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総-2 歯科医療について(その2)

総会 第629回 / 2025-11-21 開催 / 111ページ

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中 医 協 総 - 2 7 . 1 1 . 2 1 歯科医療その2 1 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬 改定に向けた論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 ※「在宅歯科医療」は「在宅その4」で議論、「障害者歯科医療」及び「へき地等歯科医療」は「歯科医療その1」で議論済み 2 歯科医療その1(9.10)において頂戴したご意見1(要約) (歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療) ○ 「口腔機能管理料」や「小児口腔機能管理料」は、患者さんにとって、口腔機能の獲得や向上を図る上で重要な管理と なっており、管理を行う側と受ける側の双方が、分かりやすく適切な管理が行われるような評価内容を検討いただきたい。 ○ 生涯にわたる治療や管理を推進する大きな方向性はある程度理解できる。ただし、充実だけでは財政影響がかなり大きく なることが想定されるので、効率化や適正化とセットで議論し、評価すべきポイントを丁寧に検討する必要がある。 ○ 「歯科疾患管理料」は、初診から算定できることや、書面による説明や署名同意が必須ではなく、文書の交付を加算で評 価しているのが現状であり、改めて継続的・計画的な歯科疾患の管理についてを根本に立ち返った議論をさせていただきた い。その上で、小児の発達不全や高齢者の機能低下について、特別な管理を評価する必要があれば、「歯科疾患管理料」と の違いを明確にすることが必要。 ○ 「口腔機能管理料」や「小児口腔機能管理料」が算定されていない要因を教えて欲しい。 ○ 歯科矯正について、保険診療で行う歯科矯正や顎変形症治療についても適切な運用が必要。 ○ 「歯科矯正相談料」はどのように質を担保するのか教えてほしい。 ○ 歯周病については、「歯周病安定期期治療」と「歯周病重症化予防」の違いが患者には分かりにくい。歯周病の管理につ いては、患者にも分かりやすい形に考え方を整理すべき。 (多職種連携) ○ 病院歯科の取組は歯科診療所の後方支援機能病院としてさらに評価していただきたい。また、医科診療所との糖尿病患者 に関対する連携や薬局との連携が着実に推進できるように実効性のある双方向での評価をお願いしたい。 ○ リハ栄養口腔の一体的な取組においても歯科受診は不可欠であり、要介護者においても、歯科を受診した方が誤嚥性肺炎 の発症が減少するというデータもある。歯周病への対応など、様々なニーズが増えているので診療報酬においてどういう仕 組みが良いか考えていく必要がある。 ○ 連携自体に異論はないが、正直まだ不十分なのかという思いが強い。どこがボトルネックなのかしっかり見極めて、似た ような項目を整理することも含め、適正化とセットで実効的な評価の在り方を検討する必要がある。 ○ 多職種連携について、多くが病院で算定されているとのことだが、診療所で算定されていない要因やそもそもそうした状 況自体が課題なのか確認した上で、今後議論していく必要があると考える。 3 歯科医療その1(9.10)において頂戴したご意見2(要約) (歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保) ○ それぞれの専門性が更に発揮され、人材定着につなげていくために、前回改定において導入した様々な連携のスキーム に実効性を持たせるための工夫を御願いしたい。 ○ 病院の立場からも歯科衛生士が今後不足することのないような対策が必要ではないか。 ○ 歯科衛生士や歯科技工士の定着・確保については、「口腔機能指導加算」や「歯科技工士連携加算」の令和6年度改定 の検証は当然だが、令和7年度に引き上げた効果も示すことが次の対応を検討する大前提。加算による手当てがしっかり 歯科技工士に行き渡っているものと期待。 (歯科治療のデジタル化等) ○ 「CAD/CAM冠」の適用範囲は拡がってきているが、保険適用となる症例に制約がある部分があるので、メタルフリー が一層推進されるような対応をお願いしたい。また、光学印象は更に評価されるべき。 ○ 歯科治療のデジタル化等については、歯科治療の効率化や業務負担の軽減につながり、貴金属材料価格に左右されない 安定的な歯科医療に資するとういうことであれば、適応を拡大することが望ましい。ただし、「CAD/CAM冠」に関して は、金属と比較して耐久性が低く、適応を拡げることで補綴物の破損が増えることも想定されるので、患者が不利益を被 らないような対応も合わせて検討すべき。 4 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬 改定に向けた論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 5 口腔機能発達不全症および口腔機能低下症の概要 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 口腔機能発達不全症 口腔機能低下症 明らかな摂食機能障害の原因がなく、「食べる」機能や 加齢に加え、様々な要因によって、口腔機能が複合 「話す」機能などが発達段階で正常に機能が獲得できて 的に低下(唾液量の減少、咬合力・舌の筋力低下 病 いない疾患。個人因子あるいは環境因子に専門的関与が 等)している疾患。放置していると摂食嚥下障害な 態 必要な病態。 どに陥り、また、低栄養やフレイル、サルコペニア を進展させるため、専門的関与が必要な病態。 症 状 口唇の筋力が十分に発達せず、 唾液量の減少に伴い口腔乾燥 咬合力・舌の筋力低下等 口唇の閉鎖が不十分(お口ポカン) が進行し、粘膜上皮が剥離 による食物残渣の沈着 写真:日本歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科 田村教授よりご提供 写真:陵北病院 阪口副病院長よりご提供 診 チェックリストのA項目(食べる機能、話す機能等)のうち、C項 口腔機能低下症の7つの下位症状(口腔衛生状態不良、口腔 目(先天性歯あり、口唇閉鎖不全等)において2つ以上該当する 乾燥、咬合力低下、舌口唇運動機能低下、低舌圧、咀嚼機能 断 場合に「口腔機能発達不全症」と診断。 低下、嚥下機能低下)のうち、3 項目以上該当する場合に口 基 なお、離乳完了前はC-1~C-9を、離乳完了後はC-1~C-6のC項 腔機能低下症と診断。 準 目を1つ含む。 約180万人(18歳以下) 約1、500万人(65歳以上) 推 計 算出方法:18歳以下の人口数(各年10月1日時点)に参考文献より口腔機能発達不全 算出方法:各年齢層の人口数に参考文献により口腔機能低下症に該当する 患 症に該当する割合を乗算 割合を乗算 者 出典:Nogami Y, et al, Prevalence of an incompetent lip seal during growth 出典:Kugimiya, Yoshihiro et al. “Rate of oral frailty and oral hypofunction periods throughout Japan: a large-scale, survey-based, cross-sectional study. in rural community-dwelling older Japanese individuals.” Gerodontology vol. 数 Environ Health Prev Med. 2021 Jan 21;26(1):11. doi:10.1186/s12199-021- 37,4 (2020):342-352. 総務省「人口統計」(2024年) 00933-5. , 総務省「人口推計」(2020~2024年) 6 小児口腔機能管理料及び口腔機能管理料の算定状況 中 医 協 総 - 1 7 . 9 . 1 0 ( 改 ) ○ 18歳未満の口腔機能発達不全症又は50歳以上の口腔機能低下症と診断され、当該病名で請求している患者に対して、特別な 管理が必要にも関わらず、小児口腔機能管理料又は口腔機能管理料が算定出来ていない患者が一定数存在している。 (件数) (件数) 90,000 140000 7,031 7,379 80,000 120000 6,218 70,000 7,010 100000 60,000 5,099 50,000 80000 4,601 130,724 40,000 76,757 60000 3,500 1,955 105,352 30,000 61,312 40000 83,173 20,000 41,784 48,403 28,275 20000 10,000 0 0 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 口腔機能発達不全症で、歯科疾患管理料のみの算定件数 口腔機能低下症で、歯科疾患管理料のみの算定件数 小児口腔機能管理料の算定件数 口腔機能管理料の算定件数 出典:NDBオープンデータ(各年5月分)を特別集計 7 小児口腔機能管理料又は口腔機能管理料を算定していない理由 ○ 小児口腔機能管理料又は口腔機能管理料を算定していない理由として、「該当する患者がいない」が多いが、本管理料の算定要 件と直接関係する「診断基準を満たしている患者はいるが算定要件を満たさない」と回答した者が一定数存在している。 小児口腔機能管理料を算定していない理由 口腔機能管理料を算定していない理由 0.0% 15.0% 30.0% 45.0% 60.0% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 該当する患者がいない 48.6% 該当する患者がいない 27.0% 診断基準を満たしている患者はいるが算定要件を満 診断基準を満たしている患者はいるが算定要件を 9.0% 13.8% たさない(項目数の不足等) 満たさない(検査の算定がないなど) 診断に必要な機器を持っていない 14.4% 診断に必要な機器を持っていない 31.1% 診断基準が複雑である 14.7% 診断基準が複雑である 18.0% 管理の方法がわからない 10.5% 管理の方法がわからない 10.4% 検査・診察等に時間がかかる 10.3% 検査・診察等に時間がかかる 17.4% 指導のための人員が不足している 19.1% 指導のための人員が不足している 14.0% 算定要件が複雑である 14.9% 算定要件が複雑である 13.9% 診療報酬が低い 6.6% 診療報酬が低い 5.6% その他 3.9% その他 2.2% N=1009 N=1133 無回答 22.2% 複数回答可 無回答 20.1% 複数回答可 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 8 歯科疾患及び口腔機能の管理に係る診療報酬上の位置づけ 中 医 協 総 - 1 7 . 9 . 1 0 ( 改 ) ○ 歯科疾患及び口腔機能の管理に係る管理については、歯科疾患や口腔機能の症状や状態に応じて、歯科疾患管理料、小児口腔 機能管理料又は口腔機能管理料で主に評価している。なお、関連学会が示している口腔機能低下症や口腔機能発達不全症の 診断基準に該当しているものの、口腔機能に特化した特別な管理が行われていない者が存在している。 歯科疾患または口腔機能の 関連学会の診断基準に該当し、 維持や発達に係る管理が必要な患者 口腔機能の特別な管理が必要な患者 歯科疾患管理料で評価 口腔機能管理料で評価 50歳以上の口腔機能低下症※の患者であって、咀 嚼能力検査、咬合圧検査、舌圧検査、口腔細菌定 歯科疾患の管理を必要とする患者 関連学会の 量検査のいずれかの算定実績がある患者 歯科疾患の継続的管理を必要とする患者 (有床義歯に係る治療のみを行う患者を除く) 診断基準に 該当してい ※7つの症状(口腔乾燥、咬合力低下等)のうち、 るものの、 3項目以上該当した者 口腔機能管 理料または 口腔機能の維持等に係る管理 小児口腔機 小児口腔機能管理料で評価 能管理料に を必要とする患者 該当しない 学会の診断基準を満たさないが、 18歳未満の口腔機能発達不全症※の患者であって、 患者 口腔機能の維持等の管理を必要とする患者 評価項目において3項目以上該当する患者 口腔機能の発達等に係る管理 ※チェックリストA項目(食べる機能、話す機能等)のうち、 を必要とする患者 C項目(先天性歯あり、口唇閉鎖不全等)において 2つ以上該当した者 学会の診断基準を満たさないが、 口腔機能の発達等の管理を必要とする患者 +α 歯科医学的管理に係る専門性 9 歯科疾患管理料と歯科疾患在宅療養管理料の比較 ○ 歯科疾患管理料と歯科疾患在宅療養管理料について、外来患者及び在宅等療養患者に対して、口腔機能の管理を推進していく趣 旨は一致しているものの、対象症例や取扱いが異なっている。 歯科疾患管理料 歯科疾患在宅療養管理料 継続的管理を必要とする歯科疾患を有する患者に対 在宅等において療養を行っている通院困難な患者の して、口腔を一単位としてとらえ、患者との協働により 歯科疾患の継続的な管理を行うことを評価するもの 趣旨 行う口腔管理に加えて、病状が改善した歯科疾患等 をいい、患者等に対して、歯科疾患の状況及び当該 の再発防止等を評価したものであり、患者等の同意を 患者の口腔機能の評価結果等を踏まえた管理計画 得た上で管理計画を作成し、その内容について説明し の内容について説明した場合に算定 た場合に算定 一部の症例が対象から除外 特に制限なし 対象症例 ※有床義歯に係る治療のみを行う患者が除外されており、有 床義歯の支台歯や顎堤の状態の管理が必要とされる口腔 機能管理中は算定できない取扱い 取扱い 受診月によって評価が異なる 受診月に関わらず評価は同一 ※初診月は所定点数の80/100による算定 <参考>算定回数 初診月:4、933、689回 340,379回 (R6.8審査分) 再診月:13、454、205回 出典:社会医療診療行為別統計 10 歯科疾患管理料の管理内容について ○ 近年、歯科医療機関を受診する患者像は多様化し、歯科疾患の管理に際しては、口腔内の状況以外の様々な情報を踏まえた上で 管理が行われている。なお、現状においては、管理計画策定・説明等の負担感は初回と再診で変わらないが約半数と最も多かった。 歯科疾患管理料に係る管理内容 初診時と再診時における 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 管理計画策定・説明等の負担感 基礎疾患の有無 83.1% 5.7% 服薬状況 60.9% 喫煙状態を含む生活習慣の状況 21.4% 33.6% 歯磨き習慣や口腔清掃用具の使用状況 47.9% 54.1% 食習慣の状況 12.9% 6.6% 医科医療機関の通院状況 29.4% 患者の歯科知識の習得状況 13.4% 初診時(初回)の方が負担感がある N=1665 その他 0.8% 再診時(継続時)の方が負担感がある 負担感は初診時(初回)と再診時(継続時)とで変わらない N=1665 無回答 4.3% 無回答 複数回答可 注:本設問は口腔内の状況以外の管理内容を調査 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 11 新製有床義歯の管理等に係る内容について 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 有床義歯の構造や形態は、欠損範囲や欠損部位に応じて多種多様であり、新たな有床義歯製作時の確認・指導事項は装置や装 着部位によって内容が異なる実態がある。 全部床義歯 部分床義歯 支台装置 ・維持装置 各ステージの 人工歯 人工歯 確認・指導事項 義歯床 義歯床 ✓ フレームワーク ✓ 義歯床 • 鋳造欠陥の有無、クラスプ鉤尖部の鋭縁の有無 装着前 • 粘膜面、辺縁の鋭縁の有無 ✓ 義歯床 • 粘膜面、辺縁の鋭縁の有無 ✓ 義歯床 ✓ 義歯床 • 粘膜面、辺縁の適合、アンダーカット • 粘膜面、辺縁の適合・維持 ✓ 支台装置・維持装置 試適時 ✓ 咬合 • レスト、レストシート、クラスプ、バーの適合 • 人工歯 ✓ 咬合 • 人工歯 ✓ 義歯の着脱・清掃方法、食事の摂取方法、 ✓ 義歯の着脱・清掃方法、食事の摂取方法、就寝時の 装着時 就寝時の義歯の取扱方法など 義歯の取扱方法など ✓ 義歯床 ✓ 義歯床 ✓ 咬合 装着直後 ✓ 咬合 ✓ 支台歯、粘膜の疼痛 ✓ 食物残渣の貯留 出典:「有床義歯補綴学 第1版」(永松書店)を改変、写真出典:「無歯顎補綴治療学 第4版」、「歯学生のパーシャルデンチャー」 (医歯薬出版) 12 有床義歯の管理等に係る主な改定内容の変遷 中 医 協 総 - 1 7. 9. 1 0 (改 ) 改定年度 有床義歯の管理等の主な改定内容 平成20年 ➢ 新製義歯指導料と新製義歯調整料を廃止、「義歯管理料」を新設 「1 新製有床義歯管理料」(装着後1月以内)【100点】 「2 有床義歯管理料」(装着後1から3月までの間)【70点】 「3 有床義歯長期管理料」(装着後3月を超え1年以内)【60点】 平成22年 ➢ 「1 新製有床義歯管理料」の点数の引き上げ【100点 → 150点】 ➢ 「有床義歯調整管理料」の新設 平成26年 ➢ 「義歯管理料」と「有床義歯調整管理料」を廃止 ➢ 有床義歯管理の評価体系を「新製有床義歯管理料」と「歯科口腔リハビリテーション料1(有 床義歯の場合)」に改組 新製有床義歯管理料(1口腔につき) 新製有床義歯の形態、適合性、咬合関係等の調整及び患者に必要な義歯の取扱い等に係る指導を行い、その内 容を文書により提供した場合に1回に限り算定 歯科口腔リハビリテーション料1(1口腔につき)<1 有床義歯の場合> 有床義歯の適合性や咬合調整等の検査を行い、患者に対して義歯の状況を説明した上で、義歯に係る調整又は指 導を行った場合に月1回に限り算定 両者に調整と指導が存在している 13 有床義歯の取り扱いについて ○ 関係学会のガイドラインにおいても、有床義歯の構造等により、義歯装着時の説明や患者指導の内容が異なることが示されている。 指導項目等 詳細(一部抜粋) ○十分な機能を発揮するためには、義歯に対する順応が重要であり、発音障害や異物感は、義歯装着による口腔内 形態の変化のためであり、数ヶ月で徐々に消失することを患者に説明する。 ○圧迫感がある場合には時々はずして再び装着すること、痛みがある場合には義歯をはずしておき、来院日の朝からは 新義歯の順応 装着してもらうことを説明し、次回の来院時に 調整することを説明する。なお、部分床義歯では、長く装着しないで おくと、残存歯が移動して義歯が装着できなくなることがあることも説明する。 ○唾液分泌量は、新義歯の刺激により、一時的に増加する場合があるが、1~3 週間程度で 正常に戻ることを説明 する。 ○最初は食べ易い食物を選び、小さくして食べること、両側で同じ様に咬むことを指導する。 食事の仕方 ○全部床義歯装着者には、前歯部顎堤に圧が集中し、義歯の不安定、上顎前方部の顎堤粘膜の異常、顎堤の吸 収などが起こるため、前歯で食物を咬断しないよう指導する。 ○義歯を装着するときは義歯を水分で少しぬらす。 ○部分床義歯では、無理な力を加えずに着脱方向に沿って行わせ、咬み込まないで最後まできちんと指で装着させ、 義歯の着脱 はずす時は支台歯に手指をあてて側方ストレスを減じる。 ○全部床義歯では、義歯をはずす時には義歯の前方部を粘膜側に押し、吸着現象を破ってからはずさせる。 出典: 有床義歯補綴診療のガイドライン(2009改訂版) 社団法人 日本補綴歯科学会 14 歯周病における継続治療の考え方 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 歯周病は進行・再発しやすい疾患であることから重症化を予防し、安定した歯周組織を維持できるように患者のモチベーションを高 め、歯科医学的な立場からプラークコントロールを中心とした継続的な疾患管理を行うことが重要である。継続管理は歯科医療従事 者が行うプラークコントロール、SC、SRP、PMTCまたはPTC、咬合調整などを主体とした定期的な治療からなる。 臨床的に歯周組織の健康が回復し、治癒と判断できた場合は、継続管理は終了となりメインテナンスに移行する。 「歯周病の治療に関する基本的な考え方」(令和2年3月 日本歯科医学会) 継続管理 歯周病安定期治療(SPT) SRP後あるいは歯周外科治療後の歯周病検査の結果において 4 mm以上の歯周ポケットが散在するが、歯肉に炎症が認められ ない場合、あるいはBOPが認められない場合に病状安定と判定す る。この状態を維持するために歯周病の進行度と関係なくSPTを 行い管理していくことで歯周炎の重症化を抑制し歯周組織を維持 安定できる。SPT期間中に病状の悪化が認められた場合には、必 要に応じて歯周外科治療を行うことができる。 歯周病重症化予防治療 SCやSRP後あるいは歯周外科治療後の歯周病検査の結果、ポケッ ト深さが4 mm未満に改善したが、歯肉に炎症又はBOPが認めら れる場合には、歯肉炎から歯周炎への移行や歯周炎の重症化を抑 制するために継続的管理である歯周病重症化予防治療を行う。 これにより歯肉炎から歯周炎への移行や歯周炎の重症化を抑制で きる。歯周病重症化予防治療期間中に病状の悪化が認められた場 合には歯周病重症化予防治療を中断しSRPを行うか、歯周病安定 期治療へ移行することがある。 