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令和7年6月19日 第195回社会保障審議会医療保険部会 資料2
病床転換助成事業について
厚生労働省 保険局
1.病床転換助成事業について
病床転換助成事業の概要
• 療養病床の転換を支援するため、医療機関が医療療養病床から介護保険施設等へ転換する場合に、その整
備費用を都道府県が助成する事業※
※ 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)附則第2条に基づく事業。
• 費用負担割合は、国:都道府県:保険者=10:5:12
対象となる病床 対象となる転換先施設
①療養病床(介護療養型医療施設を除く)
①介護医療院
②一般病床のうち、療養病床とともに同一病院(又は同一
転換
②ケアハウス
診療所)内にあり、療養病床とともに転換を図ることが合
③介護老人保健施設
理的であると考えられるもの
④有料老人ホーム
(居室は原則個室とし、1人当たりの床面積が、概ね13㎡以上であること)
転換に係る整備費用を助成 ※ 有料老人ホームであるサービス付き高齢者向け住宅を含む。
【補助単価(1床あたり)】 ⑤特別養護老人ホーム
①改修 50万円 ⑥ショートステイ用居室(特別養護老人ホームに併設するものに限る)
(躯体工事に及ばない室内改修(壁撤去等)) ⑦認知症高齢者グループホーム
②創設 100万円 ⑧小規模多機能型居宅介護事業所
(新たに施設を整備) ⑨複合型サービス事業所
③改築 120万円
⑩生活支援ハウス
(既存の施設を取り壊して、新たに施設を整備)
⑪サービス付き高齢者向け住宅(④の有料老人ホームであるもの以外の住宅)
事業スキーム
病床転換助成交付金(12/27)
交付
病床転換支援金等
(病床転換支援金・事務費拠出金)
交付金(10/27)
保険者 支払基金 国 都道府県(5/27) 医療機関
2
病床転換助成事業の経緯
• 病床転換助成事業については、平成20年度に事業を開始して以降これまでに3度、事業期限を延長してお
り、現在の事業期限は令和7年度末。
H20.4.1 H22~ H22.12.2 H25.4.1 H28.12.20 H30.4.1 R6.4.1
「
健 第
康 病 四 事 療 ( 事 事
保 床 病 十
①
業
養療転
業 業
事 業 の 経 険 法 等 改 正 法 一 部 施 転 換 助 成 事 業 の 開 始 ( 平 成 二 十 四 年 度 ま で 床 転 換 支 援 金 の 徴 収 停 三 回 医 療 保 険 部 会 事 業 延 長 に つ い て 議 論 ② 剰 余 金 の 保 険 者 等 へ の 延 長 平 成 年 度 ま 2 ( 9 病 床 の 在 り 方 等 に 関 す 養 病 床 の 在 り 方 等 に 関 換 支 援 措 置 継 続 の 方 針 剰 余 金 の 返 還 規 延 長 令 和 5 年 度 ま で ( に つ い て 引 き 剰 余 金 の 保 険 延 長 令 和 年 度 ま ( 7
緯 行 ) 止 返 で る す 定 ) 続者 で
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議
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会
議 理 改 の
)
論 」 正 詳
) 細
病
床
転 7,000 6,473 6,223 350 病
事 換 支 援 6,000 5,905 5,666 5,536 5,435 5,337 5,320 5,254 5,105 4,928 4,814 4,696 4,583 4,474 300 床 転 換
業 金 の 5,000 287 250 助 成
剰 4,000 200 交
の 余 2,663 225 209 付
金 3,000 189 150 金
状 の (
総 2,000 150 100 単
額 115 124 114 114 位
況 ( 単 位 1,00 0 0 99 66 55 79 42 72 102 0 50 : 百 万
: 円
百 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 )
万
円 病床転換支援金の剰余金の総額 病床転換助成交付金
)
※上記の病床転換支援金とは別に病床転換助成関係事務費拠出金を保険者から徴収しており、被保険者1人当たり換算では、平成20年は0.6円のところ、平成29年度は0.3円、令和
3
5年度は0.1円、令和7年度は0.03円と減少傾向になっている。
病床転換助成事業の活用実績
• 病床転換助成事業は、これまで合計7465床(※)の医療療養病床の転換(主な転換先は介護医療院)に活用され
ている。地域医療構想の取組が始まって以降、活用実績が増加し、地域医療構想の取組や医療費適正化の取組に活用
されてきた。他方、都道府県で実施する病床転換助成事業の意向調査においても活用希望がなく、実績の少ない都道
府県がある等の状況を踏まえると、事業の周知・理解不足等の課題があると考えられる。
○ 病床転換助成事業を活用した転換病床数(H20~R6) ○ 転換先施設の割合(H20~R6)
(病床数) 約400床/年 約550床/年
1200 地域医療構想
3.1%
990
8.2%
1000 介護医療院
797
800
介護老人保健施設
632 631
556 46.3%
600 516 519 502 517
432 認知症高齢者グループ
388
400
211 235 259 42.4% ホーム
171 その他
200 96
13
0
H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 R2 R3 R4 R5 R6
○ 都道府県ごとの病床転換助成事業の活用実績(H20~R6)
700 672
600 534 547
472
500
380
400 340
291
262
1 2 3 0 0 0 0 0 0 32 231 61 57 189 143 100124 164 0 188 52 196 108 98 59 65 48 0 0 81 193 20 92 18 166 225208 0 93 110 97 188 16 165 196 16 19 149
0
道 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 都 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 府 府 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県
海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 川 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 山 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 島 縄
北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 奈 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 歌 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 児 沖
1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 神 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 和 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 鹿 7
0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4
4 0 6
1 3 4
※ 病床数は、令和5年度までは実績確定数。令和6年度は交付決定数。複数年の工事は病床数を按分して各年度に計上。 4
2.調査研究について
病床転換助成事業等に関する実態調査・効果検証等調査研究事業について
・第173回医療保険部会(令和5年12月14日)において、
