新薬14品目11成分、10月14日収載予定

中央社会保険医療協議会総会は令和8年10月7日、令和8年10月14日に薬価収載を予定する新医薬品の算定内容を資料(総-1)で示した。内訳は内用薬9品目7成分、注射薬3品目3成分、外用薬2品目1成分の計14品目11成分。

最も高い算定薬価となったのは、アッヴィ合同会社の「リンヴォック内用液0.1%(1mg/mL)」(ウパダシチニブ水和物、180mg180mL1瓶)で343,101.60円。新効能医薬品かつ新剤形医薬品で、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定され、小児加算A=5%が付いた。効能・効果には多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎が含まれる。

注射薬では、リズムファーマ株式会社の「イムシブリー皮下注10mg」(セトメラノチド酢酸塩、10mg1mL1瓶)が349,863円。原価計算方式で、有用性加算(Ⅱ)A=10%、市場性加算(Ⅰ)A=10%、小児加算A=5%、迅速導入加算A=5%が付き、加算係数は0。効能・効果は後天性視床下部性肥満で、費用対効果評価(H1)の対象とされている。グラクソ・スミスクライン株式会社の「ヒブサーゴ皮下注150mgシリンジ」(ベピロビルセンナトリウム)は183,015円で、原価計算方式に有用性加算(Ⅰ)A=50%と先駆加算A=10%。効能・効果はB型肝炎ウイルス持続感染における機能的治癒である。

内用薬では、武田薬品工業株式会社の「オーゼイフル錠」(オベポレクストン)が0.5mg1錠22,773.30円、1mg1錠22,792.50円、2mg1錠22,838.80円。原価計算方式で有用性加算(Ⅰ)A=40%、市場性加算(Ⅰ)A=10%、先駆加算A=10%が付く。効能・効果はナルコレプシータイプ1で、用法・用量は通常、成人に1mgを1日2回、起床時に1回目、その3時間から5時間後に2回目を経口投与する。

このほか、インスメッド合同会社の「ブリヌスプリ錠25mg」(ブレンソカチブ水和物)が24,695.70円(有用性加算(Ⅰ)A=45%、小児加算A=5%)、日本イーライリリー株式会社の「イムルリオ錠200mg」(イムルネストラントトシル酸塩)が27,551.80円、バイエル薬品株式会社の「ヒアニュオ錠10mg」(セバベルチニブ水和物)が6,941.00円、ノバルティスファーマ株式会社の「ラプシド錠25mg」(レミブルチニブ)が929.00円、バイオジェン・ジャパン株式会社の「ブメリティカプセル231mg」(ジロキシメルフマラート)が2,066.00円。注射薬ではヤンセンファーマ株式会社の「ステラーラ皮下注45mgバイアル」が211,919円(新用量・新剤形、小児加算A=10%)、外用薬ではアストラゼネカ株式会社の「ビレーズトリ14.4エアロスフィア」が56吸入1キット4,936.40円、120吸入1キット10,505.00円(規格間調整、小児加算A=5%)となった。

DPCでの高額薬剤判定

総-2では、DPC/PDPSにおける高額な新規医薬品等への対応が示された。新規に薬価収載された医薬品等は診療報酬点数表に反映されないため、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者は包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定とする運用である。判定は個別の診断群分類ごとに行い、前年度に使用実績のない医薬品等については、標準的な使用における薬剤費(併用する医薬品を含む)の見込み額が、使用していない症例の薬剤費の84%tile値を超える場合に対象外とする。

今回の対象は、令和8年8月24日に効能・効果および用法・用量が追加された医薬品、令和8年7月27日に公知申請が受理された医薬品、令和8年10月14日に薬価収載を予定する医薬品等のうち基準に該当するもの。資料には、ブフェニール錠500mg(470.6円)・ブフェニール顆粒94%(871.3円、フェニル酪酸ナトリウム)の診断群分類060270、エムパベリ皮下注1080mg(ペグセタコプラン、488,121円)の診断群分類110280などが挙げられている。参考資料によれば、この「高額薬剤判定」は高額薬剤告示への追加と定義告示への追加の2作業からなり、新薬の薬価収載に合わせて年4回実施されている。

在宅自己注射に2成分を追加する案

総-3では、保険医が投与することができる注射薬(処方箋を交付することができる注射薬)および在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に、セトメラノチド(イムシブリー皮下注10mg)とベピロビルセンナトリウム(ヒブサーゴ皮下注150mgシリンジ)を追加する案が示された。いずれも令和8年8月24日に薬事承認されている。セトメラノチドは必要な在宅療養指導管理材料加算として注入器加算が示され、ベピロビルセンナトリウムは加算なし。ベピロビルセンナトリウムの用法・用量は、成人に1回300mgを投与1週目および2週目は3〜4日毎に週2回、3週目以降は24週目まで週1回皮下注射し、必ず核酸アナログと併用するとされている。

追加の判断は、平成28年8月24日に総会で承認され令和5年8月23日に改正された運用基準に基づく。同基準は、頻回投与または発作時の緊急投与が必要で剤形が注射であること、学会等のガイドライン等で在宅自己注射の診療上の必要性が確認されていること、維持期の投与間隔が概ね4週間以内であること、学会からの要望があることなどを要件としている。

収載と同時に在宅での使い方まで整う構図

今回示された内容は、薬価算定、DPCでの出来高算定の可否、在宅自己注射の可否という3つの論点が、同じ10月14日収載というタイミングで同時に処理されていることを示している。イムシブリー皮下注とヒブサーゴ皮下注は、算定薬価が決まると同時に在宅自己注射の対象候補としても扱われており、高額な注射薬が外来・在宅でどう使われるかが収載時点で制度上整理される形になる。

また、今回の新薬には費用対効果評価(H1・H2)の区分が付いた品目が複数あり、原価計算方式で算定された品目では加算係数が0とされている。革新的新薬薬価維持制度の記載も多くの品目に並ぶ。薬価算定の入口と、収載後の評価・維持の枠組みが一覧上で併記されている点は、今後の価格の動き方を読む際の手がかりとなる。