出典:「歯周病の治療に関する基本的な考え方」(令和2年3月 日本歯科医学会) 15 「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」の比較 「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」の比較 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 歯周病安定期治療及び歯周病重症化予防治療の対象となる歯周組織の状態は異なるものの、内容は類似している。 歯周病安定期治療 歯周病重症化予防治療 略称 SPT P重防 1歯以上10歯未満 200点 1歯以上10歯未満 150点 点数 10歯以上20歯未満 250点 10歯以上20歯未満 200点 20歯以上 350点 20歯以上 300点 対象患者 歯科疾患管理料、歯科疾患在宅療養管理料、歯科特定疾患療養管理料を算定している患者 4mm以上の歯周ポケットを有するものに対して、一連の歯周基 2回目以降の歯周病検査の結果、歯周ポケットが4mm未満の 歯周組織の 本治療等の終了後に、一時的に症状が安定した状態にある患者 患者で、部分的な歯肉の炎症又はプロービング時の出血が認めら 状態 れる状態 I000-2 咬合調整( ロ 二次性咬合性外傷の場合) C001-5 在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管 I010 歯周病処置 理料 I011 歯周基本治療 C001-6 小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指 I029-2 在宅等療養患者専門的口腔衛生処置 導管理料 包括 I030 機械的歯面清掃処置 I000-2 咬合調整( ロ 二次性咬合性外傷の場合) 内容 I030-3 口腔バイオフィルム除去処置 I010 歯周病処置 I011 歯周基本治療 I029-2 在宅等療養患者専門的口腔衛生処置 I030 機械的歯面清掃処置 I030-2 非経口摂取患者口腔粘膜処置 I030-3 口腔バイオフィルム除去処置 3月に1回 3月に1回 算定 ※治療間隔の短縮が必要とされる場合は月1回 ※口腔管理体制強化加算の施設基準の届出を行っている歯科診療所 頻度 ※口腔管理体制強化加算の施設基準の届出を行っている歯科診療 において、歯周病安定期治療後の再評価に基づき歯周病重症化予防 所においては月1回 治療を開始した場合は、月1回 16 歯周病における歯周ポケットの深さの変化について ○ 歯周病の状態を安定させる継続治療を実施した場合で、歯周基本治療による歯周ポケット(PPD) の減少量が小さい部位では、当 該治療中に歯周ポケットの深化が認められることが報告されており、部位によってPPDの深さが変化することが臨床上十分に考えられる。 ○ なお、現在の歯科点数表上では、歯周ポケット4mm以上を有するか否かによって、「歯周病安定期治療」と「歯周病重症化予防治 療」に評価が分かれているが、両者とも歯周病に関する項目名で治療内容は類似している。 対象者:① 外科的処置を含む 積極的な歯周治療を受けたことがない、② 暫間固定や広範囲に及ぶ補綴物が装着されていない、③ 半年以内に抗生物質の投与を受けてい ない、④ 全身的に健康である、⑤ 非喫煙者であるというすべての条件を満たした35名(男性16名、女性19名、平均年齢 56.3±9.49 歳) 初診時に4mm以上のPPDを示す部位で、メインテナンス開始前には3mm以下に改 善していたがメインテナンス中に再び4mm以上になった部位を当該研究では、歯周ポ ケットの深化部位と定義 出典: 「歯周基本治療に対する反応性がメインテナンス期における歯周ポケットの深化に及ぼす影響(松本知久ら)」 日本歯周病学会会誌; 53 巻 (2011) 4 号: 243-253. 17 小児の咬合機能の獲得 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 小児の正常な咬合関係の獲得を行うため、乳歯が早期に喪失した場合等に、後継永久歯の萌出スペースを確保するために保隙装置 を用いて咬合誘導を図る方法があるが、算定実績は少ない。 保隙装置名 写真 適応 保険収載の有無 片側性乳臼歯1歯早期喪失で、喪失部の後方に歯が存在する症例 クラウンループ ○ (バンドループ) 第一大臼歯萌出前で、片側性第二乳臼歯の早期喪失症例 ディスタルシュー × ①左右の第一大臼歯にバンドの適用が可能な症例 リンガルアーチ ②2歯以上の乳臼歯を早期喪失した症例 × ③第一大臼歯を固定しておいて、乳臼歯の適時抜去を行う症例 ④可撤保隙装置の使用が不可能な患児 リンガルアーチと同様であるが、上顎のみに使用 Nanceの × ホールディングアーチ ①両側性の乳臼歯を早期喪失した症例 可撤式保隙装置 ②片側性の2歯以上の乳臼歯を早期喪失した症例 △ (小児義歯) ③片側性乳臼歯1歯欠損であっても、支台歯に加重負担をきたす可能性がある症例 一部の症例を除き、 ④乳前歯を早期喪失した症例 原則認められない ⑤永久歯を早期喪失し、将来の補綴処置に備えて保隙を行う必要がある症例 (参考)小児保隙装置(クラウンループ、バンドループ)の算定回数 令和1年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 出典:「小児の口腔科学」(学建書院) 755 782 763 751 703 1,063 社会医療診療行為別統計(各年6月審査分、8月審査分【R6】) 18 小児義歯について ○ 小児義歯は、可撤式保隙装置としての効果が示されており、臨床では保隙装置として多くの症例で活用されているが、診療報酬上 は、一部の症例を除き原則として認められていない。 <算定要件> 小児義歯は原則として認められないが、下記の事例に関してのみ適用されている。 ・後継永久歯が無く著しい言語障害及び咀嚼障害を伴う先天性無歯症 ・象牙質形成不全症、象牙質異形成症若しくはエナメル質形成不全症であって脆弱な乳歯の早期崩壊又は後継永久歯の先天欠損を伴う場合 ・外胚葉異形成症、低ホスファターゼ症、パピヨン・ルフェブル症候群及び先天性好中球機能不全症 その他の先天性疾患により後継永久歯が無い場合 ・外傷や腫瘍等により歯が喪失した場合又はこれに準ずる状態であって、小児義歯以外は咀嚼機能の改善・回復が困難な小児 <小児義歯を装着している患者> 「Orthodontic Space Management in Pediatric Dentistry: A Clinical Review」 Abstract (略)It emphasizes the importance of preserving primary teeth until their natural exfoliation, as they serve as the best natural space maintainers. In cases of premature tooth loss, removable or fixed space maintainers and regainers are effective tools to minimize malocclusion and ensure optimal dental outcomes. →乳歯早期喪失時の可撤式又は固定式保隙装置は、不正咬合を最小限に抑え、最適結果を保証する効果的な手段 出典:2024 Koaban et al. Cureus 16(12) 保隙装置の種類 患者数 保険適応 の有無 可撤式保隙装置(小児義歯) 726人(48.6%) △ (一部症例のみ) クラウンループ 442人(29.6%) ○ リンガルアーチ 200人(13.4%) × 出典 バンドループ 81人(5.4%) ○ :「本学小児歯科外来における保隙 装置についての実態調査」 昭和歯学 ディスタルシュー 35人(2.3%) × 写真:鶴見大学小児歯科学 朝田教授よりご提供 会雑誌 17:34ー40、1997 を改編 その他 10人(0.01%) ー 19 小児保隙装置の調整や修理について ○ 小児保隙装置装着後は、装置に対して恒常的に咬合力がかかり、装置の変形や破損が生じるため、装置の機能が発揮できるように 定期的に調整や修理が必要とされているが、当該装置に対する調整や修理に対する評価はない。 <装置の調整等が必要な主な事例> 保隙装置装着後にみられた不快事項有の割合 保隙装置の種類 5ヶ月以内 6ヶ月~11ヶ月 12ヶ月~24ヶ月 可撤式保隙装置(小児義歯) 43.4% 3.2% 1.2% クラウンループ 14.9% 1.6% 3.8% リンガルアーチ 14.0% 5.0% 0.5% バンドループ 7.4% 1.2% 1.2% ループが歯肉 ディスタルシュー 11.4% 0.0% 0.0% に埋入 保隙装置装着後の不快事項の種類 保隙装置の種類 不適合 破損 脱離 可撤式保隙装置(小児義歯) 46.0% 35.5% 3.7% クラウンループ 7.2% 3.4% 7.0% リンガルアーチ 11.5% 8.0% 13.5% バンドループ 2.5% 2.5% 29.6% ディスタルシュー 2.9% 0.0% 11.4% ループの先端 が舌側に偏位 出典:「本学小児歯科外来における保隙装置についての実態調査」 昭和歯学会雑誌 17:34ー40、1997 写真:鶴見大学小児歯科学 朝田教授よりご提供 20 歯科矯正相談の流れ 中医協 総-1 7.9.10 (改) ○ 令和6年度診療報酬改定において、学校歯科健診で咬合異常等を指摘された場合の専門医療機関における相談等に関する評価 が新設されたものの、歯科矯正相談料2の算定が多いため、どの保険医療機関においても、患者に対して適切に説明ができるよう質の 担保が必要である。 学校歯科健康診断で「歯列・咬合」を指摘され、「歯科健康診断結果のお知らせ」を持参した児童・生徒に対する対応 「歯科健康診断の結果のお知らせ」から、健康診断の実施日または通知日、結果、学校名を診療録に記載するか、「歯科健康診断 初 診 結果のお知らせ」を複写して診療録に添付する。 医療面接及び検査 ・医療面接(別に厚生労働大臣が定める疾患の有無・家族歴・口腔習癖等) ・必要に応じて顔貌写真 ・必要に応じて口腔内写真 ・必要に応じてエックス線撮影(パノラマ・セファロ)、歯列模型等 下記に該当するかどうかを診断する ・別に厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常 ・3歯以上の永久歯萌出不全(前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全がある場合に限る。)に起因した咬合異常(埋伏 歯開窓術を必要とするものに限る。) ・顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る。) 歯科矯正の保険適用の可否の判断 (参考)歯科矯正相談料の算定回数 歯科矯正 歯科矯正 令和6年 相談料1 相談料2 結果を「学校歯科健康診断に伴う歯科矯正相談における結果報告書(説明 1,254 5,062 書)」に記載して提供する。 文書の複写を取り、要点をカルテに記載する。 ※相談料1は顎口腔機能診断料の 施設基準を満たした医療機関 出典:「歯科矯正相談料に関する基本的な考え方」(令和7年6月16日 日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会) 21 歯科矯正相談に係る説明内容 ○ 本年6月に日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会により、歯科矯正相談料の基本的な考え方が示され、結果報告書(説明書) の標準様式が示された。 検査項目及び所見 →顔貌、咬合関係や口腔機能の異常の有無等ついて説明 保険診療の対象となる疾患 →保険診療の対象となる疾患に該当するか否か説明 結果 →保険適応の可能性がある場合の専門医療機関の紹介 先や自費診療の該当性について説明 出典:「歯科矯正相談料に関する基本的な考え方」 (令和7年6月16日 日本矯正歯科学会・日本小児歯科学会) 22 歯科矯正治療の適応について ○ 保険診療における歯科矯正は、先天的な発育異常や全身疾患等と咬合異常との関係が明らかな下記の症例に限定されているが、 咬合異常と有意に関係する先天性欠損歯を有する患者は対象となっていない。 ➢ 厚生労働大臣が定める疾患(唇顎顎口蓋裂ほか65疾患)に起因した咬合異常 ➢ 3歯以上の永久歯萌出不全(前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全がある場合に限る。)に起因した咬合異常 (埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。) ➢ 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る。) 保険適応 対象疾患名等 唇顎口蓋裂、顎変形症の手術前後、ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む)、鎖骨頭蓋異形成症、トリーチャ・コリン ズ症候群、ピエール・ロバン症候群、ダウン症候群、ターナー症候群、ベックウィズ・ウイーデマン症候群、ラッセル・シルバー症候 群、顔面半側萎縮症、先天性ミオパチー、顔面半側肥大症、エリス・ヴァンクレベルド症候群、軟骨形成不全症、外胚葉異 形成症、神経線維腫症、基底細胞母斑症候群、ヌーナン症候群、マルファン症候群、プラダー・ウィリー症候群、顔面裂、筋 平成29年 ジストロフィー、大理石骨病、色素失調症、口腔・顔面・指趾症候群、メビウス症候群、歌舞伎症候群、クリッペル・トレノネー・ 以前 ウェーバー症候群、ウイリアムズ症候群、ビンダー症候群、スティックラー症候、小舌症、頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び 尖頭合指症を含む)、骨形成不全症、フリーマン・シェルドン症候群、ルビンスタイン・ティビ症候群、染色体欠失症候群、ラー セン症候群、濃化異骨症、6歯以上の先天性部分性無歯症、CHARGE症候群、マーシャル症候群、成長ホルモン分泌不 全性低身長症、ポリエックス症候群、クラインフェルター症候群、リング18症候群、リンパ管腫、全前脳胞症、偽性低アルドステ ロン症、ソトス症候群、グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症) 3歯以上の永久歯萌出不全( 前歯永久歯が3歯以上の萌出不全である場合に限る。) 平成30年 脊髄性筋委縮症、その他顎・口腔の先天異常 線維性骨異形成症、スタージ・ウェーバ症候群、ケルビズム、偽性副甲状腺機能低下症、Ekman-Westborg-Julin症候群、 令和2年 常染色体重複症候群 巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変)、毛髪・鼻・指節症候群(Tricho-Rhino-Phalangeal症候群)、前歯 令和4年 及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの) クリッペル・ファイル症候群(先天性頸椎癒合症)、アラジール症候群、高 IgE 症候群、エーラス・ダンロス症候群、ガードナー 令和6年 症候群(家族性大腸ポリポージス) 23 先天性欠損歯数が顔面骨格に及ぼす影響 ○ 先天性欠損歯が多いほど顔面骨格に及ぼす影響は大きく、また、3歯以上の先天性欠損歯がある場合は、2歯以下よりも顔面骨 格に及ぼす影響が大きいことが報告されている。また、顔面骨格の発育異常は、下顎前突などの骨格性不正咬合に関与していること は既に知られている。 ○ なお、2本以上の隣接永久歯が連続して欠損している状態は、長期的多科的治療を必要とする先天性欠如歯の重篤な症状であ るとされている。 【出典:「Consecutive tooth agenesis patterns in non-syndromic oligodontia」(Odontology. 2022 Jan;110(1):183-192. )Ryuichi Baba , Ayaka Sato , Kazuhito Arai. 】 【研究概要】 軽度 277人の永久歯が欠損している患者を軽 度(1-2歯欠損)、中等度(3-5歯欠 中等度 損)、重度(6歯以上欠損)に分けて骨 格への影響を調べた。 【結果】 歯不足の重症度が増加するにつれて、骨格 重度 の関係は上顎劣成長によるクラスⅢの不正 咬合(下顎前突)の傾向を示すことがわ かった。 SNA:頭蓋骨に対する上顎の角度を示す指標 SNB:頭蓋骨に対する下顎の角度を示す指標 ANB:下顎に対する上顎の位置を示す指標。小さくなると下顎前突とされる 出典:「A cephalometric study to investigate the skeletal relationships in patients with increasing severity of hypodontia」(Angle Orthod. 2010 Jul;80(4):699–706) 24 Priti N Acharya a, Steven P Jones b, David Moles et al. 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬 改定に向けた論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 25 周術期等口腔機能管理及び回復期等口腔機能管理に係る評価体系について 中医協 総-1 7.9.10 周術期等口腔機能管理に係る評価 回復期等口腔機能管理に係る評価 創設年度 平成24年度診療報酬改定 令和6年度診療報酬改定 回復期等口腔機能管理計画策定料 周術期等口腔機能管理計画策定料 回復期等の口腔機能の評価及び一連の 管理計画策定 周術期等の口腔機能の評価及び一連の管理計画を策定し、その内容について説明を行い、 管理計画を策定し、その内容について説 に係る評価 当該管理計画を文書により提供した場合 明を行い、当該管理計画を文書により提 供した場合 放射線治療、化学療法、集中治 手術を実施する患者に対する管理 療室における治療又は緩和ケアを 実施する患者に対する管理 周術期等口腔機能管理料(Ⅰ) 周術期等口腔機能管理料(Ⅲ) ①又は②のいずれか 他保険医療機関又は同一保険医療機 ①他病院においてがん等に係る※手術を実施 関において、がん等に係る放射線治療、 回復期等口腔機能管理料 した患者であって、入院中、外来又は在宅 化学療法、集中治療室における治療又 療養病棟入院基本料、回復期リハビリ 管理に係る で治療中の患者に対する管理 は緩和ケアを行っている外来患者に対す テーション病棟入院料又は地域包括ケア 評価 ②同一病院においてがん等に係る※手術を実 る管理 病棟入院料を算定する患者に対する管 施した患者であって、外来又は在宅で治療 理 中の患者に対する管理 周術期等口腔機能管理料(Ⅳ) 他保険医療機関又は同一保険医療機 周術期等口腔機能管理料(Ⅱ) 関において、がん等に係る放射線治療、 同一病院においてがん等に係る※手術を実施し 化学療法、集中治療室における治療又 た患者であって、入院中の患者に対する管理 は緩和ケアを行っている入院患者に対す る管理 ※対象となる手術の例 頭頸部領域、呼吸器領域、消化器領域等の悪性腫瘍の手術、心臓血管外科手術、人工股関節置換術等の整形外科手術、臓器移植手術、造血幹細胞移植、 脳卒中に対する手術 26 周術期等口腔機能管理に係る計画書について 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 周術期等口腔機能管理に係る計画書の作成については、周術期等口腔機能管理計画策定料で評価されており、周術期等口腔機能管 理計画策定料で手術等に係る一連の治療を通じて1回の算定となっている。 ○ 当該計画書の記載内容は、①基礎疾患の状態・生活習慣、②主病の手術等の予定(又は実績)、③口腔内の状態等(現症及び手 術等によって予測される(又は生じた)変化等)、④周術期等の口腔機能の管理において実施する内容、⑤主病の手術等に係る患者の 日常的なセルフケアに関する指導方針等となっている。 ③ ① ⑤ ② ④ 出典:静岡がんセンターH2P7 周術期等口腔機能管理計画の変更について ○ 周術期等口腔機能管理計画の「変更あり」と回答した施設が18.4%であり、変更を行った理由は、「治療計画の変更(手術方法の 変更や治療期間の延長等)」が最も多く87.2%であった。 周術期等口腔機能管理計画の変更 周術期等口腔機能管理計画を変更した理由 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 患者の病状変化 6.5% 52.1% 18.4% 治療計画の変更(手術方法の変 87.2% 更や治療期間の延長等) 他の医療機関で作成した計画書 1.1% の修正 75.1% N=511 N=94 その他 0.0% 複数回答可 (有効回答のみ) 変更あり 変更なし 無回答 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 28 周術期等口腔機能管理料等の各種管理料の算定が前提となっている処置 ○ 歯科点数表の処置において、管理料の算定が前提となっている項目があるが、必ずしもその取扱いが統一されていない。 