何が決まったか
株式会社ツムラ(代表取締役社長CEO 加藤照和)は2026年10月28日、2026年5月13日に公表していた2027年3月期第2四半期(中間期)および通期の連結業績予想を修正したと発表した。売上高・各利益段階とも従来予想を上回る水準に引き上げられている。
修正の中身:中間純利益は45.9%の上振れ
中間期(2026年4月1日〜9月30日)の予想は、売上高が従来の1,025億円から1,033億円へ8億円(0.8%)の増額。内訳は国内事業が817億円から839億円へ22億円(2.7%)増える一方、中国事業は208億円から194億円へ14億円(▲6.7%)減る。
利益面の上振れ幅はより大きい。営業利益は172億円から187億円へ15億円(8.7%)増、経常利益は164億円から203億円へ39億円(23.8%)増、親会社株主に帰属する中間純利益は111億円から162億円へ51億円(45.9%)増となる見込み。1株当たり中間純利益は148円90銭から217円36銭に引き上げられた。営業利益の内訳は国内事業が163億円から173億円(6.1%増)、中国事業が9億円から14億円(55.6%増)。前期第2四半期実績は売上高898億97百万円、営業利益171億19百万円、中間純利益124億77百万円、1株当たり166円65銭だった。
通期(2026年4月1日〜2027年3月31日)は、売上高が2,136億円から2,185億円へ49億円(2.3%)の増額。国内事業は1,676億円から1,744億円へ68億円(4.1%)増える一方、中国事業は460億円から441億円へ19億円(▲4.1%)減少する。営業利益は375億円から384億円へ9億円(2.4%)増、経常利益は355億円から364億円へ9億円(2.5%)増、親会社株主に帰属する当期純利益は262億円から293億円へ31億円(11.8%)増。1株当たり当期純利益は351円46銭から393円03銭となる。前期(2026年3月期)実績は売上高1,926億15百万円、営業利益352億19百万円、経常利益400億36百万円、当期純利益281億17百万円だった。
修正の理由は養命酒製造の連結子会社化と特別利益
会社が挙げた理由は大きく二つである。第一に、養命酒製造株式会社の連結子会社化に伴い、負ののれん発生益を特別利益として計上する見込みとなったこと。第二に、当初は下期に計上を予定していた投資有価証券売却益を中間期で計上したことだ。この二つにより、中間純利益が当初予想を大きく上回る見込みとなった。
通期についても、国内事業の増収は「主として養命酒製造の連結子会社化による」と説明されている。営業利益の増額は、この連結子会社化の影響に加え、販管費の見直し等によるものとされる。当期純利益の増額は負ののれん発生益の計上等が要因である。
一方、中国事業は生薬プラットフォームにおける中薬飲片の販売が計画を下回る見込みであることなどから、当初予想を下回る。
なお、今回の業績修正に伴う2027年3月期の配当予想に変更はない。会社は「今後の動向を見定め、変更が生じた場合には速やかに開示する」としている。
この修正が示すもの
上方修正の内訳を見ると、利益の押し上げ要因は性格が分かれる。負ののれん発生益と投資有価証券売却益は特別利益であり、中間純利益の45.9%増という大きな伸びはこれらを含んだ数字である。他方、営業利益段階での増額は連結子会社化の取り込みと販管費の見直しによるもので、通期では9億円、2.4%にとどまる。資料の数字どおりに読めば、通期の経常利益予想364億円は前期実績400億36百万円を下回る水準でもある。
セグメント別では、国内と中国の方向が逆を向いた点が目立つ。国内はM&Aによる上積みで中間期・通期とも増額となったのに対し、中国は中薬飲片の販売が計画に届かず、中間期・通期とも売上高が減額された。ただし中国事業の営業利益は中間期・通期とも増額されており、売上の未達が直ちに損益の悪化につながっているわけではない。会社が示した数字の範囲では、国内における事業領域の拡大と、中国の生薬プラットフォームの進捗という二つの軸が、今期の業績を左右する構図が浮かぶ。
会社は、業績予想は公表日現在で入手可能な情報に基づくものであり、実際の業績は今後さまざまな要因で予想値と異なる可能性があると注記している。