①病床転換助成事業を活用して各都道府県でどのように病床転換を進めていくか、また、地域包括ケアの観点から
どのように生活の場となる転換先施設を整備していくのか。
②病床転換の取組によりどのような効果があるのか、医療費適正化や介護施設整備のニーズに対してどの程度効果
があるのか(あったのか)
等といった旨の指摘があったことを踏まえ、昨年度、病床転換助成事業等に関する実態調査・効果検証等調査研究
事業を実施。
<調査目的>
病床転換助成事業の効果検証を行うとともに、療養病床等で長期入院している実態を把握し、各都道府県において地
域包括ケアに取り組む上で療養病床と介護施設等の整備がどのように検討されているのか、それによる医療費の適正化効
果についてどのように考えているのか、その実態調査・効果検証を行った。
<調査手法>
都道府県及び全国の療養病床を有する医療機関を対象に、病床転換助成事業の活用状況・今後の活用予定等を伺うア
ンケート調査及び病床転換助成事業の効果や課題等を伺うヒアリング調査を実施。調査票の作成やヒアリング対象、報告
書の作成等にあたっては、検討委員会(※)を設置し議論を行った。
※検討会委員(敬称略・五十音順):池端 幸彦(日本慢性期医療協会 副会長)、伊奈川 秀和(東洋大学福祉社会デザイン学部社会福祉
学科 教授)、中俣 和幸(鹿児島県 医療審議監)、春木 匠(健康保険組合連合会政策部 担当部長)
<回答率等>
都道府県に対するアンケート調査:回答数 42都道府県、回答率89.4%(アンケート送付数:47都道府県)
医療機関に対するアンケート調査:回答数 439施設(病院385施設、有床診療所54施設)、
回答率21.6%(アンケート送付数:2083(病院1740施設、有床診療所343施設)※)
ヒアリング調査:6都道府県、8医療機関
※医療法上の療養病床を有する病院・有床診療所である4,123施設(2022年8月時点の都道府県公開情報に基づく)を都道府県別に病院・
有床診療所数を按分の上1/2を無作為抽出し配布対象を選定
6
令和6年度 病床転換病床転換助成事業等に関す7る
Ⅱ.アンケート調査の結果 1.調査の主要な結果 都道府県調査
メイン 実態調査・効果検証等調査研究事業 報告書(抜粋)
メイン
都道府県に対するアンケート調査から得られた主な結果は以下の通りである。
セント
事業開始前において人口当たり医療療養病床数が多い地域において、事業の活用割合が大きかった。
背景①
背景② 回答のあった42都道府県のうち36都道府県(85.7%)について、また302医療圏のうち114医療圏(37.7%)について、病
⚫
サブ① 床転換助成事業を活用して転換された療養病床があった。
サブ② 病床転換
病床転換助成事業の活用事例があった二次医療圏の割合は、事業開始直前(2007年)の人口当たり医療療養病床数が
助成事業の ⚫
全国平均未満の二次医療圏では29.1%(41医療圏/141医療圏)であったのに対し、全国平均以上であった二次医療圏で
活用実績
は45.3%(73医療圏/161医療圏)であった。
病床転換助成事業を活用して整備された施設の種類について、整備件数は「介護医療院」(100件)が最も多く、次いで「介
⚫
護老人保健施設」(65件)が多かった。
病床転換助成事業を活用した地域では、介護医療院・介護老人保健施設の定員数が、2026年度必要定
員数を上回っている割合が相対的に大きかった。
介護医療院・
介護老人 2022年度の介護医療院・介護老人保健施設の定員数が2026年度の必要定員数を上回っている二次医療圏の割合は、
⚫
保健施設の
病床転換助成事業を活用した介護医療院・介護老人保健施設の整備事例があった二次医療圏では16.2 %(17医療圏
充足状況
/105医療圏)であり、整備事例がなかった二次医療圏の割合(10.7%、21医療圏/197医療圏)よりも、相対的に大きかっ
た。
現在の慢性期の病床数が2025年必要病床数を上回っている都道府県・人口当たり医療療養病床が多い都
道府県では、事業の期限までの病床転換に関する相談・申請計画が寄せられている割合が高かった。
今後の病床転換助成事業の活用や療養病床の転換の見通しについて、「2026年度以降に病床転換を検討している医療機関
⚫
や市町村等について情報や相談が寄せられている」と回答した都道府県は16.7%(回答数7)である一方、「現時点で助成事
病床転換
業の利用や病床転換に関する具体的な意向は把握していないが、今後、病床転換助成事業の活用を希望する医療機関が現
助成事業の
れる可能性は高くない」と回答した都道府県は52.4%(回答数22)であった。
活用見通し
事業の期限(2025年度末)までの病床転換に関する相談・申請計画が寄せられている都道府県の割合は、2023年の慢性
⚫
期の病床数が2025年の必要病床数を上回っている都道府県では31.0%(9都道府県/29都道府県)であったのに対し、満
たない都道府県では15.4%(2都道府県/13都道府県)であった。
2026年度以降や将来の病床転換に関する情報・相談が寄せられている都道府県の割合に、このような傾向は見られなかった。
⚫
7
令和6年度 病床転換病床転換助成事業等に関す8る
Ⅱ.アンケート調査の結果 1.調査の主要な結果 医療機関調査
メイン 実態調査・効果検証等調査研究事業 報告書(抜粋)
メイン
医療機関に対するアンケート調査から得られた主な結果は以下の通りである。
セント 病床転換助成事業の活用実績があるのは病院で28施設(7.3%)有床診療所で2施設(3.7%)だった。
病床転換
背景①
助成事業の
病床を転換した病院のうち、介護医療院への転換が26施設(92.9%) 、介護老人保健施設への転換が1施設(3.6%)、そ
背景② ⚫
活用実績
の他への転換が1施設(3.6%)であった。有床診療所では、2施設(100.0%)すべてが介護医療院への転換であった。
サブ①
サブ② 病床転換助成事業の利用によって得られた効果は、地域の患者ニーズの充足、サービスの充実が上位だった。
得られた効果
病床転換助成事業の利用によって得られた効果について、「地域の患者ニーズを満たすことができた」との回答が66.7%(回答数
⚫
20)と最も多く、次いで「施設やサービスの充実につながった」との回答が56.7%(回答数17)であった。
令和7年度末、9年度末までに病床転換の予定がある施設はそれぞれ6施設(1.4%)、13施設(3.0%)
病床転換の であった。
予定
現在届け出ている療養病床・一般病床について、令和7年度末までに転換予定のない施設は433施設(98.6%)であり、転換
⚫
予定のある施設は6施設(1.4%)であった。
一人あたり療養病床数が全国平均よりも多い都道府県では、転換予定がある割合が大きく、一人あたり介護保
険施設定員数が全国平均よりも多い都道府県では転換予定がある割合は小さかった。
転換予定の
一人あたり医療療養病床数が多い都道府県では、過去の病床転換助成事業の活用実績が多く、かつ、今後の病床転換の
⚫
地域差
予定も多い傾向にある。
一人あたり介護保険施設定員数が多い都道府県では、過去の病床転換助成事業の活用実績が多い一方で、今後の病床
⚫
転換の予定は少ない傾向にある。
令和7年度末までに病床転換の予定がある施設のうち、病床転換助成事業の活用予定がある施設は1施設
病床転換 (16.7%)であった。
助成事業の
病床転換を予定している医療機関6件における助成事業の認知と活用予定について、「知っており活用を検討」との回答は1施設
⚫
活用予定
(16.7%) であり、「知っているが活用予定がない」との回答が4施設(66.7%)、「知らなかった」との回答が1施設
(16.7%)であった。
転換を検討している医療機関にとって望ましいと思う支援策として、転換に係る整備への支援、転換後の運営へ
望ましいと の支援などが挙げられた。
思う支援策
転換を検討している医療機関にとって望ましいと思う支援策について、「転換に係る整備に対する支援」との回答が57.9%(回答数
⚫
254)と最も多く、次いで「転換後の運営に対する支援」との回答が40.8%(回答数179)、であった。
※本調査の回収率を踏まえると、結果の解釈には留意が必要である。 8
令和6年度 病床転換病床転換助成事業等に関す9る
Ⅲ.ヒアリング調査の結果 1.調査の主要な結果 都道府県調査
メイン 実態調査・効果検証等調査研究事業 報告書(抜粋)
メイン
都道府県に対するヒアリング調査から得られた主な結果は以下の通りである。
