何が決まったか
Delta-Fly Pharma株式会社(コード:4598、東証グロース、代表取締役社長 江島淸)は2026年11月5日、同社が開発するDFP-10917について、臨床第3相試験と、ベネトクラクスとの併用による臨床第1/2相試験の2演題が、米国血液学会(ASH)2026年年次総会の発表演題として採択されたと公表した。
採択された2演題の内容
1つ目は、DFP-10917の臨床第3相試験である。演題名は「急性骨髄性白血病(AML)の2次、3次または4次救援療法を受ける患者を対象とした、DFP-10917と治験担当医師が選択した非強力または強力再寛解導入療法を比較する無作為化臨床第3相試験」。セッションは「急性骨髄性白血病:治験薬および細胞療法:Poster I」で、発表日時は2026年12月12日17:30~19:30とされている。
2つ目は、DFP-10917とベネトクラクスの併用による臨床第1/2相試験である。演題名は「再発または難治性急性骨髄性白血病(AML)患者を対象としたDFP-10917とベネトクラクスの併用による臨床第1/2相試験」。セッションは「616.急性骨髄性白血病:治験薬および細胞療法:Poster III」で、発表日時は2026年12月14日18:00~20:00となっている。
いずれの演題も、学会のオンラインプログラム上に演題ページ(第3相試験はpid=682760、併用試験はpid=682770)が設けられている。
ASH 2026という場
ASH 2026年年次総会は、2026年12月12日から15日まで、米国ルイジアナ州ニューオーリンズで開催される。同社は資料のなかで、ASHを「血液学分野における世界有数の国際学会」と位置づけている。
今回採択された2演題は、いずれもAML、とりわけ救援療法の段階にある患者、あるいは再発または難治性の患者を対象とした試験である。第3相試験は、DFP-10917を治験担当医師が選択した非強力または強力な再寛解導入療法と比較する無作為化デザインを採っており、対象は2次、3次または4次の救援療法を受ける患者とされている。すでに複数の治療ラインを経た患者を比較対照つきで評価する設計である点が、演題名から読み取れる。
もう一方の併用試験は、DFP-10917を単剤ではなくベネトクラクスと組み合わせたときの第1/2相データを扱う。会社は資料のなかで、今回の2演題の採択について「DFP-10917の単剤療法およびベネトクラクスとの併用療法について、これまでに得られた臨床開発データを国際的な血液学研究コミュニティに発信する重要な機会となる」と説明している。つまり、単剤と併用という2つの開発の筋道を、同じ学会で並べて示す構図になる。
業界にとっての意味
今回の発表は、承認や試験結果そのものの開示ではなく、あくまで学会発表演題として採択されたという段階の情報である。第3相試験と第1/2相試験という開発段階の異なる2本が同一学会で採択されたことは、同社が単剤での後期開発と、併用による適応・使われ方の広がりを探る初期開発を、並行して進めていることを対外的に示す形になる。
実際のデータの中身は、資料では示されていない。評価が可能になるのは、2026年12月12日および14日のポスターセッションで内容が公表された後ということになる。発表日時と演題ページがすでに確定していることから、この2日が同社の臨床開発をめぐる当面の注目点となる。
会社は、DFP-10917の臨床開発を引き続き推進し、再発または難治性急性骨髄性白血病(R/R AML)患者に対する新たな治療選択肢の提供を目指すとしている。R/R AMLは、既存治療で効果が得られなかった、あるいは再発した患者層であり、今回の2演題はいずれもこの領域に焦点を合わせたものである。