う配慮措置等として、5年経過後の給付の継続、死亡分割制度及び有期給付加算の新設、収入要件の廃止、中高齢寡婦加算の段階的見直しを行う。
② 子に支給する遺族基礎年金について、遺族基礎年金の受給権を有さない父母と生計を同じくすることによる支給停止に係る規定を見直す。
4.厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ
標準報酬月額の上限について、負担能力に応じた負担を求め、将来の給付を充実する観点から、その上限額を65万円から75万円に段階的に引き上げる(※)ととも
に、最高等級の者が被保険者全体に占める割合に基づき改定できるルールを導入する。 ※ 68万円→71万円→75万円に段階的に引き上げる。
5.将来の基礎年金の給付水準の底上げ
① 政府は、今後の社会経済情勢の変化を見極め、次期財政検証において基礎年金と厚生年金の調整期間の見通しに著しい差異があり、公的年金制度の所得再分配
機能の低下により基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合には、基礎年金又は厚生年金の受給権者の将来における基礎年金の給付水準の向上を図るため、基
礎年金と厚生年金のマクロ経済スライドによる調整を同時に終了させるために必要な法制上の措置を講ずるものとする。この場合において、給付と負担の均衡が
とれた持続可能な公的年金制度の確立について検討を行うものとする。
② ①の措置を講ずる場合において、基礎年金の額及び厚生年金の額の合計額が、当該措置を講じなかった場合に支給されることとなる基礎年金の額及び厚生年金
の額の合計額を下回るときは、その影響を緩和するために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
Ⅱ.私的年金制度の見直し
① 個人型確定拠出年金の加入可能年齢の上限を70歳未満に引き上げる。
② 企業年金の運用の見える化(情報開示)として厚生労働省が情報を集約し公表することとする。
Ⅲ.その他
① 子のある年金受給者の保障を強化する観点から子に係る加算額の引上げ等を行いつつ、老齢厚生年金の配偶者加給年金の額を見直す。
② 再入国の許可を受けて出国した外国人について、当該許可の有効期間内は脱退一時金を請求できないこととする。
③ 令和2年改正法附則による検討を引き続き行うに際して社会経済情勢の変化を見極めるため、報酬比例部分のマクロ経済スライドによる給付調整を、配慮措置を
講じた上で次期財政検証の翌年度まで継続する。 等
このほか、遺族年金の受給要件に係る国民年金法附則第9条第1項のほか、同法、厚生年金保険法、協定実施特例法、確定給付企業年金法及
施行期日 び社会保険審査会法等について、令和2年改正法等で手当する必要があった規定の修正等を行う。
令和8年4月1日(ただし、Ⅰ5・Ⅲ③は公布日、Ⅰ1③は令和8年10月1日、Ⅰ4(68万円へ引上げ)は令和9年9月1日、Ⅰ1①(企業規模要件)は令和9年10月1日 、Ⅰ1①
(賃金要件)・Ⅱ①は公布から3年以内の政令で定める日、Ⅰ4(71万円へ引上げ)は令和10年9月1日、Ⅰ3・Ⅲ①は令和10年4月1日、Ⅰ4(75万円へ引上げ)は令和11年9月1
日、Ⅰ1②は令和11年10月1日、Ⅲ②は公布から4年以内の政令で定める日、Ⅱ②は公布から5年以内の政令で定める日) 1
Ⅰ1 被用者保険の適用拡大
改正のねらい
○ 年金額の増加など、働くことで手厚い保障が受けられる方を増やします。
○ 厚生年金や健康保険(被用者保険)の加入条件をよりわかりやすくシンプルにし、働く方が自分のライフスタイルに合わせて働き方を選びやすくします。
○ 人口が減少する中で、事業所の人材確保に資する取組を進めます。
〔短時間労働者(パート労働者など)の厚生年金等の適用要件を改正〕 〔個人事業所の適用業種を拡大(フルタイムも含めた適用拡大)〕
常時5人以上の者を使用する事業所
撤廃 ①賃金が月額8.8万円(年収106万円相当)以上 <2029年10月施行>
