何が発表されたか
住友ファーマは2026年10月30日、2027年3月期第2四半期(中間期)の連結業績予想と実績との差異、および通期連結業績予想の修正を発表した。中間期は前回予想を上回って着地し、通期予想は売上収益・利益のいずれも引き上げられた。
中間期(2026年4月1日~2026年9月30日)の実績は、売上収益2,664億90百万円、コア営業利益421億23百万円、営業利益422億76百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益382億38百万円、基本的1株当たり中間利益86円48銭となった。
これは2026年7月31日に公表した前回予想(売上収益2,510億円、コア営業利益300億円、営業利益300億円、中間利益260億円、1株当たり58円80銭)に対し、売上収益で154億90百万円(6.2%)、コア営業利益で121億23百万円(40.4%)、営業利益で122億76百万円(40.9%)、中間利益で122億38百万円(47.1%)の増加にあたる。
通期予想の修正内容
通期(2026年4月1日~2027年3月31日)については、2026年5月13日に公表した予想を修正した。
売上収益は5,400億円から5,650億円へ250億円(4.6%)、コア営業利益は910億円から1,050億円へ140億円(15.4%)、営業利益は900億円から1,040億円へ140億円(15.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は770億円から940億円へ170億円(22.1%)の上方修正となった。基本的1株当たり当期利益は172円89銭から211円07銭に見直された。
会社は修正の理由として、米国の売上がジェムテサを中心に計画を上回ることが予想されること、および為替レート前提の変更による増加影響を挙げている。通期の想定為替レート(期中平均為替レート)は、前回発表予想の1米ドル155.0円から157.0円に見直された。
コア営業利益については、増収による売上総利益の増加を見込む一方で、一層の販売拡大に向けた販売関連費用の増加も織り込んだうえでの140億円増としている。
なお、同社の説明によれば、コア営業利益は独自の業績管理指標で、営業利益から減損損失、事業構造改善費用、条件付対価公正価値の変動額などの項目を除外したものである。
中間期が上振れた要因
中間期の上振れ要因として会社が挙げているのは二つだ。一つは、米国における過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」等の売上が好調に推移したこと。もう一つは、為替が想定より円安に推移したことである。この二つにより、売上収益は前回予想を155億円上回った。
利益面では、販売費及び一般管理費と研究開発費が、為替影響を除くと想定をやや下回って推移した。増収と費用の抑制が重なった結果、コア営業利益・営業利益はいずれも40%超の上振れとなり、中間利益の増加率は47.1%と、売上収益の増加率6.2%を大きく上回った。
前期との比較で見えること
参考値として示された前期中間期(2026年3月期中間期)の実績は、売上収益2,271億22百万円、コア営業利益960億84百万円、営業利益961億57百万円、中間利益988億60百万円、1株当たり248円84銭だった。今中間期は売上収益こそ前期中間期を上回ったが、利益水準は前期中間期を下回っている。
通期で見ると、前期実績(2026年3月期)は売上収益4,532億94百万円、コア営業利益1,059億8百万円、営業利益1,073億38百万円、当期利益1,068億65百万円、1株当たり268円99銭。今回修正後の通期予想は、売上収益では前期実績を上回る一方、コア営業利益1,050億円、営業利益1,040億円、当期利益940億円は前期実績の水準に届かない。
意味するところ
今回の修正で確認できるのは、売上の伸びと利益の伸びの関係が前期とは異なる形になっているという点である。売上収益は前期実績比でも前回予想比でも増える見通しだが、利益は前期実績の水準には戻らない。会社は通期のコア営業利益について、増収による売上総利益の増加を見込む一方、一層の販売拡大に向けた販売関連費用の増加も見込むと説明しており、増えた売上の一部が販売関連費用に向かう構図が予想に織り込まれている。
また、上振れ要因として米国事業と為替の双方が挙げられている点も特徴だ。通期の想定レートを1米ドル155.0円から157.0円へ見直したことが売上収益の増加要因の一つとして明示されており、業績予想が為替前提に左右される構造であることがうかがえる。
なお同社は、本リリースに含まれる将来の予測等に関する事項は発表日現在で入手可能な情報による仮定および判断に基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在するため、今後さまざまな要因によって記載内容と大きく異なる結果となる可能性があるとしている。