歯科用OCTの技術が先進医療Aで「適」

中央社会保険医療協議会の総会(第658回)は令和8年9月30日、4つの議題を審議・報告した。最大の決定事項は、レパーサ皮下注140mgペンの最適使用推進ガイドライン(GL)を簡略版に改訂することの了承である。

まず議題1では、第155回先進医療会議(令和8年7月2日)における先進医療Aの科学的評価結果が報告された。整理番号359「歯科用OCT画像診断装置を用いた、シェーグレン症候群患者に対する、不顕性齲蝕の検出率の向上、および管理療法」で、適応症はシェーグレン症候群。使用する医療機器は「オクティナ マイクロミラータイプ2 エキスプローラ」、申請医療機関は東京科学大学病院である。総評は「適」で、告示適用日は令和8年8月1日。

費用は、申請医療機関が典型的な1症例に要する費用として記載した額として、保険給付されない「先進医療に係る費用」が500円/回で最大2000円(4回)、保険外併用療養費に係る保険者負担が3万円、患者の一部負担金が1万3千円とされている。

先進医療Aは、未承認等の医薬品・医療機器等の使用や適応外使用を伴わない医療技術のほか、人体への影響が極めて小さいもの(未承認等の医療機器を用いる検査目的の技術など)が対象となる区分である。今回の技術は、検査に用いる医療機器を使う類型に位置づけられる。

レパーサのGLが簡略版に 再審査終了が区切り

議題2は、最適使用推進ガイドライン(簡略版)の審議である。再審査期間を終え、有効性および安全性に関する情報が十分に蓄積された品目・効能効果については、事務的な手続きの簡略化を目的にGLを簡略化する——という扱いは、令和4年9月14日の中医協で了承されている。今回、レパーサ皮下注(製造販売業者:アムジェン株式会社)について再審査が終了したため、GLを簡略版GLに改訂することとされた。令和8年8月26日の薬事審議会で了承済みで、通知の発出日・適用日は令和8年10月上旬(予定)。保険適用上の留意事項については「記載整備のみ」とされている。

対象となる効能・効果は、家族性高コレステロール血症および高コレステロール血症で、「心血管イベントの発現リスクが高い」「HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、またはHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない」のいずれも満たす場合に限られる。

実際に示されたエボロクマブ(遺伝子組換え)の簡略版GL案では、「作用機序、臨床成績、投与に際して留意すべき事項等については、最新の電子化された添付文書を参照すること」とされ、構成は「はじめに」「施設について」「投与対象となる患者」に絞られている。再審査における評価の結果、医薬品医療機器等法第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないと判断されたのは令和7年6月であることも記載されている。施設要件そのもの(医師免許取得後満6年以上の臨床研修歴、うち3年以上は循環器診療または動脈硬化学に関する研修歴、など)は簡略版でも維持される。

がん免疫4品目でGLを作成・改訂、公知申請3品目は保険適用

議題3では、既存GLの改訂・作成状況が報告された。リブタヨ点滴静注350mg(リジェネロン・ジャパン株式会社)は有棘細胞癌に係るGLを新たに作成し、留意事項通知で医療施設要件・治療責任者要件等を追加。イミフィンジ点滴静注120mg・500mg(アストラゼネカ株式会社)は膀胱癌に係るGLを改訂し、同様に要件を追加した。いずれも通知発出日・適用日は令和8年8月24日。

キイトルーダ点滴静注100mg(MSD株式会社)は卵巣癌に係るGLを作成、テビムブラ点滴静注100mg(ビーワン・メディシンズ合同会社)は上咽頭癌に係るGLを作成し、ともに医療施設要件・治療責任者要件を追加した。通知発出日・適用日は令和8年9月16日で、いずれも製造販売承認事項一部変更承認日と同日付である。

議題4では、公知申請とされた適応外薬の保険適用が報告された。令和8年7月27日の薬事審議会医薬品第二部会で事前評価が終了した3品目——リツキシマブの小児用法・用量の追加、テモゾロミドの下垂体癌等への適応追加、ドセタキセル水和物の乳癌の用量変更——が、同日付で保険適用された。

意味合い

GLは2017年以降作成され、資料によれば現在40本を超える。効能・効果や用法・用量の追加、添付文書改訂のたびにメンテナンスが必要で、外部専門家による作成検討会も重ねられてきた。今回のレパーサの簡略版化は、新規作用機序医薬品の上市直後に課される重い記載を、再審査の節目で軽くする運用の一例にあたる。添付文書と重複する記載を落とし、施設要件と投与対象患者に絞る構成は、企業にとっては改訂作業の負担が、医療現場にとっては参照すべき文書の重複が、それぞれ整理されることを意味する。

一方、議題3の4品目はいずれもGLの新規作成または改訂で、施設要件・治療責任者要件が追加された。再審査を終えた品目は簡略化へ、効能追加が続く品目は要件の積み増しへ——という二方向の動きが、同じ総会で並んで報告された形である。