法律で定める17業種 適用(現行どおり) ただし、経過措置として、
②週所定労働時間が20時間以上(雇用契約で判断)
施行時に存在する事業所
上記以外の業種(※) 非適用⇒ 適用
③学生は適用対象外 は当面期限を定めず適用
※農業、林業、漁業、宿泊業、飲食サービス業等
除外。
段階的に撤廃 ④ 51人以上の企業が適用対象 5人未満の事業所 非適用(現行どおり)
賃金要件 ※ これらの措置は、適用拡大の対象となる前の事業所が、
〔支援策〕
任意に短時間労働者への適用を行う場合にも活用可能とする。
最低賃金が1,016円以上の地域では、週20時間働くと賃金要件(年額換
算で約106万円)を満たすことから、全国の最低賃金が1,016円以上となる 被保険者への支援(就業調整を減らすための保険料調整)
ことを見極めて撤廃 <公布から3年以内の政令で定める日から施行>
適用拡大の対象となる比較的小規模な企業で働く短時間労働者に対し、
※ 最低賃金の減額特例の対象者は、申出により任意加入を可能に。
社会保険料による手取り減少の緩和で、就業調整を減らし、被用者保険
の持続可能性の向上につなげる観点から、3年間、保険料負担を国の
企業規模の要件 より円滑な施行ができるよう、段階的に撤廃
定める割合(下表)に軽減できる特例的・時限的な経過措置を設ける。
企業規模(常勤の従業員数で判断) 実施時期 (事業主が労使折半を超えて一旦負担した保険料相当額を制度的に支援)
500人超 2016年10月 標準報酬月額 8.8万 9.8万 10.4万 11万 11.8万 12.6万 13.4万
(年額換算) (106万) (118万) (125万) (132万) (142万) (151万) (161万)
約107万人
100人超 2022年10月
(実績値) 労働者の 50% 50% 50% 50% 50% 50%
50%
負担割合 →25% →30% →36% →41% →45% →48%
50人超 2024年10月
※3年目は軽減割合を半減
35人超 約10万人 2027年10月
今 事業主への支援
20人超 約15万人 2029年10月
回
改 被用者保険の適用に当たり、労働時間の延長や賃上げを通じて労働者の収
10人超 約20万人 2032年10月
正
入を増加させる事業主をキャリアアップ助成金により支援する措置を検討
10人以下 約25万人 2035年10月
(令和7年度中に実施、1人当たり最大75万円助成) 2
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案に対する
衆議院
一 企業規模要件の撤廃などの適用拡大に伴う経過措置として実施する、事業主が労使折半を超えて社会保険料を負担
し、労使折半を超えて負担した社会保険料を制度的に支援する特例措置が円滑に行われるよう、必要な措置を講ずる
こと。とりわけ、この特例措置が、事業主及び保険者に多大な事務負担を課すものとならないよう、システム改修等
を含めた事務負担の軽減に配慮すること。また、被用者保険の適用拡大により保険料負担が増加する中小企業及び小
規模企業者に対しては、政府が実施する各種の支援措置の十分な周知に努めること。
二 被用者保険の適用拡大により被用者保険に加入することとなる標準報酬月額の比較的低い短時間労働者の中には、
国民年金の第一号被保険者から第二号被保険者になることで社会保険料の被保険者負担が軽減する者がいることから、
被用者保険制度内で財源を賄うこととしている被用者保険の適用拡大に伴う経過措置として行われる事業主支援を一
律に行うことは合理性に問題があるのではないかとの指摘があることを考慮しつつ、第一号被保険者の中には、就業
調整をすることで被用者保険の加入を回避しようとする者や国民年金保険料の免除制度利用者など被用者保険に加入
することに伴い社会保険料負担が増加する者もいることなどを踏まえ、支援を受ける中小企業及び小規模企業者の実
務的な課題も整理しながら、支援の対象となる第二号被保険者の範囲について整理すること。