当該処置を算定するための前提条件 区分番号 項目名 概要 (○:下記管理料の算定が要件 ×:下記管理料の算定が要件となっていない) 歯科疾患管理料 周術期等 回復期等 口腔機能管理料 口腔機能管理料 4mm以上の歯周ポ I011-2 歯周病安定期治療 ケットを有する者に対す ○ × × る歯周病の包括的治療 4mm未満の歯周ポ I011-2-3 歯周病重症化予防治療 ケットで歯肉の炎症等を ○ × × 有する者に対する歯周 病の包括的治療 歯科用の切削回転器 ○ I030 機械的歯面清掃処置 具及び研磨ペーストを用 ○ ○ (ⅢとⅣ) いて行う歯垢除去 注:歯科疾患管理料、周術期等口腔機能管理料、回復期等口腔機能管理料は併算定できない取扱い 29 中医協 総-1 多職種連携による診療報酬上の評価 7 . 9 . 1 0 ○医科点数表において、歯科医療機関や歯科医師との連携による評価が多くを占めている。さらに、令和6年度診療 報酬改定では、生活習慣病管理料の通知で糖尿病患者に対する歯科受診の推奨が追加された。 ○調剤点数表においても、一部の項目で歯科医療機関との連携に関して評価されている。 ○医科点数表にて評価されている、歯科医療機関や歯科医師との連携に関する主な項目 区分番号 項目名 内容 算定件数 A233-2 栄養サポートチーム加算 注3 歯科医療機関連携加算 栄養障害に対する治療を歯科医師が保険医と共同して診療した場合の評価 10063 B001-3 生活習慣病管理料(Ⅰ) 通知(10) 糖尿病患者について、歯周治療のために歯科受診の推奨を要件化 176698 B001- 生活習慣病管理料(Ⅱ) 3ー3 周術期口腔機能管理又は歯科訪問診療が必要な患者に関する情報提供を歯科医療機 注14 歯科医療機関連携加算1 3608 関に行った場合の評価 B009 診療情報提供料( Ⅰ ) 注15 歯科医療機関連携加算2 歯科医療機関連携加算1の患者について歯科医療機関の予約をした場合の評価 534 B010-2 診療情報連携共有料 歯科医療機関からの求めに応じ患者の診療情報を提供した場合の評価 132 他職種と電子情報処理組織もしくは、情報通信を利用して診療情報等を活用し、医 在宅通則 注15 在宅医療情報連携加算 150119 学管理を行った場合の評価 歯科医療機関と文書等により患者の情報共有を行うとともに、共有を踏まえて指導 注8 在宅患者連携指導加算 98 を行った場合の評価 C005 在宅患者訪問看護・指導料 注9 在宅患者緊急時等カンファ 患者の状態の急変等に伴い、歯科医師等と共同でカンファレンスに参加し、療養上 43 レンス加算 必要な指導を行った場合の評価 歯科医療機関と文書等により情報共有を行い、共有された情報を踏まえて指導を C010 在宅患者連携指導料 19 行った場合の評価 手術通則 注17 周術期口腔機能管理後手術加算 歯科医師による周術期口腔機能管理後に、手術を実施した場合の評価 17080 ○調剤点数表にて評価されている、歯科医療機関や歯科医師との連携に関する項目 区分番号 項目名 内容 算定件数 患者の状態の急変等に伴い、関係する医療関係職種等と共同でカンファレンスに参 15の3 在宅患者緊急時等共同指導料 335 加し、薬学的管理指導を行った場合の評価 15の5 服薬情報等提供料1 歯科医療機関に対して患者の服用薬、服薬状況等の情報提供を行った場合の評価 84614 算定件数:令和6(2024)年 社会医療診療行為別統計 令和6年8月審査分 なお、項目全体の算定件数であり、項目によっては、歯科以外の連携も含まれている。 30 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-3 リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進-① 急性期におけるリハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の取組の推進 急性期におけるリハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の取組の推進② (新) リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算 [算定要件](概要) ⚫ 急性期医療において、当該病棟に入院中の患者のADLの維持、向上等を目的に、早期からの離床や経口摂取が図られるよう、リハビリテー ション、栄養管理及び口腔管理に係る多職種による評価と計画に基づき、多職種により取組を行った場合に、患者1人につきリハビリテー ション・栄養管理・口腔管理に係る計画を作成した日から起算して14日を限度に算定できる。 ⚫ 当該病棟に入棟した患者全員に対し、原則入棟後48時間以内にADL、栄養状態、口腔状態についての評価に基づき、リハビリテーション・ 栄養管理・口腔管理に係る計画を作成すること。なお、リスクに応じた期間で定期的な再評価を実施すること。 ⚫ 入院患者のADL等の維持、向上等に向け、カンファレンスが定期的に開催されていること。 ⚫ 適切な口腔ケアを提供するとともに、口腔状態に係る課題(口腔衛生状態の不良や咬合不良等)を認めた場合は必要に応じて当該保険医療機 関の歯科医師等と連携する又は歯科診療を担う他の保険医療機関への受診を促すこと。 ⚫ 疾患別リハビリテーション等の対象とならない患者についても、ADLの維持、向上等を目的とした指導を行うこと。専従の理学療法士等は 1日につき9単位を超えた疾患別リハビリテーション料等の算定はできないものとする。 ⚫ 専任の管理栄養士は、当該計画作成に当たって、原則入棟後48時間以内に、患者に対面の上、入院前の食生活や食物アレルギー等の確認や GLIM基準を用いた栄養状態の評価を行うとともに、定期的な食事状況の観察、必要に応じた食事調整の提案等の取組を行うこと。 [施設基準](概要) ⚫ 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)又は10対1入院基本料 (特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)を算定する病棟を単位として行うこと。 ⚫ 当該病棟に、専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が2名以上配置されている。な お、うち1名は専任の従事者でも差し支えない。 ⚫ 当該病棟に専任の常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。 ⚫ 当該保険医療機関において、一定の要件を満たす常勤医師が1名以上勤務していること。 ⚫ プロセス・アウトカム評価として、以下のア~エの基準を全て満たすこと。 ア 疾患別リハ料が算定された患者のうち、入棟後3日までに疾患別リハ料が算定された患者割合が8割以上であること。 イ 土日祝日における1日あたりの疾患別リハビリテーション料の提供単位数が平日の提供単位数の8割以上であること。 ウ 退院又は転棟した患者(死亡退院及び終末期のがん患者を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADLが入院時と比較して低下した 患者の割合が3%未満であること。 エ 院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020分類d2以上とする。)を保有している入院患者の割合が2.5%未満であること。 ⚫ 脳血管疾患等リハビリテーション料及び運動器リハビリテーション料に係る届出を行っていること。 ⚫ 入退院支援加算1の届出を行っていること。 ⚫ BIの測定に関わる職員を対象としたBIの測定に関する研修会を年1回以上開催すること。 31 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の算定と退院後の歯科受診率 診調組 入-1 7 . 9 . 1 1 ○ 入院患者のうち、全体や疾患別でも、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の算定有無に よる退院後の歯科受診状況に大きな差はなく、歯科受診率は低い。 【入院患者 のうち、加算の算定有無による (参考)入院患者(令和7年2月分)のうち、退院後に歯科受 (令和7年2月分) 診した患者の入院時主傷病上位5疾患は、誤嚥性肺炎、 退院後の歯科受診率】 大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折、うっ血性心不全、 細菌性肺炎であった。 100% 各疾患別の入院患者のうち、退院後の歯科受診率は 以下のとおり。 90% 18% 80% 16% 70% 14% 12% 60% 10% 50% 91.2% 91.3% 8% 17.3% 12.9% 12.1% 13.5% 6% 11.9% 11.1% 40% 9.9% 9.0% 4% 7.3% 6.0% 30% 2% 0% 20% (n数) 加算算定あり 加算算定なし 10% 誤嚥性肺炎 1,135 29,326 8.8% 8.7% 大腿骨頚部骨折 889 16,503 0% 大腿骨転子部骨折 713 13,637 加算算定あり(N=34,689) 加算算定なし(N=1,231,712) うっ血性心不全 766 26,270 歯科受診あり 歯科受診なし 細菌性肺炎 433 15,962 算出方法:NDBデータの令和7年2月分入院レセプトにおいて、急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料、専門病院入院基本料(7対1入院基 本料又は10対1入院基本料)のいずれかの算定がある患者のうち、入院と同月もしくは翌月に「歯科初診料」又は「歯科訪問診療料」の算定 がある者を「歯科受診あり」として、件数を抽出。(病院への歯科訪問診療料は除く。) 出典:NDBデータ(令和7年2月入院分)を特別集計 32 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制やその連携に係る評価 ○ 医科の入院患者において、歯科受診が必要にも関わらず、あまり連携が進んでいない。 (例:医科点数表の「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」において、スクリーニングを行っているが、歯科受診率は低い。) ○ 現状では医科歯科連携にかかる評価は、以下のとおりとなっている。 参考:リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準 ・適切な口腔ケアを提供するとともに、口腔状態に係る課題(口腔衛生状態の不良や咬合不良等)を認めた場合は、必要に応じて当該保険医療機関の歯科医師等と連携する又は歯科 診療を担う他の保険医療機関への受診を促す体制が整備されていること。 歯医者の建物のイラスト 病院 地域の 歯科標榜あり 連携が 歯科診療所 歯医者さんのイラスト(職業) 進んでいない 入院患者の 入院時 口腔管理の依頼 口腔に係る 歯科標榜なし 診療情報の提供 課題あり! 入院患者の口腔管理(歯科訪問診療)の依頼 歯医者さんのイラスト(職業) 歯科訪問診療 (例:在宅歯科栄養サポート チーム等連携指導料) 外来診療 退院時 退院患者の口腔管理 (外来診療または歯科訪問診療)の依頼 歯医者さんのイラスト(職業) 患者の自宅 歯科訪問診療 歯科訪問診療にて (例:在宅歯科医療 情報連携加算) 口腔管理 :現在評価されているもの 33 令和6年度診療報酬改定 Ⅲ-5 生活習慣病の増加等に対応する効果的・効率的な疾病管理及び重症化予防の取組推進 生活習慣病対策 ○ 生活習慣病の増加等に対応する効果的・効率的な疾病管理及び重症化予防の取組を推進するため、主に以下の見 直しを行う。 1.生活習慣病管理料(Ⅱ)の新設(Ⅱ-5-①) ➢ 検査等を包括しない生活習慣病管理料(Ⅱ)(333点、月1回に限る。)を新設する。 2.生活習慣病管理料の評価及び要件の見直し(Ⅱ-5-①) ➢ 生活習慣病管理料における療養計画書を簡素化するとともに、令和7年から運用開始される予定の電子カルテ情報共有サービス を活用する場合、血液検査項目についての記載を不要とする。 ➢ 診療ガイドライン等を参考として疾病管理を行うことを要件とする。 ➢ 生活習慣病の診療の実態を踏まえ、少なくとも1月に1回以上の総合的な治療管理を行う要件を廃止する。 ➢ 歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士等の多職種と連携することを望ましい要件とするとともに、糖尿病患者に対して歯科受 診を推奨することを要件とする。 3.特定疾患療養管理料の見直し(Ⅱ-5-①) ➢ 特定疾患療養管理料の対象疾患から、生活習慣病である、糖尿病、脂質異常症及び高血圧を除外する。 4.特定疾患処方管理加算の見直し(Ⅱ-5-②) ➢ リフィル処方及び長期処方の活用並びに医療DXの活用による効率的な医薬品情報の管理を適切に推進する観点から、処方料及び 処方箋料の特定疾患処方管理加算について、28日未満の処方を行った際の特定疾患処方管理加算1を廃止し、特定疾患処方管理 加算2の評価を見直す。また、特定疾患処方管理加算について、リフィル処方箋を発行した場合も算定を可能とする。 5.地域包括診療料等の見直し(Ⅱ-5-③) ➢ かかりつけ医機能の評価である地域包括診療料等について、リフィル処方及び長期処方の活用を推進する観点から、患者の状況 等に合わせて医師の判断により、リフィル処方や長期処方を活用することが可能であることを、患者に周知することを要件に追 加する。 6.慢性腎臓病の透析予防指導管理の評価の新設(Ⅲ-5-④) ➢ 慢性腎臓病に対する重症化予防を推進する観点から、慢性腎臓病の患者に対して、透析予防診療チームを設置し、日本腎臓学会 の「エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン」等に基づき、患者の病期分類、食塩制限及び蛋白制限等の食事指導、運動指導、 その他生活習慣に関する指導等を必要に応じて個別に実施した場合の評価を新設する。 34 糖尿病患者の医科歯科連携の効果 ○ 糖尿病患者に対する歯周治療の介入による効果は様々な論文等で報告されている。 2型糖尿病かつ歯周病に罹患している患者に 歯周治療の積極的な介入/通常のケアなし 非外科的歯周治療した6か月後の検査結果 における6か月後の比較 対照群と比較して歯周治療を介入した場合、HbA1cと 空腹時血糖値の改善が見られた。 12件の論文によるメタアナリシスの結果、HbA1cの平均 GC:対照群 が0.30%(3.3 mmol / mol; effect P = 0.007) 減少す GT:治療群 る有効性が確認された。 参考:Simpson TC,Treatment of periodontitis for glycaemic control in people with diabetes mellitus. Cochrane Database Syst Rev. 2022 Apr 14;4(4):CD004714. Mauri-Obradors E, Benefits of non-surgical periodontal treatment in patients with type 2 diabetes mellitus and chronic periodontitis: A randomized controlled trial. J Clin Periodontol. 2018 Mar;45(3):345-353. 35 医科医療機関からの情報提供や共有状況について ○ 約6割の歯科医療機関において、医科医療機関からの診療情報提供や共有の依頼がされていた。 ○ 糖尿病と歯周病が相互に影響するというエビデンスはあるものの、「糖尿病患者に対する指導や管理に必要な歯周病の状態に 関する情報提供や共有の依頼」は、9.1%であった。 医科医療機関から 医科医療機関からの依頼内容 診療情報提供や共有の依頼の有無 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0(%) 糖尿病患者に対する指導や管理に必要な歯周病の状態に関する 1.2 9.1 情報提供や共有の依頼 薬剤性顎骨壊死等の原因となる薬剤の投薬にあたり、口腔内の 15.6 状態や歯科治療に関する情報提供や共有の依頼 手術や化学療法、放射線療法にあたり、口腔内の状態や歯科治 11.9 療に関する情報提供や共有の依頼 37.1 周術期等口腔機能管理や回復期口腔機能管理の実施依頼 8.3 在宅療養患者(施設入所者含む。)に対する指導や管理にあた 61.7 1.4 り、口腔内の状態や歯科治療に関する情報提供や共有の依頼 歯科訪問診療の依頼 3.0 最もあてはまるもの n=1665 一つ回答 その他、疾患の治療や管理を行う上で必要な歯科治療の依頼 16.2 N=1028 無回答 34.5 あった なかった 無回答 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 36 令和6年度診療報酬改定 Ⅲ-6 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進-⑪ 糖尿病患者の医科歯科連携の推進 歯科 歯科疾患管理料総合医療管理加算 ➢ 医科の担当医との連携を評価。糖尿病患者も含む。 医科 歯科治療時医療管理料 ➢ 歯科治療時のモニタリングの評価。糖尿病患者も含む。 生活習慣病管理料 ➢ 療養計画書の「問診」欄に歯科の受診状況をチェック 歯周病処置 ➢ 歯周ポケットが4ミリメートル以上の歯周病を有す 診療情報連携共有料 る者に対して、歯周基本治療と並行して計画的に1 月間特定薬剤を使用した場合に算定可能 連携 生活習慣病管理料の見直し 機械的歯面清掃処置 ➢ 歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士等の ➢ 糖尿病患者について、月1回算定可能 多職種と連携することを望ましい要件化 (施設基準、留意事項通知) 診療情報連携共有料→診療情報等連携共有料 ➢ 糖尿病患者に対して歯科受診を推奨することを要 件化 (留意事項通知) ➢ 医科の医療機関からの求めに応じて診療情報を文書に より提供した場合を評価 歯周病安定期治療の見直し ➢ 歯周病ハイリスク患者加算の新設 本加算は、主治医からの文書をもって、歯周病が重症化するお →歯周病の重症化するおそれのある患者に対して それのある患者に対して、歯周病安定期治療を実施する場合 歯周病安定期治療を実施した場合 の評価で、その後、医科医療機関に対する歯科治療や口腔内 ➢ 糖尿病患者の場合に月1回算定可能であることを 状況のフィードバックは要件となっていない。 明確化 令和6年度診療報酬改定の概要 (歯科)を改変 37 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬 改定に向けた論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 38 第3回歯科衛生士の業務のあり方等に関する検討会 (令和7年7月30日)資料2 歯科衛生士(常勤)の従事者数別の歯科診療所数及び割合 ○ 常勤の歯科衛生士の人数別に歯科診療所数をみると、「0人」が最も多く、39.2%である。 <常勤歯科衛生士数別の歯科診療所数> 30,000 100% 26,211 90% 25,000 80% 70% 20,000 歯 科 60% 16,242 診 療 15,000 50% 所 数 39.2% 40% 10,306 10,000 30% 24.3% 6,231 20% 5,000 15.4% 3,457 9.3% 2,274 1,777 3.4% 10% 5.2% 2.7% 320 0.5% 0 0% 0人 1人 2人 3人 4人 5人 6~10人 11人以上 出典:「令和5年医療施設調査」(医政局歯科保健課による特別集計) 注:従事者数0人の階級には、その職種の従事者数が空欄であった施設数を含む。 39 従事する歯科衛生士数別の歯科診療所数 ○ 約4割の歯科診療所が常勤衛生士0人であり、3人以上の常勤歯科衛生士が勤務している歯科診療所が増加傾向である。 ○ なお、常勤歯科衛生士が0人の歯科診療所の多くは、非常勤歯科衛生士も0人である。 常勤歯科衛生士の実人員別歯科診療所数 常勤歯科衛生士が0人の 45.0% 歯科診療所数内訳 40.0% 80.0% 72.9% 73.1% 71.0% 70.0% 35.0% 60.0% 30.0% 50.0% 25.0% 40.0% 20.0% 30.0% 15.0% 12.9% 13.0% 13.0% 20.0% 10.0% 10.0% 0.0% 5.0% 平成29年(n=29,162) 令和2年(n=27,371) 令和5年(n=26,211) 0.0% 6-10 11人以 歯科衛生士「常勤」従事者と「非常勤」の実人員がともに0人 0人 1人 2人 3人 4人 5人 人 上 歯科衛生士の「常勤」従事者が0人かつ、「非常勤」従事者の常勤換算した 平成29年(n=68609) 42.5% 26.5% 15.7% 8.0% 3.7% 1.6% 1.8% 0.2% 人数が0.1人以上1.0人未満 令和2年(n=67874) 40.3% 25.6% 16.0% 8.8% 4.4% 2.2% 2.4% 0.3% 令和5年(n=66818) 39.2% 24.3% 15.4% 9.3% 5.2% 2.7% 3.4% 0.5% 出典:「医療施設調査(平成29年、令和2年、令和5年)」 (保険局医療課による特別集計) 40 口腔機能指導加算の概要及び算定状況 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 歯科衛生実地指導料を算定した患者のうち、口腔機能指導加算※を算定した割合は約1.3%と低い。 ※口腔機能指導加算は歯科衛生実地指導料の加算 口腔機能指導加算 (参考)歯科衛生実地指導料 対象者 口腔機能の発達不全を認める患者又 歯科疾患(う蝕、歯周病等)に罹患してい は口腔機能の低下を認める患者 る患者であって、歯科衛生士による実地指 算定回数 導が必要な者 160,027( 1.3%) 指導 ①又は② ①及び② 内容 ①正常な口腔機能の獲得を目的とした ①歯及び歯肉等口腔状況の説明 実地指導 ②プラークチャート等を用いたプラークの付着 ②口腔機能の回復又は維持・向上を 状況の指摘及び患者自身によるブラッシ 目的とした実地指導 ングを観察した上でのプラーク除去方法の 指導又は患者の状態に応じて必要な事 項に関する15分以上の実施指導 11,781,765 評価 口腔機能指導加算:12点 歯科衛生実施指導料1:80点 歯科衛生実地指導料2:100点 ※2は歯科診療特別対応加算を算定している患者 歯科衛生実地指導料のみ 口腔機能指導加算 出典:R6社会医療診療行為別統計(8月審査分 ) 41 口腔機能指導加算の算定実績等について ○ 「口腔機能指導加算」の算定回数は令和7年2月から3月にかけて著しく増加しており、期中改定(点数の引き上げ)及び周知に よる影響が現れている一方で、「口腔機能指導加算」を算定していない理由として「歯科衛生士が忙しく指導を行う時間がない」が最も 多く、次いで「専門的な指導を行う歯科衛生士がいない」 であった。 口腔機能指導加算実績(令和7年) 口腔機能指導加算を算定していない理由 (回) 250,000 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 218,413 212,032 212,560 専門的な指導を行う歯科衛生士がいない 28.6% 200,000 176,536 151,326 歯科衛生士が忙しく指導を行う時間がない 30.3% 150,000 指導内容が分からない 17.9% 100,000 その他 13.7% 50,000 N=1122 複数回答可 無回答 24.6% 0 1月 2月 3月 4月 5月 出典: NDBデータ(令和7年1月~5月)を特別集計 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 42 口腔機能指導加算を取り組むに当たり工夫している点等 ○ 「口腔機能指導加算」を円滑に取り組むに当たり工夫している点について、「具体的な指導内容を院内で教育している」が62.9%と 最も多かったものの、工夫している点については様々な内容が取り組まれていた。 ○ 当該加算が人材定着・確保に寄与した程度については、「現時点で分からない」が最も多く、次いで「多少寄与した」であった。 円滑に取り組むに当たり工夫している点 口腔機能指導加算が 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 人材定着・確保に寄与した程度 院内に複数の歯科衛生士を配置し、担当 41.8% 制にしている 具体的な指導内容を院内で教育している 62.9% 10.8% 9.7% 職員に研修を受講させている 26.4% 20.5% 口腔機能指導加算の指導内容を熟知した 23.3% 歯科衛生士を配置している 46.2% 別に時間を設けて指導を行っている 17.2% 12.8% その他 1.2% N=507 特に工夫はしていない 4.9% 大いに寄与した 多少寄与した 無回答 11.4% N=507 まったく寄与していない 現時点ではわからない 複数回答可 無回答 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 43 口腔機能低下症等に係る研修について ○ 口腔機能低下症等に対する指導は、専門的知識を習得した上で指導で行う必要があることから、関連学会において、口腔機能低 下等の効果的な指導に係る研修が計画されている。 歯科衛生士のための口腔機能指導研修プログラム <目的> 歯科衛生士は、口腔衛生管理のみならず、口腔機能の維持・向上に重要な役割を担っている。近年、口腔機能低下症や摂食嚥下障害の予防・改善が 注目される中、科学的根拠に基づいた口腔機能指導のスキルはますます重要になってきている。特にICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)や健康行動理論といった新しい健康概念を用いて口腔機能指導をおこなうことは、科学的研究によって効果があ ることが示されている。本研修プログラムは、口腔機能指導に基礎から応用まで幅広く学び、科学的根拠に基づいた指導が実践できるよう研修する事を目的 としている。 <研修項目> ○口腔機能の基礎知識、口腔機能低下症及び口腔機能発達不全症の定義と診断 ○口腔機能検査法 ○口腔機能訓練法 ○口腔機能管理指導法(再評価の時期と評価法について) (資料:日本老年歯科医学会作成) 健康行動理論を応用した口腔機能指導を受講することで、効果が有意に高まった 出典:「1からはじめる口腔機能低下症(小原由紀)」デンタルダイヤモンド社 2024 44-47 「健康行動理論を応用した口腔機能向上プログラムが特定高齢者の口腔機能ならびに口腔衛生状態 44 に及ぼす影響」(阪口英夫)口腔病学会雑誌81 (2), 77-86, 2014 歯科疾患や口腔機能の管理に係る主な改定内容の変遷 中 医 協 総 - 1 7 . 9 . 1 0 ( 改 ) 改定年度 歯科疾患管理料等の主な改定内容 歯科疾患管理料 小児口腔機能管理料、口腔機能管理料 その他 平成20年 ➢ 「歯科疾患管理料」【1回目:130点、2回目以降:110 点】の新設 → 「歯科疾患総合指導料」、「歯科口腔衛生指導料」、 「歯周疾患指導管理料」等を廃止し、疾患別管理体 系を一本化 平成22年 ➢ 点数の一本化【110点】 平成24年 ➢ 「機械的歯面清掃加算」の廃止(「機械的歯面清掃処 置」として処置に位置付け) 平成26年 ➢ 「フッ化物局所応用加算」の廃止(「フッ化物歯面塗布処 置 う蝕多発傾向者の場合」として処置に位置付け) 平成28年 ➢ 点数の引き下げ【110点 → 100点】 令和2年度改定で、管理料は機能的疾患に対する管理と ➢ 「文書提供加算」【10点】の新設(文書要件の見直し) 器質的疾患に対する管理が異なることから、加算から本 ➢ 「エナメル質初期う蝕管理加算」【260点】の新設 体に位置づけを見直し、それぞれの項目で評価された 平成30年 ➢ 「小児口腔機能管理加算」【100点】」及び「口腔機能管 理加算」【100点】の新設 令和2年 ➢ 点数の細分化(初診月:80/100 再診月:100/100) ➢ 「小児口腔機能管理料」及び「口腔機 ➢ 「長期管理加算」【100点】の新設 能管理料」を加算から本体に位置付け 令和4年 ➢ 「小児口腔機能管理料」及び「口腔機 能管理料」の年齢要件の見直し 令和6年 ➢ 「小児口腔機能管理料」及び「口腔機 ➢ 「エナメル質初期う蝕 能管理料」の引き下げ【100点→60点】 管理料」【30点】の新 ➢ 口腔機能管理体制強化加算【50点】 設(「エナメル質初期 及び施設基準の新設 う蝕管理加算」【260 点】の廃止) ➢ 「根面う蝕管理料」 【30点】の新設 45 歯科技工士と補綴物の製作工程 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 「歯科技工士」とは、歯科技工(患者に対する補てつ物等の作成、修理または加工)を行う者をいう。 ○ なお、補綴物の製作工程には、医療機関内で製作する場合と医療機関外(歯科技工所)で製作する場合がある。 医療機関内で作成する場合 口 支 印 作 腔 台 象 製 業 内 歯 採 作 模 へ 形 得 型 装 の 成 ワックスによる形態形成 着 埋没 鋳造 完成 医療機関外に作成を委託する場合 歯科技工所 支 口 印 台 象 の 作 腔 歯 採 製 業 内 形 得 作 模 へ 成 型 装 ワックスによる形態形成 着 埋没 鋳造 完成 納品 歯科技工指示書による 作成委託 「歯冠修復及び欠損補綴」の部における 通則注5等を踏まえ、製作技工の費用を支払い 46 歯科技工士連携加算の概要及び算定状況について 中 医 協 総 - 1 7 . 9 . 1 0 ( 改 ) ○ 歯科技工士連携加算は、歯冠補綴物及び欠損補綴物の製作にあたり、歯科医師と歯科技工士が対面または情報通信機器を用 いて連携を行った場合の評価であり、印象採得(光学印象含む)、咬合採得、仮床試適が対象となっているが、補綴時診断は適 応となっていない。 <施設基準> ○保険医療機関内に歯科技工士を配置していること又は他の歯科技工所との連携が図られていること。 ○保険医療機関内の歯科技工士又は他の歯科技工所との情報通信機器を用いた連携に当たって、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関する ガイドライン」に準拠した体制であること。(情報通信機器を用いる場合のみ) 補綴時診断から装着までの流れ(有床義歯の場合) 歯科技工士連携加算の算定回数 (回) 25,000 補綴時診断 1日目 (補綴物の設計・材料の選択等) 20,000 6,586 印象採得 (口腔内の型取り) 15,000 3,912 2日目 咬合採得 10,000 21,516 (咬み合わせの採取) 15,967 1,843 12,744 5,000 仮床試適 3日目 (製作中の有床義歯の適合性の確認) 4,357 0 印象採得 光学印象 咬合採得 仮床試適 4日目 有床義歯の装着 対面 情報通信機器 ※1 歯科技工士連携加算は、補綴物の製作工程につき1回の算定 :歯科技工士連携加算の対象となる行為 ※2 光学印象は対面のみ算定可能 出典:R6社会医療診療行為別統計(8月審査分 ) 47 歯科技工士連携加算の算定実績等 ○ 「歯科技工士連携加算」の算定回数は令和7年2月から3月にかけてやや増加している。 ○ 一方で、当該加算を算定していない理由として「必要性を感じない(従来の技工指示等で対応可能)」と「歯科医師と歯科技工士 が連携を行う時間の調整が難しい」が多い。 歯科技工士連携加算実績(令和7年) 歯科技工士連携加算を算定していない理由 (回) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 18,000 16,316 16,096 15,910 16,000 15,264 算定要件がよく分からない 12.1% 14,000 12,301 必要性を感じない(従来の技工指示等で対応可能) 22.6% 12,000 歯科技工士側の了解が得られない(連携内容や手当 4.0% 10,000 等) 8,000 6,718 6,837 6,840 日々の歯科診療が忙しく時間が取れない 10.5% 6,467 6,000 5,198 歯科医師と歯科技工士が連携を行う時間の調整が難 21.3% しい 4,000 診療報酬上の評価と歯科技工士に対する手当の採算 2,000 9.3% が合わない 0 N=1524 その他 8.1% 複数回答可 1月 2月 3月 4月 5月 算定件数歯科技工士連携加算1 無回答 44.7% 算定件数歯科技工士連携加算2 出典: NDBデータ(令和7年1月~5月)を特別集計 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 48 歯科技工士連携加算を取り組むに当たり工夫している点等 ○ 「歯科技工士連携加算」を円滑に取り組むに当たり工夫している点について、「特に工夫はしていない」が32.3%と最も多かったものの、 工夫している点については様々な内容が取り組まれていた。 ○ また、当該加算が人材定着・確保に寄与した程度については、「現時点で分からない」が最も多く、次いで「多少寄与した」であった。 円滑に取り組むに当たり工夫している点 歯科技工士連携加算が 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 人材定着・確保に寄与した程度 院内に連携を行う歯科技工所名や歯科技工士名 21.8% 2.7% を掲示している 7.4% 本加算の連携内容や手当等を連携を行う歯科技 16.0% 工士と書面で交わしている 本加算について歯科医院から歯科技工所に積極 20.3% 28.1% 的に周知を図っている 連携を行う日時をあらかじめ設定している 19.8% 54.3% 15.2% その他 2.9% N=551 特に工夫はしていない 32.3% 大いに寄与した 多少寄与した N=551 まったく寄与していない 現時点ではわからない 未回答 2.9% 複数回答可 無回答 出典:「かかりつけ歯科医の機能の評価等に関する実態調査」(令和7年度検証調査) 49 3次元プリント有床義歯(3Dプリント義歯)の概要 ○ 3次元プリント義歯とは液槽光重合方式3次元プリント有床義歯製作装置を用いて、作業模型で間接法により造形製作された総 義歯をいい、令和7年12月に保険適用される予定。(※令和8年度改定までは、通常の「有床義歯」の評価を準用) ○ 有床義歯製作をデジタル化することで、一般的な義歯製作に比べて、5時間程度の製作時間の短縮等が報告されている。 【出典:「Digital versus conventional complete dentures: A randomized, controlled, blinded study」 Peroz S, Peroz I, Beuer F, etal:J Prosthet Dent. 2022;128:956–963.】 (3Dプリント義歯の製作工程) 写真:第626回中央社会保険医療協議会総会資料を引用 義歯床部分 歯冠部部分 (一般的な義歯の製作工程) 人工歯配列 埋没・脱ろう・レジン填入 研磨 装着 歯肉形成 50 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬 改定に向けた論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 51 歯科用貴金属価格の随時改定制度の変遷 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 歯科治療で頻用されるクラウン(被せ物)等に用いられる歯科用貴金属材料を構成している金やパラジウム等は、取引価格が産出国の 供給動向や景気の変動を受けやすいため、市場価格の変動を速やかに保険償還価格に反映するために独自のルールを制定。 通常改定時点での 改定年度 改定内容 歯科鋳造用金銀パラジウム合金告示価格 (金12%以上 JIS適合品) 平成12年 歯科用貴金属材料の随時方式が導入 随時改定前の基準材料価格と随時改定時の基準材料価格に±10%以上変 510円/1g 動があった場合は6ヶ月(4、10月)ごとに見直し 平成22年 随時改定前の基準材料価格と随時改定時の基準材料価格に±5%以上変動 619円/1g があった場合は6ヶ月ごとに見直し 令和2年 随時改定方式ⅠとⅡに細分化、これまでの方式(Ⅰ)を踏襲しつつ、随時改定 前の基準材料価格と随時改定時の基準材料価格に±15%以上変動があった 2,083円/1g 場合(Ⅱ)は別途3ヶ月(4、7、10、1月)ごとに見直し 令和4年 変動幅によらず、随時改定を3ヶ月ごとに見直し 3,413円/1g 令和6年 随時改定の時期を診療報酬改定の施行にあわせ、6、9、12、3月に見直し 2,760円/1g ※平均素材価格は金、銀、パラジウムのそれぞれの取引価格平 均値に含有比率を乗じて算出 ※平均素材価格の算出には前回改定以降、改定2カ月前まで の期間の取引価格を用いる 52 歯科治療のデジタル化による効果 <CAD/CAM冠と全部鋳造冠の製作時間(分) > <従来の印象と光学印象の作業時間(秒)> 出典: 「Comparison of digital and conventional impression techniques: evaluation of patients’ perception, treatment comfort,effectiveness 出典:「CAD/CAM冠の製作に要する時間および業務状況の評価 タイムスタディ調査による分析」 and clinical outcomes」 竹井利香,大島克郎,三浦宏子:日口腔保健誌, 12: 34-40, 2022. Yuzbasioglu E, Kurt H, Turunc R, Bilir H:BMC Oral Health2014; 14: 1 5 0 3 002 051 001 05 0 C A D /C A M 冠 製 作 時 間 全 部 鋳 造 冠 製 作 時 間 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ デジタル技術を用いた歯科治療(CAD/CAM冠や光学印象)は、作業時間の短縮(歯科治療の効率化)や業務負担軽減が報 告されている。 ・CAD/CAM冠は全部鋳造(金属)冠と比較して、製作時間が約15分短く、技工業務の効率化・負担軽減を感じる者が多かった。【左欄】 ・デジタル(光学)印象は従来の印象法と比較して、当該行為に係る診療時間が6分程度有意に短くなった。【右欄】 ・Wilcoxon符号順位検定、 対象及び調査方法 :従来の印象法やデジタル(光学)印象を経験したことがないイスタンブール大学の p<0.001 医歯学部の学生24人が、それぞれの方法を実施 ・CAD/CAM冠製作時間 (n=92) Efficiency Conventional Digital P-value :中央値60分 ※括弧左は従来、右はデジタル (従来:アナログ) (デジタル) 平均値66.7分(SD 29.1) Tray selection 18,87 19,08 >0.05 ・全部鋳造冠製作時間(n=92) /Patient information ±2,42 ±3,57 :中央値77分 (トレーの選択/患者情報の入力) 平均値78.0分(SD 26.8) Adhesive application 27,75 13,63 <0.001* /Laboratory prescription ±3,12 ±1,98 (トレーに接着剤塗布/技工指示内容 の入力) Upper impression 240,70 102,14 <0.001* <CAD/CAM システム導入による日常の歯科技工業務への変化>(複数回答) /Upper scan ±16,38 ±17,77 (上顎印象/上顎スキャン) Lower impression 226,10 98,94 <0.001* /Lower scan ±10,89 ±10,56 (下顎印象/下顎スキャン) Bite registration 91,96 14,68 <0.001* /Bite scan ±10,74 ±3,82 (咬合採得/咬合スキャン) Total treatment time 605,38秒 248,48秒 <0.001* n=92 (合計診療時間) ±23,66 ±23,22 歯の部位と歯冠修復の種類(金属材料・非金属材料別) 中 医 協 総 - 3 5.7.12(改) 金属 ○4分の3冠 材料 アナログ ○レジン前装金属冠 前歯 ○レジン前装チタン冠(R4.4~) 非金属 アナログ ○硬質レジンジャケット冠 材料 デジタル ○CAD/CAM冠(R2.9~) 金属 アナログ ○5分の4冠 材料 ○全部金属冠 小臼歯 非金属 アナログ ○硬質レジンジャケット冠 材料 デジタル ○CAD/CAM冠(H26.4~) 金属 アナログ ○全部金属冠 材料 ○チタン冠(R2.6~) アナログ ○硬質レジンジャケット冠 ・金属アレルギー患者:全ての大臼歯(H28.4~) ○CAD/CAM冠 大臼歯 ・金属アレルギー患者:全ての大臼歯(H28.4~) 非金属 ・金属アレルギー患者以外 材料 ①CAD/CAM冠用材料Ⅴ:全ての大臼歯(R5.12~) デジタル ②CAD/CAM冠用材料Ⅲ(R6.4~) :第一大臼歯又は第二大臼歯にを使用する場合であっ て、当該CAD/CAM冠を装着する部位の対側に大臼歯 による咬合支持がある患者であって、いずれかに該当す る場合 ✓ CAD/CAM冠装着部位の同側に大臼歯に咬合支 持がある場合 ✓ 当該補綴部位の対合歯が欠損であり、当該補綴部 位の近心側隣在歯までの咬合支持がある場合 (参考)冠形態以外の非金属材料を用いる補綴治療 :支台築造(ファイバーポスト) CAD/CAMインレー(小臼歯・第一大臼歯) 高強度硬質レジンブリッジ(第2小臼歯欠損の場合の臼歯3歯ブリッジ) 54 CAD/CAM冠等の大臼歯の適応症例について ○ 大臼歯に適応されるCAD/CAM冠等に関しては、長期的かつ安定的に使用する観点から、咬合支持等の要件が設定されている。 他方で、金属アレルギーを有する患者については、特に制限が設けられていない。 一般の患者 (参考)金属アレルギーを有する患者 第一大臼歯又は第二大臼歯にCAD/CAM冠用材料(Ⅲ)を使用する場合は、当該 CAD/CAM冠を装着する部位の対側に大臼歯による咬合支持(固定性ブリッジによる 咬合支持を含む。)がある患者であって、以下のいずれかに該当する場合に限定 ①当該CAD/CAM冠を装着する部位と同側に大臼歯による咬合支持があり、当該補 綴部位に過度な咬合圧が加わらない場合等 ②当該CAD/CAM冠を装着する部位の同側に大臼歯による咬合支持がない場合は、 当該補綴部位の対合歯が欠損(部分床義歯を装着している場合を含む。)