中間期は増収増益、親会社所有者帰属利益は24.2%増

株式会社JMDC(コード番号4483、東証上場、代表取締役社長兼CEO 野口亮氏)は2026年11月5日、2027年3月期第2四半期(中間期)決算短信と決算説明資料を開示した。対象期間は2026年4月1日から2026年9月30日まで。半期報告書の提出予定日は2026年11月11日で、この中間期決算短信は公認会計士または監査法人のレビューの対象外である。

連結業績は、売上収益27,571百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益4,604百万円(同14.4%増)、税引前利益4,340百万円(同18.7%増)、中間利益2,966百万円(同26.6%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益2,951百万円(同24.2%増)。前年同期はそれぞれ売上収益23,080百万円、営業利益4,025百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益2,376百万円だった。基本的1株当たり中間利益は45円10銭(前年同期36円35銭)、希薄化後は44円72銭(同36円00銭)。

同社が業績評価の指標として用いるEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用)は6,333百万円(同14.6%増)で、EBITDAマージンは23.0%と前年同期の23.9%から低下した。減価償却費及び償却費は1,762百万円(前年同期1,510百万円)に増えている。

ヘルスビッグデータが21.4%増、遠隔医療は利益率が上昇

セグメント別では、ヘルスビッグデータの売上収益が24,152百万円(前年同期比21.4%増)、セグメント利益(セグメントEBITDA)は5,511百万円(同14.8%増)、利益率は22.8%(前年同期24.1%)。同社は健康保険組合等から寄せられたレセプト(入院、外来、調剤)、健診データ、加入者台帳を匿名加工したデータベースを保有し、学術・産業利用を進めている。短信では、取引先健康保険組合等の数が前年同期比で増加し、利活用先である製薬企業および保険会社等との取引額も堅調に推移したと説明している。健康情報プラットフォーム「Pep Up」の発行ID数も拡大を続けたとする。

遠隔医療セグメントは売上収益3,419百万円(同7.3%増)、セグメント利益1,370百万円(同19.0%増)で、利益率は36.2%から40.1%に上昇した。遠隔読影サービスを利用する医療機関数が拡大したことが増収の要因で、画像診断をアシストする人工知能エンジンプラットフォーム「AI-RAD」の機能追加やアジアでの事業展開を本格化するための準備を進めているとしている。調整額はセグメント利益で△548百万円(前年同期△428百万円)。

財政状態とキャッシュ・フロー

中間期末の資産合計は158,611百万円で前連結会計年度末比72百万円の増加。契約資産が2,916百万円、有形固定資産が846百万円増加した一方、営業債権及びその他の債権が6,330百万円減少した。負債合計は73,653百万円(同702百万円減)で、非流動負債の借入金が1,787百万円減った。資本合計は84,957百万円(同774百万円増)、親会社所有者帰属持分比率は53.5%と前連結会計年度末の52.8%から上昇した。のれんは63,029百万円。

現金及び現金同等物は29,104百万円で154百万円の増加。営業活動によるキャッシュ・フローは8,294百万円の収入(前中間期は6,853百万円の収入)、投資活動は3,250百万円の支出(同5,006百万円の支出)、財務活動は4,890百万円の支出(同1,840百万円の収入)だった。財務活動では長期借入金の返済3,161百万円と配当金の支払1,177百万円が主な内訳である。投資活動には連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出727百万円が含まれる。

配当は、2027年3月期の第2四半期末が0円00銭。2026年3月期は期末18円00銭、年間18円00銭だった。2027年3月期の配当予想は記載されておらず、直近に公表されている配当予想からの修正は無としている。

通期予想は据え置き、進捗は売上で45.6%

2027年3月期通期の連結業績予想は、2026年5月8日に公表した数値から変更がない。売上収益60,500百万円(前期比19.9%増)、営業利益11,500百万円(同9.3%増)、税引前利益11,000百万円(同10.4%増)、当期利益7,200百万円(同5.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益7,100百万円(同4.9%増)、基本的1株当たり当期利益108円19銭、EBITDA15,000百万円(同13.8%増)。中間期実績の通期予想に対する進捗率は、売上収益で45.6%、営業利益で40.0%となる。

売上収益の伸び率19.5%に対し、営業利益の伸び率は14.4%で、売上原価(12,914百万円)と販売費及び一般管理費(10,085百万円)がいずれも前年同期から増えている。通期予想でも売上収益19.9%増に対し営業利益は9.3%増と、増収率が増益率を上回る形が置かれたままだ。データ基盤や新規領域への投資が先行する局面にあることを示す数字といえる。

製薬企業にとっての論点は、ヘルスビッグデータ事業の拡大が続いていると会社が明示した点にある。匿名加工されたレセプト・健診データの民間利用は、製薬企業がリアルワールドエビデンスを取得する経路の一つであり、取引先健康保険組合等の数の増加はデータベースの母集団そのものに関わる。遠隔医療セグメントで利益率が40.1%まで上昇した一方、ヘルスビッグデータの利益率が前年同期から低下している点も、今後の収益構成を見るうえでの材料となる。