増収・営業増益、最終利益は減少

あすか製薬ホールディングス(東証、コード番号4886)は2026年11月4日、2027年3月期第2四半期(中間期、2026年4月1日〜9月30日)の決算短信を公表した。

連結売上高は35,626百万円で前年同期比1.1%増、営業利益は2,740百万円で同3.5%増、経常利益は2,862百万円で同8.5%増となった。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は2,006百万円で同9.6%減となり、1株当たり中間純利益は70円63銭(前年同期は78円49銭)に低下した。

中間連結損益計算書を見ると、売上原価は18,267百万円から18,823百万円に増加し、売上総利益は16,985百万円から16,802百万円へ減少した。これに対して販売費及び一般管理費が14,336百万円から14,062百万円に減少したことで、営業段階では増益を確保した形になっている。経常段階では、営業外費用のうち「その他」が245百万円から93百万円に減り、支払利息も109百万円から93百万円に減少した。

最終利益が減少した背景は、税金等調整前中間純利益より下の部分にある。前年同期は有形固定資産売却益96百万円の特別利益があったのに対し、当中間期の特別利益は0百万円にとどまった。加えて法人税等合計が369百万円から758百万円に増えており、税負担の増加が最終利益の水準を押し下げている。

なお会社は、前連結会計年度に企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2026年3月期第2四半期の数値にはその内容が反映されていると注記している。

セグメントと研究開発の状況

会社は経営成績について、中核事業である医療用医薬品事業とアニマルヘルス事業が堅調に推移したことで増収になったと説明している。

医薬品事業は内科、産婦人科、泌尿器科の3分野に注力しており、薬価改定の影響を受けつつも前年同期比で増加した。製品別では、LH-RH誘導体マイクロカプセル型徐放性製剤「リュープロレリン」が2,222百万円(前年同期比16.5%増)、「リフキシマ」が4,163百万円(同7.3%増)と伸びた。子宮内膜症治療薬「レルミナ」は堅調に推移した一方、月経困難症治療薬は前年同期比6.2%減と減少したとしている。

アニマルヘルス事業は、飼料添加物を中心に売上高が4,125百万円(前年同期比9.6%増)となったが、円安等による飼料添加物の仕入コスト上昇等により、セグメント利益は前年同期比2.2%減となった。海外事業は、ベトナムのHa Tay Pharmaceutical Joint Stock Companyにおける原薬調達の影響などから売上高1,798百万円(同15.7%減)、セグメント利益153百万円(同59.6%減)と落ち込んだ。臨床検査・医療機器等のその他事業は売上高187百万円(同12.9%減)、セグメント利益12百万円だった。

研究開発費の総額は4,365百万円。会社は第3四半期以降について、ARP-022の臨床試験の終了見込みなど、研究開発活動全体が前進する予定だとしている。

自己資本比率65.6%、中間配当は32円

中間期末の総資産は111,882百万円で前連結会計年度末から497百万円減少した。負債合計は31,656百万円へ減少し、長期借入金は8,165百万円から7,394百万円に、短期借入金は3,269百万円から2,520百万円に減った。純資産合計は80,225百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末から3.0ポイント上昇して65.6%となった。自己資本は73,356百万円(前連結会計年度末は70,360百万円)。

キャッシュ・フローは、営業活動で535百万円の収入、投資活動で1,252百万円の支出、財務活動で2,555百万円の支出となり、現金及び現金同等物の中間期末残高は6,859百万円と、前連結会計年度末から3,266百万円減少した。投資活動では関係会社株式の取得による支出1,684百万円があった。

配当は、2027年3月期の第2四半期末が32円00銭(前期同期は27円00銭)。期末予想33円00銭を含めた年間予想は65円00銭で、前期の年間60円00銭から増える。配当予想の修正はない。

通期の連結業績予想は、売上高73,000百万円(前期比2.6%増)、営業利益6,200百万円(同6.3%増)、経常利益6,100百万円(同7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,800百万円(同11.5%減)で、2026年5月11日公表の予想から変更はない。

読みどころは下期の研究開発

中間期の売上高35,626百万円は通期予想73,000百万円のほぼ半分、営業利益2,740百万円も通期予想6,200百万円に対して4割台の進捗であり、会社は予想を据え置いた。増益の中身が売上総利益の増加ではなく販管費の減少によるものである点は、価格面の環境が引き続き厳しいことを示している。

一方で、自己資本比率は65.6%まで上昇し、借入金の返済も進んだ。手元資金は減ったが、その一因は関係会社株式の取得という投資である。研究開発費4,365百万円を計上し、ARP-022の臨床試験終了が見込まれる下期に、収益構造の次の柱をどう示すかが焦点になる。

半期報告書の提出予定日は2026年11月9日、機関投資家・証券アナリスト向けの決算説明会は2026年11月12日に開催される予定。