であ り、当該補綴部位の近心側隣在歯までの咬合支持(固定性ブリッジ又は乳歯 (後継永久歯が先天性に欠如している乳歯を含む。) による咬合支持を含 大臼歯の適応について、 む。)がある場合 特に制限が設けられていない CAD/CAM冠 ※CAD/CAM冠用材料(Ⅴ)は特に制限なし ※医科の保険医療機関又は医科歯科併設 の保険医療機関の医師の診療情報提供 <参考>咬合支持の要件を満たす場合の例 料(診断)が必要 【①の例】装着部位同側(右側)第一大臼歯 【②の例】装着部位(右側)近心隣在歯(小臼 +反対側(左側)第二大臼歯咬合支持あり 歯)まで+反対側(左側)第一大臼歯で咬合あり :CAD/CAM冠装着部位 :大臼歯による咬合支持 :装着部位の近心側隣在歯(小臼歯)までの咬合支持 CAD/CAM 大臼歯の適応に関する咬合支持の要件は上記と同様 上記と同様 インレー 55 CAD/CAM冠の大臼歯の適応に関する文献 ○ CAD/CAM冠を大臼歯に装着した場合の部位の違いによる保存期間等の有意差は認められなかった。 装着部位の予後の比較 多変量Cox比例ハザード分析において、第一大臼歯と最後方臼 歯の違いによるハザード比に有意差は認められなかった Kaplan-Meier法の生存曲線においても、部位の違いによる 生存期間に有意差は認められなかった 出典:Inomata M, Potential complications of CAD/CAM-produced resin composite crowns on molars: A retrospective cohort study over four years. PLoS One. 2022 Apr 7;17(4):e0266358. 56 クラウン・ブリッジ維持管理料について ○ クラウン・ブリッジ維持管理料は、歯冠補綴物またはブリッジを製作した場合に、2年間、装着後の補綴物の費用を当該管理料で保 証するもの。補綴物の耐久性や金属アレルギーの有無等により対象が整理されている。 <主な算定要件> ●歯冠補綴物又はブリッジを保険医療機関において装着した日から起算して2年以内に、当該保険医療機関が当該補綴部位に係る新たな歯冠補綴 物又はブリッジを製作し、当該補綴物を装着した場合の補綴関連検査並びに歯冠修復及び欠損補綴の費用が含まれる。 ●当該保険医療機関において歯冠補綴物又はブリッジを装着した日から起算して2年以内に行った次に掲げる診療に係る費用は、別に算定できない。 イ 当該歯冠補綴物又はブリッジを装着した歯に対して行った充填 ロ 当該歯冠補綴物又はブリッジが離脱した場合の装着 対象となる主な症例 対象とならない主な症例 ・4分の3冠(前歯) ・チタン冠 ・5分の4冠(小臼歯) ・レジン前装チタン冠 ・全部金属冠(小臼歯及び大臼歯) 歯冠補綴物 ・硬質レジンジャケット冠 ・レジン前装金属冠 ・CAD/CAM冠 ※上記は、永久歯(ブリッジの支台歯の場合を除く)に対する症例 ・歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者に対する硬質レジンジャケッ ト冠及びCAD/CAM冠 ・歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者に対する高強度硬質レジン ブリッジ ・全てのブリッジ(高強度硬質レジンブリッジも含む) ブリッジ ・全ての支台をインレーとするブリッジ (回) クラウン・ブリッジ維持管理料の算定回数 1,200,000 1,000,000 997,086 916,299 963,362 937,576 959,725 800,000 600,000 470,060 400,000 160,843 142,285 150,881 142,623 144,561 166,942 200,000 13,276 12,164 11,877 11,295 11,349 13,253 0 R1 R2 R3 R4 R5 R6 歯冠補綴物 支台歯とポンティックの数の合計が5歯以下 支台歯とポンティックの数の合計が6歯以上 注:R6改定で、4分の3冠、5分の4冠、全部金属冠、レジン前装金属冠を対象から除外 出典:社会医療診療行為別統計(各年6月審査分、8月審査分【R6】 ) 57 局部義歯に用いられるクラスプやバーについて ○ 局部義歯に附属されるクラスプやバーについては、歯科鋳造用金銀パラジウム合金や歯科鋳造用コバルトクロム合金等が使用されて おり、鋳造用コバルトクロム合金が多く使用されている。 クラスプ (上:双子鉤 下:二腕鉤) クラスプ:残っている歯に引っ掛けて義歯を固定するた バー めの装置 バー :離れた位置にある義歯床同士や義歯床と クラスプ等を連結する板状の装置 写真出典:「歯学生のパーシャルデンチャー」 (医歯薬出版) 歯科鋳造用金銀パラジウム合金 歯科鋳造用コバルトクロム合金 長所 • 機械的強度が高く加工しやすい(コバルトクロム合 • 錆びにくいので変色しにくい 金よりも強度は劣るため太さが必要) • 機械的強度が高い 短所 • 金属アレルギーを引き起こす可能性がある • 機械的強度が高いので加工しにくい • 変色を起こすことがある • 金属アレルギーを引き起こす可能性がある 鋳造鉤によ 算定回数 151,302回 374,952回 る二腕鉤 材料料 大臼歯:846点 犬歯・小臼歯:735点 5点 使 (R7.12時点) 前歯(切歯):682点 用 鋳造バー 算定回数 20,165回 113,064回 例 材料料 1,975点 18点 (R7.12時点) 注:歯科鋳造用金銀パラジウム合金の鉤(クラスプ)やバーの材料料は、随時改定によって3ヶ月ごとに改定される 出典:社会医療診療行為別統計(令和6年8月審査分 ) 58 光学印象について ○ 診療報酬上、口腔内スキャナーを用いた光学印象は、「CAD/CAMインレー」に限定されているが、クラウンの方がインレーよりも精度が 高いこと等が報告されている。 研究概要① 3種類の異なる口腔内スキャナー(Trios、Omnicam、i500)を用いて、各模型を10回スキャンし、参照模型との比較(真度)や各ス キャナーの精度を検討した結果、クラウン形状の方がインレー形状よりも真度や精度が高かった。 クラウン形状 インレー形状 出典: Yasmine Ashraf, Ahmed Sabet, Amina Hamdy, Kamal Ebeid. Influence of Preparation Type and Tooth Geometry on the Accuracy of Different Intraoral Scanners. 真 度 精 度 J Prosthodont. 2020 Dec;29(9):800-804. (測定値と基準値の差) (測定値のばらつき) ※Triosの結果のみ抜粋 すべての修復物が 研究概要② ほぼ同等 CEREC Bluecam(BC)およびCEREC Omnicam(OC)スキャナーを 用いて、3種類のCAD/CAM修復物(クラウン、インレー、アンレー) クラウンとインレー が良好 の辺縁適合精度を評価した結果、BCでは、すべての修復物の辺縁隙間 はほぼ同等であった。OCでは、クラウンとインレーがアンレーより も良好な辺縁適合を示した。 出典: Tyson C. Merrill, Thomas Mackey, Raymond Luc, Dominique Lung, Aneela Naseem, Jaafar Abduo . Effect of Chairside CAD/CAM Restoration Type on Marginal Fit Accuracy: A Comparison of Crown, Inlay and Onlay Restorations. European Journal of Prosthodontics and Restorative Dentistry (2021) 29, 119–127. 59 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬 改定に向けた論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 60 その他について1(歯科点数表の取扱いの明確化等) ○ 歯科点数表で解釈が示されていない内容(医科と同じ取扱いで運用されている通知等も含む)が複数存在しており、歯科診療の実 態に即して、歯科点数表の取扱いを明確化又は見直すことが必要。 歯科点数表で解釈が示されていない内容の例 <画像診断の部における同一部位及び同時の解釈> 算定告示(歯科点数表) 留意事項通知(医科点数表) 2 同一の部位につき、同時に2以上のエックス線撮影を行った場合 ・「同一の部位」とは、部位的な一致に加え、腎と尿管、胸椎下部と における第1節の診断料(区 分番号E000に掲げる写真診断 腰椎上部のように通常同一フィルム面に撮影し得る範囲をいう。 ただ (3に係るものに限る。)を除く。)は、第1の診断については第 し、食道・胃・十二指腸、血管系(血管及び心臓)、リンパ管系及 1節の各区分の所定点数により、第2の診断以後の診断につい び脳脊髄腔につ いては、それぞれ全体を「同一の部位」として取り扱 ては、同節の各区分の所定点数の100分の50に相当する点数に うものである。 より算定する。 ・「同時に」とは、診断するため予定される一連の経過の間に行われた 3 同一の部位につき、同時に2枚以上同一の方法により、撮影を ものをいう。例えば、消化管の造影剤使用写真診断(食道・胃・十 行った場合における第2節の撮影料(区分番号E100に掲げる 二指腸等)において、 造影剤を嚥下させて写真撮影し、その後2 歯、歯周組織、顎骨、口腔軟組織(3に係るものに限る。) を ~3時間経過して再びレリーフ像を撮影した場合は、その診断料は 除く。)は、特に規定する場合を除き、第1枚目の撮影について 100 分の 50 とする。 ただし、胸部単純写真を撮影して診断した結 は第2節の各区分の所定点 数により、第2枚目から第5枚目ま 果、断層像の撮影の必要性を認めて、当該断層像の撮影を行った での撮影については同節の各区分の所定点数の100分の50に 場合等、第1の写真診断を行った後に別種の第2の撮影、診断の 相当する点数により算定し、第6枚目以後の撮影については算 必 要性を認めて第2の撮影診断を行った場合は、「同時に」には該 定できない。 当せず、第2の診断についても 100 分の 50 とはしない。 歯科点数表で解釈が示されていないため、医科点数表の運用を参考にしているものの、医科診療と歯科診療では、画像診断を行 う部位や撮影法が異なっている。 61 その他について2(歯科点数表の簡素化) ○ 内容が類似する項目や複数年にわたり算定実績がない項目(医学管理、在宅)等が複数存在しており、これらの項目は統合又は 廃止し、歯科点数表を簡素化することが必要。 内容が類似している項目の例 M003-2 テンポラリークラウン I018 歯周治療用装置(冠形態) 外 観 外観(形態)や咬 合関係等の口腔機 能の維持を図る観 点は一致 ※ リテーナーはブリッジを製作するまでに暫間的に装着 する装置(欠損歯部分も含めて上記を連結させた もの)で外観(形態)は異なるが目的は同じ 点 数 34点 50点 目 的 隣在歯の移動防止、支台歯の保護など 咀嚼機能の回復、残存歯の咬合負担軽減など 対象症例 歯冠形成を予定している前歯部 重度の歯周病 ※歯種は限定されていない 写真:日本大学松戸歯学部 小方特任教授よりご提供 算定実績がない主な項目(医学管理、在宅)の例 項目名 主な算定要件 算定要件に照らし合 わせると医科で算定 救急搬送診療料 患者を救急用の自動車で保険医療機関に搬送する際、診療上の必要から当該自動 される内容であり、歯 車に同乗して診療を行った場合に算定する。 科診療で算定される 在宅麻薬等注射指導管理料 悪性腫瘍の患者であって、入院中の患者以外の末期の患者に対して、在宅における麻 ことが想定しにくい。 薬等の注射に関する指導管理を行った場合に月1回に限り算定する。 62 その他について3(歯科点数表の告示項目名の見直し等) ○ 算定告示名と算定要件(内容)が一致していない項目が複数存在しており、これらの項目は項目名称と内容が合致するよう、整理 する必要がある。 算定告示名と算定要件が一致していない項目の例 B001-3 歯周病患者画像活用指導料 指導料でありな 注 歯周病に罹患している患者に対して区分番号D002に掲げる歯周病検査を実施する場合において、継続的な管理を行うに当 がら、写真の枚 たって必要な口腔内写真を撮影し、当該患者又はその家族等に対し療養上必要な指導を行った場合に算定する。なお、2枚 数で評価されて 以上撮影した場合は、2枚目から1枚につき10点を所定点数に加算し、1回につき5枚に限り算定する。 いる。 I000 う蝕処置 (2) 「う蝕処置」は、次の処置をいう。 イ う蝕歯に行った軟化象牙質の除去又は暫間充填 「う蝕処置」で ロ 歯根未完成の永久歯の歯内療法実施中に、根尖部の閉鎖状態の予後観察のために行った水酸化カルシウム系糊剤等に ありながら、う蝕 歯以外の内容 よる暫間根管充填に併せて行った暫間充填 が含まれている。 ハ 歯髄保護処置又は歯冠修復物の脱落時の再装着等を行うに当たって軟化象牙質等の除去若しくは燐酸セメント若しくは カルボキシレートセメント等を用いた暫間充填 I000-2 咬合調整 (1) 次に掲げる場合に算定する。 イ 一次性咬合性外傷の場合 咬合調整では ロ 二次性咬合性外傷の場合 ない内容が含 ハ 歯冠形態修正の場合 まれている。 ニ レスト製作の場合 ホ 第13部 歯科矯正に伴うディスキングの場合 口腔内軟組織 J073 口腔内軟組織異物(人工物)除去術 異物ではない、 (1) 「簡単なもの」とは、異物(人工物)が比較的浅い組織内にあり、非観血的あるいは簡単な切開で除去できるものをいう。な 歯の破折片が 含まれている。 お、歯の破折片の除去(う蝕除去に伴うものを除く。)に係る費用は、「1 簡単なもの」により算定する。(略) 63 その他について4(歯科点数表の麻酔薬剤料の取扱い) ○ 歯科診療において局所麻酔を行うことがあるが、歯科診療点数表においては、歯科治療に伴い麻酔を行った場合の薬剤料が算定 できない項目がいくつか存在している。 麻酔薬剤料が算定できない項目 部 項目 概要 処置 所定点数が120点以上の処置 120点以上のう蝕や歯周病等に対する処置 ※生活歯髄切断及び抜髄は令和6年度改定で算定できるように 見直し 歯冠修復及び欠損補綴 歯冠形成 修復物や補綴物を装着するために歯を切削し、形態を整える行為 う蝕歯即時充填形成 う蝕歯に対して1日で当該歯の硬組織処置及び窩洞形成を完 了し充填を行う行為 う蝕歯インレー修復形成 う蝕歯に対して1日で当該歯の硬組織処置及び窩洞形成を完 了し、印象採得及び咬合採得までを行う行為 (参考)歯科用局所麻酔薬の主な製品と薬価(令和7年4月1日時点) 製品名 薬価 リドカイン塩酸塩・アドレナリン注射液 歯科用キシロカインカートリッジ 1.8mL 1管 79.60円 プロピトカイン塩酸塩・フェリプレシン注射液 歯科用シタネストーオクタプレシンカートリッジ 1.8mL 1管 71.70円 メピバカイン塩酸塩注射液 スキャンドネストカートリッジ3% 1.8mL 1管 169.90円 アルチカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩注射液 セプトカイン配合注カートリッジ 1.7mL 1管 191.20円 64 現状と課題1 (歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療について) ○ 口腔機能低下症や口腔機能発達不全症の患者に対しては、特別な管理が必要であるにも関わらず、「口腔機能管 理料」又は「小児口腔機能管理料」の対象とならない患者が存在している。また、「歯科疾患管理料」と「歯科疾 患在宅療養管理料」は外来と在宅・施設等で管理を行う場所は異なるものの、管理の目的や趣旨は一致している。 ○ 「新製有床義歯管理料」と「歯科口腔リハビリテーション料1」の両者において有床義歯の調整と指導が1口腔 を単位とされており、算定時期によりどちらかを算定するが、新たに製作した有床義歯の取扱方法等の指導は義歯 の構造や形態によって異なっている。 ○ 「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」の治療内容は類似しており、歯周基本治療による歯周ポ ケットの減少量が小さい部位では、継続治療中に歯周ポケットの深化が認められることが報告されるなど、部位に よって歯周ポケットの深さが変化することが臨床上十分にあり得る。 ○ 「小児義歯」は原則として認められていないが、臨床現場では可撤式保隙装置として使用されている実態がある。 また、保隙装置装着後は正常な咬合誘導を行うために調整や修理を行うことがある。 ○ 「歯科矯正相談料」は、歯科矯正を行うどの保険医療機関においても、患者に対して適切に説明ができるよう質 の担保が必要である。また、歯科矯正の対象患者について、重篤な咬合異常と有意に関係する多数の先天性欠損歯 を有する患者は対象となっていない。 (多職種連携について) ○ 周術期等口腔機能管理に係る計画書は、手術後の状況等によって管理計画を変更することがあるが、「周術期等 口腔機能管理計画策定料」は、手術等に係る一連の治療を通じて1回の算定となっている。また、「周術期等口腔 機能管理料」又は「回復期等口腔機能管理料」の算定が要件になっていない一部の処置が算定できない実態がある。 ○ 医科の入院・外来患者において、歯科受診が必要にも関わらず、あまり連携が進んでいない。 65 現状と課題2 (歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保について) ○ 歯科衛生士の業務に係る評価である「口腔機能指導加算」は算定実績が低く、その理由として「歯科衛生士が忙しく 指導を行う時間がない」が最も多かった。また、「口腔機能指導加算」は「歯科衛生実地指導料」の加算であるため両者 を同時に行う必要があり、「専門的な指導を行う歯科衛生士がいない」という回答も多かった。 ○ 歯科医師と歯科技工士の連携を評価した「歯科技工士連携加算」に関しては、様々な取組を進めることによる効果 が見られたが、他方で、「必要性を感じない」や「歯科医師と歯科技工士が連携を行う時間の調整が難しい」等の課題がある。 (歯科治療のデジタル化等について) ○ 歯科用貴金属(金、パラジウム等)は、市場価格の変動を受けやすいため、診療報酬改定時以外に3か月ごとに価 格の見直しを行っている。 ○ 他方、歯科用貴金属を用いない「CAD/CAM冠」、「CAD/CAMインレー」等は適応症例が限定されており、「補 綴物維持管理料」の対象は、金属アレルギーの有無や材料によって取扱いが異なっている。また、光学印象に関して は「CAD/CAMインレー」に限定されている。 ○ また、局部義歯に附属されるクラスプやバーの一部で、歯科用貴金属が使用されている。 (その他について) ○ 歯科点数表において、①歯科点数表で解釈が示されていない内容、②内容が類似する項目や複数年にわたり算定実 績がない項目、③算定告示名と算定要件が一致していない項目、④歯科治療に伴い局所麻酔を行った場合に麻酔薬剤 料が算定できない項目、が複数存在している。 66 論点1 (歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療について) ○ 歯科医学的管理等に関する下記の項目に関して、見直すことについてどのように考えるか。また、その際の算定 回数の変化等を踏まえて、各項目の点数を見直すことに関してどのように考えるか。 ・「口腔機能管理料」及び「小児口腔機能管理料」については、口腔機能低下症等にもかかわらず、算定要件を満 たしていないために管理されていない患者がいることから、「口腔機能管理料」又は「小児口腔機能管理料」の 対象患者等を見直すことに関してどのように考えるか。また、「歯科疾患管理料」については「歯科疾患在宅療 管理料」の要件に合わせることに関してどのように考えるか。 ・「新製有床義歯管理料」については、有床義歯の構造や形態によって指導方法が異なることから、装置ごとに管 理が実施できるよう、算定単位を見直すこと等に関してどのように考えるか。 ・「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」については、治療内容が類似しており、歯周病治療を効果 的に進める観点から、現在の要件を踏まえつつ統合することに関してどのように考えるか。 ○ 診療実態を踏まえ、小児義歯を「小児保隙装置」に位置づけることや、「小児保隙装置」に対する調整や修理に 要する評価を設定することに関してどのように考えるか。 ○ 「歯科矯正相談料」については、患者に対して適切に説明ができるよう、関連学会が取りまとめた考え方に示さ れている結果報告書(説明書)を標準様式として運用することに関してどのように考えるか。また、連続する3歯 以上の先天性欠損歯を有する患者を対象に追加することに関してどのように考えるか。 ○ その他、生活の質に配慮した歯科固有の技術については、臨床実態を踏まえつつ、評価や取扱いを見直すことに 関してどのように考えるか。 (多職種連携について) ○ 「周術期等口腔機能管理計画策定料」については、管理計画の修正等が生じた場合の評価を見直すことに関して どのように考えるか。