セント
病床転換助成事業によって地域の介護提供体制充実に効果があったとする意見が聞かれた。
背景①
背景② ⚫ 医療費適正化効果に対する回答は難しいが、本助成事業を活用して介護療養型老健を整備した実績を考慮すると、介護保険施
病床転換
設の充実には一定程度寄与したものと認識している。
サブ①
助成事業の
サブ② 成果 ⚫ 介護提供体制の構築という観点からは(病床転換助成事業による)効果があったものと認識している。
施設の負担が軽減した点で、一定の必要性や効果はあったものと考えている。
⚫
病床転換助成事業を通じて介護の利用環境を整えられたという点では、サポートになったかと思う。
⚫
都道府県から医療機関へは意向調査等で利用可能な補助事業・支援策の周知に努めている声が聞かれた。
医療機関と 基本的には地域医療構想調整会議や療養病床の転換意向調査等を踏まえて、各医療機関にマッチする支援策を案内している。
⚫
行政の連携 当県は毎年県内の全医療機関を対象として活用の希望の有無を調査している。
⚫
前年度に利用意向調査を行い、そこで示された利用希望を踏まえて個別にヒアリングを行っている。
⚫
手続きの煩雑さや事業スケジュール等の理由で病床転換助成事業が活用されにくい場合があるとの声があった。
事務的な手続きの簡素化の観点から、病床機能再編支援事業のような基金を活用した事業になるとありがたい。
⚫
病床転換
過去に病床転換助成事業の利用を検討していた医療機関が、事業に当たっての手間や時間がかかる割に補助額が少ないため、自
助成事業の ⚫
費で行った方がよいとの理由から利用を取り下げた例があった。
課題
(当助成事業が活用されない理由として)各施設が希望する転換のスケジュールと病床転換助成事業のスケジュールが合致しない
⚫
ことが多かった。
近年の相談・今後の活用希望は多くない一方で、将来的な病床転換については今後の医療・介護需要や新た
な地域医療構想等で先行きの不透明感を示唆する意見もあった。
病床転換助成事業の活用事例は近年あまり多くなく、直近の2,3年では年に1件あるかないかというところである。
⚫
現時点で、病床転換助成事業に関する医療機関からの相談が、多く寄せられているという状況にはない。
⚫
病床転換の
医療需要が減少し介護需要が増加していくことを踏まえると、慢性期機能を担う医療機関が介護施設に転換していく動きは今後起
今後の見通し ⚫
きてくる可能性は否定できない。
新しい地域医療構想の中では在宅や介護との連携も論点になっている。医療機関によっては新しい地域医療構想における地域での
⚫
議論に伴い、介護への転換需要が出てくる可能性も考えられるのではないか。
一般病床のみも病床転換助成事業の対象とすれば、医療機関からの需要が増えるかもしれない。
⚫
9
令和6年度 病床転換病床転換助成事業等に関1す0る
Ⅲ.ヒアリング調査の結果 1.調査の主要な結果 医療機関調査
メイン 実態調査・効果検証等調査研究事業 報告書(抜粋)
メイン
医療機関に対するヒアリング調査から得られた主な結果は以下の通りである。
セント
背景①
背景② 病床転換助成事業の活用には、地域の医療・介護ニーズへの適用のために利用されてきたことが示唆された。
サブ① 病床転換
当グループでは他の介護保険施設も有しており、医療の機能を上手く活用していくためには介護医療院が転換先として最も適してい
助成事業の ⚫
サブ②
ると考え、病床転換助成事業の活用に至った。
活用
介護保険上のインセンティブや個室のニーズが存在したため(病床転換助成事業等を利用し)転換した。
⚫
本助成事業の活用又はそれに伴う病床転換に関する肯定的な意見があった
(転換の後押しになったほか)自費では難しかった設備をより充実させることもできたと考えている。
⚫
得られた効果
地域や利用者のニーズに応えられるという点で、病床転換助成事業等の助成制度があることはありがたい。
⚫
(病床転換助成事業で転換した介護医療院は)看取り依頼のニーズが高く、老健や特養からの紹介もある。
⚫
病床転換助成事業の相談先・事業スケジュールについて課題が指摘され、特に都道府県・行政の計画が転換予
定に影響することが示唆された。
都道府県は担当窓口が分かりにくく、質問回答にも時間がかかったことがあった。
⚫
病床転換助 介護医療院への転換に伴う事務手続きが全く分からず、行政に質問しても明瞭な回答が得られないため、事務手続きに対するサ
⚫
成事業の ポートがあるとよいのではないか。
課題
(病床転換助成事業申請にあたっての)最終承認までに約11か月かかったため、施設の再開が予定より3か月後ろ倒しになった。
⚫
現在休床中の病床を介護医療院に転換する予定であったが、県と協議したところ、医療計画上転換の実施が困難な状況だった。
⚫
病床を介護保険施設に転換しようとする場合、医療計画・地域医療構想・介護保険事業計画・精神保健福祉行政関連のそれぞ
⚫
れを確認する必要があり、相互にタイミングがずれると使える助成事業も活用ができなくなってしまう。
助成対象・助成領域のニーズが変わりつつある可能性を示唆する声があった。
県医師会は勤務環境改善支援センターを有しており、よく活用している。それに類似の形で、地域の医療・介護のニーズや情勢を把
⚫
握している相談窓口を設置していただきたい。
医療・介護の
提供に係る ⚫ 療養病床以外からの転換も対象になれば活用することも検討できる。
今後の展望 介護人材確保、処遇改善、IT化・DX化も課題であり、これらに対応できる助成があるとよい。
⚫
転換を考えている医療機関との個別相談の機会があると転換が進むのではないか
⚫
今後の病床転換や再編にあたり、経営判断の材料として地域の現状を把握できるデータが取得できるとよい。
⚫
10
令和6年度 病床転換病床転換助成事業等に関1す1る
Ⅳ.本調査研究事業のまとめ
メイン 実態調査・効果検証等調査研究事業 報告書(抜粋)
メイン
本調査研究事業を通じて得られた主な結果の概要は以下の通りである。
セント
背景① 病床転換助成事業の実績
背景② 病床転換助成事業は当時医療療養病床数が多かった地域での活用実績が多く、本事業で整備された施設は介護医療院が最も多く、次いで介
サブ① 護老人保健施設が多かった。
サブ② 事業開始前の人口あたり医療療養病床数が全国平均以上の二次医療圏では45.3%の本事業の利用実績があり、平均未満の二次医療圏よりも16.3%
⚫
高かった。また、本事業で整備された施設について、整備件数は「介護医療院」(100件)が最も多く、次いで「介護老人保健施設」(65件)が多かった。
一方、病床転換助成事業を活用しない理由として、申請手続きの煩雑さや他の公的な補助金・助成事業を活用予定との回答が得られた。ヒアリング調査
⚫
でも、病床転換助成事業を申請・活用するうえでの手続きの煩雑さや承認を得られるまでの期間等が課題として指摘された。
病床転換助成事業の効果
本事業を活用した医療機関からは、本助成事業が地域の利用ニーズの充足に貢献したほか、設備・サービスの充実や経営判断の後押しにつな
がった等の効果が示された。
都道府県のアンケートでは、2017年以降に利用された医療・介護の整備に関する事業のうち、病床転換助成事業が最も高い割合だった。医療機関のア
⚫
ンケートにおいても、介護医療院への転換において病床転換助成事業が利用された割合が最も高かった。
介護保険施設の現在の定員数と将来の必要定員数の相対比をみると、利用実績のある二次医療圏においては、実績のない二次医療圏と比較して必要
⚫
定員数が不足している地域は少なかった。ヒアリング調査においても、都道府県から病床転換助成事業を通じて介護の利用環境を整えられたという点
でサポートになったとの評価が得られた。このため、本助成事業が地域の医療・介護ニーズの充足に寄与したと考えられた。
医療機関のアンケートでは、病床転換助成事業を活用して得られた効果について66.7%が地域の患者ニーズを満たすことができたと回答し、次いで
⚫
56.7%が設備やサービスの充実につながった、46.7%が経営判断上転換の後押しになったと回答した。
ヒアリング調査においても、複数の医療機関から病床転換助成事業は転換の後押しになったほか、自費では難しかった設備をより充実させることもでき
⚫
たとの声や、病床転換した介護医療院によって地域における看取り依頼のニーズに応えることができたといった評価が聞かれた。
病床転換助成事業の今後の活用見込み