三 短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、企業規模要件の撤廃を待つことなく早期に任意の適用を進める
ための方策について検討を加え、必要な措置を講ずるよう努めること。また、国民健康保険制度の在り方等に留意す
るとともに、雇用保険の加入要件が令和十年十月から週十時間以上になることなどを踏まえ、労働時間要件の週十時
間以上への引下げ等、更なる短時間労働者の被用者保険への適用拡大について検討を加え、必要な措置を講ずること。
四~十四 (略)
参議院
一~三 (衆議院と同様)
四~十四 (略)
十五 日本国内にある約百八十か国・地域の外国公館(大使館・領事館など)で働く日本採用の労働者の多くが長年に
わたって被用者保険に加入していない状況を踏まえ、被用者保険の適用について、本件に係る昭和三十年厚生省通
知の見直しや、被用者保険を強制適用にすることも含めて検討し、その結果に基づき、関係省庁等との調整を行っ
た上で速やかに必要な措置を講ずること。 3
参考資料
Ⅰ2 在職老齢年金制度の見直し
【65歳以上の老齢厚生年金の支給停止の状況】
改正のねらい
(%) 65歳以降で働く年金受給権者 308万人 (2022年度末)
8.0
○ 働く高齢者の方々が、社会にとってますます重要となっていく中で、
高齢者の方が働きながらより年金を受給しやすい制度にします。 7.0 7.0
7.0 6.7
6.6 現在の支給停止者数 50万人
○ 一部の業界では既に働く時間を減らす動きも見られるため、他の業界 6.2
6.0 支給停止対象額 約4,500億円
にも広く影響が出ないよう、早期に対応します。
6.0
5.4 5.3
見直し後の支給停止者数 30万人
〔一定以上の賃金がある場合の厚生年金の支給停止基準を改正〕 5.0 4.4 4.5 支給停止対象額 約2,900億円
4.0
○ 高齢者の活躍を後押しし、できるだけ就業調整が発生しない、働き方 法改正
4.0 3.6
に中立的な仕組みとするため、在職老齢年金制度(※)の支給停止基準 3.2
3.1
20万人が新たに老齢厚生年金を全額受給可能
を現行の50万円から62万円に引上げ。 (ともに2024年度価格) 2.7
3.0 2.4 2.6
2.4 2.4
〈2026年4月施行〉 2.2
2.0 1.3
○ 「62万円」は年金を受給しつつ50代の平均的な賃金を得て継続的に 1.2 1.1 0.7 0.6 0.5 0.6 0.8
働く者を念頭に置いて設定。 0.9 0.5 0.4 0.6 0.7
1.0 0.6
0.5 0.5 0.5
支給停止基準額
0.0
2005年度(現行制度開始) 48万円(注) 満 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 上
未 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 万 以
円 4 8 2 6 0 4 8 2 6 0 4 8 2 6 0 4 8 円
2022年度 47万円 1 1 2 2 3 3 3 4 4 5 5 5 6 6 7 7 7
万 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 万
0 0
2024年度 50万円 ~ 1 ※2022年度末当時の支給停止基準額は47万円。 8
62万円 【60代後半における厚生年金受給時の働き方】
※2024年度価格につき、
2026年度 今回改正 年金額が減らない 年金額が減るかど 会社等で働かず、厚生年金の加入が
2026年度までの賃金変動 よう時間を調整し うかにかかわらず 自営業主・自由業なく、受給する見
その他
に応じて改定 働かない 会社等で働く 会社等で働く 等として働く 込みがない
無回答
(注)直近の2025年度までは、賃金変動に応じて毎年度基準額を改定。
65~69歳 29.0 31.9 17.2 9.7
0% 20% 40% 60% 80% 100%
※ 在職老齢年金制度とは、現役レベルの収入がある者には、年金制度の支え