また、「周術期等口腔機能管理料」又は「回復期等口腔機能管理料」を算定している場合に、 一部の処置を算定可能とすることに関してどのように考えるか。 ○ 入院患者の口腔衛生などの取組と、糖尿病患者の歯科への受診指導の観点から、医科歯科連携の更なる推進につ いて、歯科点数表の評価に関してどのように考えるか。 67 論点2 (歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保について) ○ 「口腔機能指導加算」については、口腔機能低下症等に対する指導を効果的に行うために、指導を実施する歯科衛 生士の研修受講等を要件とした上で、加算から本体に見直すこと等に関してどのように考えるか。 ○ 「歯科技工士連携加算」については、歯科医師と歯科技工士が効果的に連携するための方法や、歯科技工士の確 保・定着に資する取組等を参考として、対象範囲や施設基準を見直すことに関してどのように考えるか。また、口 腔機能の維持・回復を図る補綴物が円滑に製作・委託できるように、歯冠修復及び欠損補綴の評価や取扱いの見直 し、明確化に関してどのように考えるか。 (歯科治療のデジタル化等について) ○ 今般の歯科用貴金属を取り巻く状況を踏まえ、「CAD/CAM冠」、「CAD/CAMインレー」等の活用が更に進むよ う、大臼歯の咬合支持等の要件を見直すとともに、当該要件の見直しによる影響を踏まえて、「クラウン・ブリッ ジ維持管理料」の対象や評価等を見直すことに関してどのように考えるか。 ○ 局部義歯に附属されるクラスプやバーについては、歯科鋳造用金銀パラジウム合金を使用する特段の理由がある場 合を除き、原則、歯科鋳造用コバルトクロム合金を使用する運用に見直すことに関してのように考えるか。 ○ 「光学印象」については、クラウンの精度等はインレーと同等以上であることを踏まえ、「CAD/CAM冠」に拡充 することに関してどのように考えるか。 (その他について) ○ 歯科点数表において、①歯科点数表で解釈が示されていない内容、②内容が類似する項目や複数年にわたり算定実 績がない項目、③算定告示名と算定要件が一致していない項目、④歯科治療に伴い局所麻酔を行った場合に麻酔薬 剤料が算定できない項目の一部について、歯科診療の実態を踏まえつつ整理することに関してどのように考えるか。 68 中医協 総ー2参考 7 . 1 1 . 2 1 歯科医療(その2) 参考資料 歯科医療提供体制等に関する検討会 中間とりまとめ(令和6年5月27日) (1)かかりつけ歯科医の役割 (2)歯科医療機関の機能分化と連携 ○住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応、切れ目のない提供体制の確 ○各歯科医療機関の機能の把握・見える化の推進 保、他職種との連携の確保 ○国民・患者からの多様化するニーズへの対応や高い専門性を有するこ ○訪問歯科診療や障害児・者への対応、患者の基礎疾患や認知症の有無、 とが求められるため、診診連携・病診連携の推進により、地域において 多剤服用に係る状況等への理解、ライフステージに応じた歯科疾患の予 カバーできる体制づくりの必要性 防や口腔の管理への対応 ○ICTの利活用等の推進 ○かかりつけ歯科医を持つことができる歯科医療提供体制の構築や、か ○歯科医療資源に応じた機能分化や連携の在り方等、地域特性に応じた かりつけ歯科医を持つ意義についての普及啓発等の推進 歯科医療提供体制の構築の検討 ○新興感染症発生・拡大時における歯科医療提供体制の整備 (3)病院歯科等の役割 (4)地域包括ケアシステムにおける医科歯科連携・多職種連携 ○それぞれの地域における役割の明確化 ○他職種の口腔の管理への関心を高めるため、他職種からの歯科医療に ○歯科医療従事者の配置状況や機能等の把握・分析 対するニーズを把握し、相互理解を深めることの重要性 ○果たす役割を認識し、歯科診療所等との連携の推進 ○対応が可能な歯科医療機関の機能を含めた歯科医療資源の見える化 ○医科歯科連携の推進(入院患者等に対する口腔の管理等) ○他職種等に対し、口腔に関する理解を深めてもらうため、学部・専門 分野の教育の段階から、口腔の管理の重要性等を学ぶ機会の充実 ○歯科医療資源の再構成による機能分化や連携体制の構築等、既存の歯 科診療所や有床診療所等の効果的な活用について併せて検討することの ○人生の最終段階における口腔の管理に対する歯科専門職が関与するこ 重要性 との重要性 (5)障害児・者等への歯科医療提供体制 (6)歯科専門職種の人材確保・育成等 ○障害の内容や重度別の分析に加え、対応が可能な歯科医療機関の機能 ○歯科専門職が健康に働き続けることのできる環境を整備することの重 の見える化 要性 ○いわゆる口腔保健センターや規模・特性の多様化を踏まえた歯科診療 ○学部教育から臨床研修、生涯研修におけるシームレスな歯科医師育成 所に求められる役割の整理 ○円滑な多職種連携の推進のため、学部教育の段階から他職種の役割等 ○ハード(設備整備等)及びソフト(人材育成、多職種連携等)の両面 を継続的に学び、交流を行いながら理解を促進 での取組の充実 ○歯科衛生士及び歯科技工士の確保(人材確保、職場環境の整備等) ○医療的ケア児を含め障害児・者等が、地域の歯科医療ネットワーク等、 ○行政、教育機関、関係団体や関係学会等が特性を活かし合い、連携し 地域で支えられ歯科医療を受けることができる歯科医療提供体制の構築 ながら、知識や技術をスキルアップするのための取組の実施 (7)都道府県等行政における歯科医療提供体制の検討の進め方について ○地域ごとの歯科医療資源や住民ニーズの把握・見える化、PDCAサイクルに基づく取組の推進、計画的な評価の実施 ○歯科医療提供体制の目指す姿を設定し、バックキャストで考えることの重要性 ○地域の関係団体等と連携し、目指す姿や目標等の共通認識を深めながら取り組むことの重要性 70 第 1 0( 回令 歯和 科6 医年 療1 提2 月 供 2 体5 制日 等) に資 関料 す2 る( 検改 討) 会 中医協 総-4 7 . 6 . 2 5 目指す歯科医療提供体制の方向性(案) ○ 多様化するニーズや歯科医療資源を含め、地域の特性を踏まえた、その地域に必要な歯科医療を提供する仕組みの構築が必要で ある。 ○ また、歯科医師の高齢化や偏在により、歯科医師の確保が課題になっている地域も出始めている。 ○ 都道府県においては、地域住民のニーズに応じて、歯科医療機関の機能分化(かかりつけの歯科診療所、専門性機能を持つ歯科 診療所、大学病院・病院歯科等)も踏まえつつ、それぞれの機能に応じた歯科医療資源を確保するとともに、歯科医療提供体制を 構築することが求められる。 かかりつけの歯科診療所 歯医者の建物のイラスト ○ ライフコースを通じた口腔健康管理を行い、歯・口腔に関 する相談に応じてくれる身近な存在 歯医者さんのイラスト(職業) 歯科のない病院 ○ ライフステージに応じた歯科疾患の予防・重症化予防、歯 医科診療所 科治療、口腔機能管理 在宅歯科医療・ ○ 在宅歯科医療 連携 薬局 ○ 障害児・者への歯科医療 ○ 医歯薬連携、介護関係者等の他職種との連携 等 歯科受診 連 携 ○ × 歯 専門的な機能を持つ歯科診療 科 医 院 所 ○ 歯 科 医 院 × × ○ 歯 科 医 地域住民 介 障 護 害 施 者 設 施 ・ 施設等 院 ○ 専門性が高い歯科医療の提供機能 ・専門性が高い外来歯科医療 学校 (歯科保存、歯周病、補綴歯科、小児歯科、矯正歯科、 口腔外科等) 行政 ・障害児・者等の歯科医療(全身麻酔・静脈内鎮静等) ・専門性が高い在宅歯科医療 等 歯科大学病院・病院歯科等 ○人材育成の拠点 ○病院歯科の機能や専 ○過疎地域を含め地域 ○大規模災害や新興感 ○入院患者の口腔管理 ○入院患者の口腔管理 門性を活用した歯科 の歯科医療機関の後 染症等のパンデミッ 【急性期】 【回復期(包括期)・慢性期】 医療の提供機能 方支援機能 ク発生時の対応 ・周術期や化学療法・放 ・口腔機能の回復 射線治療等の口腔衛生 ・リハビリテーション・ 地域歯科医療提供体制の拠点的な役割 管理・口腔機能管理 栄養との連携 等 地域特性に応じた歯科医療提供体制構築の具体的検討のために、今後の必要量や歯科医師の適切な配置について検討することが必要。 71 中 7 医 . 協 6 総 . - 2 4 5 第10回歯科医療提供体制等に関する検討会 (令和6年12月25日)資料2 <骨太の方針>経済財政運営と改革の基本方針 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 「経済財政運営と改革の基本方針2025」(令和7年6月13日閣議決定)(歯科関連) (注:下線は主な変更箇所) 糖尿病と歯周病との関係など全身の健康と口腔の健康に関するエビデンスの活用、生涯を通じた歯科健 診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた具体的な取組、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につ ながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医歯薬連携などの多職種連携、歯科衛生 士・歯科技工士の離職対策を含む人材確保、歯科技工所の質の担保、歯科領域のICT活用、歯科医師 の不足する地域の分析等を含めた適切な配置の検討を含む歯科保健医療提供体制構築の推進・強化に取 り組むとともに、有効性・安全性が認められたデジタル化等の新技術・新材料の保険導入を推進する。 (参考)「経済財政運営と改革の基本方針2024」(令和6年6月21日閣議決定)(抜粋) 全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の活用と国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向け た具体的な取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医歯 薬連携を始めとする多職種間の連携、歯科衛生士・歯科技工士等の人材確保の必要性を踏まえた対応、歯科領域におけるICTの活用の推 進、各分野等における歯科医師の適切な配置の推進により、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組むとともに、有効性・安全性が認 められた新技術・新材料の保険導入を推進する。 市場価格に左右されない歯科用材料 (新歯科医療機器・歯科医療技術産業ビジョン2022版から抜粋) • 市場価格が大きく変動する貴金属素材に依存している現状は、臨床家への安定供給の面から決して好ましいとは言え ない。 • 市場価格の変動が少なく、かつ安価な素材を活用して、歯科用貴金属合金の用途に用いることができる新たな歯科材 料の開発の必要性はかねてより指摘されてきた。 • CAD/CAM 用歯科切削加工用レジンの機械的強度をさらに高めて、ブリッジにも適用可能にする開発も今後指向され ると考えられる 72 中医協 総-1 7.9.10 歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえて次期診療報酬改定で対応する内容 「歯科医療提供体制等に関する検討会(R6.5中間取りまとめ)」、「経済財政運営と改革の基本方針2025」による提言 等を踏まえつつ、限られた医療資源(歯科医療機関、歯科専門職)を最大限活用し、各地域の多様化する患者ニーズに 応えるために、下記の内容について重点的に対応を行う。 在宅歯科医療 訪問歯科診療や障害児・者への対応、患者の基礎疾患や認知症の有無、 障害者歯科医療 多剤服用に係る状況等への理解、ライフステージに応じた歯科疾患の予 歯科疾患・口腔機能の管理等の 防や口腔管理への対応 生活の質に配慮した歯科医療 在宅歯科医療 歯科医療資源に応じた機能分化や連携の在り方等、地域特性に応じた歯 科医療提供体制の構築 へき地等歯科医療 医科歯科連携の推進(入院患者等に対する口腔の管理等) 多職種連携 歯科衛生士・歯科技工士 歯科衛生士及び歯科技工士の確保(人材確保、職場環境の整備等) の定着・確保 有効性・安全性が認められたデジタル化等の新技術・新材料の保険導入 歯科治療のデジタル化等 の推進 :「歯科医療提供体制等に関する検討会(R6.5中間とりまとめ)」の提言 :「経済財政運営と改革の基本方針2025」の提言 :「歯科医療提供体制等に関する検討会(R6.5中間とりまとめ)」及び「経済財政運営と改革の基本方針2025」の提言 73 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬改定に向けた 論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 74 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-7 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価-④ かかりつけ歯科医の役割(イメージ) ○ ライフコースを通じて、継続的・定期的な歯科疾患(う蝕、歯周病等)の重症化予防や口腔機能の問題に対応 することにより生涯を通じた口腔の健康の維持に寄与する。 クリニック 訪問デンタル 在宅療養支援歯科診療所など 歯科訪問診療 歯科訪問診療 連携 歯医者の建物のイラスト 歯医者さんのイラスト(職業) かかりつけ歯科医 医療的ケア児など 要介護高齢者など 乳幼児期 青年期 壮年期 高齢期 口腔機能の獲得 口腔機能の維持 口 口腔機能の回復 腔 疾 う蝕の重症化予防(エナメル質初期う蝕) 患 う蝕の重症化予防 の (根面う蝕) 管 理 歯周病の重症化予防 75 歯科疾患管理料等の管理の概要について 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 歯科疾患管理料は、歯科疾患に関連した口腔機能の確認等により管理【左票】が行われているが、口腔機能低下症等の管理は、口 腔機能に関する様々な検査結果等により特別な管理【右票】が行われている。 :口腔機能に関する事項 76 中 医 協 総 - 2 加齢による口腔機能の変化のイメージ 2 5 . 7 . 3 1 ( 改 ) 【歯科口腔保健の推進に関する法律(平成23年法律第95号)第12条第1項の規定に基づく基本的事項】 第一 歯科口腔保健の推進のための基本的な方針 三 生活の質の向上に向けた口腔機能の維持・向上 食べる喜び、話す楽しみ等の生活の質の向上等のために、口腔機能の獲得・維持・向上を図るためには、各ライフステージにおける適切な取組が 重要である。特に乳幼児期から青年期にかけては、良好な口腔・顎・顔面の成長発育及び適切な口腔機能の獲得を図る必要がある。壮年 期から高齢期においては、口腔機能の維持を図るとともに、口腔機能が低下した際には回復及び向上を図っていくことが重要である。 乳幼児期・少年期・青年期 壮年期・中年期・高齢期 口 腔 口腔機能に何らかの問題が生じてい の るため、歯科疾患の管理と併せて口 機 腔機能の歯科医学的管理が必要 能 学会の診断基準に基づき、口腔機 能に著しい問題が生じているため、口 腔機能に特化した特別な歯科医学 (口腔機能の獲得、発達) (口腔機能の維持、低下) 的管理が必要 :乳幼児期から青年期にかけて、適切に口腔機能が獲得・発達し、加齢等に伴い、生理的に口腔機能が低下していく状態 :乳幼児期から高齢期において、口腔機能に問題が生じ、歯科医学的管理が行われない状態 :乳幼児期から高齢期において、学会が定める口腔機能発達不全症や口腔機能低下症の診断基準に基づき、口腔機能に著しい問題が生じ、口腔機能に 特化した特別な管理が行われない状態 77 口腔機能が十分に獲得・発達しない場合の影響(例:口唇閉鎖不全) 中医協 総-1 7.9.10 ○ 口腔機能発達不全症の診断を実施するためのチェックリストに「口唇閉鎖不全」があるが、口唇閉鎖不全は不正咬合と有意に関連し ていたとの報告があるため、口腔機能に特化した特別な早期診断、介入は重要である。 対象:3~6歳の日本人児童503名(男児258名、女児245名) 方法:口唇閉鎖等の口腔習慣(指しゃぶり、唇しゃぶりまたは唇噛み、爪噛み、顎を手に乗せる)および鼻と喉の状態(鼻閉傾向、アレ ルギー性鼻炎、口蓋扁桃肥大)等と不正咬合の関連を評価した。 口唇閉鎖不全の有無は正常咬合群と不正咬合群 ロジスティック回帰分析の結果、口唇閉鎖不全は不正 とで有意に差があった。 咬合の発生に影響を与えている可能性が示唆された。 出典: 「Incompetent lip seal and nail biting as risk factors for malocclusion in Japanese preschool children aged 3-6 years(Masatoshi O et al). 」 BMC Pediatr. 2023 Oct 26;23(1):532. 78 歯科疾患や口腔機能の管理に係る診療報酬上の評価の考え方 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 口腔内の管理は、歯科疾患と口腔機能の両面で対応 出典:「中央社会保険医療協議会基本問題総委員会」資料(平成19年11月) 「中央社会保険医療協議会総会」資料(平成29年11月)79 中医協 総-1 小児における口腔機能発達不全症に係る管理の需要と供給 7 . 9 . 1 0 ○18歳以下における口腔機能発達不全に係る管理は、供給率が微増しているものの約10%である。 口腔機能発達不全症に係る管理の需要推計 口腔機能発達不全症に係る管理の 表1:18歳以下人口と口腔機能発達不全症の推計患者数 推定需要に対する供給の状況 (万人) 2000 表3:口腔機能発達不全症の管理状況(推計) 1500 12.0% 1000 9.9% 500 10.0% 0 191 188 185 181 178 患者数 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 7.6% 8.0% 算出方法:18歳以下の人口数(各年10月1日時点)に参考文献より口腔機能発達不全症 に該当する割合を乗算 6.0% 出典:Nogami Y, Saitoh I, Inada E, et al, Prevalence of an incompetent lip seal during 6.0% growth periods throughout Japan: a large-scale, survey-based, cross-sectional 4.7% study. Environ Health Prev Med. 2021 Jan 21;26(1):11. doi: 10.1186/s12199-021- 00933-5. , 総務省「人口推計」(2020~2024年) 4.0% 口腔機能発達不全症に係る管理の供給 2.6% 表2:口腔機能発達不全症(18歳以下)に係る管理を行ってい 2.0% る年間患者数 20.0 17.7 (万人) 0.0% 15.0 13.8 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 11.2 8.8 10.0 5.0 口腔機能発達不全症のうち、歯科医療機関で口腔機能管理を 5.0 行っている推計割合 0.0 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 算出方法:口腔機能発達不全に係る管理の需要推計(表1)と歯科医療機関 算出方法:NDB特別集計にて、小児口腔機能管理料算定している件数と口腔機能発 における管理の供給(表2)を基に算出 達不全症と診断され歯科疾患管理料のみ算定している件数を合算出(各年 5月分) 80 中医協 総-1 高齢者における口腔機能低下症に係る管理の需要と供給 7 . 9 . 1 0 ○ 高齢者における口腔機能低下症に係る管理は、需要推計に対して供給が大きく下回っている。 口腔機能低下症に係る管理の需要推計 口腔機能低下症に係る管理の 表1:65歳以上人口と口腔機能低下症の推計患者数 推定需要に対する供給の状況 (万人) 1,000 表3:口腔機能低下症の管理状況(推計) 800 9.0% 600 7.8% 8.0% 400 6.8% 7.0% 200 465.9 患者数 342.4 304.6 322.9 218.2 0 6.0% 5.5% 65-69 70-74 75-79 80-84 ≧85 (歳) 5.0% 算出方法:各年齢層の人口数に参考文献により口腔機能低下症に該当する割合を乗算 4.2% 4.2% 出典:Kugimiya, Yoshihiro et al. “Rate of oral frailty and oral hypofunction in rural 4.0% community-dwelling older Japanese individuals.” Gerodontology vol. 37,4 (2020): 342-352. 