今後病床転換の予定があると回答した医療機関は限定的であった。一方で、現時点では判断を保留している医療機関も存在するのではない
かという指摘もあった。
一方、今後の利用見込みでは、回答した都道府県のうち52.4%が、今後、事業の活用を希望する医療機関が現れる可能性は高くないと回答した。また、
⚫
回答した医療機関のうち98.8%が令和7年度末までに転換予定なし、97.0%が令和9年度末までに転換予定なしと回答した。ただし、検討会委員か
ら、当該結果は回収率を考慮して解釈すべきとの意見があった。
ヒアリング調査においても、複数の都道府県から病床転換助成事業は介護保険施設の整備・充実に寄与した一方で、近年の相談・活用件数は減少傾向に
⚫
あるとの意見が寄せられた。
検討会委員からは、今後、新たな地域医療構想や次回報酬改定の結果まで判断を保留する医療機関も存在すると考えられるため、これらの結果だけで
⚫
今後の病床転換が少ないと判断することは困難ではないかとの指摘もあった。
11
3.事業の今後について(論点)
病床転換助成事業のあり方について
⚫ 平成18年の医療保険制度改革において、長期療養の適正化(いわゆる社会的入院の是正)が課題とされ、医療の必要性に応じ
た機能分担(療養病床の再編成)を推進することとされ、転換の支援措置の一つとして、病床転換助成事業(以下「本事業とい
う」。)が開始された。その後、3度の事業延長を行い、現状、令和8年3月31日までとされている。令和5年度末時点で、病
床転換支援金の余剰金の総額は約44.7億円である一方、都道府県に交付される病床転換助成交付金の総額は約20.4億円となって
いる。
⚫ 調査研究の結果、
・ 今後病床転換の予定があると回答した医療機関は限定的であった。一方で、現時点では判断を保留している医療機関も存在す
るのではないかという指摘もあった。
・ 本事業を活用した医療機関からは、本事業が地域の利用ニーズの充足に貢献したほか、設備・サービスの充実や経営判断の後
押しにつながった等の効果が示された。
・ 手続きの煩雑さや補助額の低さが本事業の課題として挙げられ、また、療養病床以外からの転換も本事業の対象にしてほしい
という要望が挙げられた。
⚫ 前回の事業期限延長時(第173回社会保障審議会医療保険部会)、本事業については、2025年までの地域医療構想の期間に合
わせて、事業を2年間延長するとなった。その際に本事業のあり方や、病床転換支援金の余剰金の保険者等への具体的な返還のあ
り方については、引き続き検討を行うとなっている。
⚫ 介護療養病床(介護療養型医療施設)が令和5年度末で廃止されると同時に、療養病床から介護施設等への転換に係る介護保険
事業計画における総量規制の適用除外や医療療養病床から介護医療院への転換における介護医療院の施設基準の緩和措置が終了、
医療療養病床における医療法上の人員配置標準や診療報酬の施設基準の経過措置についても令和5年度末で終了している。
⚫ 「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」(令和6年 12 月 18 日)においては、現行の地域医療構想の取組については、令
和8年度も継続することとし、新たな地域医療構想に2027(令和9)年度から順次取組を開始することとしている。また、新た
な地域医療構想における慢性期医療(療養病床)については、「今後増加する在宅医療の需要に対応する観点からも、限りある資
源を活用することが重要であり、地域の慢性期医療・在宅医療の需要に対して、在宅医療・介護等のデータも踏まえ、地域の資源
の状況に応じて、療養病床だけでなく、在宅医療や介護施設・高齢者向け住まい等とあわせて構築していくこと」とされている。
⚫ 病床の再編や介護保険施設の創設に関しては既存の支援制度が存在する(例:医療介護総合確保基金)
⚫ 仮に事業を延長するとしても、事業者の転換に向けた各種作業や準備期間を踏まえると、相当程度の期間が必要と考えられる。
⚫ 以上の点を踏まえ、今後の本事業についてどのような対応が適当か。 13
2021年4月1日
参考資料
14
療養病床等の概要
○ 療養病床は、病院又は診療所の病床のうち、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるもの。
○ 医療保険の『医療療養病床(医療保険財源)』と、介護保険の『介護療養病床(介護保険財源)』があるが、後者は令和5年度末で廃止。
○ 要介護高齢者の長期療養・生活施設である新たな介護保険施設「介護医療院」を創設。
医療療養病床 介護医療院
介護老人
介護療養病床
療養1・2 経過措置 保健施設
Ⅰ型 Ⅱ型
(20対1) (25対1)
病院・診療所の病床のうち、主として長期 病院・診療所の病床のうち、長期療養 要介護者にリハビリ等
療養を必要とする患者を入院させるもの を必要とする要介護者に対し、医学的 要介護者の を提供し、在宅復帰
概 要
管理の下における介護、必要な医療 長期療養・生活施設 を目指し在宅療養支
※療養1・2は医療区分2・3の患者がそれぞれ8
割・5割以上 等を提供するもの 援を行う施設
約37.0万床 ※3
約20.3
病床数 ー ー 約3.8万療養床※2 約1.6万療養床※2 (うち介護療養型:約
万床 ※1
0.6万床※2)
医療法(医療提供施設)
設置根拠
医療法(病院・診療所)
介護保険法
医療法(病院・診療所) 介護保険法 (介護医療院)
(介護老人保健施設)
介護保険法(介護療養型医療施設)
48対1 100対1 100対1
医師 48対1(3名以上) 48対1(3名以上)
(3名以上) (1名以上) (1名以上)
施
設
看護 4対1
基 診療所 6対1 6対1 6対1
職員 3対1
準 (令和5年度末まで、6対1で可) 2対1
(うち看護職員を2/7程
介護※4 4対1 (3対1) 6対1~4対1
5対1~4対1 6対1~4対1 度を標準)
職員
(令和5年度末まで、6対1で可) 療養機能強化型は5対1~4対1
面 積 6.4㎡ 6.4㎡ 8.0㎡以上 ※5 8.0㎡ ※6
設置期限 ー 令和6年5月末 令和5年度末 ー ー
※1 施設基準届出(令和5年7月1日) ※2 介護医療院開設移行等支援事業調査令和6年4月1日時点 15
※3 介護サービス施設・事業所調査(令和5年10月1日) ※4 医療療養病床にあっては看護補助者。 ※5 大規模改修まで6.4㎡以上で可。 ※6 介護療養型は大規模改修まで6.4㎡以上で可。
療養病床の推移
○ 療養病床の再編成において、当初からの16年間で介護療養病床は約11万床減少した。
医療療養病床 介護療養病床 療養病床数
(床)
400,000 384,442
365,300
359,612
355,291
350,000 349,807 345,896 343,386 341,366 339,803 340,229 338,857 336,557
332,304
319,483
302,886
295,033
300,000 286,212
281,302
274,059
250,000 263,742 260,452 262,665 264,826 266,693 270,038 272,485 277,626 280,171 282,961 285,148 282,909 282,931 279062 276,488 275,067 274,059
255,802
251,449
200,000
150,000
120,700
113,851
103,810
100,000 94,839
87,142
81,070
76,693 71,328 67,318
62,603 58,686
53,596 47,156
50,000
36,574
19,955
15,971
9,724 6,235
0
H18.4H19.4H20.4H21.4H22.4H23.4H24.4H25.4H26.4H27.4H28.4H29.4H30.4H31.4 R2.4 R3.4 R4.4 R5.4 R.6.4
16
出典:厚生労働省「病院報告」(月報)
2023年度病床機能報告について
2015年度病床機能報告 2023年度病床機能報告 地域医療構想における2025年の病床の必要量
(入院受療率や推計人口から算出した2025年の医
(各医療機関が病棟単位で報告)※ (各医療機関が病棟単位で報告)※ 療需要に基づく推計(平成28年度末時点))※4 ※6
