何が起きたか
ノイルイミューン・バイオテック(コード番号:4893、東証グロース市場、代表取締役社長 玉田耕治)は2026年10月5日、同社第14回新株予約権(行使価額修正条項付)に関し、同日付で発行価額の総額1,400,000円の払込みが完了したことを確認したと公表した。この新株予約権は、2026年9月18日付の取締役会で発行が決議されていたもので、今回の開示はその払込完了を知らせる内容である。問合せ先は取締役管理部長兼CFOの永井寛子氏。
募集の内容(数字の確認)
開示された募集の概要は次のとおり。
- 割当日:2026年10月5日
- 発行新株予約権数:100,000個
- 発行価額:新株予約権1個につき14円(総額1,400,000円)
- 潜在株式数:10,000,000株(新株予約権1個につき100株)。上限行使価額はなく、下限行使価額は81円だが、下限行使価額においても潜在株式数は10,000,000株
- 資金調達の額(差引手取概算額):1,349,400,000円
- 当初行使価額:136円
- 募集又は割当方法:岡三証券株式会社を割当先とする第三者割当方式
- 行使期間:割当日の翌銀行営業日(当日を含む)から2028年10月5日まで
行使価額は固定ではない。各行使請求の効力発生日(修正日)の直前取引日における東証の同社普通株式の終値の95%に相当する金額(1円未満の端数切捨て、修正日価額)が、修正日の直前に有効な行使価額を1円以上上回るか下回る場合に、修正日以降その修正日価額へと修正される。ただし、修正後の行使価額が下限行使価額を下回る場合には、行使価額は下限行使価額の81円となる。
なお、資金調達の額は、払込金額の総額に行使に際して出資される財産の価額の合計額を合算し、発行諸費用の概算額を差し引いた金額である。行使に際して出資される財産の価額の合計額は、当初行使価額(発行決議日の直前取引日の東証終値)で全ての新株予約権が行使されたと仮定した場合の金額であり、実際の調達額は行使価額の水準によって増減する。行使期間内に全部または一部が行使されない場合、および同社が取得した新株予約権を消却した場合には、調達額は減少する。
発行体側に置かれた三つの条件
同社は金融商品取引法に基づく募集に係る届出の効力発生後、割当先との間で第三者割当契約を締結している。契約には、①同社が、割当先が新株予約権の全部または一部につき行使することができない期間を指定できること、②新株予約権が残存する限り、割当先の事前の書面による同意なく、契約締結日からその180日後の日までの期間において、株式・新株予約権またはこれらに転換し若しくは取得する権利が付与された証券を発行してはならないこと(ロックアップ)、③新株予約権の譲渡には同社取締役会の決議に基づく承認が必要であること、が含まれる。
意味するもの
今回のスキームは、株価に連動して行使価額が修正される設計である。終値の95%を基準に修正されるため、株価が上がれば1株あたりの払込額が増えて調達額が膨らみ、下がれば減る。開示が示す1,349,400,000円はあくまで当初行使価額136円で全量行使された場合の概算であり、確定額ではない。一方で下限行使価額81円が置かれていることから、株価が大きく下落した局面でも行使価額がそれ以下には下がらない。潜在株式数は行使価額の水準にかかわらず10,000,000株で頭打ちとなり、希薄化の規模そのものは上限が定められている形だ。
発行体が行使不可期間を指定できる条項は、資金需要や株式市況を見ながら行使のタイミングをある程度コントロールする余地を同社に残す。180日間のロックアップは、その間の追加的なエクイティ発行を割当先の同意なしには行えないという制約でもある。
行使期間は2028年10月5日まで。創薬企業にとって開発の進捗と資金の手当てをどう重ね合わせるかは常に課題であり、今回の払込完了は、その原資を確保するための枠組みが始動したことを意味する。実際にいくら入るかは、今後2年間の行使の進み方次第である。