四半期の数字
Ultragenyx Pharmaceutical(NASDAQ: RARE)は2026年11月3日、9月30日に終了した第3四半期の financial results を公表した。
総売上は173百万ドルで、前年同期の160百万ドルから増加した。製品別では、CRYSVITAが109百万ドル、DOJOLVIが30百万ドル、EVKEEZAが24百万ドル、MEPSEVIIが10百万ドル。EVKEEZAについては、新規の国での上市とアーリーアクセスによる需要増が寄与したと説明している。
営業費用の合計は283百万ドル(うち非現金の株式報酬費用34百万ドル)で、前年同期の331百万ドルから減少した。内訳は売上原価32百万ドル、研究開発費154百万ドル(前年同期216百万ドル)、販売費及び一般管理費97百万ドル。純損失は118百万ドル、1株当たり1.16ドルで、前年同期の180百万ドル・1.81ドルから縮小した。
9カ月累計では、総売上523百万ドル(前年同期466百万ドル)、研究開発費508百万ドル(同547百万ドル)、純損失395百万ドル(同446百万ドル)となっている。
2026年9月30日時点の現金・現金同等物および市場性のある有価証券は401百万ドル。第3四半期の営業活動によるキャッシュ使用額は43百万ドルだった。
通期ガイダンスは据え置いた。2026年の総売上は730百万〜760百万ドル(新製品の上市分を含まない)、CRYSVITAは500百万〜520百万ドル、DOJOLVIは100百万〜110百万ドルとしている。
2つの遺伝子治療承認と、PRV売却で413百万ドル
四半期中に、同社にとって初となる遺伝子治療2品目がFDAの承認を得た。
2026年8月、糖原病Ia型(GSDIa)を対象とするAAV8遺伝子治療GENGLYCOS(pariglasgene brecaparvovec)が、8歳以上の成人および小児患者を対象に迅速承認(accelerated approval)を取得。2026年9月には、サンフィリッポ症候群A型(MPS IIIA)を対象とするAAV9遺伝子治療FAYUVI(rebisufligene etisparvovec)が小児患者向けに標準の本承認を受けた。
同社は両承認に伴い優先審査バウチャー(PRV)をそれぞれ取得し、2026年10月に合計413百万ドルで売却する2件の確定契約を締結した。内訳はGENGLYCOSのPRVが210百万ドル、FAYUVIのPRVが203百万ドル。GENGLYCOS分の売却は先週クローズし、FAYUVI分は今月中のクローズを見込む。両売却からの手取り額は約350百万ドルを予定している。
Emil D. Kakkis社長兼CEOは「1カ月のうちにFDAから2件のBLA承認を受け、初の遺伝子治療の立ち上がりは順調で、需要も伸びている」とコメントしている。
後期開発の完了を区切りに、R&Dを半減させる
費用削減の内容はかなり踏み込んだものだ。同社は人員を約20%削減し、従業員数を約1,000人とする。アンジェルマン症候群を対象としたGTX-102の進行中の全試験はwind-downを完了し、ウィルソン病のUX701は試験目標を達成しなかったとして開発を中止する。不動産面積の縮小を含む全社的な経費削減も行う。
UX701については、Cyprus2+試験の用量設定段階で第4コホートを含む追加データが得られたものの、一部患者で臨床的活性は示したが、「大多数の患者が生化学的レスポンスと標準治療からの離脱を達成する」という第3相移行の基準を満たさなかった。安全性プロファイルは投与された全コホートで良好だったとしている。
これらにより、2027年の研究開発費は350百万ドル未満、SG&Aは375百万ドル未満とする計画で、2027年のR&D費用は2025年比で少なくとも50%削減される見通し。人員削減は2026年末までにおおむね完了し、第4四半期に約25百万ドルの退職金等の一時的な再編費用を計上する見込みだ。
残すR&Dの焦点も明示された。オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症を対象とするDTX301の第3相Enh3ance試験のレスポンダー評価項目データ(2027年上期に取得見込み)、骨形成不全症のUX143(setrusumab)に前進の道があるかの見極め、そして将来のIND取得に向けた初期段階プログラムへの抑制的な投資である。GNEミオパチーのUX016は、患者団体とのベンチャー・フィランソロピー契約により臨床的概念実証まで全額が外部資金でまかなわれる。
意味すること
今回の発表は、後期開発中心の企業から、商業実行と絞り込んだR&Dへと軸足を移す転換の宣言である。希少疾患領域では、承認取得と同時に得られるPRVが実質的な資金調達手段として機能してきたが、Ultragenyxは2件で413百万ドル、手取り約350百万ドルという規模でこれを現金化し、9月末時点401百万ドルの手元資金に上乗せする構図になる。
既存4製品の売上に2つの新規上市が加わる一方で、R&Dを2025年比で半減させる——この両輪によって、同社は2027年通期のGAAPベースでの黒字化と、その後の継続的な収益性を達成できると説明している。開発中止の判断を同時に公表した点も含め、パイプラインの取捨選択を財務目標と明確に結びつけた発表だといえる。