6 6
2015年 2023年 2025年見込
合計 125.1万床 合計 119.2万床 合計 118.8万床 ※1 合計 119.1万床
約0.4万床減
高度急性期
16.9万床 (14%) 高度急性期 高度急性期 高度急性期
0.9万床減 0.2万床増
16.0万床(13%) 16.2万床(14%) 13.0万床 (11%)
53.1
76. 68.5 68.0 急性期 万床
8 万 9 床 .6 急性期 5 万床 88.9 急性期 万床 89.2 急性期 万床 90.6 40.1万床 (34%)
59.6万床 (48%) 万床 52.5万床(44%) 万床 51.8万床(44%)
万床
7.1万床減 0.7万床減
回復期
回復期 回復期 回復期 37.5万床 (31%)
13.0万床 (10%) 7.4万床増 20.4万床(17%) 0.7万床増 21.1万床(18%)
慢性期
慢性期 慢性期 慢性期
35.5万床 (28%)
5.2万床減 30.3万床(25%) 0.6万床減 29.7万床(25%) 28.4万床 (24%)
出典:2023年度病床機能報告
※1:2023年度病床機能報告において、「2025年7月1日時点における病床の機能の予定」として報告された病床数
※2:対象医療機関数及び報告率が異なることから、年度間比較を行う際は留意が必要
(報告医療機関数/対象医療機関数(報告率) 2015年度病床機能報告:13,863/14,538(95.4%)、2023年度病床機能報告:12,173/12,352(98.6%))
※3:端数処理をしているため、病床数の合計値が合わない場合や、機能ごとの病床数の割合を合計しても100%にならない場合がある
※4:平成25年度(2013年度) のNDBのレセプトデータ 及びDPCデータ、国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成25年(2013年)3月中位推計)』等を
用いて推計
※5:高度急性期のうちICU及びHCUの病床数(*):18,423床(参考 2022年度病床機能報告:18,399床)
*救命救急入院料1~4、特定集中治療室管理料1~4、ハイケアユニット入院医療管理料1・2のいずれかの届出を行っている届出病床数
※6:病床機能報告の集計結果と将来の病床の必要量は、各構想区域の病床数を機械的に足し合わせたものであり、また、それぞれ計算方法が異なることから、単純に比較
するのではなく、詳細な分析や検討を行った上で地域医療構想調整会議で協議を行うことが重要。
17
平成28年12月8日 第102回社会保障審議会医療保険部会 参考資料を一部改変
平成18年以降の療養病床再編に関する主な議論①
平成18年の医療保険制度改革において、長期療養の適正化(いわゆる社会的入院の是正)が課題とされ、
平成16、17年の調査において、医療療養病床と介護療養病床で入院患者の状況に大きな差が見られなかった
(医療の必要性の高い患者と低い患者が同程度混在)ことを踏まえ、
・ 医療の必要性が高い人については、医療療養病床
・ 医療よりもむしろ介護の必要性が高い人については、在宅、居住系サービス、又は老人保健施設等
で対応することとし、医療の必要性に応じた機能分担(療養病床の再編成)を推進することとされた。
<健康保険法等の一部を改正する法律>
H
18 介護保険法を改正し、介護療養型医療施設に係る規定を削除(介護保険給付の根拠規定の削除)
年 →平成24年4月1日施行
度 改正法附則に、介護老人保健施設の入所者に対する医療提供の在り方の見直しを行う旨を規定
<診療報酬改定> <医療法施行規則の改正>
患者の特性に応じた評価を行い、療養病床の 医療法施行規則を改正し、療養病床の人員
役割分担を明確化。 配置標準を引き上げ
療養病床の診療報酬体系について、医療区分 <本則>看護配置4対1 看護補助配置4対1
(1~3)、ADL区分 (1~3)を導入し、医療の必要
※ ただし、平成23年度末までは、現行の
性に応じた評価を実施。
6対1を経過措置として可能とする。
<転換に当たっての支援措置>
療養病床が老人保健施設等に転換する場合の施設基準の緩和
療養病床が老人保健施設等に転換する場合の費用助成 等
18
平成18年以降の療養病床再編に関する主な議論②
<介護療養型老人保健施設の創設>
H
療養病床の入院患者の医療ニーズに対応する観点から、①看護職員による夜間の医療処置、②看取りへの
19
対応、③急性増悪時の対応 の機能を評価した、介護療養型老人保健施設を創設(H20.5~)
年
度 転換における施設基準の更なる緩和
~
・ 耐火構造、エレベータ設置等について転換前の病院の基準を適用
・ 面積基準に係る経過措置(6.4㎡/床)を拡充(平成23年度末⇒大規模な修繕等までの間) 等
<転換に当たっての支援措置の拡充>
医療法人による有料老人ホームの設置等を可能とする(H19.4~)とともに、有料老人ホーム等の入居者
に対して提供される医療サービスについて評価を拡充(H20年度診療報酬改定) 等
<介護療養型医療施設の廃止期限等の延長>
H
23 転換が進んでいない等の理由により、廃止期限を平成29年度末まで延長(平成18年改正法に基づき、介護
年 療養型医療施設の規定を削除した上で、平成29年度末までの間、なお効力を有するものとした)
度
これに併せ、医療療養病床の看護人員配置の経過措置についても同様の延長が行われた。
※ 平成24年度以降、医療療養病床からの転換を含め、介護療養病床の新設は不可。
<介護療養型医療施設の評価の見直し>
H
27 平成27年度介護報酬改定において、介護療養型医療施設が担っている医療処置や看取り、ターミナルケア
を中心とした長期療養を行う施設としての機能を評価した「療養機能強化型」の報酬を新設
・
28
<療養病床の在り方等に関する検討会における議論>
年
度 有識者による『療養病床の在り方等に関する検討会』を開催。サービス提供体制の選択肢を整理
<療養病棟入院基本料2(25対1)に医療区分要件を導入>
療養病棟入院基本料2に、医療区分要件(医療区分2・3の患者を5割以上)を追加。
当該要件を満たせない病床については、平成30年3月31日までの間、95/100を算定できることとした。 19
令和5年12月14日 第173回社会保障審議会医療保険部会 資料2
病床転換助成事業の延長
• 平成18年の医療保険制度改革において、長期療養の適正化(いわゆる社会的入院の是正)が課題とされ、医療の必要性に
応じた機能分担(療養病床の再編成)を推進することとされ、転換の支援措置の一つとして、病床転換助成事業が開始され
た。その後、二度の事業延長を行い、現状、令和6年3月31日までとされている。
• 地域医療構想では、各地域における2025年の医療需要と病床の必要量について、医療機能ごとに推計し、都道府県におい
ては、それを踏まえて病床機能の分化・連携に向けた取組を実施しているところ、慢性期を担う医療療養病床については、
介護保険施設・在宅医療等への転換を含め、地域医療構想の中で適切に受け皿の整備を進めていく必要がある。
• また、令和6年度からの第4期医療費適正化計画では、新たに「当該都道府県の医療計画に基づく事業の実施による病床の
機能の分化及び連携の推進の成果」を必須記載事項としており、都道府県の取り組むべき施策として位置付けている。その
際、病床転換助成事業は、医療療養病床(慢性期)の介護保険施設への転換を促す事業であり、都道府県は現在も本事業を
活用し、病床機能分化・連携に向けた取組を行っている。
• 病床転換助成事業については、これまでの事業・取り組みに対する効果検証を行うとともに、事業活用実績の少ない都道府
県の要因分析を行い、その結果や課題を踏まえ具体的な取組を検討し、都道府県の更なる病床転換が図られるよう、周知広
報の見直しなど具体的な取組の一層の強化を図ることとする。
• その上で、今後、地域医療構想や医療費適正化の取組を集中的に進めていくため、本事業については、2025年までの地域
医療構想の期間に合わせて、事業を延長(2年間)してはどうか。
• なお、2年後の事業のあり方や、病床転換支援金の剰余金の保険者等への具体的な返還のあり方については、引き続き検討
を行う。
(参照条文)
○高齢者の医療の確保に関する法律 抄
附則
(病床転換助成事業)