総務省「人口統計」(2024年) 3.0% 口腔機能低下症に係る管理の供給 2.0% 表2:口腔機能低下症に係る管理を行っている年間患者数 1.0% 30.0 (万人) 23.8 22.1 0.0% 18.9 19.6 20.0 65-69 70-74 75-79 80-84 ≧85 (歳) 9.1 10.0 口腔機能低下症のうち、歯科医療機関で口腔機能管理を行っている 0.0 年間推計患者数の割合 65-69 70-74 75-79 80-84 ≧85 (歳) 算出方法:口腔機能管理の需要推計(表1)と歯科医療機関における口腔機能 算出方法:NDB特別集計にて、口腔機能管理料算定している件数と口腔機能低下症と 管理の供給(表2)を基に算出 診断され歯科疾患管理料のみ算定している件数を合算(令和5年度1年分) 81 有床義歯の管理等に係る評価の考え方 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 有床義歯の管理に係る評価は、管理期間の 評価から、新製義歯の指導と義歯装着後の 調整等の目的に応じた評価体系に見直し 出典:「中央社会保険医療協議会基本問題総委員会」資料(平成19年11月) 「平成26年度診療報酬改定説明会」資料 82 歯周病について 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 歯周病は、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に細菌が侵入し、歯を支えている歯肉や歯槽骨が破壊されていく疾患。歯周ポケット の深さは、歯周病の進行度を診断する重要な指標であり、健康な歯肉の状態であれば3mm以内であるが、4~5mmで初期の歯周 病、6mm以上で重度の進行した歯周病と診断される。また、近年、糖尿病等の医科疾患との関連が報告されている。 ○ 歯周病は自覚症状に乏しく、進行度は患者の生活習慣や口腔内環境に大きく左右されるため早期受診による治療が極めて重要で ある。なお、進行した歯周病は、静止期と活動期を繰り返しながら重症化するため、症状を静止期で安定させることが重要である。 歯周組織の構造(図) 歯周病の進行過程 進行した歯周病 初期の歯周病 歯肉の 歯肉の 発赤 腫脹と 出血 咬合の 崩壊 歯の 動揺 歯肉の (傾斜) 腫脹 (%) <歯周ポケット4mm以上の者の割合> 70 (%) 56.6 60 歯周ポケット4mm以上の者:47.8% 60 17. 16. 22. 50 56.2 50 8.3 13. 14. 16. 7.3 4 2 7 16. 43.0 1 2 2 40 40 12.3 6 0.6 4.9 30 0.8 7.5 30 28.0 20 35.5 34.1 36.2 40.9 41.7 39.8 41.8 38.8 39.0 34.9 20 25.8 10 21.2 25.8 23.6 27.2 19.9 23.7 10 24.7 0 0 平成23年 平成28年 令和4年 令和6年 15~24歳 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65~74歳 歯周ポケット4mm以上6mm未満 歯周ポケット6mm以上 出典:令和6年歯科疾患実態調査 写真(図)出典:日本臨床歯周病学会HP 、「ザ・ペリオドントロジー」永末書店 83 歯周病の継続治療(包括評価)に係る主な改定内容の変遷 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 改定年度 歯周病安定期治療等の主な改定内容 歯周病安定期治療<SPT> 歯周病重症化予防治療<P重防> 平成20年 ➢ 「歯周病安定期治療」【開始日から1年以内:150点、1年超から2年以内: 125点、2年超から3年以内:100点】の新設 平成22年 ➢ 点数の一本化【300点】 平成24年 ➢ 歯周病の悪化リスクが高い事例(全身疾患の状態により歯周病の病状に大きく影 響を与える場合等)の治療期間の短縮(毎月)の取り扱いの追加 平成26年 ➢ 歯数に応じた点数に細分化【1歯以上10歯未満:200点、10歯以上20歯未 満:250点、20歯以上:350点】 平成28年 ➢ 「歯周病安定期治療(Ⅱ)」【1歯以上10歯未満:380点、10歯以上20歯未満: 550点 20歯以上:830点】の新設 ➢ 対象患者の明確化(中等度以上の歯周病 → 4mm以上の歯周ポケット) 平成30年 ➢ 対象患者の拡大(歯科特定疾患療養管理料算定患者の追加) 令和2年 ➢ 「歯周病重症化予防治療」【1 歯以上10歯未満:150点 10 歯以上20歯未満:250点 20 歯以上:350点】の新設 令和4年 ➢ 「歯周病安定期治療(Ⅰ)」及び「歯周病安定期治療(Ⅱ)」の統合(かかりつけ歯 科医機能強化型歯科診療所届出医療機関は加算【+120点】で評価) 令和6年 ➢ 歯周病の重症化のおそれのある患者に対する歯周病ハイリスク患者加算【80点】の 新設 ➢ 口治療期間の短縮(毎月)の取り扱いの追加(口腔管理強化体制加算の届出 医療機関) 84 「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」の比較 「歯周病安定期治療」及び「歯周病重症化予防治療」の算定状況 中医協 総-1 7.9.10 ○ 歯周病安定期治療及び歯周病重症化予防治療の算定回数は年々増加しており、各々「20歯以上」が多くを占める。 歯周病安定期治療の算定状況 歯周病重症化予防治療の算定状況 (回) (回) 3,000,000 3,000,000 2,500,000 2,500,000 2,000,000 2,000,000 1,500,000 1,500,000 1,000,000 1,000,000 500,000 500,000 0 0 R2 R3 R4 R5 R6 R2 R3 R4 R5 R6 歯周病重症化予防治療 歯周病安定期治療 58,098 163,943 241,088 321,681 482,282 653,326 994,858 1,306,214 1,642,966 2,147,496 20歯以上 20歯以上 歯周病重症化予防治療 歯周病安定期治療 6,485 20,985 30,139 40,306 62,431 157,084 216,722 274,013 327,780 398,083 10歯以上20歯未満 10歯以上20未満 歯周病重症化予防治療 歯周病安定期治療 2,431 5,667 7,933 10,056 13,618 56,241 76,742 97,468 117,721 144,198 1歯以上10歯未満 10歯未満 注:R2及びR3は、Ⅰ及びⅡを合算して算出 出典:社会医療診療行為別統計(各年6月審査分、8月審査分【R6】 ) 85 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬改定に向けた 論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 86 医科歯科連携に係る診療報酬上の評価の端緒 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 1.重点課題 (1)病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減 ○ 今後とも引き続き、救急、産科、小児、外科等の急性期医療を適切に提供していくことが重要であり、こうした観点からも、病 院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減に取り組んでいくべきで療を適切に提供していくことが重要であり、こうし た観点からも、病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減に取り組んでいくべきである。 ○ このため、勤務体制の改善等の取組、救急外来や外来診療の機能分化の推進、病棟薬剤師や歯科等を含むチーム医療 の促進などに対する適切な評価について検討するべきである。 「平成24年度診療報酬改定の基本方針」 基本方針の重点課題に「歯科」に関する内容が初めて明記 各 病 院 等 に お け る 取 組 を 評 価 周術期口腔機能管理に係る評価等を中心に医科歯科連携等を推進 出典: 「中央社会保険医療協議会総会」資料(平成23年11月) 「平成24年度診療報酬改定説明会資料(歯科)」 87 第10回歯科医療提供体制等 に関する検討会資料 歯科医療提供体制の確保(第8次医療計画の見直しのポイント) 概 要 • 地域の歯科医療提供体制の状況や、歯科専門職の配置状況の把握を行った上で、医科歯科連携における歯科の果たす役割を認識し、病院の規模や機能に 応じて地域の歯科医療従事者を病院において活用することや、病院と歯科診療所の連携を推進することなど、地域の実情を踏まえた取組を推進する。 • 歯科専門職確保のため、地域医療介護総合確保基金を積極的に活用する。 医科歯科連携の重要性 地域の実情に応じた歯科医療体制の確保 歯科医師が入院患者の口腔の管理を行うことによって、在院日数の短縮や肺炎発症の抑 地域の実情を踏まえて、病院に歯科専門職を配置することや、病 制に資することが明らかとなる等、口腔と全身の関係について広く知られるようになり、 院と地域の歯科専門職の連携が重要。 医科歯科連携の重要性が増している。 術後の回復過程に及ぼす効果 入院患者に対する在院日数削減効果 心臓血管外科術後血中CRP値 病院と地域の歯科診療所等の連携のイメージ 歯科の標榜がある病院 病院全体の約20% 歯科診療所等 退院後の口腔の管理の依頼 歯医者の建物のイラスト 出典:第84回社会保障審議会医療保険部会(H26.11) 出典:第84回社会保障審議会医療保険部会(H26.11) 堀憲郎委員提出資料 堀憲郎委員提出資料 千葉大学医学部附属病院における介入試験結果 千葉大学医学部附属病院における介入試験結果 要介護者に対する肺炎発症の抑制効果 体重減少のリスクと口腔衛生管理の関係 口腔の管理の依頼 歯科の標榜がない病院 歯科診療所等 歯医者の建物のイラスト 訪問歯科診療 Yoneyama et al. :Lancet;1999 出典:令和元年度 老人保健健康増進等事業 「介護保険施設等における口腔の健康管理等に 関する調査研究事業報告書」の数値を再分析 88 病院で求められる歯科医療(イメージ) 中医協 総-3 5 . 7 . 1 2 急性期 医療 回復期医療 慢性期医療 口腔機能管理、口腔衛生管理 周術期等の口腔衛生管理、 口腔機能管理 非経口摂取 口腔機能の回復を目的とした歯科治療 患者の口腔 化学療法、放射線治療時等の 衛生管理 口腔衛生管理、口腔機能管理 入 院 摂食嚥下障害への対応 (摂食嚥下リハビリテーション) 栄養サポート 気管内挿管時の リハビリテーション・栄養との連携 口腔内装置等 ・地域からの紹介による患者(全身管理が必要な患者等)に対する歯科治療 外 ・障害児者や医療的ケア児に対する歯科治療 来 ・歯科口腔外科領域の手術・処置(入院が必要なものも含む) 等 89 周術期等口腔機能管理計画策定料及び周術期等口腔機能管理料の算定状況 中医協 総-1 7.9.10 ○ 周術期等口腔機能管理策定料については、歯科診療所及び病院ともに増加しているが、周術期等口腔機能管理料の多くは病 院で算定されている。 周術期口腔機能管理計画策定料の算定回数 周術期等口腔機能管理料の算定回数 (回) (回) 80,000 60,000 70,000 60,000 50,000 50,000 40,000 40,000 30,000 30,000 20,000 10,000 20,000 0 平成24年 令和4年 令和5年 令和6年 周管Ⅰ(病院) 989 15,896 17,293 21,309 10,000 周管Ⅰ(歯科診療所) 0 3,244 3,325 4,377 0 周管Ⅱ(病院) 3,375 53,547 51,738 74,148 平成 令和 令和 令和 周管Ⅱ(歯科診療所) 0 2 0 0 24年 4年 5年 6年 周管Ⅲ(病院) 1,599 27,984 28,402 28,127 周計(病院) 3,579 35,836 38,377 48,076 周管Ⅲ(歯科診療所) 0 603 531 503 周計(歯科診療所) 0 2,820 3,083 4,048 周管Ⅳ(病院) 16,278 周管Ⅳ(歯科診療所) 127 周管Ⅰ(病院) 周管Ⅰ(歯科診療所) 周管Ⅱ(病院) 周管Ⅱ(歯科診療所) 周管Ⅲ(病院) 周管Ⅲ(歯科診療所) 周管Ⅳ(病院) 周管Ⅳ(歯科診療所) 出典:社会医療診療行為別統計(各年6月審査分、8月審査分【R6】 ) 90 リハビリテーション患者に対する口腔管理の必要性 中 医 協 総 - 2 5 . 1 1 . 1 7 ○ 退院時に口腔衛生・口腔機能の改善がみられる群(良好群)と、口腔衛生・口腔機能の改善が見られな い群(非良好群)を比較すると、良好群は、FIMの運動項目、認知項目、合計点数、FIM効率、FIM利得が有 意に高かった。 退院時ROAGスコア 全体 (口腔衛生・口腔機能の状態) 項目 p値 (n=492) 良好群 非良好群 (n=126) (n=366) ROAG、中央値(四分位範囲) 1(0-2) 1(0-2) 0.019 在院日数、中央値(四分位範囲) 109(77-154) 101(71-151) 114(79-155) 0.31 リハ実施単位 963(665-1,350) 886(605-1,339) 1013(687-1,352) 0.27 FIM、中央値(四分位範囲) 運動項目 69(41-85) 83(65-89) 61(34-81) <0.001 認知項目 25(18-31) 30(26-34) 23(16-29) <0.001 総合計 95(60-114) 112(94-121) 82(53-109) <0.001 FIM効率 0.27(0.14-0.40) 0.32(0.24-0.44) 0.24(0.13-0.39) <0.001 FIM利得 27(15-40) 32(22-45) 24(13-38) <0.001 転帰先 自宅 337(68.5) 106(84.1) 231(63.1) 施設 135(27.4) 18(14.3) 117(32.0) 老健 6(1.2) 1(0.8) 5(1.4) 療養病床 13(2.6) 1(0.8) 12(3.3) その他 1(0.2) 0(0) 1(0.3) FILS、中央値(四分位範囲) 9(8-10) 10(9-10) 9(8-10) <0.001 退院時ROAG、中央値(四分位範囲) 9(8-11) 8(8-8) 10(9-11) <0.001 FIM:Functional independence measure、機能的自立度評価表 対象:A病院に2018年1月1日から2020年12月31日に脳卒中後の回復期リハビリテーション目的で入退院した患者で、入院時に口腔内に問題があると評価された患者のうち、 脳卒中患者492名を対象。 方法:口腔内の状態は歯科衛生士によりROAG(Revised Oral Assessment Guide)、ADLはFIM(functional independence measure)を用いて看護師、介護福祉士を中心として評 価を行った。対象者を退院時ROAG8 点未満の群(口腔内良好群)と9 点以上の群(口腔内非良好群)に分け、2 群間の退院時FIM合計点等を単変量解析で比較した。 出典:大石他「回復期脳卒中患者の口腔衛生・口腔機能と退院時ADLとの関連」 Jpn J Compr Rehabil Sci Vol 13, 2022 91 周術期口腔機能管理等に係る改定内容の主な変遷 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 改定年度 周術期等口腔機能管理に係る改定内容 回復期等口腔機能管理に係る改定内容 平成24年 ➢ 「周術期口腔機能管理計画策定料」【300点】の新設 ➢ 「周術期口腔機能管理料(Ⅰ)」【手術前:190点、手術後:190点】、 「周術期口腔機能管理料(Ⅱ)」【手術前:300点、手術後:300点】」、 「周術期口腔機能管理料(Ⅲ)」【190点】)の新設 ➢ 「周術期専門的口腔衛生処置」【80点】の新設(「術後専門的口腔衛生処置」の廃止) 平成26年 ➢ 「周術期口腔機能管理料(Ⅰ)」及び「周術期口腔機能管理料(Ⅱ)」の手術前の点数引き上げ 【(Ⅰ)190点 → 280点、(Ⅱ)300点 → 500点】 ➢ 「歯科医療機関連携加算(診療情報提供料、医科点数表)」【100点】の新設 ➢ 「周術期口腔機能管理後手術加算(手術、医科・歯科点数表)」【100点】の新設 平成28年 ➢ 「周術期口腔機能管理計画策定料」の対象拡大(緩和ケアを実施した患者の追加) ➢ 「周術期口腔機能管理後手術加算(手術、医科・歯科点数表)」の点数引き上げ【100点→200点】 ➢ 歯科診療所の歯科医師が歯科を標榜している病院に訪問して周術期口腔機能管理が実施できるよう 歯科訪問診療料の要件の見直し ➢ 「周術期専門的口腔衛生処置」の対象拡大(周管(Ⅲ)算定患者を追加) 平成30年 ➢ 名称変更(周術期 → 周術期等) ➢ 「周術期口腔機能管理後手術加算」の対象拡大(造血幹細胞移植等) 令和2年 ➢ 「周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)」の点数引き上げ【190点 → 200点】 ➢ 「周術期等専門的口腔衛生処置」の算定回数の見直し(月1回 → 月2回) ➢ 「歯科医療機関連携加算2」【100点】の新設 (歯科を標榜する別の保険医療機関に予約をとった上で紹介した場合) 令和4年 ➢ 「歯科医療機関連携加算1」の対象医療機関及び患者の拡充 令和6年 ➢ 「周術期口腔機能管理計画策定料」の対象拡大(集中治療室での治療を実施した患者の追加) ➢ 回復期等口腔機能管理計画策定料 ➢ 「周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)」を、「周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)」(入院外)及び「周術期等 【300点】の新設 口腔機能管理料(Ⅳ)」(入院中)に細分化 ➢ 回復期等口腔機能管理料【200点】 の新設 92 回復期等口腔機能管理計画策定料及び回復期等口腔機能管理料の算定状況 中医協 総-1 7.9.10 ○ 回復期等口腔機能管理計画策定料及び管理料に関しては多くは病院で算定されている。 回復期等口腔機能管理計画策定料の算定回数 回復期等口腔機能管理料の算定回数 (回) (回) 6,000 6,000 5,281 5,000 5,000 4,000 4,000 3,202 3,000 3,000 2,000 2,000 1,000 1,000 174 201 0 0 回計(病院) 回計(診療所) 回管(病院) 回管(診療所) 出典:R6社会医療診療行為別統計(8月審査分 ) 93 令和6年度診療報酬改定 Ⅱ-3 リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進-① 急性期におけるリハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の取組の推進 急性期におけるリハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の取組の推進① ➢ 急性期医療におけるADLが低下しないための取組を推進するとともに、リハビリテーション、栄養 管理及び口腔管理の連携・推進を図る観点から、土曜日、日曜日及び祝日に行うリハビリテーショ ンを含むリハビリテーション、栄養管理及び口腔管理について、新たな評価を行う。 (新) リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算(1日につき) 120点 より早期からの切れ目のないリハ(離床)・栄養・口腔の取組 多職種による評価と計画 ・疾患別リハビリテーション等の提供によるADL等の改善 ・原則48時間以内の評価と計画作成 ・土曜日、日曜日及び祝日に行うリハビリテーションの提供 ・口腔状態の評価と歯科医師等の連携 ・入棟後早期のリハビリテーションの実施 ・定期的カンファレンスによる情報連携 ・病棟専任の管理栄養士による早期評価と介入 94 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬改定に向けた 論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 95 第3回歯科衛生士の業務のあり方等に関する検討会 (令和7年7月30日)資料2 参考 歯科衛生士の業務 予防処置 • 人が歯を失う原因の90%が「むし歯」と「歯周病」である。 • 歯・口腔の疾患を予防する処置として、「フッ化物塗布」等の薬物塗布、歯垢(プラーク)や歯石など、 口腔内の汚れを専門的に除去する「機械的歯面清掃」などを実施する。 • 歯科衛生士は、このような歯科予防処置の専門家である。 歯科診療の補助 • 歯科衛生士は歯科医師の診療を補助するとともに、歯科医師の指示を受けて歯科治療 の一部を担当するなど、歯科医師との協働で患者さんの診療にあたる。 • 歯科診療補助の範囲は多岐にわたり、歯科診療を円滑に行うために大切な役割を果た している。また、歯科医師と患者さんとのコミュニケ-ションに配慮し、信頼関係に もとづく心優しい歯科医療を行うためにも、歯科衛生士の役割が期待されている。 歯科保健指導 • むし歯や歯周病は生活習慣病。そのため、正しい生活習慣やセルフケアを実行するた めの専門的な支援(指導)が不可欠。 • 歯科保健指導は、幼児期から高年期までの各ライフステージにおいて、また、健康な 人、病気や障害のある人など、すべての人に必要な支援。 • 歯磨き指導を中心とした歯口清掃法の指導は、セルフケアのスキルアップを専門的に 支援する大切な仕事。 • 寝たきり者や要介護者等に対する訪問口腔ケアも重視されている。 • 最近では、食べ物の食べ方や噛み方を通した食育支援、高齢者や要介護者の咀嚼や飲 み込み力を強くする摂食・嚥下機能訓練も新たな歯科保健指導の分野として注目され ている。 