何が公表されたか

アムジェン(NASDAQ: AMGN)は2026年10月27日、カリフォルニア州サウザンドオークス発のプレスリリースで、米国リウマチ学会(ACR)の年次学術集会「ACR Convergence 2026」において、希少疾患を含む自己免疫疾患領域の新たなデータを発表すると明らかにした。中心となるのは、シェーグレン病を対象とした第3相OASIZ-301試験の結果である。

OASIZ-301の結果は、レイトブレイキング演題(Abstract #22)として11月11日午前8時45分から9時00分(米国東部時間)に発表される。

OASIZ-301の数値

OASIZ-301は、中等症から重症の全身性疾患活動性(ESSDAI 5以上)を有するシェーグレン病患者を対象とした、無作為化・二重盲検・プラセボ対照の第3相試験で、被験者数は約621例。主要評価項目は48週時点でのESSDAIスコアのベースラインからの変化である。組み入れ時のESSDAIスコアの平均は10.2だった。

48週時点で、dazodalibepの2つの用法用量(1,500mgを4週ごと、3,000mgを12週ごと)はいずれも、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある全身性疾患活動性の低下を示した。最小二乗平均のベースラインからの変化は、4週ごと投与群が−5.6ポイント(プラセボとの差−1.8、調整後p<0.001)、12週ごと投与群が−5.2ポイント(同−1.4、調整後p=0.010)で、プラセボ群は−3.8ポイントだった。治療効果は投与開始から4週という早期に認められたとしている。

主要な副次評価項目である患者report(自己申告)の乾燥症状でも、4週ごと投与群がプラセボに対し統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。ESSPRIの乾燥スコアは最小二乗平均変化量−2.50(プラセボ−1.33、調整後p<0.001)、DASPRIの乾燥スコアは−1.98(同−1.05、調整後p<0.001)だった。治験下発現有害事象(TEAE)、重篤な有害事象、投与中止に至ったTEAEの発現率は、各治療群で同程度だったとしている。

デューク大学医学部准教授のTeresa K. Tarrant医師は「ESSDAIと自己申告による乾燥症状の両方で速やかな改善が観察されたことは特に励みになる」とコメントしている。

背景と開発プログラム

シェーグレン病は全身に影響しうる自己免疫疾患で、広範な乾燥症状に加え、強い倦怠感、慢性疼痛、主要臓器病変、神経障害、リンパ腫リスクの上昇といった重篤な症状を伴うことがある。リリースによれば、現時点でFDAが承認した治療薬は存在しない。自己免疫性リウマチ性疾患としては2番目に多い疾患でありながら、十分に認識されていないとアムジェンは説明する。

dazodalibepは、T細胞、腺上皮細胞、B細胞、その他の抗原提示細胞の相互作用を遮断するように設計された、first-in-classの可能性があるCD40Lアンタゴニストの融合タンパク質。開発は2つの患者群で進められており、OASIZ-301の中等症~重症の全身性疾患群に加え、全身性疾患活動性は低いが乾燥・倦怠感・疼痛の症状負荷が高い患者群を対象とした第3相OASIZ-303が進行中で、2026年第4四半期に完了予定とされる。OASIZ-301と303の適格被験者を対象とする非盲検長期継続試験OASIZ-304も実施されている。

ポートフォリオ全体の位置づけ

今回の学会発表は、dazodalibep以外にも及ぶ。IgG4関連疾患(IgG4-RD)を対象とした第3相MITIGATE試験の非盲検延長期から、UPLIZNA(イネビリズマブ)の長期安全性と効果持続に関するデータ(Abstract #0177、#1129、#2107)が示される。また、コントロール不良の痛風におけるKRYSTEXXA(ペグロティカーゼ)、ANCA関連血管炎におけるTAVNEOS(アバコパン)の実臨床エビデンスも発表される。演題はいずれも11月8日から10日のポスターセッションに配置されている。

アムジェンのシニア・バイスプレジデント兼チーフ・メディカル・オフィサーであるPaul Burton氏は「治験段階の治療法を前進させ、長期の臨床エビデンスを創出し、実臨床での理解を積み上げることで、複雑で重篤な疾患を抱える患者の大きなアンメットニーズに応えようとしている」と述べている。

承認薬が存在しないシェーグレン病で、約621例規模の第3相試験が主要評価項目と乾燥症状の副次評価項目の双方で有意差を示したことは、この領域の治療選択肢を巡る議論の前提を変えうる。4週ごとと12週ごとという投与間隔の異なる2用法がいずれも有意差を示した点は、実臨床での使い分けを考えるうえでの材料になる。今後はOASIZ-303の結果と、OASIZ-304による長期の安全性・忍容性データが、全体像を判断する次の節目となる。