第二条 都道府県は、政令で定める日までの間、当該都道府県における医療費適正化を推進するため、当該都道府県の区域内にある保険医療機関(医療法人その他の厚生労働省令で
定める者が開設するものに限る。)に対し、当該保険医療機関である病院又は診療所の開設者が行う病床の転換(医療法第七条第二項各号に掲げる病床の種別のうち厚生労働省令
で定めるものの病床数を減少させるとともに、介護保険法第八条第二十九項に規定する介護医療院その他の厚生労働省令で定める施設について新設又は増設により、病床の減少数
に相当する数の範囲内において入所定員を増加させることをいう。以下同じ。)に要する費用を助成する事業(以下「病床転換助成事業」という。)を行うものとする。
○前期高齢者交付金及び後期高齢者医療の国庫負担金の算定等に関する政令(平成19年政令第325号) 抄
附則
(法附則第二条に規定する政令で定める日) 20
第五条 法附則第二条に規定する政令で定める日は、令和六年三月三十一日とする。
療養病床に関する経過措置、介護医療院への転換支援策
経過措置・支援策 内容 終了時期
医療法上の人員配置標準に関す • 看護職員の配置について、「看護師及び准看護師:4対1」「看 令和5年度末
る経過措置 護補助者:4対1」であるところ、「看護師及び准看護師:6対
1」「看護補助者:6対1」でも可能とする。
診療報酬上の経過措置 • 療養病棟入院基本料2(看護職員:25対1) 令和6年5月末
介護保険法上の運営基準に関す • 療養室の床面積や廊下幅等の基準緩和、併設医療機関との設備共 令和5年度末
る経過措置 用 ※令和5年度末までに
転換した場合、改築等
の工事が終了するまで
の間は適用
• 医療機関併設型介護医療院、併設型小規模介護医療院における人
ー
員及び設備基準緩和
介護報酬における転換支援策 • 移行定着支援加算の創設 令和2年度末
• 重度認知症疾患療養体制加算の創設 ー
地域医療介護総合確保基金にお • 介護療養型医療施設から介護医療院への移行の際の施設の整備に 令和5年度末
ける転換支援策 必要な工事費等を補助
• 介護療養型医療施設から介護医療院への移行の際に必要な備品購
入費等を補助
病床転換助成事業 • 療養病床から介護医療院等の介護施設への転換にあたっての改築 令和7年度末
等の費用を一部補助
その他予算措置 • 介護医療院開設移行等支援事業 令和5年度末
• 福祉医療機構(WAM)による収支シミュレーションツールの作成
介護保険事業計画上の経過措置 • 介護療養型医療施設等から介護医療院等への移行については、い 令和5年度末
わゆる総量規制の対象外
21
地域医療介護総合確保基金の概要について 令和7年度予算額:公費で1,433億円
(医療分 909億円、介護分 524億円)
○ 団塊の世代が75歳以上となる2025年を展望すれば、病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進、医療・介護従事者の
確保・勤務環境の改善等、「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」が急務の課題。
○ このため、平成26年度から消費税増収分等を活用した財政支援制度(地域医療介護総合確保基金)を創設し、各都道府県
に設置。各都道府県は、都道府県計画を作成し、当該計画に基づき事業を実施。
都道府県計画及び市町村計画(基金事業計画)
国
○ 基金に関する基本的事項
・公正かつ透明なプロセスの確保(関係者の意見を反映させる仕組みの整備)
消費税財源活用
・事業主体間の公平性など公正性・透明性の確保
・診療報酬・介護報酬等との役割分担
交付
提出 ○ 都道府県計画及び市町村計画の基本的な記載事項
医療介護総合確保区域の設定※1 / 目標と計画期間(原則1年間) /
都
基金 事業の内容、費用の額等 / 事業の評価方法※2
道 都道府県計画 ※1 都道府県は、二次医療圏及び老人福祉圏域を念頭に置きつつ、地域の実情を
※国と都道府県の 踏まえて設定。市町村は、日常生活圏域を念頭に設定。
府 (基金事業計画)
負担割合2/3、 1/3 ※2 都道府県は、市町村の協力を得つつ、事業の事後評価等を実施
県 (Ⅰ-2 については国10/10) 国は都道府県の事業を検証し、基金の配分等に活用
○ 都道府県は市町村計画の事業をとりまとめて、都道府県計画を作成
交付
提出
地域医療介護総合確保基金の対象事業
市
交 市町村計画 Ⅰ-1 地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業
申 町
付
請 (基金事業計画) Ⅰ-2 地域医療構想の達成に向けた病床の機能又は病床数の変更に関する事業
村
Ⅱ 居宅等における医療の提供に関する事業
Ⅲ 介護施設等の整備に関する事業(地域密着型サービス等)
交付
申請
Ⅳ 医療従事者の確保に関する事業
事業者等 (医療機関、介護サービス事業所等) Ⅴ 介護従事者の確保に関する事業
Ⅵ 勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業
22
地域医療介護総合確保基金(医療分)の対象事業①
Ⅰ-1.地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業 (公費:200億円(国費:133億円))
急性期病床から回復期病床への転換等、地域医療構想の達成に向けた病床の機能の分化及び連携等について実効性のあるもの
とするため、医療機関が実施する施設・設備の整備に対する助成を行う。
(病床の機能分化・連携を推進するための基盤整備等の医療提供体制の改革に向けた施設及び設備等の整備)
・ 平成28年度末までに策定された地域医療構想に基づいた病床機能の転換等の施設・設備整備に対する助成事業
・ ICTを活用した地域医療情報ネットワークの構築を行う事業
Ⅰ-2.地域医療構想の達成に向けた病床の機能又は病床数の変更に関する事業 (公費:22億円(国費:22億円))
地域医療構想の実現を図る観点から、地域医療構想調整会議等の意見を踏まえ、自主的に行われる病床減少を伴う
病床機能再編や、病床減少を伴う医療機関の統合等の取組に対する助成を行う。
(「単独医療機関」の取組に対する財政支援)
・ 病床数の減少を伴う病床機能再編を行う医療機関に対する支援
(「複数医療機関」の取組に対する財政支援)
・ 病床数の減少を伴う統合計画に参加する医療機関に対する支援
・ 統合に伴い廃止される医療機関の残債を承継する医療機関に対し発生する利子について支援
Ⅱ.居宅等における医療の提供に関する事業 (Ⅳと合わせて公費:544億円(国費:363億円))
地域包括ケアシステムの構築を図るため、在宅医療の実施に係る拠点の整備や連携体制を確保するための支援等、
在宅における医療を提供する体制の整備に対する助成を行う。
(在宅医療の実施に係る拠点・支援体制の整備)
・ 在宅医療の実施に係る拠点の整備 /・ 在宅医療に係る医療連携体制の運営支援 /・ 在宅医療推進協議会の設置・運営 等
(在宅医療や訪問看護を担う人材の確保・養成に資する事業)
・ 在宅医療の従事者やかかりつけ医の育成 / ・ 訪問看護の促進、人材確保を図るための研修等の実施 等
(その他在宅医療の推進に資する事業)
・ 在宅歯科医療の実施に係る拠点・支援体制の整備/・ 在宅医療や終末期医療における衛生材料や医療用麻薬等の円滑供給の支援 等
23
地域医療介護総合確保基金(医療分)の対象事業②
Ⅳ.医療従事者の確保に関する事業 (Ⅱと合わせて公費:544億円(国費:363億円))
医師等の偏在の解消、医療機関の勤務環境の改善、チーム医療の推進等の事業に助成することにより、医師、看護師等の
地域に必要な質の高い医療従事者の確保・養成を推進する。
(医師確保対策)
・ 地域医療支援センターの運営
・ 医科・歯科連携に資する人材養成のための研修の実施
・ 卒業後に地域医療に従事する意思を有する医学生に対する修学資金の貸与
・ 産科・救急・小児等の不足している診療科の医師確保支援
・ 女性医師や歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、歯科技工士の復職や再就業の支援 等
(看護職員等確保対策)
・ 新人看護職員・看護職員等の質の向上を図るための研修の実施
・ 看護職員が都道府県内に定着するための支援
・ 看護師等養成所の施設・設備整備、看護職員定着促進のための宿舎整備 等