(資料)内閣府「生活設計と年金に関する世論調査」(2024年)
手に回ってもらう観点から、賃金と老齢厚生年金の合計が基準を超える場合に
老齢厚生年金の支給を減らす仕組み。
※ 今回の見直しによる給付水準への影響は▲0.2%(厚生年金)
保険料に応じた給付が原則の社会保険では、例外的なもの。 ⇒ この影響も含めて、年金改正法案全体では給付水準はプラス 5
Ⅰ3 遺族年金の見直し
改正のねらい
○ 遺族厚生年金を、女性の就業率上昇等の社会変化に合わせ、男女問わず受給しやすくします。
○ 遺族基礎年金を、子ども自らの選択によらない事情に関わらず、受給しやすくします。
〔遺族厚生年金における支給要件や給付内容を改正〕 〔遺族基礎年金における支給要件を改正〕
※ 既に受給権を有する方、60歳以降の高齢の方、20代から50代の 子に対する遺族基礎年金が、子ども自らの選択によらない事情により、
18歳未満の子のある方には現行制度の給付内容を維持。 支給停止されないようにする。
○ 男女ともに受給しやすくし、原則5年の有期給付に
○ 低所得など配慮が必要な方は最長65歳まで所得に応じた給付の継続
被保険者死亡以降の配偶者や子の状態 子に対する遺族基礎年金
○ 有期給付の場合の加算や配偶者の加入記録による自身の年金の増額
○ 女性のみの加算を廃止(25年かけて段階的に縮小) 配偶者が子の生計を維持し、死別後に再婚
死亡者との生計維持関係の確認に用いる
遺厚:遺族厚生年金、老厚:老齢厚生年金、緑:有期の給付、黄:無期の給付
収入基準(850万円)を超える配偶者が子の
配偶者死亡 ~30歳 65歳到達 生計を維持
支給停止 → 新たに支給
直系血族(又は直系姻族)の養子となる
遺厚
現 妻 遺厚(無期) 老厚 又は 遺厚
(有期)
行 (生前に既に両親が離別しており、)子の
制 生計を維持していた被保険者が死亡した後、
遺族 遺厚
度 夫 老厚 又は 遺厚 元配偶者が子を引き取る
(支給停止) (無期)
55歳 60歳 ※ 上記の事例はすべて、配偶者が遺族基礎年金を受けられないこと等により、
子が遺族基礎年金を受給できる可能性がある。
法改正
赤:今回改正 今回の改正の影響を受けない方
配偶者死亡 5年経過 65歳到達
遺族厚生年金
最
終 妻
・既に受給権を有する方
的 有期給付加算 遺厚 死亡分割による増額
又は
な 遺厚 +有期給付加算 ・60歳以降の高齢の方
姿 夫 (有期) (給付の継続) 老厚 ・20代から50代の18歳未満の子のある方
6
Ⅰ4 厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ
改正のねらい
○ 保険料と給付の算定に用いる「標準報酬月額」の上限を超える収入の方は、実際の賃金に占める保険料の割合が他の方よりも低くなっています。
賃金上昇の継続を見据え、世代内の公平のためにも、上限に該当されていた方に、本来の賃金に応じたご負担をいただき将来の給付を手厚くします。
・ 新しい「標準報酬月額」に該当する方は、足下の保険料とともに将来の年金額が増加します。
・ 厚生年金制度の財政が改善することで、年金額の低い方も含めた厚生年金全体の給付水準も底上げされます。
〔保険料と給付の計算に用いる「標準報酬月額」の上限を引上げ〕
【標準報酬月額別の被保険者数分布割合(男性)】
標準報酬月額の上限を、65万円から75万円に3年間かけて段階的に引上げ
(万円)
※実施時期:68万(2027年9月)、71万(2028年9月)、75万(2029年9月)
■ 厚生年金保険(2024年6月) 139 ■ 健康保険(2023年3月)
報酬月額 標準報酬 該当者の保険料の変化 年金額(2024年度価格)
※賞与除く賃金 月額 【】内は実質的な負担増額 ※1年間該当した場合の概算額
上限である ※男女計では、
標準報酬65万円以上 6.5%(278万人)
63.5万円 59,475円→59,475円 65歳時点の平均余命
65万円 の割合
~66.5万円 【実質+0円/月】 男性:19.52年 女性:24.38年
9.6%(243万人)