出典:日本歯科衛生士会ウェブサイト(日本歯科衛生士会 | 歯科衛生士とは TOP)一部改変 96 第3回歯科衛生士の業務のあり方等に関する検討会 (令和7年7月30日)資料2 歯科衛生士免許登録者数、就業歯科衛生士数の年次推移 ○ 令和6年の歯科衛生士免許登録者数は321,241人(対R4年7,098人増)であり、就業歯科衛生士数は149,579人(対R4 年4,396人増)である。 ○ 歯科衛生士免許登録者数のうち就業者の割合(就業割合)は、令和6年では46.6%となっている。 就業割合(%) 業務従事者数(人) 350,000 60.0% 300,000 50.0% 250,000 40.0% 200,000 30.0% 150,000 20.0% 100,000 10.0% 50,000 0 0.0% 平成12年 平成14年 平成16年 平成18年 平成20年 平成22年 平成24年 平成26年 平成28年 平成30年 令和2年 令和4年 令和6年 免許登録者数 170,035 182,794 196,143 209,649 222,381 233,906 243,028 255,317 269,226 282,988 298,644 314,143 321,241 業務従事者数 67,376 73,297 79,695 86,939 96,442 103,180 108,123 116,299 123,831 132,629 142,760 145,183 149,579 就業割合 39.6% 40.1% 40.6% 41.5% 43.4% 44.1% 44.5% 45.6% 46.0% 46.9% 47.8% 46.2% 46.6% (出典:衛生行政報告例、歯科医療振興財団調べ) 97 中 医 協 総 - 4 歯科衛生実地指導の実施内容 5.12.15(改) ○ 歯科衛生実地指導の内容は、「う蝕や歯周病の予防・重症化予防に関する内容」「プラークチャートを用い たプラークの付着状況の指導及び患者自身によるブラッシング指導を観察した上でのプラーク除去方法の 指導」がいずれも約7割であった。「口腔機能の回復又は維持に関する実地指導」も36.8%で行われていた。 ○ 一方で、十分に実施できていないと考える内容は「プラークチャートの作成やブラッシング観察等の時間が 足りない」が64.5%で最も多かった。また、「口腔機能等の指導ができていない」も36.5%であった。 ■1回の歯科衛生実地指導の時間内に十分実施できていないと ■歯科衛生実地指導の内容(複数回答) 考える内容(複数回答) ※令和5年6月に実施指導を行った歯科衛生士による回答 ※令和5年6月に実施指導を行った歯科衛生士による回答 プラークチャートを用いたプラークの付着状 況の指摘及び患者自身によるブラッシングを 65.8% 観察した上でのプラーク除去方法の指導 プラークチャートの作成やブラッ 64.5% シング観察等の時間が足りない う蝕や歯種病の予防・重症化予防に関する内 66.6% 容 患者の生活習慣等を十分把握でき 口腔機能の回復もしくは維持に関する実地指 36.8% 51.0% 導 ていない 有床義歯や有床義歯の鉤歯に関する清掃指導 52.0% 口腔機能等の指導ができていない 36.5% 間食習慣等を含めた生活習慣の助言 47.5% 患者の状況を踏まえた動機付け 56.9% その他 7.1% その他 1.0% 無回答 2.0% 無回答 25.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 20% 40% 60% 80% 100% n=1931 n=296 出典:令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(歯科医療機関における院内感染防止対策の評価等に関する実施状況調査) 98 口腔機能指導加算の概要及び算定状況 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 歯科衛生実地指導料を算定した患者のうち、※口腔機能指導加算を算定した割合は約1.3%と低い。 ※口腔機能指導加算は歯科衛生実地指導料の加算 口腔機能指導加算 (参考)歯科衛生実地指導料 対象者 口腔機能の発達不全を認める患者又 歯科疾患(う蝕、歯周病等)に罹患してい は口腔機能の低下を認める患者 る患者であって、歯科衛生士による実地指 算定回数 導が必要な者 160,027( 1.3%) 指導 ①又は② ①及び② 内容 ①正常な口腔機能の獲得を目的とした ①歯及び歯肉等口腔状況の説明 実地指導 ②プラークチャート等を用いたプラークの付着 ②口腔機能の回復又は維持・向上を 状況の指摘及び患者自身によるブラッシ 目的とした実地指導 ングを観察した上でのプラーク除去方法の 指導又は患者の状態に応じて必要な事 項に関する15分以上の実施指導 11,781,765 評価 口腔機能指導加算:12点 歯科衛生実施指導料1:80点 歯科衛生実地指導料2:100点 ※2は歯科診療特別対応加算を算定している患者 歯科衛生実地指導料のみ 口腔機能指導加算 出典:R6社会医療診療行為別統計(8月審査分 ) 99 第5回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会 (令和7年8月6日)資料1 歯科技工士免許登録者数、業務従事者数の年次推移 ○ 令和6年の歯科技工士免許登録者数は125,093人であり、そのうち業務従事者数は31,733人である。 ○ 免許登録者数に占める業務従事者数の割合(就業割合)は減少傾向であり、令和6年では25.4%である。 業務従事者数(人) 就業割合(%) 140,000 45.0% 40.0% 120,000 35.0% 100,000 30.0% 80,000 25.0% 20.0% 60,000 15.0% 40,000 10.0% 20,000 5.0% 0 0.0% H12年 14年 16年 18年 20年 22年 24年 26年 28年 30年 R2年 R4年 R6年 免許登録者数 90,825 95,838 100,381 104,794 108,406 111,191 113,726 116,006 118,271 120,157 122,139 123,870 125,093 業務従事者数 37,244 36,765 35,668 35,147 35,337 35,413 34,613 34,495 34,640 34,468 34,826 32,942 31,733 就業割合(%) 41.0% 38.4% 35.5% 33.5% 32.6% 31.8% 30.4% 29.7% 29.3% 28.7% 28.5% 26.6% 25.4% (出典:衛生行政報告例、歯科医療振興財団調べ) 100 第5回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会 (令和7年8月6日)資料1 就業歯科技工士数(就業場所別)の推移 ○ 歯科技工士の就業場所は、「歯科技工所」が最も多く、令和6年では23,521人であり約74%となっている。 ○ 「病院・診療所」は減少傾向であり、平成8年の14,492人から令和6年では7,723人となっている。 (人) 40,000 30,000 20,000 10,000 0 平成8年 平成14年 平成20年 平成24年 平成26年 平成28年 平成30年 令和2年 令和4年 令和6年 その他 783 679 501 437 440 93 101 92 242 77 事業所 118 176 224 249 146 ※平成28年より 「歯科技工士学校または養成所、事業所」 歯科技工士学校 の項目を追加 291 274 258 280 266 又は養成所 病院・診療所 14,492 12,534 10,694 9,932 9,630 9,166 8,861 8,691 8,159 7,723 歯科技工所 21,377 23,552 24,142 24,244 24,425 24,972 25,056 25,561 24,012 23,521 (出典:衛生行政報告例) 101 第5回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会 (令和7年8月6日)資料1 規模別歯科技工所数の推移 ○ 歯科技工所数は近年ほぼ横ばいにあり、令和6年で20,278箇所である。 ○ 規模としては、「1人」が7割以上であり、「10~19人」、「20人~49人」、「50人以上」が微増傾向であ る。 (か所) 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 平成8年 平成14年 平成20年 平成24年 平成26年 平成28年 平成30年 令和2年 令和4年 令和6年 50人以上 19 20 20~49人 86 107 110 99 102 10~19人 157 176 179 188 188 5~9人 740 826 823 903 957 693 672 656 686 670 4人 450 442 451 469 474 463 468 486 484 461 3人 845 842 802 835 851 852 875 869 870 847 2人 2,139 2,423 2,394 2,426 2,475 2,564 2,604 2,647 2,647 2504 1人 12,605 14,239 14,899 15,073 15,409 16,091 16,102 15,932 15,848 15,486 合計 16,779 18,772 19,369 19,706 20,166 20,906 21,004 20,879 20,841 20,278 (出典:衛生行政報告例) 102 中 医 協 総 - 4 歯科医師と歯科技工士の連携 5.12.15(改) ○ 厚生労働科学特別研究事業において、歯科技工士不足の解決に向けて労働環境改善の提言が作成さ れ、歯科医療機関と歯科技工所の間を結ぶためのICTの活用が具体例として示されている。 ○ 令和3年度の検証事業においてICTの導入による歯科医療機関・歯科技工所間連携の推進の取組が検 証された。 「歯科技工業の多様な業務モデルに関する研究」 厚生労働科学研究 ICTを活用した歯科診療所と歯科技工士所の連携の例 ◼ 目的:将来の歯科技工士不足の問題を解決するため、歯科技工業 ◆タブレット端末と色測計の導入による歯科技工所の働き方改革と の労働実態の把握と労働環境改善の提言を作成する。 歯科医療機関・歯科技工所間連携の推進の取組例 ◼ 本研究の結果を踏まえた提言 課題 • 長時間労働の原因のひとつに、歯冠技工物のシェード(色調)の修 正や再製作が多い。 <歯科技工業の労働環境等の改善に資する提言> • 歯科医療機関への歯科技工物の受け渡しや指示内容の確認等に時 ① 歯科医師と歯科技工士は歯科技工に関する認識と情報を共有 間がかかり、歯科医療機関に出向くことに1日の1/3程度の時間を費 する やすことがある。 ② 歯科医師と歯科技工士が十分連携できる体制を整備する 取組内容 • 歯科医療機関において色測計を用いて色調を測定し、リアルタイム ③ 歯科技工士の職業内容に関する意識を改善させる で歯科技工所とつなぐ。 ④ 労働契約書や就業規則を作成する • 歯科技工所において、シェードガイドをみながら、歯科医師に色調や 形態を確認する。 ⑤ 歯科技工業を効率化する ⑥ 歯科技工士や歯科技工に関する社会の認知を向上させる ※③意識改善の取組の具体例 ⚫ 卒直後の歯科技工士が経済的に支えられながら歯科医療 機関における臨床現場での研修が可能となる制度の設計や 環境の整備 ⚫ 歯科医療機関と歯科技工所の間を結ぶためのICT の活用 【歯科医療機関】 【歯科技工所】 効果と課題 ⚫ 患者に歯科技工物が試適・装着された際の状況を歯科技工 • 修正・再製作数の減少傾向が認められた。 士にフィードバックできる仕組みの考案 • タブレット端末や色測計の導入等に関するコストの課題がある。 出典:令和3年度歯科技工所業務形態改善等調査に係る検証事業報告書(日本歯科技工士会)を 出典:平成30年年厚生労働科学研究「歯科技工業の多様な業務モデルに関する研究」 元に保険局医療課にて作成 103 医政局歯科保健課(内線2583) 歯科補てつ物製作過程等の情報提供推進事業 医政局歯科保健課予算資料 5 5 令和7年度当初予算額 百万円 ( 百万円 ) ※()内は前年度当初予算額 1 事業の目的 ⚫ 義歯などの歯科補てつ物については、歯科医療機関内又は歯科技工所において製作されるが、後者については、外部に作製が委託されることから、 納品された歯科補てつ物が、患者自身でどこの技工所で誰が製作したかなどの情報が把握できない。 ⚫ このため、患者に対して歯科補てつ物に関する情報を院内掲示等により情報提供することで、安全・安心な歯科医療の提供に資するか検証を行う ものである。 2 事業の概要・実施主体 一般的な歯科補てつ物の製作過程(歯科技工所に製作を委託する場合) 歯科 歯科診療所 歯科技工所(外注) 診療所 どこで誰が 作っているん だろう・・ 作 支 印 業 口 台 象 模 腔 歯 採 型 内 形 得 の へ 成 製 装 作 ワックスによる形態形成 完成 着 患者 埋没 鋳造 納品 歯科技工指示書 患者に対して、 イメージ による製作委託 当医院で製作した歯科補てつ ・作製する歯科技工所 物について ・作製する歯科技工士 ・当該医院で作製された ●●については、下記の の歯科技工士が製作してい ・作製工程 ます ●●の作製工程 等について、 1.・・・・ 2.×××× 3.△△△△ 院内掲示やリーフレットの配布等により 技工太郎 情報提供を行う (●●技工所) 104 今後の歯科治療の需要や歯科医療提供体制等を踏まえた次期診療報酬改定に向けた 論点 ○歯科疾患・口腔機能の管理等の生活の質に配慮した歯科医療 ○多職種連携 ○歯科衛生士・歯科技工士の定着・確保 ○歯科治療のデジタル化等 ○その他 105 歯科治療のデジタル化の例 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 診療行為 アナログ デジタル クラウン(被せ物)や 歯型形状の器に流動性のある印象材 専用のカメラでスキャニングして、歯型の画像をパソ インレー(詰め物)を を流し込んで歯型を採取【印象採得】 コンに取り込む【光学印象】 設計するための 歯型を取る 口腔内スキャナーで スキャナーに取り込み 器(トレー)や歯に 画像を取得 転送された画像 印象材を流し込む クラウン(被せ物)や 模型上で被せ物や詰め物を蝋で製作 コンピュータ上でクラウン(被せ物)やインレー(詰め インレー(詰め物)を し、蝋形に金属を流し込む【鋳造】 物)をデザインして機械で削る【※CAD/CAM】 製作する ※Computer aided design/Computer aided manufacturing 原材料(ブロック) コンピュータ上で設計した形状に切削 蝋で製作したクラウン 鋳型に溶解した金属 を流し込む 出典:「クラウンブリッジ補綴学第6版(医歯薬出版株式会社)」 上記の光学印象やCAD/CAM(CAD/CAM冠、CAD/CAM インレー)は保険導入済み(適応症例は限定) 106 金属材料の使用の有無による比較 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 ○ 歯科治療に用いられる補綴物に関しては、金属材料を使用しない場合と金属材料を使用する場合の両者が あり、いずれの場合も一長一短あることから、患者の希望や口腔内の状態に応じて治療が選択されている。 金属を使用しない場合 金属を使用する場合 【レジン(強化プラスチック)等】 【歯科用金銀パラジウム合金等】 長所 ・デジタル技術(CAD/CAM等)が比較的応用し ・耐久性が高く、どの歯種や構造にも対応可能 やすく、歯科医療従事者の製作に要する負担が少 ・多くは保険診療の対象である ない ・歯に近い色調であるため審美性が良好 ・耐久性が金属より劣るため、咬合力が強くかかる歯 ・金属色であるため審美性が悪い 種や連結した被せ物の形状の構造等に耐えられな ・多くは鋳造方式(金属を溶かして鋳型に流し込 い場合は破損するおそれがある む)により製作されるため、技工作業等に時間を 短所 ・被せ物の厚みを確保しなければいけないため、天然 要する 歯を多く削る必要がある ・金属自体の取引価格が変動しやすい(市場価格 ・保険診療の対象とならない材料や適応範囲があ の変動をできるだけ保険償還価格に反映するため る の独自ルールを設定) ・金属アレルギー患者に対して使用できない 107 歯科用貴金属素材価格の変動推移 中医協 総-3 7 . 1 0 . 1 7 20,000 18,000 16,000 1 g 当 14,000 た り の 12,000 素 材 価 10,000 格 ( 円 8,000 ) 6,000 4,000 2,000 0 108 非金属材料を用いた補綴治療の主な改定内容の変遷 中医協 総-1 7 . 9 . 1 0 改定内容 改定年度 CAD/CAM冠 CAD/CAMインレー 高強度硬質レジンブリッジ その他 平成20年 先進医療(平成21年5月~) 「歯科用CAD・CAMシステムを用いた 平成22年 ハイブリッドレジンによる歯冠修復」 平成24年 先進医療(平成24年12月~) 平成26年 ➢ 小臼歯部の保険適用 「金属代替材料としてグラスファイバーで 平成28年 ➢ 大臼歯部の保険適用(金属ア 補強された高強度のコンポジットレジンを ➢ ファイバーポストを用いた レルギーの患者に限る) 用いた三ユニットブリッジ治療」 支台築造の保険適用 【平成28年1月~】 平成30年 ➢ 大臼歯部の適用拡大(上下7 ➢ 高強度硬質レジンブ ➢ レジンインレー、硬質レ が残存し、咬合支持がある下顎 リッジの保険導入 ジンジャケット冠を非金 6に限る) 属歯冠修復に統合 令和2年 ➢ 大臼歯部の適用拡大(上下7 が残存し、咬合支持がある6に 限る) ➢ 前歯部の保険適用【令和2年9 月~】 令和4年 ➢ 保険適用(対象範囲 は臼歯部でCAD/CAM 冠と同様) 令和6年 ➢ エンドクラウンとそれ以外に細分化 ➢ 大臼歯の適用拡大 (CAD/CAM冠を装着する対側 や同側の咬合支持の要件を緩和、 ただし、CAD/CAM冠用材料Ⅴ は条件なし) 109 歯冠修復(小臼歯)の算定状況 第3回 歯科技工士の業務の あり方等に関する検討会資料(改) ○ 小臼歯の歯冠修復は、経年的には減少傾向であるが近年は横ばいとなっている。 ○ 全部金属冠(金銀パラジウム合金)は減少傾向にある一方で、CAD/CAM冠は大きく増加しており、令和6年 にはCAD/CAM冠の算定回数が、約59%を占めている。 <CAD/CAM冠、全部金属冠(小臼歯)の算定回数> (回) CAD/CAM冠 全部金属冠(金銀パラジウム合金) CAD/CAM冠の割合 450,000 100.0% 400,000 90.0% 59.3% 80.0% 350,000 70.0% 300,000 270,218 140,154 60.0% 294,652 178,391 250,000 344,230 301,754 225,265 185,942 165,460 177,609 50.0% 200,000 40.0% 150,000 30.0% 100,000 204,403 20.0% 164,063 174,116 173,485 148,566 137,082 137,480 118,806 50,000 100,364 10.0% 75,360 0 0.0% 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 ※全部金属冠にはブリッジの支台装置も含まれる。 出典:社会医療診療行為別統計(各年6月審査分、8月審査分【R6】 ) 110 歯冠修復(大臼歯)の算定状況 第3回 歯科技工士の業務の あり方等に関する検討会資料(改) ○ 大臼歯の歯冠修復は、平成30年以降、減少傾向にある。 ○ 全部金属冠(金銀パラジウム合金)は減少傾向である一方で、CAD/CAM冠は増加しており、令和6年は約28% となっている。 <CAD/CAM冠、全部金属冠(大臼歯)の算定回数> (回) CAD/CAM冠 全部金属冠(金銀パラジウム合金) CAD/CAM冠の割合 700,000 100.0% 90.0% 600,000 80.0% 500,000 70.0% 60.0% 400,000 50.0% 387,288 300,000 582,676 40.0% 506,094 422,515 414,243 27.5% 374,782 352,022 30.0% 200,000 20.0% 100,000 147,170 10.0% 51,262 58,717 64,666 65,751 0 17,723 19,962 0.0% 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 ・下顎第一大臼歯 ・上下顎第一大臼歯 ・上下顎第一・二大臼歯※3 (適用範囲) ・金属アレルギー患者※2 ・金属アレルギー患者※2 ・金属アレルギー患者※2 ※1 全部金属冠にはブリッジの支台装置も含まれる。 ※2 金属アレルギー患者は全ての大臼歯が保険適用となる。 ※3 材料の種類により咬合支持等の条件が設定されている。 出典:社会医療診療行為別統計(各年6月審査分、8月審査分【R6】 ) 111

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