何が行われたか
カワバタ建設が運営するフィットネスジム「b-UP」(福井県坂井市)は、大塚製薬京滋北陸支店と連携し、福井県内の企業を対象としたウェルネスプロジェクトを開始した。発表は2026年11月3日。大塚製薬の関与は「栄養情報提供協力」と明記されている。
プロジェクトのコンセプトは「働く県から動く県へ」。県内企業で働く従業員のうち対象者を選抜し、3カ月間にわたって運動と栄養の両面から健康づくりを支援する内容だ。参加者に提供されたのは、フィットネスジム「b-UP」の3カ月無料利用と、3Dボディスキャンによる身体データの定期測定の2点。運動習慣の形成に加え、身体の変化を数値で可視化することでモチベーションの向上と継続を支える狙いがあるとしている。
発表によれば、3カ月の集中健康プログラムはすでに実施済みで、全参加者において身体組成の改善が確認された。公表された個別の結果は次の通り。
- 50代女性(ダイエット目的):ウエスト−4.5cm、体脂肪率−1.5%
- 40代男性(ダイエット目的):腹部−2.0cm、体脂肪率−2.0%
- 60代女性(ダイエット目的):ウエスト−4.5cm、臀部−2.0cm、体脂肪率−3.5%
また、参加者の半数はプログラム終了後にそのままジムへ入会し、運動習慣の継続につながったという。
なお、本文中では運営主体が「株式会社カワバタ建設」と記載される一方、リリース末尾の会社概要は「有限会社カワバタ建設」(本社・坂井市春江町江留上大和6-6、代表者名・川端一輝、業種・建設業、未上場)となっている。問い合わせ先はイノベーション事業部部長の藤内優氏。
背景にある「働く県」の数字
リリースは、福井県の県民性と運動実施率のギャップを企画の出発点として挙げている。総務省などの各種統計をもとに、福井県は共働き率が全国1位、高齢者就業率が全国上位、転職率の低さでも上位に位置すると説明。真面目に働く県民性が特徴だとする。
一方で、文部科学省スポーツ庁健康スポーツ課が作成した「令和6年度スポーツ実施率調査」を参照元として、福井県の運動実施状況は全国的に見ても低い水準にあると指摘している。運営側は、この背景に「仕事を優先するあまり、自分自身の健康づくりが後回しになっているのではないか」という課題があると考えたとしている。
さらに、健康経営に取り組む企業の多くが従業員の健康づくりを重要な経営課題と位置づけている一方、従業員本人の意思だけに任せるのではなく、会社側から健康を「プレゼントする」仕組みづくりも必要ではないか、という問題意識を示す。県内企業が従業員へ健康づくりのきっかけを提供する枠組みとして、今回の取り組みが企画された。
製薬企業にとっての意味
この取り組みで大塚製薬が担ったのは、医薬品の供給でも臨床的な介入でもなく、栄養情報の提供である。しかも関わったのは本社主導の全社キャンペーンではなく、京滋北陸支店という地域の営業拠点だ。製薬企業が地域の事業者と組み、健康経営という文脈で従業員向けプログラムに関与する形は、医療機関や薬局を経由しない接点のつくり方として読める。
もう一つ注目したいのは、成果の示し方である。今回公表されたのは3Dボディスキャンによるウエスト、腹部、臀部、体脂肪率の変化という、参加者本人が実感しやすい指標だ。加えて「参加者の半数が入会」という継続率の数字が添えられている。健康経営施策は効果の測定が難しいとされるなかで、身体データの可視化と継続行動の両方を数字で出す構成は、企業が導入を検討する際の判断材料になりやすい。
b-UPは今後も地域企業と連携しながら、福井県民の健康寿命延伸と運動習慣の定着を目指して活動を続けるとしている。また本プロジェクトについては、参加企業への取材、参加者インタビュー、3Dボディスキャン測定の様子、健康経営に関する取り組み紹介、福井県の運動不足課題に関する取材に対応するとしており、日程や撮影内容は個別調整となる。