75
66.5万円 59,475円→62,220円 +約150円/月(終身) 71
68万円 68
~69.5万円 【実質+約1,800円/月】 ※10年間該当:+約1,500円 65
今
69.5万円 59,475円→64,965円 +約300円/月(終身) 回
71万円
~73.0万円 【実質+約3,700円/月】 ※10年間該当:+約3,000円
改
正
59,475円→68,625円 +約510円/月(終身)
73.0万円~ 75万円
【実質+約6,100円/月】 ※10年間該当:+約5,100円
※ 実質的な負担増額は、社会保険料控除を考慮したもの(限界税率は所得税23%・住民税10%と仮定)
○保険料(標準報酬月額×保険料率×1/2) ○年金額(標準報酬月額等に応じて算出)
・上限引上げの対象者 財政の改善による
厚生年金増加
⇒ 保険料・年金額ともに増加
「標準報酬月額」の増
「標準報酬月額」
厚生 により厚生年金増加
の増により
年金
保険料増加
基礎
基礎年金は変化なし
年金 (出典)厚生労働省年金局 (出典)厚生労働省保険局
現行制度 上限引上げ後 現行制度 上限引上げ後 「厚生年金保険・国民年金事業月報」 「健康保険・船員保険事業年報」
・上限引上げの対象ではない者 財政の改善による (注)第1号厚年被保険者の値 8.8 (注)協会けんぽ及び健康保険組合に
属する者の値
⇒ 年金額のみ増加 厚生 厚生年金増加
年金 (%)
保険料は変化なし 基礎
基礎年金は変化なし
年金
現行制度 上限引上げ後 現行制度 上限引上げ後 ※ 今回の見直しによる給付水準への影響は+0.2%(厚生年金) 7
Ⅱ① 私的年金制度の見直し(iDeCoの加入可能年齢の引上げ)
改正のねらい
○ 現在の制度では、iDeCoに加入できる方は、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない、国民年金の被保険者の方に限ら
れており、働き方などにより何歳まで加入できるかの上限の年齢に差が生じています。
○ このため、働き方に関係なく、誰もが長期的に老後資産を形成でき、かつ加入者にとってシンプルで分かりやすい制度となるよう、
加入要件を拡充します。
【見直しの内容】〈公布から3年以内の政令で定める日施行〉
○ 現在の要件に加え、公的年金への保険料を納めつつ、上乗せとしての私的年金に加入してきた者が、60歳から70歳にかけて引き続き
老後の資産形成を継続できるようにするため、60歳以上70歳未満の iDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者であって、
老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者にiDeCoの加入・継続拠出を認める。
<見直し後のiDeCo加入者の対象範囲>
① 国民年金被保険者(現行要件)
② iDeCoの加入者・運用指図者
③ 企業型DC等の私的年金の資産をiDeCoに移換する者
上記①~③であって、かつ老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者
<現状> <iDeCoの加入可能年齢の引上げのイメージ>
国民年金被保険者であって、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付 60歳以上70歳未満のiDeCoを活用した老後の資産形成を継続し
金を受給していない者 ようとする者であって、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給
していない者を加入・拠出可能とする。
iDeCoを活用した老後の資産形
成を継続しようとする者
国民年金被保険者
国民年金被保険者
1号・3号被保険者 任意加入者 1号・3号被保険者 任意加入者
2号被保険者 2号被保険者
60歳 65歳 70歳 75歳 60歳 65歳 70歳 75歳
※受給開始は60歳~75歳の間 ※受給開始は60歳~75歳の間 8