(医療従事者の勤務環境改善対策)
・ 医療勤務環境改善支援センターの運営
・ 各医療機関の勤務環境改善や再就業促進の取組への支援
・ 電話による小児患者の相談体制や休日・夜間の小児救急医療体制の整備 等
Ⅵ.勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業 (公費:143億円(国費:95億円))
医師の労働時間短縮を図るため、労働時間短縮のための計画を策定し、勤務環境改善の体制整備に取り組む医療機関に
対する助成を行う。
(労働時間短縮に向けた総合的な取組に対する財政支援)
・ 勤務間インターバルや連続勤務時間制限の適切な設定
・ 当直明けの勤務負担の緩和、複数主治医制の導入
・ 女性医師等に対する短時間勤務等多様で柔軟な働き方を推進
・ タスク・シフティング、タスク・シェアリングの推進 等
(長時間労働となる医師がいる医療機関への医師派遣に対する財政支援)
・ 長時間労働となる医師がいる医療機関への医師派遣に係る逸失利益補填 等
24
地域医療介護総合確保基金(介護施設等の整備に関する事業分)
令和7年度当初予算 252 億円 (252 億円 ) ※()内は前年度当初予算額
1 事業の目的
○ 地域包括ケアシステムの構築に向けて、今後急増する高齢単身世帯、夫婦のみ世帯、認知症高齢者等が可能な限り住み慣れた地域において継続して日常生
活を営むことを可能とするため、都道府県計画に基づき、地域密着型サービス等、地域の実情に応じた介護サービス提供体制の整備を促進するための支援を
行うとともに、令和7年度においては、地域のニーズ等に即した事業の充実や、令和6年度が終期となっている事業の期限の撤廃を行う。
2 事業の概要・スキーム・実施主体等
• 基金を活用し、以下の事業を、都道府県計画を踏まえて実施。 ※下線は令和7年度新規・拡充等
【対象事業】 ※ 配分基礎単価の上限額の引き上げ
<実施主体等>
1.地域密着型サービス施設等の整備への助成
① 可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域密着型サービス施設・事業所等の整備に対して支援。
※定員30人以上の広域型施設の整備費は平成18年度に一般財源化され、各都道府県が支援を実施。
② 対象施設を合築・併設を行う場合に、それぞれ補助単価の5%加算を実施。
③ 空き家を活用した地域密着型サービス施設・事業所等の整備について支援を実施。
④ 介護離職受け皿整備と老朽化した広域型施設の大規模修繕を同時に進めるため、介護離職ゼロ対象サービスを整備する際に、あわせて
行う広域型特別養護老人ホーム等の大規模修繕・耐震化について支援を実施。【期限の撤廃】
⑤ 一定の条件の下で、災害レッドゾーン・災害イエローゾーンに立地する老朽化等した広域型介護施設の移転建替(災害イエロー
ゾーンにおいては現地建替も含む。)にかかる整備費の支援を実施。
⑥ 移転用地の確保が困難な大都市において、老朽化した介護施設の改築・大規模修繕等を促進させるため、工事中に介護施設の利用者を
受け入れる代替施設の整備を公有地において実施する場合の費用の支援を実施。
⑦ 地域の介護ニーズに応じて、地域密着型施設から広域型施設への転換による受け皿の拡大、2施設以上の施設の集約化・ダウンサイジ
ング等(サービス転換含む)に取り組む施設整備費(大規模修繕含む)の支援を実施。※ 都市部においては、5%の加算を設定。
⑧ 2040年までに全国平均以上に高齢者が増加と予測される地域について、小規模な介護付きホームの対象地域を拡大(11箇所)する。
2.介護施設の開設準備経費等への支援
① 特別養護老人ホーム等の円滑な開設のため、施設の開設準備に要する経費の支援を実施。
※定員30人以上の広域型施設を含む。
② 在宅での療養生活に伴う医療ニーズの増大に対応するため、訪問看護ステーションの大規模化やサテライト型事業所の設置に
必要な設備費用等について支援を行う。
③ 土地取得が困難な地域での施設整備を支援するため、定期借地権(一定の条件の下、普通借地権)の設定のための一時金の支援
を実施。
<令和5年度交付実績>38都道府県
④ 介護施設で働く職員等を確保するため、施設内の保育施設の整備、介護職員用の宿舎の整備に対して支援を実施。
3.特養多床室のプライバシー保護のための改修等による介護サービスの改善等
① 特別養護老人ホーム及び併設されるショートステイ用居室における多床室のプライバシー保護のための改修費用について支援を実施。
② 特別養護老人ホーム等のユニット化改修費用について支援を実施。
③ 施設の看取りに対応できる環境を整備するため、看取り・家族等の宿泊のための個室の確保を目的として行う施設の改修費用について支援を実施。
④ 共生型サービス事業所の整備を推進するため、介護保険事業所において、障害児・者を受け入れるために必要な改修・設備について支援を実施。
⑤ 新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことを踏まえ、新型コロナウイルス感染拡大防止対策支援事業の補助率を縮小(2/3から1/3)する。 25
令和6年12月18日社会保障審議会医療部会資料
新たな地域医療構想に関するとりまとめの概要
※令和6年12月18日新たな地域医療構想等に関する検討会報告書より作成
医療提供体制の現状と目指すべき方向性
85歳以上の増加や人口減少がさらに進む2040年とその先を見据え、全ての地域・世代の患者が、適切に医療・介護を受けながら生活し、
必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができ、同時に、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制を構築
•「治す医療」と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療・介護提供体制を構築
•外来・在宅、介護連携等も新たな地域医療構想の対象とする
新たな地域医療構想
(1)基本的な考え方
•2040年に向け、外来・在宅、介護との連携、人材確保等も含めた (3)地域医療介護総合確保基金
あるべき医療提供体制の実現に資するよう策定・推進 •医療機関機能に着目した取組の支援を追加
(将来のビジョン等、病床だけでなく医療機関機能に着目した機能分化・連携等)
(4)都道府県知事の権限
•新たな構想は27年度から順次開始
① 医療機関機能の確保(実態に合わない報告見直しの求め)
(25年度に国でガイドライン作成、26年度に都道府県で体制全体の方向性や必
② 基準病床数と必要病床数の整合性の確保等
要病床数の推計等、28年度までに医療機関機能に着目した協議等)
•新たな構想を医療計画の上位概念に位置付け、医療計画は新たな •必要病床数を超えた増床等の場合は調整会議で認められた場合
構想に即して具体的な取組を進める に許可
•既存病床数が基準病床数を上回る場合等には、地域の実情に応
(2)病床機能・医療機関機能
じて、必要な医療機関に調整会議の出席を求める
① 病床機能
•これまでの「回復期機能」について、その内容に「高齢者等の急性 (5)国・都道府県・市町村の役割
期患者への医療提供機能」を追加し、「包括期機能」として位置づけ ① 国(厚労大臣)の責務・支援を明確化(目指す方向性・データ等提供)
② 医療機関機能報告(医療機関から都道府県への報告) ② 都道府県の取組の見える化、調整会議で調った事項の実施に努
める
•構想区域ごと(高齢者救急・地域急性期機能、在宅医療等連携機能、急性期拠点
機能、専門等機能)、広域な観点(医育及び広域診療機能)で確保すべき機能 ③ 市町村の調整会議への参画、地域医療介護総合確保基金の活用
や今後の方向性等を報告
(6)新たな地域医療構想における精神医療の位置付け
③ 構想区域・協議の場
•精神医療を新たな地域医療構想に位置付けることとする
•必要に応じて広域な観点での区域や在宅医療等のより狭い区域で
協議(議題に応じ関係者が参画し効率的・実効的に協議)
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新たな地域医療構想に関するとりまとめ(抜粋)
3.現行の地域医療構想の評価と課題
(2)評価と課題
○ 病床機能報告上の病床数について、2015 年から 2023 年にかけて、125.1万床から 119.2 万床になり、2025 年の必要病床数である