Ⅱ② 私的年金制度の見直し(企業年金の運用の見える化(情報開示))
改正のねらい
○ 現在の制度では、企業年金の情報は加入者などの本人に通知されているほか、企業年金の運営状況については厚生労働省への報告書
の提出義務もありますが、一般には公開されていない状況にあります。
○ このため、こうした企業年金の情報を一般に公開することで、他社との比較や分析ができるような環境を整え、企業年金を行う主体
やその加入者などが、加入者等の最善の利益のために運営を改善できるようにします。
【見直しの内容】〈公布から5年以内の政令で定める日施行〉
○ 企業年金の運用の見える化(情報開示)として、厚生労働省が当該報告書の記載事項のうち一定の事項を公開することとする。
企業年金の加入
企業年金 報告書の提出 厚生労働省 運用等の状況の情報開示
者、企業年金実
(企業年金総合
実施事業主等
情報管理システム) 施事業主等
企業年金の運用の見える化の開示方法・開示項目
企業年金の運用等の情報開示においては、次のような開示方法、開示項目が考えられる。
○DBの見える化
・ 開示項目については、毎年の事業報告書・決算に関する報告書の報告項目をベースとする。(一部新規に報告)
※ 運用状況(運用の基本方針等)や専門人材の活用に係る取組状況を含む情報については新たに報告が必要(事業報告書に追加)
・ 開示の方法については、厚生労働省がDB別に公表を行う。
・ 開示対象要件として規模要件を設ける。(個人情報保護の観点からの配慮も必要)
○DCの見える化
・ 開示項目については、毎年の事業主報告書・確定拠出年金運営管理機関業務報告書の報告項目をベースとする。(一部新規に報告)(RK経由の報告を想定)
・ 開示の方法については、厚生労働省が事業主・規約・運営管理機関別に公表を行う。
・ 開示は全事業所を対象とする。 (個人情報保護の観点からの配慮も必要)
・ 上記に加えて、運用の方法の見える化については、運営管理機関等による取組の改善を促進する。
9
Ⅲ① その他(子に係る加算等の見直し)
改正のねらい
○ 年金受給者への加算については、年金を受給しながら子を育てる方への支援を強化し、給付を手厚くします。また、女性の社会進出
が進み、共働き世帯も増えている社会の変化に合う仕組みにします。
年金制度には、子を養育する場合の加算制度や年下の配偶者を扶養する場合の加算制度が存在。
【①子に係る加算の充実】
○ 子を持つ年金受給者の保障を強化する観点から、
《年金制度における扶養関係の加算の現状》
現在受給している者も含めて子に係る加算額を引上げ。
※ 子に係る加算のない年金については、子に係る加算を創設。 老齢年金 障害年金 遺族年金
子に係る加算については「国内居住要件」を設定。
②配偶者の加算
配偶者の加算
加算額の見直し
(現行)第2子まで234,800円、第3子以降78,300円 現行制度を維持
厚
※将来の受給者のみ
生
(見直し後)一律281,700円
年 ①子の加算
金 ①子の加算 ①子の加算
※いずれも2024年度価格の年額。
額の引上げ
今回創設 今回創設
※現在の受給者含む
【②年下の配偶者の扶養に着目した配偶者に係る加算の見直し】
基 ①子の加算 ①子の加算
①子の加算
○ 併せて、女性の社会進出や共働き世帯の増加など社会状況の変化 礎 額の引上げ 額の引上げ
年 今回創設(注)
※現在の受給者含む ※現在の受給者含む
を踏まえ、年下の配偶者を扶養する場合にのみ支給される 金
配偶者に係る加算額は見直し(既に受給している者の加算額は維持)。 (注)加入期間に応じ、
金額を調整
(現行)408,100円
(見直し後)367,200円
※いずれも2024年度価格の年額。
①・②〈2028年4月施行〉
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Ⅲ② その他(脱退一時金制度の見直し)
改正のねらい
○ 老後を日本で暮らす可能性がある外国人の方も増加していると考えられる中で、将来の年金受給に結びつけやすい仕組みとします。
○ 外国人の滞在期間が長期化していることなどを踏まえ、支給上限を見直します。
【脱退一時金制度の概要】
○ 脱退一時金は、外国人の場合は、滞在期間が短く、保険料納付が老齢年金の受給に結び付きにくいという特有の事情を踏まえた制度。
○ 被保険者期間に応じて一時金の形式で支給(支給上限5年)され、受給するとそれまでの被保険者期間がなくなる。
※ 支給上限については、在留資格の見直しや外国人の滞在期間の長期化を踏まえ、令和2年改正で3年から5年に引き上げた。
(参考)令和2年改正で3年から5年に引き上げられた理由
①令和元年施行の改正出入国管理法により、期間更新に限度のある在留資格の上限が5年に引き上げられたこと
②制度創設時と比べて、3~5年滞在した者の割合が外国人出国者の約5%から約16%に増加したこと
【見直し内容】
【①支給要件の見直し(再入国許可)】 <公布から4年以内の政令で定める日から施行>
○ 在留外国人の増加や滞在期間の長期化に伴い、老後を日本で暮らす可能性がある外国人も増加していると考えられる。現行制度にお
いては、再入国許可付き出国をした場合でも脱退一時金の受給が可能であり、滞在途中の一時的な帰国の際に脱退一時金を受給する
とそれまでの年金加入期間がなくなってしまう。
○ 将来の年金受給に結びつけやすくする観点から、再入国許可付きで出国した者には当該許可の有効期間内は脱退一時金は支給しない
こととする(再入国しないまま許可期限を経過した場合には受給が可能) 。
【②支給上限の引き上げ】
○ 滞在期間の長期化が進む中、保険料納付が老齢年金の受給に結びつかない外国人にとっては、脱退一時金の必要性が高まっている側
面もあると考えられる。
○ 在留資格の見直しや滞在期間も踏まえて、支給上限を現行の5年から8年に引き上げる。 (政令で措置予定)
※1 5~10年滞在した外国人の割合:2020年 約6% ⇒ 2023年 約18%
※2 技能実習制度に代わり育成就労制度が創設される予定。
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⇒ 育成就労制度(3年)を経て特定技能1号(5年)に移行し、計8年我が国に滞在する者が増加すると考えられる。
Ⅲ.その他(離婚時分割、各種時限措置の延長等公的年金制度におけるその他の改正①)
<公的年金制度関係>
項目 現行の仕組み 見直し内容
直近1年要件によって障害年金等の受給につながる
現行の障害年金・遺族年金の保険料納付要件の特例 ケースが存在していることや、今後の取扱いを検討
措置として、令和8年4月1日前に初診日等がある するに当たって丁寧に実態を把握する必要があるこ
① 障害年金等の直近1年要件の延長 場合は、初診日等のある月の前々月までの1年間に とを踏まえ、令和18年4月1日前に初診日等がある
保険料未納期間がなければ、納付要件を満たしたも 場合についても引き続き適用できるよう、時限措置
のとして扱われる。 の10 年延長を行う。
〈公布日施行〉
令和12年6月までの間、同居している世帯主の所得 国民年金の納付猶予制度について、多くの者が利用
にかかわらず、本人と配偶者の所得要件で該当の有 していることから、令和17年6月までの間について
② 国民年金の納付猶予制度の延長
無を判断し、実際に保険料を負担できるようになっ も利用できるよう、時限措置の5年延長を行う。
た時点で追納できる仕組み。 〈公布日施行〉
昭和40年4月1日までの間に生まれた、老齢基礎年
引き続き保険料納付意欲がある者の年金受給の途を
金の受給権を有しない者を対象に、65歳以上70歳
開くため、昭和50年4月1日までの間に生まれた、
③ 国民年金の高齢任意加入について 未満の期間も老齢基礎年金受給に必要な資格期間に
老齢基礎年金の受給権を有しない者も利用できるよ
対象を追加 達するまで、任意加入の特例として国民年金へ加入
う措置することで本措置の延長を行う。
することを認め、保険料を納付することにより年金
〈公布日施行〉
の受給権に結びつけることとしている。