119.1 万床と同程度の水準となっている。また、機能別の病床数をみると、急性期と慢性期が減少し、回復期が増加するなど、2025 年の
必要病床数の方向性に沿って、全体として地域医療構想の進捗が認められる。
○ また、療養病床における医療区分1の入院患者の 70%に該当する患者、一般病床における医療資源投入量の少ない患者(C3基準未満の患
者)及び療養病床の受療率の地域差解消による減少分をあわせて、約 30 万床について、入院から在宅医療等に移行することとしていたが、
介護医療院の創設等の取組が進み、以下のとおり、概ね達成しているといえる。
・ 療養病床の医療区分1入院患者に係る病床について、2025 年に 12.8 万床(病床の機能分化・連携を進めない場合)と推計されていた
ところ、2022 年度の診療実績データに基づく 2025 年時点の推計によると、3.0 万床程度となり、76%減少している。
・ 一般病床における医療資源投入量の少ない患者(C3基準未満の患者)について、2025 年に 11.8 万床(病床の機能分化・連携を進め
ない場合)と推計されていたところ、2022 年度の診療実績データに基づく 2025 年時点の推計によると、4.3 万床程度となり、64%減
少している。
・ 療養病床の受療率の地域差解消により、療養病床が上記以外で 2025 年までに 11.9 万床減少すると推計していたところ、2022 年度の
診療実績データに基づく 2025 年時点の推計によると、11.0 万床の減少となる。
○ 他方、現行の地域医療構想については、以下のような課題が指摘されている。
病床数の議論が中心となり、将来のあるべき医療提供体制の実現に向けた議論がなされにくい。また、外来医療、在宅医療等の地域の医
療提供体制全体の議論がなされていない。
病床機能報告制度において、高度急性期と急性期、急性期と回復期の違いがわかりづらい。
機能別の必要病床数は患者単位のデータから設定され、病棟単位で報告される実際の病床数との間で差異が生じている。
必要病床数と基準病床数の関係がわかりづらい。
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新たな地域医療構想に関するとりまとめ(抜粋)
4.医療提供体制の現状と目指すべき方向性
(5)その他
② 慢性期医療
○ 療養病床については、地域医療構想の取組等に伴い、医療区分1の患者をはじめとして入院患者が減少し、療養病床数も減少している。
一方、介護施設・高齢者向け住まいの利用者数は増加している。また、在宅医療と介護施設、療養病床の一部については患者像が重複す
る場合があり、都道府県別の療養病床数について、介護施設の定員数と合わせると地域差は縮小する。
○ こうした中、慢性期の医療提供体制については、今後増加する在宅医療の需要に対応する観点からも、限りある資源を活用することが重
要であり、地域の慢性期医療・在宅医療の需要に対して、在宅医療・介護等のデータも踏まえ、地域の資源の状況に応じて、療養病床だ
けでなく、在宅医療や介護施設・高齢者向け住まい等とあわせて構築していくことが重要である。
5.新たな地域医療構想
(1)基本的な考え方
○ 2040 年頃をとりまく状況と課題、現行の地域医療構想の評価と課題等を踏まえ、2040 年に向けて、病床の機能分化・連携だけでなく、外
来医療・在宅医療、介護との連携、人材確保等も含めたあるべき医療提供体制の実現に資するよう、新たな地域医療構想を策定・推進する
べきである。
○ 2040 年やその先を見据えて、高齢者救急・在宅医療の需要等が増加する中、地域の実情に応じて、「治す医療」を担う医療機関と「治し支え
る医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、医療機関の連携・再編・集約化を推進することが重要である。このため、新たな地域医療構想
を通じて、病床の機能分化・連携に加え、地域ごとの医療機関機能(高齢者救急の受入、在宅医療の提供、救急・急性期の医療提供等)及び
広域な観点の医療機関機能(医育及び広域診療等の総合的な機能)の確保に向けた取組を推進するべきである。
○ このため、新たな地域医療構想について、(2)から(7)までの対応を行うよう、法律改正を含む必要な措置を講ずるべきである。
○ 新たな地域医療構想については、2025(令和7)年度に国で新たな地域医療構想の策定・推進に関するガイドラインを検討・ 作成し、都道
府県において、医療機関からの報告データ等を踏まえながら、2026(令和8)年度に地域の医療提供体制全体の方向性、必要病床数の推計
等を検討・策定、2027(令和9)年度から 2028(令和 10)年度までに医療機関機能に着目した地域の医療機関の連携・再編・集約化の協
議等を行うことが考えられる。このため、現行の地域医療構想の取組について、2026(令和8)年度も継続することとし、新たな地域医療
構想については、2027(令和9)年度から順次取組を開始することとし、円滑な移行を図ることが適当である。
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第173回社会保障審議会医療保険部会 主な委員の意見
第173回医療保険部会(令和5年12月14日)では、療養病床の転換や機能分化の必要性はあるものの、本事業につ
いては十分に機能しているとは言えず、効果検証を行った上で、検討・議論を行うべきとのご意見があった。
○佐野委員
この病床転換助成事業については、資料の2ページで先ほど御説明がございましたとおり、平成20年度からスタートして、私ども保険者として
も支援金を拠出しており、既にこれまで2回延長されております。しかし16年間で転換したのは約7,000床にとどまっているということでござい
ますので、この数字を見る限り、この施策は十分に機能しているとは、とても思えない状況でございます。こうした状況の中で、地域医療構想に
あわせて、単に2年間延長することについては、正直、違和感を覚えます。
資料の4ページにも記載されておりますように、これまでの事業、取組等に対する効果検証をきっちりと行った上で、今後、具体的な取組の一
層の強化並びに医療費適正化の取組を集中的に進めていただき、病床転換のさらなる促進を確実に実施いただきたいと思います。
○村上委員
また、3ページでは、地域医療構想の取組以降、活動実績が増加とございますが、平成31年を除くと、近年あまり活用されているようには思
えません。今後に向けて、各都道府県の状況を踏まえ、そのやり方や必要性などについて改めて検証いただくことが必要ではないかと思います。
○伊藤参考人
現在、各都道府県におきましては、国から示された医療費適正化基本方針に基づき、令和6年度からの第4期医療費適正化計画の作成を進めて
いるところで、今回示された病床転換助成事業の延長案については、次期計画の基本方針に沿うものであると受け止めております。
また、地域医療構想を実現するためには、慢性期患者の受皿を確保する必要があり、その選択肢となる介護保険施設等への転換を支援する病床
転換助成事業について、2025年までの地域医療構想の期間に合わせて延長することは適当であると考えております。
○井川参考人
超高齢社会が進行する中、医療施設のこのような機能分化というものは、必ず必要と考えていただければいいかと思いますし、地域によっては、
医療療養病床から、介護医療院を主とする介護施設に転換することのニーズというのは、やはり今でもしっかりあると。
そういう点から考えますと、この病床転換助成事業というものに対する必要性というのは、まだしっかりあるのではないかと考えておりますし、
今回示していただきました方針に基づいて、しっかり事業を継続していただければと思っております。
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この資料について
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
当サイトが保存しているのは、PDFから取り出した文字だけです。 これは言葉で探せるようにするためのもので、 厚生労働省が公表した資料そのものではありません。 図表・画像・レイアウトは失われています。
正確な内容は、必ず厚生労働省のPDFをご確認ください。