前回(令和2年)改正法附則による公的年金制度の
概ね100年間の厚生年金財政の均衡が見込まれる時
所得再分配機能等の検討を引き続き行うに際して社
に報酬比例部分のマクロ経済スライドによる給付調
④ 令和2年改正法附則による検討を 会経済情勢の変化を見極めるため、報酬比例部分の
整を終了することとされており、令和6年財政検証
引き続き行うに際して社会経済情勢 マクロ経済スライドによる給付調整を、配慮措置を
(過去30年投影ケース)では、Ⅰ1の被用者保険
の変化を見極めるための措置 講じた上で次期財政検証の翌年度(令和12年度を予
の適用拡大を行う場合には、令和10年度までの給付
定)まで継続する。
調整が必要な見込みとなっている。
〈公布日施行〉
民法における離婚時の財産分与請求権の除斥期間が
離婚する際、婚姻期間に係る厚生年金の計算の元と
2年から5年に伸長されることに伴い、離婚時の年
なる保険料納付記録を分割することが可能であり、
金分割の請求期限についても2年から5年に伸長す
⑤ 離婚時分割の請求期限の伸長 民法における離婚時の財産分与請求権の除斥期間が
る。
2年とされていることを踏まえ、2年の請求期限を
〈公布の日から起算して1年を超えない範囲内にお
設けている。
いて政令で定める日施行〉
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Ⅲ.その他(公的年金制度におけるその他の改正②、
企業型DCの拠出限度額の拡充等私的年金制度におけるその他の改正)
<公的年金制度関係>
項目 現行の仕組み 見直し内容
高齢者の就労が進展し、今後繰下げ制度の利用者が
増える可能性があることを踏まえて、年金を増額さ
せたいという受給権者の選択を阻害しない観点から、
⑥ 遺族厚生年金受給権者の老齢年金の繰下 遺族厚生年金の受給権者は、老齢年金の繰下げ受給
遺族厚生年金受給権者についても、繰下げ申出を認
げの許容 はできないこととされている。
める。※老齢厚生年金の繰下げについては、遺族厚
生年金を請求していない場合に限る。
〈令和10(2028)年4月施行〉
<私的年金制度関係>
項目 現行の仕組み 見直し内容
企業型DCの加入者は、事業主の拠出に上乗せして
事業主掛金の額によらずに、加入者がそれぞれの状
掛金を拠出する企業型年金加入者掛金の拠出(マッ
況に応じ拠出限度額の枠を十分に活用し老後の資産
① 企業型DCの拠出限度額の拡充 チング拠出)が可能であるところ、マッチング拠出
所得の確保が可能となるよう、当該制限を撤廃する。
は事業主掛金の額を超えてはならないという制限が
〈公布から3年以内の政令で定める日施行〉
設けられている。
企業型DCにおける手続を簡素化した制度である簡
簡易型DC制度のうち、手続の一部を通常の企業型
易型DC制度においては、従業員が300人以下の中小
DCに適用することで、通常の企業型DCを中小事業
事業主について、企業型DCの加入者の範囲を固定・
② 簡易型DC制度の見直し 主を含めた事業主全体が取り組みやすい設計に改善
拠出額を定額とする等により、通常の企業型DCの
し、簡易型DC制度については通常の企業型DCに統
実施の申請において提出が必要とされる書類の提出
合する。〈令和8(2026)年4月1日施行〉
を不要としている。
石炭鉱業年金基金制度について、加入者の意思をよ
り反映できる一般的な制度であるDB制度に移行す
ることが、より加入員・受給者の保護に資すること
石炭鉱業に従事する坑内労働者のための老齢給付を
から、石炭基金をDB制度に移行して、年金給付等
③ 石炭鉱業年金基金制度の見直し 行うことを目的として、昭和42年に石炭鉱業年金基
の権利義務を承継することとし、これをもって石炭
金法に基づき、石炭鉱業年金基金が設立された。
基金法を廃止する。〈令和7(2025)年10月1日、
令和8(2026)年4月1日、公布から5年以内の
政令で定める日施行〉
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。